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2017年06月04日

入院時食事療養制度

今日は昨日に引き続きお金の話をします。
今日は給食を提供するとどれだけ患者さん(対象者)からお金をもらえるのかという話。

病院の食事は、健康保険制度における入院時食事療養制度によって実施されています。
入院時食事療養制度は「食事は医療の一環として提供されるべきものであり、
それぞれの患者の病状に応じて必要とされる栄養量が与えられ、
食事の質の向上とサービスの改善を目指して行われるべきものである」とされています。

入院時食事療養には(T)と(U)があります。
入院時食事療養(T)を算定できるのは、
食事療養を行う保険医療機関に入院している患者について、
地方厚生(支)局長に届け出て当該基準による食事療養を行った場合です。
入院時食事療養(U)は、入院時食事療養(T)に適応する保健医療機関以外の
保健医療機関に入院している患者について算定できます。

入院時食事療養(T)を算定するにあたっては、常勤の管理栄養士又は栄養士が
食事療養部門の指導者又は責任者となっている必要があり、
患者個々に算定された医師の食事線による食事摂取基準を用いることを原則としています。
入院時食事療養(T)の樹里にうより、さらに特別食かさん、食道加算などの加算ができます。

〇特別食加算:76円/食、1日3食を限度として
医師の食事線に基づき適切な栄養量及び内容を有する入院時食事療養で決められている
特別食を提供した場合に算定できます。

〇食堂加算:50円/日
食堂の面積が病床1床あたり0.5u以上ある場合に算定できます。
他の病棟の入院患者との共用や談話室との兼用は可能です。

〇特別メニューの食事
患者から特別料金の支払いを受ける基本メニュー以外(選択メニューなど)の食事の提供。
そのための準備にかかる追加的費用を患者へ負担してもらいます。
患者へ十分な情報提供(病棟内の見やすい場所への提示など)を行い、
主治医の確認を得る必要があります。

〇検食
医師または管理栄養士、栄養士によって毎食行われ、その所見は検食簿に記入しなければなりません。

〇施設基準(抜粋)
・常勤の管理栄養士または栄養士は入院時食事療養及び入院時生活療養の食事の提供たる
 療養部門の指導者または責任者となっていること
・適切な温度管理がされていること
・提供食数、食事線、献立表、患者入退院簿、食料品消費日計表燈の帳票が整理されていること
・夕食については午後6時以降に提供されていること
・保温・保冷配膳車、保温トレイ、保温食器、食道のいずれかをも用いており、
 適温の食事を提供する体制が整っていること
 電子レンジは認められない

<入院時食事療養の基本構造 (例)>
・入院時食事療養T:640円
・食堂加算:50円
・特別食加算:76円
※標準負担額は360円/食

また、去年の診療報酬改定により、今まで加算とされていた濃厚流動食は非加算となりました。
〇入院時食事療養(T)の施設において、市販の流動食のみを提供する場合は575円/食
〇入院時食事療養(U)の施設において、市販の流動食のみを提供する場合は455円/食

栄養食事指導では点数が多くなりましたが、
食事の方では濃厚流動食が非加算になるなど、
去年の診療報酬では栄養科に関わる大きな改定がなされました。
栄養食事指導を沢山行っている施設であれば今までよりプラスになるでしょうが、
栄養食事指導を積極的に行っておらず、濃厚流動食が多いような療養病院ですと、
今までよりもマイナスになるという現状です。

入院時食事療養も来年の国家試験では狙われる部分かと思いますので、
しっかり覚えておきましょうね。
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食品会社で勤務しながら、半年間の独学を経て管理栄養士の国家試験に合格。その後、管理栄養士として勤務するために病院へ転職。6年間で3つの病院を経験。現在は、管理栄養士国家試験の参考書の校正や答案添削を行っています。 <取得資格>管理栄養士、栄養教諭、糖尿病療養指導士、病態栄養認定管理栄養士、NST専門療養士
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