さて、前回「通信費は固定費です!」なんて記事を書き、通信費はどんどん削減しましょうと訴えてきたのですが、首相さんが指示した「携帯代値下げ」について考えていきます。
前の記事はこちら
https://fanblogs.jp/pechemhlkt1007/archive/5/0
https://fanblogs.jp/pechemhlkt1007/archive/6/0
https://fanblogs.jp/pechemhlkt1007/archive/7/0
首相さんが携帯代を指摘した根拠
生活に必要な支出の傾向を示したグラフを作っているらしく、通信費がどんどん上がっていて、家計の負担になっていると指摘したみたいですね。
私たちの生活様式はここ10年で目まぐるしく変わっていますので、単純に通信費が上がったわけではないと思いますが…
最近色んな方面で支持率下がってることを気にして、票稼ぎでもしたいんだと思います。
大臣が打ち上げた対策3つ
・料金プランの多様化
ライトユーザ向け料金プランを作る等、様々な選択のできるプランを確立したいようです。
・端末販売と通信サービス費の分離による通信サービスの価格競争促進
キャリアは本体と通信サービスどちらも取り扱っているため、乗り換えだけ本体代を安くする等本体代を優遇し、その分通信費で回収するような傾向がありました。これを本体販売と通信サービス販売を分離することで、通信費の価格競争を促進したいようです。
・MVNO促進
格安simに代表されるMVNOをどんどん利用促進して、ユーザに選択肢を増やしたいようです。
桃太郎はどう感じたか
正直、一切賛成できません。一言で言えば、余計なお世話です。
・通信費が下がるということ
安くなる!とだけ聞けば嬉しいですが、1人当たりの通信費を下げることで設備投資にかける費用も減らさざるを得なくなると、通信品質が落ちたり、繋がらないエリアが広がることが考えられます。日本は、島国の特性を活かしていることもあり、高速通信が広いエリアに提供されており、通信品質は先進国でも高い水準です。他国では市街地だけLTE、他は3Gなんてことをよくあるでしょうが、日本国内ではほぼありませんね。平均値が高いので、その分だけ通信費が下がりにくい状態です。また、スマートフォンユーザは月8,000円程度支払っているでしょうが、ケータイ(フィーチャーフォン)を利用中で、メールや待ち受けが主の方々は月2,000円程度しか利用しなかったりします。そして各キャリアのARPU(客単価みたいなもの)は4,300〜4,500円なので、今の現状でスマートフォンのユーザまで単価が下がると、キャリア全体の収益が悪化し、設備維持ができなくなっていきます。それでは困ります。
・料金プランの多様化について
料金プランが増えることで選択肢が増え、皆様に広い選択肢が生まれる!というのは、一見良いことのように思えます。でも、ちょっと想像してみてください。料金プランが多様化したときお得になる人は、自分が携帯電話をどのように使い、月間どのような通話をし、どのような通信をしているかをしっかりと把握している知識のある方だけではないでしょうか。結局は自分がどのような使い方をしているか把握するだけの知識が必要であり、知識のある方だけがお得に利用できるサービスとなりそうです。通話プラン、ISPプラン、高速通信プランがそれぞれ10個ずつ準備されたら、組み合わせは1,000通りになってしまいます。本当に消費者はそんなサービスを求めているでしょうか。それならば、プランの多様化ではなく、無料通話1,000円+ISP+高速通信1GBをセットで月額2,000円!とか、無料通話なし+ISP+メールし放題をセットで800円!とかのほうがはるかに分かりやすいのではないでしょうか?
・端末販売と通信サービス費の分離による通信サービスの価格競争促進
これは基本的に賛成です。私も本体代と通信サービスの提供元は分けたほうがいいと感じています。これで困るのは、メーカーですね。今までであれば、キャリアが販売してくれていますし、キャリアから希望のあった仕様で作ればキャリアが買い取ってくれたので、自ら販促せずとも一定数販売できました。メーカーは端末が売れず、困ってしまうかもしれません。また、日本のキャリアで取り扱っている機種のほとんどは、国際的に見るとハイエンド機ばかりです。また、iPhoneのような、国際的にはとても高価な機種も実質0円で使うことができます。ハイエンド機やiPhoneを2年毎に交換していた方々が、同じだけの機種を維持するには、10万円程度の初期投資が必要です。ミドルエンド機に慣れてしまえばどうということはないかもしれませんが、かえって不満に思う方もいるかもしれません。
・MVNO促進
もし、キャリアの単価が下がれば、MVNOのメリットである低価格を活かしきれず、MVNO事業者は悲鳴をあげるでしょう。MVNOはキャリアから回線の一部帯域を借りてサービスを提供しています。キャリアが高収益を上げているうちは、回線卸額も安いでしょうが、キャリア自体が低価格サービスを生み出し販売を始めたら、MVNOは大きなメリットを失ってしまうでしょう。高品質高価格:キャリア、ある程度の品質で低価格:MVNOの図式は壊れてほしくありません。
桃太郎が望むこと
・キャリアの企業努力による技術革新による新サービス構築、設備投資の終わった旧サービスを低価格で提供
キャリアはどんどん技術革新して新サービスを生み出しましょう。新サービスの利用者は、高い通信料を支払う仕組みにしたらいいと思います。そして、設備投資の終わった旧サービスのみ利用したいユーザには、格安で利用させたらいいと思います。使う設備で使用料を分けたらいいと思います。現状で例えると、LTEを使いたい人はより高額なプランを設定、3GやPHSのみ使う方はより低額なプランを設定したらいいと思います。
・プランは通話、メール、通信込みのセットで一単価のサービスにする
利用者を混乱させるのは、基本プラン加入だけでは通信すら使わせないプランの組み合わせ問題だと思います。ワイモバイルさんのようなセットでいくら!のプランがいいと思います。また、事実虚偽広告のようになってしまっている2年継続契約による割引など止めて、契約期間の定めを撤廃したほうが、よほどユーザに優しいと思います。
・本体販売と通信サービス販売は分ける
言わずもがな、キャリアは通信事業者ですので、本体販売をやめましょう。フィーチャーフォンはともかく、スマートフォンは自作でアプリを入れることすらできます。キャリアのアプリをプリインストールすることにメリットはありません。端末はどこで買っても良くし、使いたい人がキャリアアプリをインストールして使える仕組みにすればいいと思います。
まとめ
一国を預かる方が良く勉強もせず、一つの観点にだけ見やすく作られたデータに踊らされてどうするのでしょうか。もっと前に考えてもらいたいことが山ほどあるものです。(国会議員の給与下げとか増税しないで予算を確保する方法とか各県に割り振る予算の決め方とか電波法というどこぞのテレビ事業者だけが得をする仕組みとか)
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