2019年01月27日
出題予測問題<応用栄養学>◎乳児期・離乳の進め方
昨日の問題の解説です。
(2)つわりは、初妊婦より経産婦で多い。
(3)基礎代謝は、妊娠により低下する。
(4)インスリンの感受性が増大する。
(5)血漿フィブリノーゲン値は、増加する。
【解説】正答(5)
(1)誤り。循環血液量は、妊娠前に比べ著しく増加する。
妊娠24〜36週頃には、血漿成分が約40%増加するのに対し、血球成分は約20%の増加であるため、
見かけ上の赤血球数、血色素量、ヘマトクリット値は低下する。
これを生理的貧血という。
(2)誤り。つわりは、妊娠初期にみられる、胸やけ・食欲不振・嗜好の変化などの症状をいい、
経産婦より初産婦で多い。
(3)誤り。基礎代謝は、妊娠により亢進し、妊娠の後期には妊娠前の+20%になる。
(4)誤り。胎盤が産生するホルモンの分泌亢進や体脂肪の増加により、インスリンの抵抗性が増大する。
このホルモンの作用により、胎児へ優先的にグルコースが供給されている。
(2)日本人の食事摂取基準(2015年版)におけるエネルギーの負荷量は、授乳期で最も多い。
(3)葉酸の摂取は、1日当たり1rを超えるべきではないとされている。
(4)βカロテンの過剰摂取により先天奇形が増加する。
(5)妊娠高血圧症候群の場合は、カルシウム付加は必要ない。
【解説】正答(3)
(1)誤り。非妊娠期の体格区分が「やせ」の妊婦では、妊娠中の推奨体重増加量を9〜12sとする。
(2)誤り。日本人の食事摂取基準(2015年版)におけるエネルギーの付加量は、妊娠後期で最も多い。
エネルギーの付加量は、妊娠初期で∔50kcal/日、妊娠中期で∔250kcal/日、妊娠後期で∔450kcal/日、
授乳期で∔350kcal/日である。
(3)正しい。妊娠の1か月以上前から妊娠3か月までの間に葉酸を摂取することにより、
胎児の神経管閉鎖障害の発症リスクを低減することができる。
(4)誤り。ビタミンAは、過剰摂取により先天奇形が増加することが報告されているが、
プロビタミンAであるβ-カロテンの過剰摂取による先天奇形については、報告がなされていない。
(5)誤り。妊娠期には、腸管からのカルシウム吸収率が高まると同時に、
通常より多く取り込まれたカルシウムは母親の尿中排泄量を増加させることから
「日本人の食事摂取基準(2015年版)」においては、
妊娠期・授乳期ともにカルシウムは付加量なしで設定されている。
しかし、妊娠高血圧症候群などの胎盤機能低下がある場合には、
カルシウムの吸収率が増加しないため、カルシウム付加は相当量必要とされている。
(2)吸啜刺激は、プロラクチンの分泌を低下させる。
(3)プロラクチンは、射乳を起こす。
(4)オキシトシンは、子宮筋の収縮を促進する。
(5)母乳は、牛乳に比べ飽和脂肪酸を多く含んでいる。
【解説】正答(4)
(1)誤り。妊娠中に増加した脂肪は、産後3〜6か月で妊娠前の状態に戻すことが望ましい。
(2)誤り。吸啜刺激は、脳下垂体前葉から分泌されるプロラクチンと、
脳下垂体後葉から分泌されるオキシトシンの分泌を促進させる。
(3)誤り。プロラクチンは、乳汁を産生する。
(4)正しい。オキシトシンは、子宮筋の収縮を促進し、子宮を妊娠前の状態に戻すのを助ける。
また、乳腺周囲の筋上皮細胞を収縮させて乳汁の射出を行う。
(5)誤り。母乳は、牛乳に比べ不飽和脂肪酸を多く含んでいる。
飽和脂肪酸は、母乳とり牛乳に多く含まれる。
(2)葉酸
(3)ナトリウム
(4)カルシウム
(5)ヨウ素
【解説】正答(2)、(5)
(1)誤り。妊婦では、トリプトファンーニコチンアミド転換率が、非妊娠時に比べて増大することにより、付加量をまかなっているため、ナイアシンの付加量は設定されていない。
(2)・(5)正しい。妊婦に付加量が設定されている栄養素は、たんぱく質、ビタミンA・B₁・B₂・B₆・
B₁₂、葉酸、ビタミンC、マグネシウム、鉄、亜鉛、銅、ヨウ素、セレンである。
(3)誤り。ナトリウムは通常の食事で十分補えるので、付加量は設定されていない。
(4)誤り。妊娠中は母体の代謝動態が変化し、腸管からのカルシウム吸収率は著しく増加し、
カルシウムは胎児側へ蓄積される。
同時に、通常より多く母体に取り込まれたカルシウムは、母親の尿中排泄量を著しく増加させる。
そのため、付加量は必要がないと判断された。
今日は、「乳幼児・離乳の進め方」の問題です。
特に、離乳の進め方については頻出項目です。
離乳の進め方の表を眺めてしっかり覚えておいてください。
(2)五体由来のIgGは、生後6か月頃消失する。
(3)大泉門は、生後3か月頃に閉鎖する。
(4)不感蒸泄量は、成人に比べ少ない。
(5)アミラーゼの活性は在胎40週頃には成熟している。
(2)離乳開始から1か月を過ぎた頃、離乳食は1日2回にする。
(3)生後7〜8か月頃からは、下でつぶせる固さのものを与える。
(4)フォローアップミルクは、生後9か月から3歳頃まで使用してもよい。
(5)生後12〜18か月頃では、卵の1回当たりの目安量は全卵1個である。
(2)新生児の生理的黄疸は、生後2〜3日で自然に消失していく。
(3)心拍数は、年齢とともに増加していく。
(4)母乳栄養児の腸では、ビフィズス菌が優位である。
(5)乳歯は、生後3〜4か月頃に生え始める。
(2)生後7〜8か月頃から、ごく薄味であれば味付けをしてもよい。
(3)生後9〜11か月頃では、歯茎で噛める硬さを調理形態の目安とする。
(4)生後12〜18か月頃では、全粥90〜軟飯80gを穀類の目安とする。
(5)離乳の完了とは、母乳や育児用ミルクを使用しないことを意味する。
明日解説します。
Q1.妊娠による母体の変化に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。
(1)循環血液量は、妊娠前と比べて変化がみられない。(2)つわりは、初妊婦より経産婦で多い。
(3)基礎代謝は、妊娠により低下する。
(4)インスリンの感受性が増大する。
(5)血漿フィブリノーゲン値は、増加する。
【解説】正答(5)
(1)誤り。循環血液量は、妊娠前に比べ著しく増加する。
妊娠24〜36週頃には、血漿成分が約40%増加するのに対し、血球成分は約20%の増加であるため、
見かけ上の赤血球数、血色素量、ヘマトクリット値は低下する。
これを生理的貧血という。
(2)誤り。つわりは、妊娠初期にみられる、胸やけ・食欲不振・嗜好の変化などの症状をいい、
経産婦より初産婦で多い。
(3)誤り。基礎代謝は、妊娠により亢進し、妊娠の後期には妊娠前の+20%になる。
(4)誤り。胎盤が産生するホルモンの分泌亢進や体脂肪の増加により、インスリンの抵抗性が増大する。
このホルモンの作用により、胎児へ優先的にグルコースが供給されている。
Q2.妊娠期・授乳期の栄養ケアに関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。
(1)非妊娠時の体格区分が「やせ」の妊婦では、妊娠中の推奨体重増加量を7〜12sとする。(2)日本人の食事摂取基準(2015年版)におけるエネルギーの負荷量は、授乳期で最も多い。
(3)葉酸の摂取は、1日当たり1rを超えるべきではないとされている。
(4)βカロテンの過剰摂取により先天奇形が増加する。
(5)妊娠高血圧症候群の場合は、カルシウム付加は必要ない。
【解説】正答(3)
(1)誤り。非妊娠期の体格区分が「やせ」の妊婦では、妊娠中の推奨体重増加量を9〜12sとする。
(2)誤り。日本人の食事摂取基準(2015年版)におけるエネルギーの付加量は、妊娠後期で最も多い。
エネルギーの付加量は、妊娠初期で∔50kcal/日、妊娠中期で∔250kcal/日、妊娠後期で∔450kcal/日、
授乳期で∔350kcal/日である。
(3)正しい。妊娠の1か月以上前から妊娠3か月までの間に葉酸を摂取することにより、
胎児の神経管閉鎖障害の発症リスクを低減することができる。
(4)誤り。ビタミンAは、過剰摂取により先天奇形が増加することが報告されているが、
プロビタミンAであるβ-カロテンの過剰摂取による先天奇形については、報告がなされていない。
(5)誤り。妊娠期には、腸管からのカルシウム吸収率が高まると同時に、
通常より多く取り込まれたカルシウムは母親の尿中排泄量を増加させることから
「日本人の食事摂取基準(2015年版)」においては、
妊娠期・授乳期ともにカルシウムは付加量なしで設定されている。
しかし、妊娠高血圧症候群などの胎盤機能低下がある場合には、
カルシウムの吸収率が増加しないため、カルシウム付加は相当量必要とされている。
Q3.授乳期の生理的特徴に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。
(1)妊娠中に増加した脂肪は、産後8〜10か月で妊娠前の状態に戻すことが望ましい。(2)吸啜刺激は、プロラクチンの分泌を低下させる。
(3)プロラクチンは、射乳を起こす。
(4)オキシトシンは、子宮筋の収縮を促進する。
(5)母乳は、牛乳に比べ飽和脂肪酸を多く含んでいる。
【解説】正答(4)
(1)誤り。妊娠中に増加した脂肪は、産後3〜6か月で妊娠前の状態に戻すことが望ましい。
(2)誤り。吸啜刺激は、脳下垂体前葉から分泌されるプロラクチンと、
脳下垂体後葉から分泌されるオキシトシンの分泌を促進させる。
(3)誤り。プロラクチンは、乳汁を産生する。
(4)正しい。オキシトシンは、子宮筋の収縮を促進し、子宮を妊娠前の状態に戻すのを助ける。
また、乳腺周囲の筋上皮細胞を収縮させて乳汁の射出を行う。
(5)誤り。母乳は、牛乳に比べ不飽和脂肪酸を多く含んでいる。
飽和脂肪酸は、母乳とり牛乳に多く含まれる。
Q4.日本人の食事摂取基準(2015年版)において、妊婦に負荷量が設定されている栄養素である。正しいのはどれか。2つ選べ。
(1)ナイアシン(2)葉酸
(3)ナトリウム
(4)カルシウム
(5)ヨウ素
【解説】正答(2)、(5)
(1)誤り。妊婦では、トリプトファンーニコチンアミド転換率が、非妊娠時に比べて増大することにより、付加量をまかなっているため、ナイアシンの付加量は設定されていない。
(2)・(5)正しい。妊婦に付加量が設定されている栄養素は、たんぱく質、ビタミンA・B₁・B₂・B₆・
B₁₂、葉酸、ビタミンC、マグネシウム、鉄、亜鉛、銅、ヨウ素、セレンである。
(3)誤り。ナトリウムは通常の食事で十分補えるので、付加量は設定されていない。
(4)誤り。妊娠中は母体の代謝動態が変化し、腸管からのカルシウム吸収率は著しく増加し、
カルシウムは胎児側へ蓄積される。
同時に、通常より多く母体に取り込まれたカルシウムは、母親の尿中排泄量を著しく増加させる。
そのため、付加量は必要がないと判断された。
今日は、「乳幼児・離乳の進め方」の問題です。
特に、離乳の進め方については頻出項目です。
離乳の進め方の表を眺めてしっかり覚えておいてください。
Q1.乳児期の生理的特徴に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。
(1)新生児では、ふるえによる熱産生が行われている。(2)五体由来のIgGは、生後6か月頃消失する。
(3)大泉門は、生後3か月頃に閉鎖する。
(4)不感蒸泄量は、成人に比べ少ない。
(5)アミラーゼの活性は在胎40週頃には成熟している。
Q2.離乳の進め方に関する記述である。誤っているのはどれか。1つ選べ。
(1)離乳の開始は、哺乳反射の減弱や消失が認められることが適当である。(2)離乳開始から1か月を過ぎた頃、離乳食は1日2回にする。
(3)生後7〜8か月頃からは、下でつぶせる固さのものを与える。
(4)フォローアップミルクは、生後9か月から3歳頃まで使用してもよい。
(5)生後12〜18か月頃では、卵の1回当たりの目安量は全卵1個である。
Q3.乳幼児の生理的特徴に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。
(1)新生児は出生後、一時的に体重は出生時より15〜20%減少する。(2)新生児の生理的黄疸は、生後2〜3日で自然に消失していく。
(3)心拍数は、年齢とともに増加していく。
(4)母乳栄養児の腸では、ビフィズス菌が優位である。
(5)乳歯は、生後3〜4か月頃に生え始める。
Q4.妊離乳の進め方に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。
(1)生後5〜6か月頃では、スプーンを上唇にこすりつけ離乳食を与える。(2)生後7〜8か月頃から、ごく薄味であれば味付けをしてもよい。
(3)生後9〜11か月頃では、歯茎で噛める硬さを調理形態の目安とする。
(4)生後12〜18か月頃では、全粥90〜軟飯80gを穀類の目安とする。
(5)離乳の完了とは、母乳や育児用ミルクを使用しないことを意味する。
明日解説します。
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