2019年01月23日
出題予測問題<基礎栄養学>◎三大栄養素の食後と食間期の各組織での代謝
昨日の問題の解説です。
(2)膜消化とは、大腸において行われる最終的な消化のことである。
(3)分泌された胆汁中の胆汁酸は、胆嚢で吸収され、再び肝臓へ戻る。
(4)能動輸送では、消化された栄養素は濃度の高い側から低い側へ輸送される。
(5)フルクトースは、促進核酸により小腸上皮細胞内に取り込まれる。
【解説】正答(5)
(1)誤り。生物学的消化とは、大腸での腸内細菌による発酵を伴う消化のことである。
消化酵素による加水分解、酸による分解、アルカリによる中和、
胆汁による乳化などの消化は化学的消化という。
(2)誤り。膜消化とは、小腸上皮細胞の微絨毛膜表面に存在する消化酵素によって行われる
消化のことである。
(3)誤り。十二指腸に分泌された胆汁内の胆汁酸は回腸株で吸収され、門脈を経て肝臓に取り込まれ、
再び胆汁内に分泌される。
これを腸肝循環という。
(4)誤り。能動輸送は、エネルギーを利用して、濃度の低い側から高い側へ物質が輸送される機構である。
一方、濃度の高い側から低い側へ物質が輸送される機構を受動輸送といい、
この場合はエネルギーを必要としない。
(5)正しい。受動輸送の内、輸送担体を必要とするものを促進拡散、必要としないものを単純拡散という。
フルクトースは、小腸上皮細胞の微絨毛膜に存在する輸送担体GLUT5を介し細胞内に促進拡散される。
(2)食事由来のアミノ酸は、リンパ管を経て全身に運ばれる。
(3)グルコースの小腸上皮細胞内への取り込みには、Na⁺が必要である。
(4)脂溶性ビタミンの吸収は、胆汁酸によって抑制される。
(5)葉酸の吸収には、胃液分泌が必要である。
【解説】正答(3)
(1)誤り。たんぱく質は消化された後、アミノ酸、ジペプチド、トリペプチドの形で
小腸上皮細胞に吸収される。
アミノ酸は主としてNa⁺の駆動力を利用して、
ジペプチドとトリペプチドはH⁺の駆動力を利用して小腸上皮細胞内に能動輸送される。
(2)誤り。アミノ酸は、門脈を経て肝臓に運ばれる。
(3)正しい。グルコースとガラクトースは、
小腸上皮細胞の微絨毛膜に存在するNa⁺/D-グルコース共輸送担体(SGLT1)を介して、
輸送能動により細胞内に取り込まれる。
(4)誤り。脂溶性ビタミンの吸収は、胆汁酸によって促進される。
脂溶性栄養素は、胆汁酸塩とともにミセルを形成して小腸上皮細胞に移行し、
微絨毛膜の表面でミセルから抜き出されて吸収される。
(5)誤り。吸収の際に胃液分泌が必要なのはビタミンB₁₂である。
(2)胃酸の分泌は、アセチルコリンによって抑制される。
(3)ガストリンの分泌は、アルコールによって促進される。
(4)ペプシノーゲンの分泌は、GIPによって促進される。
(5)コレシストキニンの分泌は、十二指腸内H⁺濃度の上昇によって促進される。
【解説】正答(3)
(1)誤り。副交感神経が興奮すると、漿液性の多量の唾液分泌が促進される。
(2)誤り。胃液の分泌は、アセチルコリンによって促進される。
胃底部の副交感神経末端から放出されるアセチルコリンは胃底腺の壁細胞に作用し胃酸の分泌を促す。
(3)正しい。アルコール、カフェイン、香辛料などは、ガストリンの分泌を促進し、
胃酸がペプシノーゲンの分泌を促す。
(4)誤り。ペプシノーゲンの分泌は、GIPによって抑制される。
(5)誤り。コレシストキニンの分泌は、十二指腸内のペプチド、アミノ酸、脂肪酸等によって促進される。
(2)小腸上皮細胞のペプチド輸送単体は、H⁺依存性である。
(3)小腸上皮細胞内に取り込まれた中鎖脂肪酸は、リンパ管に移行する。
(4)小腸上皮細胞内に取り込まれたβ-カロテンは、門脈に移行する。
(5)吸収された鉄は、セルロプラスミンと結合して血中を輸送される。
【解説】正答(2)
(1)誤り。グルコース及びガラクトースは、小腸上皮細胞の微絨毛膜に存在する
Na⁺/D-グルコース共輸送担体(SGLT1)と介して、能動輸送で細胞内に取り込まれる。
(2)正しい。小腸における遊離アミノ酸の吸収は、複数の輸送担体により行われる。
この輸送担体にはNa⁺依存性とNa⁺非依存性のものがある。
(3)誤り。小腸上皮細胞内に取り込まれた中鎖脂肪酸は、門脈に移行し、肝臓へと輸送される。
(4)誤り。小腸上皮細胞内に取り込まれたβ-カロテンは、
レチノールへと変換された後、カイロミクロンに取り込まれ、リンパ管に移行する。
(5)誤り。吸収された鉄は、トランスフェリンと結合して血中を輸送される。
セルロプラスミンは、銅輸送たんぱく質である。
(2)真の消化吸収率は、見かけの消化吸収率に比べて低値となる。
(3)見かけの消化吸収率には、シュウ酸との共存により高まる。
(4)カルシウムの吸収率は、シュウ酸との共存により高まる。
(5)ビオチンの吸収率は、アジピンとの共存により高まる。
【解説】正答(3)
(1)誤り。消化吸収率は、摂取栄養素量に対する吸収栄養素量の割合である。
(2)誤り。真の消化吸収率には内因性損失量が考慮されているため、
見かけの消化吸収率に比べて高値となる。
内因性損失量とは、糞便中に排泄される消化液、消化管粘膜の剥離細胞、
腸内細菌などの食事に由来しない成分のことである。
☆真の消化吸収率(%)
=摂取食品中の栄養素量ー(糞便中排泄量ー内因性損失量)/摂取食品中の栄養素量×100
☆見かけの消化吸収率(%)
=摂取食品中の栄養素量ー糞便中排泄量/摂取食品中の栄養素量×100
(3)正しい。(2)の解説参照。
(4)誤り。カルシウムの吸収率は、シュウ酸との共存により低下する。
(5)誤り。ビオチンの吸収率は、アジピンとの共存により低下する。
本日は、「三大栄養素の食後と食間期の各組織での代謝」の問題です。
昨日出題した体内動態と同様、基礎栄養学の山となる項目になります。
基礎栄養学からの問題の抜粋は、昨日と今日の体内動態と代謝のみです。
基礎栄養学からの問題の出題は他の科目に比べて少なめです。
体内動態と代謝を理解すれば基礎栄養学はほぼ理解できたといっても過言ではありません。
必ず出題されますので、しっかりと学習しておきましょう。
(2)エネルギー摂取量が減少すると、たんぱく質の必要量は減少する。
(3)筋たんぱく質の平均半減期は、2〜3週間である。
(4)ロイシンは、筋たんぱく質の分解を促進する。
(5)分岐アミノ酸は、主に小腸で代謝される。
(2)血中の乳酸は、筋肉でグルコースに変換される。
(3)筋肉グリコーゲンの分解は、アドレナリンによって抑制される。
(4)脳は、グルコースを唯一のエネルギーとしている。
(5)赤血球は、ペントースリン酸回路の活性が高い。
(2)心臓は、ケトン体をエネルギー源として利用できる。
(3)ホルモン感受性リパーゼ活性は、インスリンにより亢進する。
(4)HMG‐CoA還元酵素は、コレステロールによってフィードバック調節される。
(5)ステロイドホルモンは、コレステロールから合成される。
(2)食後、脳でのケトン体の利用が亢進する。
(3)空腹時、ホルモン感受性リパーゼ活性が亢進する。
(4)空腹時、脂肪組織への脂肪酸の取り込みが促進する。
(5)空腹時、肝臓でのVLDL合成が亢進する。
明日解説します。
Q1.消化と吸収に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。
(1)生物学的消化とは、消化酵素による加水分解のことである。(2)膜消化とは、大腸において行われる最終的な消化のことである。
(3)分泌された胆汁中の胆汁酸は、胆嚢で吸収され、再び肝臓へ戻る。
(4)能動輸送では、消化された栄養素は濃度の高い側から低い側へ輸送される。
(5)フルクトースは、促進核酸により小腸上皮細胞内に取り込まれる。
【解説】正答(5)
(1)誤り。生物学的消化とは、大腸での腸内細菌による発酵を伴う消化のことである。
消化酵素による加水分解、酸による分解、アルカリによる中和、
胆汁による乳化などの消化は化学的消化という。
(2)誤り。膜消化とは、小腸上皮細胞の微絨毛膜表面に存在する消化酵素によって行われる
消化のことである。
(3)誤り。十二指腸に分泌された胆汁内の胆汁酸は回腸株で吸収され、門脈を経て肝臓に取り込まれ、
再び胆汁内に分泌される。
これを腸肝循環という。
(4)誤り。能動輸送は、エネルギーを利用して、濃度の低い側から高い側へ物質が輸送される機構である。
一方、濃度の高い側から低い側へ物質が輸送される機構を受動輸送といい、
この場合はエネルギーを必要としない。
(5)正しい。受動輸送の内、輸送担体を必要とするものを促進拡散、必要としないものを単純拡散という。
フルクトースは、小腸上皮細胞の微絨毛膜に存在する輸送担体GLUT5を介し細胞内に促進拡散される。
Q2.栄養素の吸収と体内動態に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。
(1)ジペプチドは、そのままの形では小腸上皮細胞に吸収されない。(2)食事由来のアミノ酸は、リンパ管を経て全身に運ばれる。
(3)グルコースの小腸上皮細胞内への取り込みには、Na⁺が必要である。
(4)脂溶性ビタミンの吸収は、胆汁酸によって抑制される。
(5)葉酸の吸収には、胃液分泌が必要である。
【解説】正答(3)
(1)誤り。たんぱく質は消化された後、アミノ酸、ジペプチド、トリペプチドの形で
小腸上皮細胞に吸収される。
アミノ酸は主としてNa⁺の駆動力を利用して、
ジペプチドとトリペプチドはH⁺の駆動力を利用して小腸上皮細胞内に能動輸送される。
(2)誤り。アミノ酸は、門脈を経て肝臓に運ばれる。
(3)正しい。グルコースとガラクトースは、
小腸上皮細胞の微絨毛膜に存在するNa⁺/D-グルコース共輸送担体(SGLT1)を介して、
輸送能動により細胞内に取り込まれる。
(4)誤り。脂溶性ビタミンの吸収は、胆汁酸によって促進される。
脂溶性栄養素は、胆汁酸塩とともにミセルを形成して小腸上皮細胞に移行し、
微絨毛膜の表面でミセルから抜き出されて吸収される。
(5)誤り。吸収の際に胃液分泌が必要なのはビタミンB₁₂である。
Q3.管腔内消化の調整に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。
(1)唾液の分泌は、副交感神経の興奮によって抑制される。(2)胃酸の分泌は、アセチルコリンによって抑制される。
(3)ガストリンの分泌は、アルコールによって促進される。
(4)ペプシノーゲンの分泌は、GIPによって促進される。
(5)コレシストキニンの分泌は、十二指腸内H⁺濃度の上昇によって促進される。
【解説】正答(3)
(1)誤り。副交感神経が興奮すると、漿液性の多量の唾液分泌が促進される。
(2)誤り。胃液の分泌は、アセチルコリンによって促進される。
胃底部の副交感神経末端から放出されるアセチルコリンは胃底腺の壁細胞に作用し胃酸の分泌を促す。
(3)正しい。アルコール、カフェイン、香辛料などは、ガストリンの分泌を促進し、
胃酸がペプシノーゲンの分泌を促す。
(4)誤り。ペプシノーゲンの分泌は、GIPによって抑制される。
(5)誤り。コレシストキニンの分泌は、十二指腸内のペプチド、アミノ酸、脂肪酸等によって促進される。
Q4.栄養素別の消化・吸収に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。
(1)グルコースは、受動輸送で小腸上皮細胞内に取り込まれる。(2)小腸上皮細胞のペプチド輸送単体は、H⁺依存性である。
(3)小腸上皮細胞内に取り込まれた中鎖脂肪酸は、リンパ管に移行する。
(4)小腸上皮細胞内に取り込まれたβ-カロテンは、門脈に移行する。
(5)吸収された鉄は、セルロプラスミンと結合して血中を輸送される。
【解説】正答(2)
(1)誤り。グルコース及びガラクトースは、小腸上皮細胞の微絨毛膜に存在する
Na⁺/D-グルコース共輸送担体(SGLT1)と介して、能動輸送で細胞内に取り込まれる。
(2)正しい。小腸における遊離アミノ酸の吸収は、複数の輸送担体により行われる。
この輸送担体にはNa⁺依存性とNa⁺非依存性のものがある。
(3)誤り。小腸上皮細胞内に取り込まれた中鎖脂肪酸は、門脈に移行し、肝臓へと輸送される。
(4)誤り。小腸上皮細胞内に取り込まれたβ-カロテンは、
レチノールへと変換された後、カイロミクロンに取り込まれ、リンパ管に移行する。
(5)誤り。吸収された鉄は、トランスフェリンと結合して血中を輸送される。
セルロプラスミンは、銅輸送たんぱく質である。
Q5.栄養素の消化吸収率に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。
(1)消化吸収率は、摂取栄養素量に対する体内保留栄養素量の割合である。(2)真の消化吸収率は、見かけの消化吸収率に比べて低値となる。
(3)見かけの消化吸収率には、シュウ酸との共存により高まる。
(4)カルシウムの吸収率は、シュウ酸との共存により高まる。
(5)ビオチンの吸収率は、アジピンとの共存により高まる。
【解説】正答(3)
(1)誤り。消化吸収率は、摂取栄養素量に対する吸収栄養素量の割合である。
(2)誤り。真の消化吸収率には内因性損失量が考慮されているため、
見かけの消化吸収率に比べて高値となる。
内因性損失量とは、糞便中に排泄される消化液、消化管粘膜の剥離細胞、
腸内細菌などの食事に由来しない成分のことである。
☆真の消化吸収率(%)
=摂取食品中の栄養素量ー(糞便中排泄量ー内因性損失量)/摂取食品中の栄養素量×100
☆見かけの消化吸収率(%)
=摂取食品中の栄養素量ー糞便中排泄量/摂取食品中の栄養素量×100
(3)正しい。(2)の解説参照。
(4)誤り。カルシウムの吸収率は、シュウ酸との共存により低下する。
(5)誤り。ビオチンの吸収率は、アジピンとの共存により低下する。
本日は、「三大栄養素の食後と食間期の各組織での代謝」の問題です。
昨日出題した体内動態と同様、基礎栄養学の山となる項目になります。
基礎栄養学からの問題の抜粋は、昨日と今日の体内動態と代謝のみです。
基礎栄養学からの問題の出題は他の科目に比べて少なめです。
体内動態と代謝を理解すれば基礎栄養学はほぼ理解できたといっても過言ではありません。
必ず出題されますので、しっかりと学習しておきましょう。
Q1.たんぱく質・アミノ酸の代謝に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。
(1)食後には、体たんぱく質の合成が促進される。(2)エネルギー摂取量が減少すると、たんぱく質の必要量は減少する。
(3)筋たんぱく質の平均半減期は、2〜3週間である。
(4)ロイシンは、筋たんぱく質の分解を促進する。
(5)分岐アミノ酸は、主に小腸で代謝される。
Q2.脂質の体内代謝に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。
(1)グルコース・アラニン回路によるグルコースの生成は、食後に亢進する。(2)血中の乳酸は、筋肉でグルコースに変換される。
(3)筋肉グリコーゲンの分解は、アドレナリンによって抑制される。
(4)脳は、グルコースを唯一のエネルギーとしている。
(5)赤血球は、ペントースリン酸回路の活性が高い。
Q3.脂質の体内代謝に関する記述である。誤っているのはどれか。1つ選べ。
(1)脂肪組織は、生理活性物質を放出する。(2)心臓は、ケトン体をエネルギー源として利用できる。
(3)ホルモン感受性リパーゼ活性は、インスリンにより亢進する。
(4)HMG‐CoA還元酵素は、コレステロールによってフィードバック調節される。
(5)ステロイドホルモンは、コレステロールから合成される。
Q4.脂質代謝に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。
(1)食後、血中遊離脂肪酸濃度は上昇する。(2)食後、脳でのケトン体の利用が亢進する。
(3)空腹時、ホルモン感受性リパーゼ活性が亢進する。
(4)空腹時、脂肪組織への脂肪酸の取り込みが促進する。
(5)空腹時、肝臓でのVLDL合成が亢進する。
明日解説します。
【このカテゴリーの最新記事】
-
no image
-
no image
-
no image
-
no image
-
no image
この記事へのコメント
コメントを書く
この記事へのトラックバックURL
https://fanblogs.jp/tb/8403974
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。
この記事へのトラックバック