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2017年06月20日

リハビリ病院での生活D

病院では再び同じような日々。リハビリ室にエアロバイクがあった。PTさんに言ってリハビリ時間外に使わせてもらった。部屋でスクワットなどもした。家に帰った時に持ってきた革靴を履いて、鞄を持って廊下を歩く練習もした。パジャマからスエットに毎日着替えていたものの、その姿で革靴を履いて鞄を持って何往復もしているオジサンは異様な風景だったことだろう。とにかく保護されている病院内で出来るだけの事をやってみた。
でも自分に自信がなかった。満員電車や満員のホームにいる自分が想像できなかった。

頻繁に外食許可を取ってT君たちと飲みに行ったり(もちろんゼロアルコールで)、昼間の外出許可を取って一人で目の前のドーナツ屋へ行ったりした。
許可なしに病院から出てはいけないのだが、病院の裏口出た先の自販機でコーヒーを買うのが日課になった。
タバコを吸わなかったら、缶コーヒーでさえ味が変わったように感じたものだ。
でも、毎日タバコが吸いたくてしかたなかった。

身体の状態はというと、相変わらず左肩の可動域は狭く握力も弱い。左腕は真っ直ぐ前へ上げても180度にはならなかった。右はなんとかふつうに動く。痺れは全くもって変わらなかった。
左脚は力が入れにくく、歩くと地面に足先が引っかかる。意識して足を上げないといけない。右足は痺れがあるが、筋力は回復しているように感じた。
夜に友達たちと外食に行って帰りに全く歩けなくなる(特に左脚が上がらない)ことが何度かあった。固まってしまうのだ。これをPTさんに言うのだが、原因とかは不明で対処はできなかった。
これが後で解るのだが、神経から来る症状。単に筋肉を鍛えれば良いのではなかった。

ある日、OTさんとのリハビリ中に病棟医のA医師が突然現れた。その時のOTさんは、担当ではなく代理の方で、すごく知識のある人だったので真剣にトレーニングをしていた。
A医師が突然言う「3月末で退院していいですよ!」
何それって感じ。
僕は自分の中で決めていた。4月10日に退院しようと。それは、自分の状態…身体的な事、精神的な事を含めて、この日までになんとか“ひとり立ち”するために努力しようという思いでもあった。

真剣なリハビリの最中に10分間以上、その医師は話続けた。
「もう随分回復しているし、これ以上のリハビリは必要ない」「PTにも聞いたが回復している」「カンファランスで決定した」「退院するなら、特別に通院リハビリを認めても良い(この病院は原則、入院者のみのリハビリ)」「個室にずっといるのもお金がかかるでしょう」

その日は色んなことを考えた。一体誰が自分の状態や状況をわかっているのだろう。
もちろん自分だ。
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posted by shigenon at 08:44| Comment(0) | TrackBack(0) | 入院
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2014年クリスマスイブのプレゼントは最悪でした。 「頸髄損傷」というケガなのか病気なのか・・その症状との戦いの記録と現在の日々をアップします。 (2018年4月追加) 不全の頸髄損傷は「健常な人」に見えます。“ふつうに見える”様に努力をしています。が、反面、「もう良くなったんだ」と思われがち。 骨折とは違い、中枢神経の損傷は完全回復はしないという現実。 「健常に見える」「もっと良くなるよう努力する」「もう治っているんでしょ」の狭間で何とか毎日を過ごしています。
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