2019年01月24日
出題予測問題<応用栄養学>栄養ケア・マネジメント
昨日の問題の解説です。
(2)エネルギー摂取量が減少すると、たんぱく質の必要量は減少する。
(3)筋たんぱく質の平均半減期は、2〜3週間である。
(4)ロイシンは、筋たんぱく質の分解を促進する。
(5)分岐アミノ酸は、主に小腸で代謝される。
【解説】正答(1)
(1)正しい。食後には、血中アミノ酸濃度の上昇とインスリン作用の両者によって、
体たんぱく質の合成が促進される。
インスリンは、体たんぱく質の合成を促進し、その分解を抑制する。
(2)誤り。エネルギー摂取量が減少すると、たんぱく質がエネルギー源としてより多く利用されるため、
たんぱく質の必要量は増加する。
(3)誤り。筋たんぱく質の平均半減期は約180日である。
(4)誤り。分岐アミノ酸の1つであるロイシンは、筋たんぱく質の合成を促進し、その分解を抑制する。
(5)誤り。分岐アミノ酸は、主に筋肉で代謝される。
小腸においては、分岐アミノ酸代謝酵素の活性が低いため、分岐アミノ酸はほとんど代謝されない。
(2)血中の乳酸は、筋肉でグルコースに変換される。
(3)筋肉グリコーゲンの分解は、アドレナリンによって抑制される。
(4)脳は、グルコースを唯一のエネルギーとしている。
(5)赤血球は、ペントースリン酸回路の活性が高い。
【解説】回答(5)
(1)誤り。グルコース・アラニン回路によるグルコースの生成は、空腹時に亢進する。
空腹時に筋肉たんぱく質の分解により生じたアラニンが、血中に出て肝臓に取り込まれ、
糖新生系でグルコースに変換される。
この新生されたグルコースは、再び筋肉に戻ってエネルギー源として利用される。
この一連の流れをグルコース・アラニン回路といい、
空腹状態において血糖を維持するための回路である。
(2)誤り。血中の乳酸は、肝臓において糖新生系でグルコースに変換される。
この新生されたグルコースは、再び筋肉や赤血球に戻ってエネルギー源として利用される。
この一連の流れをコリ回路という。
(3)誤り。筋肉グリコーゲンの分解は、アドレナリンやノルアドレナリンによって促進される。
(4)誤り。脳は、通常はグルコースのみをエネルギー源としているが、
絶食が長期間続く場合にはケトン体をエネルギー源として利用する。
グルコースを唯一のエネルギー源としているのは赤血球である。
(5)正しい。赤血球は、形態や機能を維持するために大量のNADPHを必要とする。
NADPHはペントースリン酸回路において産生されるため、赤血球ではその活性が高くなっている。
(2)心臓は、ケトン体をエネルギー源として利用できる。
(3)ホルモン感受性リパーゼ活性は、インスリンにより亢進する。
(4)HMG‐CoA還元酵素は、コレステロールによってフィードバック調節される。
(5)ステロイドホルモンは、コレステロールから合成される。
【解説】回答(3)
(1)正しい。脂肪組織は、アディポサイトカインと呼ばれる生理活性物質を放出する。
アディポサイトカインには、代謝を是正する「善玉」と、
生活習慣病を引き起こしたり動脈硬化を促進する「悪玉」の双方がある。
(2)正しい。心臓は、グルコースよりもケトン体や脂肪酸を主なエネルギー源として利用する。
(3)誤り。ホルモン感受性リパーゼ活性は、インスリンにより抑制され、グルカゴン、アドレナリン、
ノルアドレナリンにより亢進する。
エネルギーが不足すると、ホルモン感受性リパーゼ活性が亢進し、
脂肪組織に貯蔵されているトリアシルグリセロールを遊離脂肪酸とグリセロールに分解する。
遊離脂肪酸は、各組織にエネルギー源として供給される。
(4)正しい。コレステロール合成の律速酵素であるHMG-CoA還元酵素は、
最終生成物であるコレステロールによってフィードバック調整される。
すなわち、体内のコレステロール蓄積量が増加すると、HMG-CoA還元酵素の活性が低下して、
コレステロール合成は抑制される。
(5)正しい。コレステロールは、生体膜の校正成分であるとともに、ステロイドホルモン、胆汁酸、
プロビタミンD₃の前駆体でもある。
(2)食後、脳でのケトン体の利用が亢進する。
(3)空腹時、ホルモン感受性リパーゼ活性が亢進する。
(4)空腹時、脂肪組織への脂肪酸の取り込みが促進する。
(5)空腹時、肝臓でのVLDL合成が亢進する。
【解説】正答(3)
(1)誤り。血中遊離脂肪酸濃度が上昇するのは、空腹時である。
これは、空腹時にホルモン感受性リパーゼが活性化され、
脂肪組織に貯蔵されているトリアシルグリセロールが脂肪酸とグリセロールに分解され、
脂肪酸が血中に放出されるためである。
(2)誤り。脳でのケトン体の利用が亢進するのは、空腹時(飢餓時)である。
通常、脳はグルコースとエネルギー源とするが、飢餓時にはケトン体を利用する。
空腹時には、血中遊離脂肪酸のβ酸化が亢進して大量のアセチルCoAが生じる。
(3)正しい。ホルモン感受性リパーゼは、エネルギー源が不足したときに活性が亢進する。
グルカゴン、アドレナリン、ノルアドレナリンは、ホルモン感受性リパーゼを活性化する。
(4)誤り。脂肪組織への脂肪酸の取り込みが促進するのは、食後である。
食後、インスリンの分泌が促進してリポたんぱく質リパーゼが活性化され、
カイロミクロンやVLDL中のトリアシルグリセロールが脂肪酸とグリセロールに分解される。
(5)誤り。肝臓でのVLDL合成が亢進するのは、食後である。
VLDLは、肝臓のトリアシルグリセロールとコレステロールを末梢組織へ運ぶリポたんぱく質で、
食後に合成及び血中への分泌が亢進する。
今日は、「栄養ケア・マネジメント」の問題です。
毎年1問程度出題されます。
難しい内容ではないので、間違ってしまうと勿体ない問題です。
(2)栄養アセスメントの項目には、問診や触診が含まれる。
(3)栄養介入では、栄養状態の判定を行う。
(4)モニタリングとは、栄養ケア計画の軌道修正を行うことである。
(5)評価は、プログラム実施過程中には行わない。
明日解説します。
Q1.たんぱく質・アミノ酸の代謝に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。
(1)食後には、体たんぱく質の合成が促進される。(2)エネルギー摂取量が減少すると、たんぱく質の必要量は減少する。
(3)筋たんぱく質の平均半減期は、2〜3週間である。
(4)ロイシンは、筋たんぱく質の分解を促進する。
(5)分岐アミノ酸は、主に小腸で代謝される。
【解説】正答(1)
(1)正しい。食後には、血中アミノ酸濃度の上昇とインスリン作用の両者によって、
体たんぱく質の合成が促進される。
インスリンは、体たんぱく質の合成を促進し、その分解を抑制する。
(2)誤り。エネルギー摂取量が減少すると、たんぱく質がエネルギー源としてより多く利用されるため、
たんぱく質の必要量は増加する。
(3)誤り。筋たんぱく質の平均半減期は約180日である。
(4)誤り。分岐アミノ酸の1つであるロイシンは、筋たんぱく質の合成を促進し、その分解を抑制する。
(5)誤り。分岐アミノ酸は、主に筋肉で代謝される。
小腸においては、分岐アミノ酸代謝酵素の活性が低いため、分岐アミノ酸はほとんど代謝されない。
Q2.脂質の体内代謝に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。
(1)グルコース・アラニン回路によるグルコースの生成は、食後に亢進する。(2)血中の乳酸は、筋肉でグルコースに変換される。
(3)筋肉グリコーゲンの分解は、アドレナリンによって抑制される。
(4)脳は、グルコースを唯一のエネルギーとしている。
(5)赤血球は、ペントースリン酸回路の活性が高い。
【解説】回答(5)
(1)誤り。グルコース・アラニン回路によるグルコースの生成は、空腹時に亢進する。
空腹時に筋肉たんぱく質の分解により生じたアラニンが、血中に出て肝臓に取り込まれ、
糖新生系でグルコースに変換される。
この新生されたグルコースは、再び筋肉に戻ってエネルギー源として利用される。
この一連の流れをグルコース・アラニン回路といい、
空腹状態において血糖を維持するための回路である。
(2)誤り。血中の乳酸は、肝臓において糖新生系でグルコースに変換される。
この新生されたグルコースは、再び筋肉や赤血球に戻ってエネルギー源として利用される。
この一連の流れをコリ回路という。
(3)誤り。筋肉グリコーゲンの分解は、アドレナリンやノルアドレナリンによって促進される。
(4)誤り。脳は、通常はグルコースのみをエネルギー源としているが、
絶食が長期間続く場合にはケトン体をエネルギー源として利用する。
グルコースを唯一のエネルギー源としているのは赤血球である。
(5)正しい。赤血球は、形態や機能を維持するために大量のNADPHを必要とする。
NADPHはペントースリン酸回路において産生されるため、赤血球ではその活性が高くなっている。
Q3.脂質の体内代謝に関する記述である。誤っているのはどれか。1つ選べ。
(1)脂肪組織は、生理活性物質を放出する。(2)心臓は、ケトン体をエネルギー源として利用できる。
(3)ホルモン感受性リパーゼ活性は、インスリンにより亢進する。
(4)HMG‐CoA還元酵素は、コレステロールによってフィードバック調節される。
(5)ステロイドホルモンは、コレステロールから合成される。
【解説】回答(3)
(1)正しい。脂肪組織は、アディポサイトカインと呼ばれる生理活性物質を放出する。
アディポサイトカインには、代謝を是正する「善玉」と、
生活習慣病を引き起こしたり動脈硬化を促進する「悪玉」の双方がある。
(2)正しい。心臓は、グルコースよりもケトン体や脂肪酸を主なエネルギー源として利用する。
(3)誤り。ホルモン感受性リパーゼ活性は、インスリンにより抑制され、グルカゴン、アドレナリン、
ノルアドレナリンにより亢進する。
エネルギーが不足すると、ホルモン感受性リパーゼ活性が亢進し、
脂肪組織に貯蔵されているトリアシルグリセロールを遊離脂肪酸とグリセロールに分解する。
遊離脂肪酸は、各組織にエネルギー源として供給される。
(4)正しい。コレステロール合成の律速酵素であるHMG-CoA還元酵素は、
最終生成物であるコレステロールによってフィードバック調整される。
すなわち、体内のコレステロール蓄積量が増加すると、HMG-CoA還元酵素の活性が低下して、
コレステロール合成は抑制される。
(5)正しい。コレステロールは、生体膜の校正成分であるとともに、ステロイドホルモン、胆汁酸、
プロビタミンD₃の前駆体でもある。
Q4.脂質代謝に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。
(1)食後、血中遊離脂肪酸濃度は上昇する。(2)食後、脳でのケトン体の利用が亢進する。
(3)空腹時、ホルモン感受性リパーゼ活性が亢進する。
(4)空腹時、脂肪組織への脂肪酸の取り込みが促進する。
(5)空腹時、肝臓でのVLDL合成が亢進する。
【解説】正答(3)
(1)誤り。血中遊離脂肪酸濃度が上昇するのは、空腹時である。
これは、空腹時にホルモン感受性リパーゼが活性化され、
脂肪組織に貯蔵されているトリアシルグリセロールが脂肪酸とグリセロールに分解され、
脂肪酸が血中に放出されるためである。
(2)誤り。脳でのケトン体の利用が亢進するのは、空腹時(飢餓時)である。
通常、脳はグルコースとエネルギー源とするが、飢餓時にはケトン体を利用する。
空腹時には、血中遊離脂肪酸のβ酸化が亢進して大量のアセチルCoAが生じる。
(3)正しい。ホルモン感受性リパーゼは、エネルギー源が不足したときに活性が亢進する。
グルカゴン、アドレナリン、ノルアドレナリンは、ホルモン感受性リパーゼを活性化する。
(4)誤り。脂肪組織への脂肪酸の取り込みが促進するのは、食後である。
食後、インスリンの分泌が促進してリポたんぱく質リパーゼが活性化され、
カイロミクロンやVLDL中のトリアシルグリセロールが脂肪酸とグリセロールに分解される。
(5)誤り。肝臓でのVLDL合成が亢進するのは、食後である。
VLDLは、肝臓のトリアシルグリセロールとコレステロールを末梢組織へ運ぶリポたんぱく質で、
食後に合成及び血中への分泌が亢進する。
今日は、「栄養ケア・マネジメント」の問題です。
毎年1問程度出題されます。
難しい内容ではないので、間違ってしまうと勿体ない問題です。
Q1.栄養ケア・マネジメントに関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。
(1)栄養診断では、栄養リスク者のふるい分けを行う。(2)栄養アセスメントの項目には、問診や触診が含まれる。
(3)栄養介入では、栄養状態の判定を行う。
(4)モニタリングとは、栄養ケア計画の軌道修正を行うことである。
(5)評価は、プログラム実施過程中には行わない。
明日解説します。
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