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2018年06月24日

病院の管理栄養士 〜臨床栄養学の活用〜

国家試験でも出題率が多い臨床栄養学ですが、
病院で勤務する管理栄養士であれば、
国家試験レベルの臨床栄養学では不十分ということになります。

まずは、国家試験でいう、「人体と疾病」と「基礎栄養学」と通して、
人体の仕組みや栄養素の消化吸収の仕組みをしっかり理解しておくと臨床栄養学の理解が深まると思います。

臨床栄養学は私が学生の頃から一番好きな科目で、それもあり病院での勤務を志しました。
臨床栄養学はご存知のこと、それぞれの疾病に応じた栄養管理や栄養指導の方法を学ぶ学問です。
一番管理栄養士として、期待されている疾病は生活習慣病、
その中でも糖尿病については管理栄養士が最も得意とする疾病でしょう。
その他、脂質異常症や高血圧についても食事療法での改善が見込まれる学問なので、
栄養指導依頼が多いですね。
栄養管理の視点からみると、心疾患患者に対する減塩食提供、
肝性脳症患者に対する低たんぱく質食・アミノ酸製剤投与、
嚥下障害のある患者に対する誤嚥予防食提供、
透析患者に対する低たんぱく質・低塩分・低リン・低カリウム・水分制限食提供などなど、
疾患に合わせた栄養管理が必要になってきます。
これは原疾患(入院の原因になる病気)だけでなく、
既往(これまでの病気歴)や現時点での検査値の情報などを全て総括してみて、
適正と思われる食事を提供する必要があります。
そして重要なのは、栄養管理はその患者に対して適切な食事を提供することだけで完結しないことです。
どれだけ素晴らしい栄養計画であっても、患者さんが数口しか摂取しなかったらどうでしょう?
全く意味のない栄養計画になりますね。
入院中の患者さんは食不振であることが多いので、
定期的なモニタリング、ミールラウンドを繰り返して再評価することが重要です。
どうしても疾患に合わせた食事は口に合わないという患者さんであれば、
一度制限食を解除することも有効かもしれませんし、
嗜好に合わせて禁食対応にすることも良いかもしれません。
しかし、その食事を提供し続けることで治療に悪影響を及ぼす可能性もあるかもしれませんね。
その辺の塩梅については、主治医に相談しながら進めていく必要があります。

患者さんへの栄養指導、患者さんへの食事提供は、
全て主治医の指示の元管理栄養士が行うことが義務付けられています。
これは重要なことなので、しっかり覚えておいてくださいね。
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食品会社で勤務しながら、半年間の独学を経て管理栄養士の国家試験に合格。その後、管理栄養士として勤務するために病院へ転職。6年間で3つの病院を経験。現在は、管理栄養士国家試験の参考書の校正や答案添削を行っています。 <取得資格>管理栄養士、栄養教諭、糖尿病療養指導士、病態栄養認定管理栄養士、NST専門療養士
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