アスペ嫁と苦悩夫の奇妙な冒険

2006年に施行された障害者自立支援法など、国からの支援体制もみられるようになってきた発達障害。
マスコミやテレビの特集などでも取り上げられ、認知の度合いは非常に高くなってきたといえます。

しかし、発達障害の当事者や支援者の生きづらさが未だに改善されていないというのは
どういうことなのでしょうか。個人差はあるにせよ、潜在的に抱えている悩みは計り知れないもの
があります。

認知は高くなっているのに、正しく内容が伝わらないのはなぜなのでしょう。

■マスコミで取り上げられるのはかなり特徴が偏った例

自閉症スペクトラム（アスペルガー症候群）やADHD（注意欠陥多動性障害）などテレビでも取り上げられて
視聴者からすると、面白半分で見てしまうなんていうこともあるでしょう。以前から特集が組まれていることが
多いのが、いわゆる｢片付けられない女｣というパターン。客観的に見るとだらしなく、一緒に生活なんか
したくない！という印象しか受けないかもしれません。しかし、ADHDやADDといえども個人差はかなりあります。
汚部屋のようなレベルですむ人から、ゴミ屋敷化してしまい他人や地域まで迷惑を掛けるような例まで。

マスコミがテレビ番組として取り上げる場合は、視聴率を取るという意識を元に制作をしていますから、
どうしても症状が目覚ましく悪いものやインパクトがあるものになりがちです。そこで初めて発達障害という
言葉を聞いた人からすると、それが発達障害のすべてになるわけです。テレビというのは良くも悪くも、
私たちに潜在的な意識の影響というものを与えてしまいます。たいていの視聴者は疑問に思ってテレビや
新聞を見るというより、どうしても受け身で｢そういうものなんだ｣という知識として沈着させてしまう傾向にあります。

■殺人事件などで精神鑑定があるとでてくることが多い発達障害。



猟奇的な殺人事件、常軌を逸するような殺人事件などが起こると捜査の最中で、
精神鑑定という言葉をよく聞くことがあります。そしておまけとしてついてくるのが、

｢容疑者は精神障害をわずらっており、精神科に通っていた経験がある｣
｢容疑者は幼い頃から発達障害に悩んでいた｣
｢アスペルガー症候群という障害を持っていた｣

そんな風にマスコミから報道されてしまうことがあります。昔よりも賢い消費者が増えたといえども、
マスコミやテレビの力というものは大きいです。

｢殺人者＝発達障害｣
｢犯罪者＝アスペルガー症候群の傾向｣

こういう誤った情報が流れて私たちの潜在的な意識に差別的なものを
植え込まれてしまっていたりします。面白いことに、定型発達の人が殺人事件を
犯したとしても、容疑者は定型発達の人でしたなんていう報道はあり得ません。
本来、公平な報道がされるべきですが、情報に流されて沈着した記憶は根深く残ります。

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