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2023年06月30日

475番:ハリエット嬢(162)


ハリエット嬢(162)
Miss Harriet
Maupassant



−−−−−−−−−−【162】−−−−−−−−−−−−−−−

 Je soignai comme je le pus ses cheveux répandus,
et, de mes mains inhabiles, j' ajustai sur son front
une coiffure nouvelle et singulière.


−−−−−−−−−−−(訳)−−−−−−−−−−−−−−−−

 彼女の散らばっている髪は、何とかうまく手入れをし
てあげました.私の不器用な手で彼女の額の上に新らし
い髪を一風変わってはいたが、作り直してあげました.

 
..−−−−−−−−−−〘語句〙−−−−−−−−−−−−−−−

soignai:(単純過去1単) <soigner (英= take care of)
@世話をする、面倒を見る、手入れする
   A手当をする、看護する、
   ❸(に)念を入れる、気を配る
comme je le pus:何とかうまく
répandus:(形、p.passé/pl) まき散らされた、こぼれた
   < répandre:(他) こぼす、まき散らす
inhabile:[イナビル](形) 不器用な、未熟な、下手な
ajustai:(単純過去1単)
   < ajuster (他) @ [à に]ぴったり合わせる、
   A 調整する、調節する、修整する、
   ❸ (服装などを) 整える、
   ajuster sa coifure / 髪の乱れを直す 
singulier(ière):[サンギュリエ、エール](形) 風変わりな、奇抜な
   特異な、一風変わった、独特の

2023年06月29日

474番:ココット嬢(24)


ココット嬢(24)
Mademoselle Cocotte



−−−−−−−−−−【24】−−−−−−−−−−−−−−−−−

Les maîtres rencontraient à tout moment dans
l' escalier et jusque dans les chambres de petits
roquets jaunes à queue empanchée, des chiens
de chasse, des bouledogues, des loulous rôdeurs
à poil sale, vagabonds sans feu ni lieu, de terre-
neuve énormes qui faisaient fuir les enfants.



..−−−−−−−−−−(訳)−−−−−−−−−−−−−−−−−

主人たちは絶えず階段のところや、さらには部屋の中で
さえ羽根飾りのある尻尾をした黄色い小さな狆や、猟犬
や、ブルドッグ、うろつきまわる不潔な毛のスピッツ、
宿なしの放浪の犬たち、そしてさらに大きなニューファ
ンドランド犬などで、いつも子供たちは逃げ回っていま
した.
 



.−−−−−−−−−−《語句》−−−−−−−−−−−−−−−−

rencontraient:(半過去3複)
   <rencontrer (他) (〜と偶然)出会う
à tout moment:絶えず
roquet:(m) よく吠える子犬、チン(狆) 
empanché(e):(形) 羽根飾りをつけた
de petits roquets jaunes à queue empanchée:
(羽根飾りをつけた尻尾をした小さな狆)
 * 形容詞が複数名詞の前に出ると不定冠詞desはde
jusque dans les chambres:
  部屋の中までも、部屋の中でさえ
jusque は「〜まで」ですが強調されることがありま
  す.とくに場所をいう前置詞つきの名詞の前では
  「〜さえまで」と意味が強調されるのではないかと
  思います.英語でいうとeven into the rooms であっ
  てもはやtill into the rooms よりも強調されています.
bouledogue:[ブルドッグ](m) ブルドッグ 
loulou:(m) スピッツ
rôdeur(euse):(形) うろつく、さまよう
sale:(形) 汚い、汚れた、不潔な
poli:(m) 光沢、艶
poli sale:不潔な光沢?不気味なので訳本を見たところ
   この箇所は「汚い毛」と訳されていました.でも
   poli には「毛」という意味はなく、プロが誤訳を
   するとも考えられません.そこで和仏で「毛」を
   引いたところ、poil とありました.つまり、私め
   の写し間違いという漫画みたいな結末となりまし
   た.自分で自分を怒りました.「間違えたのはおま
   はんじゃ、このアンポンタン〜」あ、アンポンタ
   ンで思い出したがアンポルタンimportant は「重大
   な」という意味.poli とpoilとでは重大な違いです.  
à poil sale:汚い毛をした
sans feu ni lieu:火も場所もなく:おそらく食べ物を焼く
   「火」と寝る「場所」、つまり「宿なし」
vagabond(e):(m/f) 放浪者、浮浪者
sans feu ni lieu:宿なしの
terre-neuve:(m) ニューファンドランド犬
  [黒い長毛の大型犬で、海・河川で人命救助に
   用いられる犬]
énorme:(形) 並はずれた、巨大な
faisaient:(半過去3複) < faire (ここでは使役動詞)
   faire + A(自動詞) + B(自動詞の主語)
AをBさせる
   faire tomber les pommes en secouant les branches
(枝を揺らしてりんごを落とす)
faisaient fuir les enfants:(半過去3複)
 直訳:彼ら(犬たち)はいつも子供たちを逃がしていた.
調整:彼ら(犬たち)のために子供たちはいつも逃げ回
    っていた.
* フランス語は日本語の「理由、原因」に相当する
 語句でも主語にしてしまうので、その主語を
 「〜のために」「〜のおかげで」「〜のせいで」
 などに置き換え、その目的語を主語として訳せば
 自然な日本語ができるでしょう.

2023年06月28日

473番:アルト・ハイデルベルク(141)


アルト・ハイデルベルク(141)
𝕬𝖑𝖙 𝕳𝖊𝖎𝖉𝖊𝖑𝖇𝖊𝖗𝖌


−−−−−−−−−−【141】−−−−−−−−−−−−−−−−−

..............Lutz: Schlafen, schlafen ! (Fährt erschreckt auf.)
.........................Was ist ? (Draußen unten, immer näher kommend,
.........................Wagenrollen, Peitschenknallen, Lachen, Zurufe,
.........................dann Rufe des Prinzen.)

Karl Heinrich: Lutz, heda, Lutz ! (Ein Rütteln an der Haustür.)

.............Lutz: Jawohl ! Sofort !

Karl Heinrich:(draußen). Lutz ! Schließen das Haus auf !

.............Lutz:(aus Fenster). Durchlaucht ?

..........Doktor: Lutz. Den Hausschlüssel !!



−−−−−−−−−−− (訳) −−−−−−−−−−−−−−−−

..........ルッツ: 眠るんだ、ルッツ、眠るんだ! (驚いて跳び起
....................... きる). 何だ? (外の下に段々近づいてくる馬
........................車の鞭音、笑い声、歓呼、そして今度は殿下の
........................呼び声.)
     
..カール・ハインリヒ: ルッツ、おーい、ルッツ!(戸口を揺すぶる音)

........ルッツ: はい、只今!

..カール・ハインリヒ: (外から) ルッツ! 開けてくれ!

.........ルッツ: (窓から顔を出して) 殿下−−!

.............博士: ルッツ、戸口の鍵だ!!



−−−−−−−−−−−《語彙》−−−−−−−−−−−−−−−−

fährt:(3単現) <fahren (自) 行く、走る;
    fahren + 状況補語となる副詞句(前置詞句、分詞句
など) = 急いで〜する、慌てて〜する、あわてて〜
になる
erschreckt auf:(過去分詞) 驚いて跳び起きた
   (分離動詞としては辞書不掲載→ erschreckt + auf
   erschreckt=(驚いて) + auf = (起き上がって)
<erschrecken (他) 驚かせる
   この動詞は自動詞用法のときは、「強変化」をする.
   その3変化は:erschrecken = erschrack = erschrocken
ただし再帰用法のときは弱変化:
sich⁴erschrecken <über et⁴>
Wagenrollen:辞書不掲載語→Wagen(車) + rollen(転がる)
immer näher kommend:(現在分詞) だんだんと近づいてくる
Peitschenknallen:辞書不掲載語→
    eitsche(鞭)+ knallen(鞭などを打ち鳴らす)
draußen unten, Peitschenknallen:窓の外に馬車の鳴らす鞭
  draußen unten, immer näher kommend Peitschenknallen:
窓の外に段々近づいてくる馬車からの鞭を鳴らす音
das Lachen:(同尾式) 笑い声
der Zuruf:(e式) 歓呼、叫び声
der Ruf:(e式) 呼び声、叫び声
heda:(間投詞) he:おい、もし、おーい、
he :(間投詞) おい、
  He Sie da! もし、あなた
He Sie, die Schildkröte, Herr Schildkröte da!
もしもしカメよ、カメさんよ!
Rütteln:(動詞からの転用名詞で中性名詞) <rütteln
rütteln:(自/他) (他)の場合 (A格を) 揺する、揺さぶる
(自)の場合:(an + D格)(を) 揺する、揺さぶる
転用された名詞の場合:揺さぶること、揺さぶる音
  揺さぶる対象には、an (D格支配) を介して連結する;
  ein Rütteln an der Tür. / 戸口を揺さぶること;
 (名詞化により、揺さぶる行為、音、振動などが付随)

472番:ハリエット嬢(161)


ハリエット嬢(161)
Miss Harriet
Maupassant



−−−−−−−−−−【161】−−−−−−−−−−−−−−−

Je lavai sa triste face décomposée. Sous mon
doigt un œil s' ouvrit un peu, qui me regarda de
ce regard pâle, de ce regard froid, de ce regard
terrible des cadavres, qui semble venir de derrière
la vie.


−−−−−−−−−−−(訳)−−−−−−−−−−−−−−−−

 私は彼女の腐敗した悲しそうな顔を洗ってやりました.
洗う指の下で、目が少し開きました.その目は青ざめた
冷えた視線でした.そう、死体があの世から投じてくる
恐ろしい視線で私を見つめていました.
   
 
..−−−−−−−−−−〘語句〙−−−−−−−−−−−−−−−

lavai:(単純過去1単) < laver (他) 洗う、洗濯する
décomposé(e):(p.passé) <décomposer (他) 腐敗させる
regard:(m) 視線、目つき、眼差し
terrible:[テリーブル](形) 恐怖を与える、恐ろしい
cadavre:[カダーヴル](m) 亡骸、死体、屍
venir de derrière la vie:人生を終えたところから来る.
直訳は「生命の背後から来る」
    真意は「この世のものではない(視線)」

2023年06月27日

471番:アルト・ハイデルベルク(140)


アルト・ハイデルベルク(140)
𝕬𝖑𝖙 𝕳𝖊𝖎𝖉𝖊𝖑𝖇𝖊𝖗𝖌



−−−−−−−−−−【140】−−−−−−−−−−−−−−−−−

..............Lutz: Meine liebe Frau Dörffel, es gibt etwas
...........................für einen Mann meines Standes, das
............................schlimmer ist, als alles andere. Wenn
...........................man das feine Gefühl für die Schranken
...........................verliert, welche Stand und Bildung auferlegen.
...........................Es kommt vor, dass ich mit Ihnen und den
...........................anderen Fruen in der Küche sitze und Kaffee
...........................trinke. Weil ich mich aussprechen muss,
..........................weil ich nicht ewig allein sein kann. Ich habe
..........................die Selbstachtung verloren.

....Fr. Dörffel: Ja, freilich, freilich.

..............Lutz: Gehen Sie jetzt. Ich werde versuchen, eine
.............................halbe Stunde .zu schlafen.

....Fr. Dörffel: Die Käthie ist draußen und kocht Kaffee.
............................Will der Herr Lutz schon Kaffee trinken ?

..............Lutz: Nein.

....Fr. Dörffel: (räumt Eimer, Scheuertuch etc. zusammen;
...........................ziemlich umständliche Pause, dann ab).


−−−−−−−−−−− (訳) −−−−−−−−−−−−−−−−

...............ルッツ:ねえ奥さん、私のような立場の人間には、
...............................何よりも具合の悪いことがあるのですよ.
...............................それは身分と教養が課す限界に対する繊
...............................細な感覚を見失う時のことなのです.そ
...............................れは、あなたや他のご婦人たちと一緒に
...............................台所で座ってコーヒーを飲んだりすると
...............................きに生じる感覚麻痺です.私だって腹を
................................割って話したりするんだし、いつまでも
.............................. 一人きりというわけにもいかない.
...............................私の自尊心は無くなり果ててしまったよ.

デルフェル夫人:はい、それはそれは、ごもっともで.

.................ルッツ:ではもう行ってください.半時間ほど
..................................寝てみます.


デルフェル夫人:ケティーが外でコーヒーを立てています
................................わ.ルッツさん、もうコーヒーをお飲み
................................になりますか?

.................ルッツ:いや、いらない.

デルフェル夫人:(バケツ、雑巾などを片付け、まとめる;
.................................なかり長ったらしい間.そしてやっと
.................................退場)



−−−−−−−−−−−《語彙》−−−−−−−−−−−−−−−−

Meine liebe Frau Dörffel:婦人への呼びかけ(親愛なるデル
フェル夫人)一般の人に対する丁寧な呼びかけです.
こうした戯曲ならばGnädige Frau (奥様) と呼びかけ
てもいいかもしれませんが、デルフェル夫人の場合は、
宿の仲居さんなので Meine liebe Frau Dörffel が最上
級の呼びかけだと思います.
schlimmer:(形、比較級) <schlimm @悪い、憂慮すべき、
深刻な、 A 好ましくない、悪い、不都合な、具合の
悪い、困った
das Gefühl:(e式) @感覚、A感情
die Schranke:(弱n) 遮断機、垣、垣根;[複で] 限界、制限
verliert:(3単現) <verlieren (他) 失う、なくす、紛失する
   3変化:verlieren--verlor--verloren
auferlegen, auf/erlegen:(他)(負担、義務などを) 課す
welche:(関係代名詞) 先行詞はdie Schranken「制限」
der Stand:(変e) 身分
die Bildung:(弱en) 教養
vor/kommen:(自/s) 起こる、現れる、生じる
    (場所副詞と共に) 見られる、存在する
die Frau:(弱en) 婦人、女性、女
die Küche:[発音キュッヒェ] (弱n) 台所、調理場
aus/sprechen:(他) 発音する、述べる、話し合う
   sich⁴ aus/sprechen 心中を打ち明ける
ewig:(形、副) 永久(に)の、永遠(に)の
die Selbstachtung:自尊、自敬
räumt :(3単現) <räumen (他) 運び去る、除去する、片付ける
der Eimer:(同尾) バケツ、手桶 
das Scheuertuch:(変er) 雑巾
umständlich:(形) くどくどした、回りくどい

        

−−−−−−−−−≪文法と独文解釈≫−−−−−−−−−−−−−−−−

es gibt etwas für einen Mann meines Standes, das schlimmer ist,
als alles andere.
私のような立場の人間にとっては、他の何にも増して
具合の悪いことがあります.

für einen Mann meines Standes が挿入されていて、分かりに
くいのですが
es gibt etwasの後にはdas schlimmer ist, als alles andere とい
う.関係節がつづいています.つまり、
 es gibt etwas das schlimmer ist, als alles andere.
 「何よりも具合の悪いことがある」
という文に
 für einen Mann meines Standes「私のような立場の人間に
とって」
というフレーズが放り込まれているので、訳すときは挿入
部分を
引っぱり出して訳します.
「私のような立場の人間にとっては」+「何より良くない
ことがある」

文の構造が違うドイツ語は先行詞と関係代名詞の間という
隙間にフレーズが挿入されることがあります.日本語の修
飾関係ではありえないことなので注意が必要です.
しっかり閉めたはずの食器棚に入って来る虫に注意しまし
ょう.これをお邪魔虫と呼びます.
(うそです、ごめんなさい、でも注意しましょう)

今回とは関係ないのですが、挿入といえば、冠詞と名詞
の間にさえも入って来ることがあります.是非ご注意を!

本当にどこにでも入って来る挿入句、挿入文には完全に馴
れきるまで悩まされます.そういえば、天井裏でネコがネ
ズミを追っかけていたことがありました.あいつら、どこ
から入ったのか、不思議でなりません.

脱線ついでに、冠飾句とよばれる挿入の例がありますので
書いておきます.
『独文解釈の研究』(郁文堂)P 4 ~p 5 に
Das Gefühl der Heimat haftet nicht nur an den von der Natur
geschaffen Formen der Landschaft.

単語を書きます.
das Gefühl der Heimat:郷愁
heften:くっつける;an ~ haften 〜にくっついている
schaffen:[強変化]創造する、[弱変化]行なう
die Landschaft:県、近郊、風景

そして冠飾句とよばれるフレーズがこれ:

von der Natur geschaffen

何がすごいといって、den Formen という冠詞と名詞の間
に入って来るのですから、びっくりします.漬物とごは
んの間には、お茶は入ってもチョコレートは入らないだろ
うが、それに似たようなものだ.
漬物冠詞とごはん名詞の間には入るのはお茶形容詞ぐらい
のものだが...

この課の解説によりますと、冠飾句は形容詞として考えれ
ばよいとのことです.(だってそう考えないとおさまりが
つかないものね)
[冠詞 + 形容詞扱いの冠飾句 + 名詞] なのだそうですよ.

とてもお茶とはいえない、どちらかというと抹茶チョコ
みたいな形容詞ですけど、一応この冠飾句は形容詞という
ことでございます.


(訳)郷愁は、風光という、自然によってつくられた形に
密着しているだけではない.

せっかくだから、この続きの文も書いておきます.
nicht nur と呼応する文ですから!

Es setzt zugleich auch alle die vielfältigen Beziehungen
zu den Menschen voraus, die in dem Lande wohnen und
wirken, zu dem, was der Mensch aus diesem Lande gemacht
hat.
.
zugleich:同時に
vielfältig:多種の
die Beziehung zu ~ :〜との関係
voraus/setzen:前提とする
wirken:活動する

(訳)それはまた同時に、その地に住み働いている人々
とか、この土地から人間がつくったこととかに対する、
いっさいのさまざまな関係を前提としているのである.

470番:ハリエット嬢(160)


ハリエット嬢(160)
Miss Harriet
Maupassant



−−−−−−−−−−【160】−−−−−−−−−−−−−−−

Sapeur prononça d' un ton de mépris:
≪ Nom d' un nom, qu' all' est maigre ! ≫
Nous la portâmes dans sa chambre, et comme
les deux femmes ne reparaissaient point, je fis sa
toilette mortuaire avec le valet d' écrie.


−−−−−−−−−−−(訳)−−−−−−−−−−−−−−−−

 サプールが軽蔑した口調で言いました:
 「やれやれ、どこもかしこもガリガリじゃないか!」
私たちは彼女(の亡骸)をその部屋に運んで置きまし
た.二人の宿の女たちはさっぱり姿をみせないものです
から、私と馬丁のサプールとだけで、ハリエットさんの
死化粧をしました.
 
 
..−−−−−−−−−−〘語句〙−−−−−−−−−−−−−−−

prononça:(単純過去3単) < prononcer (他) 発音する
    ❷ (言葉などを)発する、口にする
ton:(m) 口調、語調、話しぶり
mépris:(m) 軽蔑、軽視、無視、無頓着
nom d' un nom que ~:「何てこった、〜だななんて」
toilette:(f) 身づくろい、洗面、化粧
mortuaire:(形) 死の、死者の
faire sa toilette mortuaire:死化粧を施す
valet d'écrie:(m) 厩務員、馬丁


469番:ココット嬢(23)


ココット嬢(23)
Mademoselle Cocotte


−−−−−−−−−−【23】−−−−−−−−−−−−−−−−−

≪ Dans le jour, ils pénétraient jusque dans la mai-
son. C' était une invasion, une plaie, un désastre.

..−−−−−−−−−−(訳)−−−−−−−−−−−−−−−−−

日中には、犬たちは家の中にまで入ってきました.それ
は侵犯であり、災厄であり、災害であった.


.−−−−−−−−−−《語句》−−−−−−−−−−−−−−−−

invasion:[アンヴァズィオン](f) 侵略、侵犯、侵入、乱入
plaie:[プレ](f) @傷、傷口;❷災い、災厄
désastre:[デザーストル](m) 災害、災難、惨事


2023年06月26日

468番:アルト・ハイデルベルク(139)


アルト・ハイデルベルク(139)
𝕬𝖑𝖙 𝕳𝖊𝖎𝖉𝖊𝖑𝖇𝖊𝖗𝖌



−−−−−−−−−−【139】−−−−−−−−−−−−−−−−−


..........Lutz: Ich bin kein Bedienter, verstehen Sie mich ? !
.......................Ich bin kein Lakai. Die Pflichten und Rechte
.......................eines Kammerdieners sind so genau umschrieben.
.......................wie die eines Beamten ! Ein Lakai ist ein Hand-
.......................werker und ein Kammerdiener ein künstler ! Ver-
.......................stehen Sie mich ?

Fr. Dörffel: Freilich, Freilich.

..........Lutz: Schuld an allem ist dieser Mensch, dieser Schul-
.......................meister ! Das geht den ganzen Tag. ≫Holen
.......................Sie mir Kaffee, Lutz !≪ oder ≫Bürsten Sie
.......................mich ab, Lutz !≪ oder ≫Holen Sie Zigarren,
.......................Lutz !≪ Es fehlte nur noch, dass er etwa sagte:
.......................≫Putzen Sie .mir die Stiefel !!≪ Ich wollte, er
......................sagte es ! Es gäbe eine Katastrophe.

Fr. Dörffel: Ja, ja,ja,ja.


−−−−−−−−−−− (訳) −−−−−−−−−−−−−−−−


................ルッツ:私は召使いじゃないんだ、わかっても
................................らえますか?私は下僕でもない.侍従
................................の権利と義務は官吏のように正確に既
................................定されているのです.従僕が手職人とす
.................................れば侍従は芸術家なのです.わかってい
.................................ただけますか?

デルフェル夫人:もちろんですとも、もちろんですとも.

................ルッツ:すべてはあの男のせいだ、あの教師の
.................................責任だ.まる一日この調子だ.「ルッツ、
.................................コーヒーを持ってきてくれ!」 さもな
.................................くば「ルッツ、ブラシをかけてくれ!」
.................................あるいはこうだ、「たばこを持ってきて
.................................くれ、ルッツ!」言わないのはこのセ
.................................リフだけだ:「私の長靴を拭いてくれ!!」
..................................いっそ言ってくれたらいいものを.
..................................そうしたら、悲劇の大詰めが待っているさ.

デルフェル夫人:ええ、ええ、そうですわね、そうですわね.
.


−−−−−−−−−−−《語彙》−−−−−−−−−−−−−−−−

Bedienter:(男性N格) <Bediente (男)(女)(形容詞的変化)
⦅古語⦆召使い、下僕.(der Diener;召使い、
奉公人、使用人)
die Pflicht:(弱en) 義務
das Recht:(e式) 権利、権限; 
doe Rechte der Bürger / 市民の権利
der Kammerdiener:(同尾式) [古語] (王侯、貴人の)
近侍、近従, お付きの者、
(日本の平安時代の内侍に相当する役職)
umschrieben.:(過去分詞) <umschreiben (他) 限定する、
     (権限など⁴の範囲を) 既定する
der Beamte:(弱n) 官吏、公吏、公務員、役人
der Lakai:(弱en) [古] (王侯貴族に仕え、仕着せを
着た召使い、従僕)
der Handwerker:(同尾式) 職人、手職人
der künstler:(同尾式) 芸術家
freilich:(副) もちろん、確かに、いかにも
die Schuld:(弱en) 責任、責め、罪
Die Schuld liegt sn ihm. / その責任は彼にある.
holen:(他) (取りに行って) 持って来る 
ab/bürsten:(他) [ほこりなど⁴を] ブラシで払う
   A[服など⁴に] ブラシをかける 
fehlte:(過去3単) <fehlen (自)
[…3に] 欠けている、足りない、
       不足している 
putzen:(他) きれいにする、そうじする
der Stiefel:(同尾式) 長靴
die Katastrophe:(弱n) 大災害、破局、悲劇の大詰め


467番:ハリエット嬢(159)


ハリエット嬢(159)
Miss Harriet
Maupassant


−−−−−−−−−−【159】−−−−−−−−−−−−−−−

 Sapeur saisit les chevilles, et on la tira de là, la
pauvre et chaste fille, dans la posture la plus
immodeste. La tête était affreuse, noire et déchirée;
et ses longs cheveux gris, tout à fait dénoués, dé-
roulés pour toujours, pendaient, ruisselants et fangeux.


−−−−−−−−−−−(訳)−−−−−−−−−−−−−−−−

サプールは遺体となったハリエットさんの両くるぶしを
掴み、こうして清純派老嬢は井戸の奥から、実にみっと
もない姿で引き上げられました.その顔はおぞましく、
黒く、そして引き裂かれていた.長い白髪の結わえた束
はすべて完全にほどけ、巻き髪もほどけ、いつまでも垂
れ下って泥水をしたたり落としていました.


 
 
..−−−−−−−−−−〘語句〙−−−−−−−−−−−−−−−

cheville:[シュヴィーユ](f) くるぶし(踝)
chaste:(形) 清純な、純潔の、貞節の、汚れのない
posture:(f) (不自然な) 姿勢;
   rester dans une posture inconfortable /
窮屈な姿勢をとり続ける
immodeste:(形) [古風] 慎みのない、不謹慎な;
   あられもない、はしたない
   tenue ommodeste / 大胆な[けばけばしい]服装
affreux(euse):(形) ❶ぞっとするような、恐ろしい
   Aひどく醜い、ひどく嫌な、おぞましい
déchirée:(p.passé/f) < déchirer (他) 引き裂く、破る 
dénoués:(p.passé/pl/m)
   < dénouer (他) (の)結び目を解く
tout à fait:完全に、全く
   Vous avez tout à fait raison. /
   まったくおっしゃる通りです.
   C'est tout à fait inutile. / それは全く無意味だ.
déroulés:(p.passé/pl/m) 巻きがほどけた
   < dérouler (他) (巻いてあるものを)ほどく
pour toujours:永遠に
pendaient:(半過去3複) < pendre (他) つるす、掛ける
   pendre un tableau au mur / 壁に絵を掛ける.
ruisselant(e):(形)[de が] 流れ落ちる、したたり落ちる
   (で)びしょ濡れの、
   front ruisselant de suer / 汗がしたたる顔
   vitres ruisselantes de pluie / 雨が流れ落ちる窓ガラス
fangeux(euse):[ファンジュー、ファンジュ-ズ] (形) [文語]
   泥だらけの、
   eau fangeuse / 泥水
   


..−−−−−−−−−−≪解釈≫−−−−−−−−−−−−−−−

Sapeur saisit les chevilles, et on la tira...
Sapeur で主語を始めているのに、なぜ途中でon に切り
替わったのでしょうか? 自然に考えるならon を置か
ず、そのままSapeur saisit les chevilles, et la tira...でし
ょう.でもわざわざon に切り替えたのは、おそらく主
体のきり代わり効果のためでしょう.映像でたとえると
画面はサプールの顔を映したあと、引き上げられたモノ
に焦点を充てるため、on で主語をぼかしたのでしょう.
つまり、on を用いて行為者を明示せず、サプールが引き
上げて、今度はその引き上げたものが出てきた.映像は
今、la を映しています.変わり果てたハリエットさんで
す.
 このon の効果を文法的に説明しますと、主語明示を
しないことによって、受動的効果が出るのです.
On a encore augmenté le prix de la viande.
(肉の値段がまた上がった)

466番:ココット嬢(22)


ココット嬢(22)
Mademoselle Cocotte



−−−−−−−−−−【22】−−−−−−−−−−−−−−−−−

Et ils hurlaient des nuits entières autour de bâtiment
où logeait leur amie, sans que rien les décidât à
s' en aller.

..−−−−−−−−−−(訳)−−−−−−−−−−−−−−−−−

そして雄犬たちは毎晩夜通し、この雌犬の住んでいる建
物の周りで遠吠えするのでした.犬たちは何をされても
全然立ち去ろうとはしませんでした.


.−−−−−−−−−−《語句》−−−−−−−−−−−−−−−−

hurlaient:(半過去3複) hurler [ユルレ](自) 吠える;
    (犬、狼が)遠吠えする、(人が)わめく 
décidât:(接続法半過去3単) < décider (他) 決心させる
   décider à + 不定詞:〜することを決心させる
   rien が主語になっていますので、犬が決心したの
   ではなく、rien が犬たちを全然離れない決心をさ
   せました.rien は「何が何でも」「何があっても」
s'en aller:立ち去る


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はじめまして.ゴタぴょんと申します.通訳ガイド(英語)をしております.というかしていました.コロナの影響で現在仕事はありません.毎日ヒマなので、語学学習をしております.学習したノートを公開しますので、どうぞ、ご一緒に!
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