WOWOWで放映されたロボットアニメ。所謂富野復活3部作の一つ。
所謂白富野という明るい作風とされているが、結構暗い要素が多いのはいつもの事。作画枚数が多めに取られており、動きは滑らか、ただし結構止め絵も多様されている。
OPはメカも含めて全員でダンスを踊っているのが特徴的。
スタッフに何人かゲーム関係者(格ゲーのイラスト関係)がおり、また主人公もゲーマーである。
世界観環境が悪化し、極地に作られたドームポリスに人が移り住んんだ地球。環境回復の後にも利権から極地から人を流出させたがらないシベリア鉄道やロンドンIMAと、そこから暖かい土地へ移り住もうとエクソダスを行うピープルが対立する世界。またピープルも一枚岩ではなく、周囲の流れで不本意ながらエクソダスに参加するものや、本来の先祖の土地にエクソダスできないものもいる。
シベリア鉄道は独自に武力として警備隊を持っているほか、本来なかったはずの警察権も行使するなど、事実上の政府に近い立ち位置になっている。シベリア鉄道には盗賊も出るらしく、本来は警備隊は対盗賊用の組織らしく、鉄道の車両にシルエットマシンを座らせている。
劇中では基本全部の話がシベリアで行われるが、砂漠地帯にもドームポリスがある模様。シベリア鉄道がそこへの輸送も管理しているかは定かではない。
またVRのオンラインゲームが流行しており、主人公のゲイナーはそれがかなり強く、キングの称号を持っていたりする。
あらすじ自然環境が取り返しのつかないほど破壊され、人間がシベリアや砂漠などの極限環境に移り住み、崩壊しかかった自然の回復を待つ世界。すでに自然環境は回復したものの、現在の支配体制のままの方が都合がいい事実上の政府ロンドンIMAおよびシベリア鉄道のせいで、温暖な地域への帰還を止められていた世界。それ故にドームポリスに住むピープルたちは、勝手に先祖の住む土地へ帰還する「エクソダス」の熱が高まっていた、そして数世代前から何度もエクソダスが行われており、シベリア鉄道警備隊との戦闘が繰り返されていた。
少年ゲイナーは長らく引きこもってゲームばかりやっていた。しばらくして学校に行ったものの、あまりにも寝ていないがゆえに授業にも身が入らない。そこに現れたシベリア鉄道警備隊、ゲイナーはエクソダス容疑によって収監されてしまうのだった。
そこで出会った一人の男、ゲイン・ビジョウ、ゲイナーは彼の誘いに乗って脱獄し、さらにゲインとともに1機のオーバーマンを奪う。そしてゲイナーはそのオーバーマンに「キングゲイナー」の名前を与えたのだった、そして持ち主の娘アナを乗っけてそのまま成り行きでシベリア鉄道警備隊と戦い始める。
ところがそこで始まったエクソダス、ゲインはエクソダス請負人だったのである。ゲイナーが住むドームポリスウルグスクから居住ユニット「ヤーパンの天井」が次々と動き出し、ヤーパン(日本)へ向かってエクソダスを始めていくのだった。
気が付いたらゲイナーはエクソダスの片棒を担ぐ形になっていた。ゲイナーはゲームのオーバーマンとほぼ同じ操作性のキングゲイナーを何とか動かすものの、本物の消耗は激しくコックピットで吐いてしまうのだった。そして片棒を担がされたゲイナーはゲインに怒り殴りかかるもあっさりやられてしまう、しかし今度はシベ鉄のオーバーマンラッシュロッドが迫り、ゲイナーはまた流れでラッシュロッドを迎撃、撃退するのだった。ゲイナーは元々エクソダス反対のビラを握らされて両親を暗殺された過去があり、ゆえにエクソダスには乗り気ではない。そのためエクソダスにノリノリな周囲とは軋轢を生み、やる気が起きない、しかしまたラッシュロッドの襲撃があったが、ラッシュロッドは違法技術「オーバースキル」を使ってきたのだった、苦戦する。そしてラッシュロッドはおとりであり、人質のアナ姫を奪い返そうとアデットを送り込んできたがあっさりゲインに撃退され作戦は失敗した。
ヤッサバは再び襲い来るが、今度はエクソダスのための居住ユニットをラッシュロッドのオーバースキルで停止させ、ゲイナーに一騎打ちを挑むが、最終的にゲインの横やりもありラッシュロッドを撃退、ヤッサバは捕虜となる。
ヤッサバは食事を運んできたゲイナーから銃を奪い脱走、そのままある貧しい占い師の少女に匿ってもらい、部下のゲジナンが乗ってきたオーバーマンブラックメールを奪い再びヤーパンの天井に挑むが敗れ、すべてを失ったヤッサバは占い師の少女の提案に乗り、自分もエクソダスをすることにした、しかしヤッサバと少女の行く先に1機のオーバーマンが。
ロンドンIMAのアスハム・ブーンのゴレームであった。アスハムはほぼ私情、妹がゲインと一夜を明かし他あげく子供を作ったことから、でゲインを追っており、エクソダスを止めてゲインを連れ帰るべくヤーパンの天井に挑んできたのだった。それも撃退してヤーパンの天井はヤーパンへと向かって進む、ゲイナーは過去のわだかまりがありながらもヤーパンの天井とエクソダスを続けることになるのだった。
そのうちにシベ鉄の捕虜のアデットがそのままゲイナーの教師としてエクソダスに参加しそのまま戦闘員化したり、最初にエクソダスした人物「アーリーミイヤ」のオーバーマン「ブリュンヒルデ」と戦闘になったり、かつて引きこもってた時のゲーム仲間シンシアにリアルで会いに行ったしながらエクソダスは続いていくのだった…。
登場メカオーバーマンとシルエットマシン(もしくはシルエットエンジン)の2種類がある。オーバーマンはスーパー系よりの特殊能力持ちの機体(ただしだいたい量産されている)、シルエットマシンはリアル系よりのいたってシンプルな戦闘ないし作業用のロボットになっている。
オーバーマンチャックのようなものを開いて中に入る構造の「オーバー」のような特徴を持つメカ。生物的な特徴を持ち、生っぽく、人工筋肉、骨格を持ち人間的な特徴がある。フォトンマットと呼ばれる光の環で飛ぶ。オーバースキルと呼ばれる特殊能力を持っているが、すくなくとも使うのは違法らしい。
キングゲイナー:ゲイナー・サンガ、サラ・コダマ
ゲイナーがゲインとともに強奪したオーバーマン。名前はゲイナーが命名。加速のオーバースキルを持ち、スピードに秀でるほか、分子すらも加速させることで「オーバーフリーズ」「オーバーヒート」などの能力まで使えてしまうなど応用力は高い。
髪の生えたオーバーマンだの鬼のようなオーバーマンだのシベ鉄の隊員からは言われていた。武装はチェーンソーと銃を足したチェーンガン。銃弾はリボルバー式になっておりいちいち手で装填し、予備の弾丸は何やら大量に入るポシェットに格納されている。
ラッシュロッド:ヤッサバ・ジン
ヤーパンの天井を止めるためにヤッサバが持ち出したオーバーマン。劇中初めてオーバースキルを使用したオーバーマンで、本来はオーバースキルは違法らしい。オーバースキルを使ってリ、そのオーバースキルによる時間停止で銃弾からヤーパンの天井、それに空気まで停止させる。
ブラックメール:ヤッサバ・ジン、ゲジナン・タッド
ヤッサバが部下のゲジナンから奪ったオーバーマン。透明化のオーバースキルを持つが、1話で破壊された。
ゴレーム:アスハム・ブーン、ザッキ・ブロンコ
セント・レーガンのオーバーマン、機体硬化のオーバースキルを持つ。量産型らしく結構な数が出てきている。ちなみに1回だけパワーゴレームというパワーコート装着状態で登場しており、パワーゴレームだとかなり外見が違う。1回のみの登場。
アンダーゴレーム:ザッキ・ブロンコ、ケジナン・タッド、エンゲ・ガム、ジャボリ・マリエーラ
ゴレームの下位機種。比較的痩せており、またなぜか座禅による空中浮遊風の飛行を行う。れっきとしたオーバーマンではあり、衝撃のオーバースキル「マッハバンドシェイカー」を使うのだが、いかんせん下っ端用の量産型故なのかいささかパッとしない、複数機登場するがだいたいやられている。
ジンバ:アスハム・ブーン、サラ・コダマ
窃盗のーバースキルを持ちなんでも盗めるオーバーマン。武器を盗める、エンジンも盗める、それどころかパイロットすら盗めるというロボットを強引に戦闘不能にできるというタイマンであればチート性能の持ち主。ただし見た感じ一回に盗める量に限りがあるため、多数の相手であればある程度対処は可能の模様。サラもオーバーデビルに操れていた時期に赤いジンバに搭乗している。
アントリオン:カシマル・バーレ、ケジナン・タッド、エンゲ・ガム
トンネル堀用のシルエットマシンといわれるように、オーバーマンとしての戦闘力は低め。ただしトンネル堀用の性能は高いのでマグマを噴火させて難民を発生させそれをヤーパンの天井に収容させて食料消費量を増加させ、さらにプラネッタのオーバースキルで対立煽りをするという二段構えの作戦に使われた。
プラネッタ:カシマル・バーレ
人の心を伝える「伝心」のオーバースキルを持つ。これを使われると本音駄々洩れ状態になり、結果的に対立をあおることが出来る。
さらに人の心も読むことが出来、敵の動きを読めるためにニュータイプごっこができるためにガチコの狙撃を回避しまくったものの、ゲイナーが心が駄々洩れならばとサラに愛の告白をしまくったため、それがうるさいとオーバースキルを切ってしまい敗北。
デスネッタ:カシマル・バーレ
プラネッタに続きカシマルが乗り込んできたオーバーマン。不安のオーバースキルを持っており、近づくと不安になるという能力がある。そのオーバースキルを使ってガウリを暴走させた。
メックスブルート:ゲジナン・タッド
幻影のオーバースキルを持つ。つまり分身使い。火力は足りないらしくシルエットマシン相手にもあまりダメージが通っていない。
ドミネーター:シンシア・レーン、
変身のオーバースキルを持つ、年度のような体で様々な姿に変形する、普段は水滴のような形で飛んでいる。アーリーオーバーマンということで、4機のアンダーゴレームのマッハバンドシェイカーを食らっても特にダメージを受けた様子もなくあっさり全滅させている。
すくなくとも2機おり、もう1機はキッズ・ムントが乗り込んでキッズの顔そのまんまに変身していた。
ブラック・ドミ
量産型ドミネーター、色が黒い。扱いはあまりよくなくオーバーデビルに凍らされたりとさんざん。
エンペランザ:ゲイン・ビジョウ
ゲインのオーバーマン。ガチコが大破したのち、新しい戦力としてゲインが急遽用意したライフルはガチコのものを使用し、左腕もブリュンヒルデの腕をそのまま使用している。そのためオーバースキルはブリュンヒルデのものと同じ。
エンペランザ(旧)
かつてのゲインのオーバーマン、外見などは一切不明。エンペランザの名前はこれから取った。
オーバーデビル
シベリア鉄道本社アガトの結晶のエネルギー源になっていた。謎の多いオーバーマンであり、独自の意思を持っており、世界をオーバーフリーズさせようとする。ネットの世界に干渉できたり人の心を凍らせて自分の配下に置いたり、さらにゲイナーをオーバーマン化させることすらも可能。
しかし己を取り戻したゲイナーによって破壊され、オーバーフリーズもキングゲイナーのオーバーヒートによって溶かされた。
スパロボKにキングゲイナーが参戦してしまったために、「いやあオーバーデビルは強敵でしたね」という形でミストさん語録としてネタにされている。シルエットマシン戦闘から作業用まで様々な種類がある機械。呼称はシルエットマシンなのかシルエットエンジンなのかはっきりしない。作業用や輸送用としても多数登場するが名前はなく、シルエットマンモスと戦闘用のみに名前がついている。
ガチコ:ゲイン・ビジョウ、ヒューズ・ガウリ
ゲインのシルエットマシン。巨大な腕と大型スナイパーライフルを装備している小型シルエットマシン。
パンサー:サラ・コダマ、ヒューズ・ガウリ、ベロー・コリッシュ
ヤーパンの天井の自警団が使用するシルエットマシン。ライフルおよびシールド、それからハッチに戦車のような固定重機関銃、および背中のスラスターで多少の飛行が可能といういたってシンプルな装備。
ドゴッゾ:アデット・キスラー、ケジナン・タッド、エンゲ・ガム、ジャボリ・マリエーラ
シベリア鉄道警備隊のシルエットマシン。鉄道の護衛用に使われてお降り、鉄道の上に座っている姿が見える。2問の機関銃を装備している。あまり特徴はなく、主に前半のやられメカとして登場する程度。ドーベックが出てくると役割をドーベックに譲ったが、かなり生産されているらしく終盤もちょくちょく登場した。
ドーベック:アデット・キスラー、ケジナン・タッド、エンゲ・ガム、ジャボリ・マリエーラ
ドゴッゾの後継機らしいが、外見は大幅に異なっており、亀甲の下に足が生えているという非人間型のシルエットマシン。耐久力はドゴッゾを圧倒しているようで結構耐える。シルエットマシンを持たないアデット隊に大量に鹵獲されてしまい、アデット隊でも使われた。
シルエットマンモス
ヤーパンの天井を引っ張る大型シルエットマシン。
感想監督が監督なのでかつての作品と比べて明るさを強調される本作ですが、その暗い作品としての正直比較対象がイデオン(とかなのでよく見ると暗い。物語としては過去に暗いものを背負った人間が次の人生を歩もうとする話であり、各キャラ暗い過去を背負っている、ゲイナーなどは引きこもった理由がそもそも親の暗殺であり、その暗殺者サイドの人間に協力する羽目になるというかなり微妙な立場。
各キャラの言動もエゴ丸出しで、ザ富野といった感じのセリフが多く、シリアスを隠すために明るい要素を入れるといういつもの富野作品といえる気がします。
序盤のボスであるヤッサバが最終的に救われたっぽいのがこの作品を最終的に暗くせずに終われた気がします、ヤッサバがあそこで死んでたら暗い作品になってた。