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2023年04月18日

174番: アルト・ハイデルベルク(77)


アルト・ハイデルベルク(77)


−−−−−−−−−【77】−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

  Die Musikanten (stimmen die Instrumente).

Fr. Rüder: 's ischt bei kein andern Wirth in Heidelberg, daß sie
...................einen leibhaftigen Prinz fürs Semester zur Miethe bekomme.

Fr. Dörffel: Bei kein andern.

.....Rüder: Descht koi Frag*.−−Wo ischt die Käthie ?

Fr. Rüder: Käthie !

.....Rüder: Sie soll helfa kommen. 's ischt alles drunter und drüber.

Fr. Rüder:.(ruft). Käthie ! Sollscht helfa komma !

.....Rüder: Es müsse die Tische naus geschafft werde. 's ischt
.................nix geschafft !

Fr. Rüder:(ruft). Käthie !


−−−−−−−−−−(訳)−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

  楽団員たち、楽器の音合わせをしている.

リューダー夫人:公子殿下さまご自身にお部屋をお貸しする
     宿屋の主人は、ハイデルベルクで他にはありませ
     んわよ.

デルフェル夫人:他にはありませんわね.

リューダー:それは今はどうでもいいよ、ケティはどこに
      いる?

リューダー夫人:ケティ!

リューダー:ケティに手伝いに来させなくっちゃ. 
      もう全く、てんやわんやだ.

リューダー夫人:(叫ぶ)ケティ!来て手伝ってくれないと
     だめよ.

リューダー:このテーブルは全部向こうへ出さないと.
...................ああ、何も手つかずだ.

リューダー夫人:(叫ぶ)ケティ!


−−−−−−−− 《語彙》−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

der Musikant {_en/_en}楽士、
stimmen [楽] 音を合わせる、(楽器を)調律する
leibhaftig (形)<述なし> 肉体をそなえた、
  人間の姿をした、この世に現れた、化身の
  権化の、 A 実際の、本当の
Miethe < Miete → die Miete {_/_n @ 賃貸料}
A 賃貸借(契約)賃貸しと賃借りの両方の意味が
   ある.したがって連用する動詞も
  et⁴ zur Miete geben 〜を賃貸しする
et⁴ zur Miete bekommen 〜を賃貸しする
    二通り生まれる
尚、bekommenが使われているのは
(賃貸契約を)「得る」という点に立脚している
  ものと思います.

Es ist bei kein andern Wirt daß sie
einen Prinz zur Miete bekommen. 
王子と賃貸契約するところは
他の宿主においてはありません.
* daß以下が実際の主語,
 beiは「〜のところで」(3格支配ですが方言のせいか
 格語尾は脱落しています. なので私と同じ独検準備の方
 は元の型、keinem andern Wirt, もしくは keinen andern
 Wirten を想像してみましょう.)
*Descht koi Frag これも、南部のなまり言葉のようです.
 おそらくDas ist keine Frage. / それは問題ではない.
 の南部なまりかと思われます.訳出もそうしました.
drunter (南部、オーストリア) → darunter その下に
drüber (南部、オーストリア) → darüber その上に
's ischt alles drunter und drüber. →
Das ist alles darunter und darüber.
      上に下にの大騒ぎだ.
          ↓
Es geht alles darunter und darüber.
      大混乱に陥っている.
naus (南ドイツ)→hinnaus (こちらの内から)外へ
nix = nichts
geschafft (過去分詞)< schaffen (他) @〜を運ぶ
   A (一定期限内に) 成し遂げる、やってのける
    成就する
    schaffen schaffte geschafft
  B 創造する
  この動詞は B「創造する」の意味の時は
   schaffen schuf geschaffen
der Tisch {_(e)s/_e} 机、テーブル


−−−−−−−−−≪ひとこと≫−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
   
 きょうは(そしてもしかしたら、この先ずっと)方言
がぎっしりです.
私はこの地に行った経験がないので、間違っているかも
 知れませんが、おそらく作者はこうした方言で、南部
 の人間の陽気さを演出させようとしたものと思います.

この物語の書きおこしは、冷たい石の城の中でした.
 第二幕は、明るい南部の陽気さにうって変わります.

 それとええかげんな事を述べるついでに申し上げますと、
 ゲルマン語系の言葉は、南へ行くほど、語尾が脱落退化
 しているような気がします. 北へ行くほど、語尾保存が 
 しっかりしていて、アイスランド語などは、ゲルマン語
 の語尾をしっかり残していると聞いたことがあります.
(よく知らないのに発言してすみません.)
よく知らないついでに、もうひとこと:
 これを言語の冷凍保存の法則と言うのはいかがでしょう.

173番: ハリエット嬢(97)


ハリエット嬢(97)
Miss Harriet
Maupassant


.−−−−−−−−−【97】−−−−−−−−−−−−−−

 Il est certain que la vue d' une chienne allai-
tant, d' une jument courant dans un pré avec son
poulain dans les jambes, d' un nid d' oiseau plein
de petits, piaillant, le bec ouvert, la tête énorme,
le corps tout nu, la faisait palpiter d' une émotion
exagérée.


...−−−−−−−−−(訳)−−−−−−−−−−−−−−−

 授乳する雌犬を見て、我が子馬を足もとにおいて草原
を駆ける雌馬を見て、体に毛のまだ生えていない頭でっ
かちの雛が口を大きく開けてピヨピヨ鳴いている巣を見
て、ハリエットさんが誇張した感動で胸を高ぶらせたの
は確かなことでした.




.−−−−−−−−−〘語句〙−−−−−−−−−−−−−−

vue:(f) @ 視覚、視力、目; A 見ること;
    B 視線、まなざし; C 見晴らし、眺め;
   D 景観; E 見方、見解
chienne:(f) 雌犬 <chien (m) 犬
allaitant:<allaiter (他) 授乳する
courant:(現在分詞) courir (自) 走る
pré:(m) 牧場、草地
poulain:[プラン](m) 子馬
dans les jambes:足もとに、すぐそばに
avec son poulain dans les jambes*:
    自分の子馬を足もとに置いて
nid:(m) 巣;
petits:(複数) 雛たち<petit (m) 雛
piaillant:(現在分詞) 
   <piailler [ピヤイエ](自)(小鳥が)さえずる 
bec:(m) 鳥のくちばし
tête:(f) 頭、首、顔
énorme:(形) 並はずれた、巨大な、
corps:[コール](m) からだ、身体、胴体
nu(e):[ニュ] はだかの、
faisait:
palpiter:(自) @ぴくぴく動く、痙攣する;
      C動悸を打つ、高鳴る;
  B [de で]震える、おののく、興奮する
émotion:(f) 感動、気持ちの高ぶり
exagéré(e):(形).誇張した、大げさな



−−−−−−−−−≪文法≫−−−−−−−−−−−−−−

*) avec son poulain dans les jambes
単に2つの前置詞句の並列ではなく、両者は副文構造を
作っていて、「avec ~ :〜を」「dans ~ :〜にして」
つまり「目的語」+「処理方法」の関係になっています.
中国語でいう、述補構造(述語+補語)を取っています.
中国語が出たついでに言えば、「把」を使うところかも
知れません.{把}+{処理するもの}+{処理結果}
 翻訳機が「脚の中の子馬」と訳しているうちは、
まだまだ通訳・翻訳の仕事はありますから、希望をもっ
て学びましょう.


−−−−−−−−−≪文構造≫−−−−−−−−−−−−−−

@ Il est certain que ~ :〜以下は確かなことです.
A la vue de ~:de 以下を見たこと
B la vue la faisait palpiter:見たことが彼女の胸を震わせた
la =ハリエットさんを
faisait (使役動詞)ハリエットさんを〜させていた
〜=palpiter =胸を躍らせる
(de 以下を)見たことがハリエットさんの胸を躍ら
せていたことは確かなことなのです.

C  d' une émotion exagérée:大げさな感動で

@+A+B+C=
de 以下を見たことがハリエットさんを大げさな感動で
胸を躍らせていたことは確かなことなのです

2023年04月17日

172番: アルト・ハイデルベルク(76)


アルト・ハイデルベルク(76)


−−−−−−−−−−【76】−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

Fr. Rüder. Du mußt ganz ruhig bleiba, Rüder, − du darfst
nimma heut dei Kopf verliera !

Rüder. Send mer still ! 's ischt halber acht, nuischt der Prrinz
auf der Eisenbahn angekimma ! Jede Moment kann der
Wage hier sein ! Nu will der Prinz sei sechs Zimmer
besichtige und sei Abend-Souper verzehre, und deraweil
komme um 8 die Herre Studente und wolle im Garten ihre
Kommers feiere. Nu müsse die Tische für die Herre Studente
nüber gechafft werde, und die Bänke auch, und speise wolle
se und trinke,−'s ischt zu viel für an einzelnen Wirth !


−−−−−−−−−−−(訳)−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

リューダー夫人:あなた、静かに、落ち着いていらして
  下さいな、−そんなに取り乱してはいけませんわ!

リューダー:もう黙っておれ.7時半だな.もう公子殿下
  は駅に到着されたはず.もう、いつここに車が到着して
  もおかしくない.殿下は6つの部屋をご覧になり、それ
  から晩餐をお取りになる.そうするうちに学生さんたち
  が8時にやって来る.そして庭でコンパを開く.さあ
  学生さんたちのテ−ブルは向こうに運ばなくては.そ
  れから長椅子もだ.すぐにみんなは食事と酒をオーダー
  してくるぞ.ああ、ひとりやふたりの宿屋の主人では
  とても対応しきれん.
    

−−−−−−−−−−《語彙》−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

nimma heut dei Kopf verliera 辞書に載っていない言い回しなので
  推測するしかありません.
推測: nimma <nimmer (ドイツ南部方言)
    @ 決して〜ない、 A もはや〜ない.
dürfen と共に「禁止」を表現する「〜してはけない」
推測 : heut < heute
推測 : dei Kopf <deinen Kopf
推測 : verliera < verlieren (失う)
  以上から
あなたは取り乱してはいけない
(尚、heute が宙ぶらりんですが、調べようがなく意味不明
 のままです.すみません. ”きょう”という意味では使って
 いないとは思います.)(何か副詞を足すとすれば「そんなに」
 ぐらいでしょうか.訳文には「そんなに」としました.)
 
Send mer still ! これも辞書に載っていない言い回しなので
推測するしかありません.
A.send の意味推測
推測: <Sendepause haben 黙る、沈黙する
B.mer の意味推測
推測: mehr  もう
推測: mehr still もう静かに
推測: Send mer still もう静かに黙っておれ
's ischt これも推測になります.
推測:es ist
's ischt halber acht
  (推測) es ist halb acht 7時半です.     
現代ドイツ語、es ist halb auf acht Uhr.
に対してこの当時の南ドイツ方言は
  halb はUhr に直結して強変化女性3格
  の語尾を持っていたと推測します.
 きっとDuden のような大きな辞書があれば
  調べられるかとは思いますが、あまり凝らずに
  簡単に学習しましょう.
nuischt →nu ist (nu=nun)
angekimma → angekommen (auf に) 到着した
nuischt … angekimma → nun ist ~ angekommen
もう到着している
die Eisenbahn {_/_en} 鉄道、ここでは「駅」
besichtige <besichtigen (4格を) 見学する
das Souper [ズペー]{_s/_s} 晩餐
verzehre <verzehren (他) (4格を) 食べる
deraweil →derweil (古)(接)/(副) 〜する間に  
その間
die Kommers [コメルス] {_es/_e} (大学生の) コンパ、宴会
feiere <feiern (4格) を祝う、
(パーティーなど4格を)催す
gechafft (過去分詞) <schaffen (他) (4格を) 運ぶ
die Bänke <die Bank {_/Bänke} ベンチ、長い腰掛
speise → speisen (自/s)(雅) 食事をする 
einzelnen <einzeln (形) 個々の、いくつかの
Wirth → der Wirt {(e)s/_e} @ 旅館、飲食店の主人、
          A 間貸し人
an (前) 〜に対して(3格支配)
für (4格支配)とan (3、4格支配)が並んでいるが
  fürの支配が優先するためか、ここは4格支配で、
  einzeln は 強変化男性4格語尾を付しeinzelnen

171番: ハリエット嬢(96)

    
ハリエット嬢(96)
Miss Harriet
Maupassant



.−−−−−−−−−【96】−−−−−−−−−−−−−−

Elle semblait confite dans une innocence surie;
mais elle avait gardé au cœur quelque chose de
très jeune, d' enflammé. Elle aimait la nature et
les bêtes, de l' amour exalté, fermenté comme une
boisson trop vieille, de l' amour sensuel qu' elle
n' avait point donné aux hommes.


...−−−−−−−−−(訳)−−−−−−−−−−−−−−−

 ハリエットさんは無邪気が漬物になったような気質の
人でした: しかし彼女の心には何かとても若い燃える
ようなものが残っていたのです.彼女は自然を愛し、動
物たちを愛しました.それはあまりにも熟成された酒の
ように高揚し沸き立つもので、彼女が少しも男には与え
たことのない愛でした.



.−−−−−−−−−〘語句〙−−−−−−−−−−−−−−

confit(e):(形、過去分詞) 漬けた 
<confire (他)[古風] 漬ける
   ひたりきった、没頭した、とりすました
   être confit en dévotion / 信心に凝り固まっている
innocence:[イノサンス](f) @無罪、無実、潔白; 
   ❷無邪気、無垢
suri(e):(形) すっぱくなった
enflammé:燃えている (形、過去分詞)
<enflammer [アンフラメ](他)
garder:(他)残す、保存する、失わずにいる
(感情などを)持ち続ける
bête:[ベット](f) (人間以外の)動物
exalté(e):(形) 高揚した、興奮した
fermenté(e):(形) 発酵した; boisson fermenté / 発酵飲料
<fermenter (自) @ 発酵する、❷(心などが)沸き立つ、
興奮する、立ち騒ぐ
boisson:(f) 飲み物、酒、アルコール飲料
vieille:(形、女性形) (ワインなどが) 熟成した <vieux
sensuel(sensuelle):[サンスュエル](形) 官能的な、肉体的な
ne ... point:少しも…でない
.

.−−−−−−−−−−≪解釈≫−−−−−−−−−−−−−−

Elle semblait confite dans une innocence surie:
彼女は無邪気の酢に漬けられた漬物みたいだった.
   ↓
彼女の性質は無邪気を漬物にしたような感じだった.

(乙女の無邪気が、50歳の女になっても、その甘い香り
の無邪気さは、酢漬けされて保存されており、すっぱいも
のの、失われていなかった、と言っています.)



−−−−−−−−−−−≪むだ口≫−−−−−−−−−−−−−−

モーパッサンがここにいれば、「これでいいのか」と聞い
てみたいところではあります.
 「猛羽さーん、これでいいの?」
 「いいんじゃない.ご褒美に、きょうからあんたにハン
  ドルネーム、猛羽 稔を贈呈するわよ」「ありがとう」

ということで、きょうからゴタぴょんは、このコーナー
では「猛羽 稔」でーす.

2023年04月16日

170番: アルト・ハイデルベルク(75)


アルト・ハイデルベルク(75)



−−−−−−−−−−【75】−−−−−−−−−−
 
      Zweiter Akt.
   Der Garten von Rüders Gasthaus zu Heidelberg.
Eine niedrige Mauer schließt den Garten gegen
Neckar ab. Jenseits des Flusses siet man das
Schloß von Heidelberg. 

    1. Szene.
Rüder, Frau Rüder, Frau Dörffel.
Rüder. 's ischt halt zu viel ! 's ischt zu viel für an einzelnen !
Wo ischt die Käthie ? Sie soll helfa komma !


−−−−−−−−−−【訳】−−−−−−−−−−


 第二幕
ハイデルベルクのリュダー迎賓館、ネッカー川沿いの庭先.
低い壁がネッカー川に対して庭を区切っている.川向うに
ハイデルベルクの城が見える.


  第一場
   
リューダー:全く、やることが多すぎるわい! ひとりじゃ
   やりきれん! ケティーはどこだ? 手伝いに来させ
   ないとだめだ.


−−−−−−−−−−《語彙》−−−−−−−−−−
  (アクセス独和中辞典他参照)
niedrige < niedrig (形) (高さが)低い
die Mauer {_/_n} 壁、塀、城壁
schließt...ab <ab/schließen (他) (4格に)鍵を掛ける 、
  (4格、条約などを) 締結する、(4格を)完了する
  (4格を)遮断する、隔離する 
jenseits [イェーンザイツ](前)(2格支配)...の向こう側に 
's  es のe が落ちたものと推測します.
ischt ist の地方なまりではないかと推測します. 
halt (副) (動かしがたい事実に対するあきらめの表現として)
  結局、どっちみち、
  Da kann man halt nichts machen.
そうなったらまあどうにもしようがない.
einzelnen (小文字頭は旧正書法) <Einzelne
  語尾は形容詞変化  


      ≪分からなかった点≫
今回は、文法的にわからなかった点があります.
für an einzelnen で、für とanのふたつの前置詞が
タンデムに並んでいる点です.
意味は「ひとりでこなすには(あまりにも)…」
となると思いますが、格支配の優先順位がはっきり
しません.結論を先に言うと、einzelnenは4格です
ので、fürの支配を受けているかと思われます.
しかしan は 3、4格支配で、ここでは3格支配
(単独の場合)になるところ.よくわからないまま
本日の学習を終わりますが、課題として残しました.

169番: ハリエット嬢(95)


ハリエット嬢(95)
Miss Harriet
Maupassant


.−−−−−−−−−【95】−−−−−−−−−−−−−−

C' était une brave créature qui avait une sorte
d' âme à ressorts, partant par bonds dans l' en-
thousiasme. Elle manquait d' équilibre, comme
toutes les femmes restées filles à cinquante ans.

 
...−−−−−−−−−《訳》−−−−−−−−−−−−−−−

 この人は実直な人で、話し出すとたちまち熱弁に
なって止まらなくなります.まるでゼンマイ仕掛け
のような心の持ち主です.50歳独身女性がそうで
あるように、彼女には、ほどほどという感覚が欠如
していました.


.−−−−−−−−−〘語句〙−−−−−−−−−−−−−−

une brave créature:実直な人、純朴な人、
ressort:(m) ばね、ぜんまい
partant:(現在分詞) <partir (自) 出発する
[dans の話で]やめられなくなる
  partir dans 〜の話でやめられなくなる
  Il est encore parti dans ses histoires de politique.
また彼が政治の話をはじめてしまった.
  partir sur 〜について話し出す.
  partir sur son sujet favori
得意の話題について話しはじめる
par bonds:飛躍的に
enthousiasme:[アントゥージヤスム](m) 熱狂、狂喜、感激;
   有頂天、大喜び
équilibre:[エキリーブル](m) 均衡、釣り合い、平衡、バランス 
les femmes restées filles:オールドミスたち
   les femmes restées filles à cinquante ans:
   50歳のオールドミスたち.
comme toutes les femmes restées filles à cinquante ans.
50歳のオールドミスたちのように

女性が独身のまま50歳ともなれば、そうでるように
  Elle manquait d'équilibre:
  彼女にはほどほどというものがなかった.


2023年04月15日

168番: アルト・ハイデルベルク(74)


アルト・ハイデルベルク(74)


−−−−−−−−−−【74】−−−−−−−−−−
       
.........Doktor: Laß mich ausreden, zum Kukuk noch 'mal !
.......................Ich sage Dir, Du hast nichts gesehen ! keine
.......................Menschen, keine Burschen, keine Mädels,−−
.......................wenn auch just das vielleicht nicht die Hauptsache
.......................ist,−−Du bist ja noch nicht einmal allein über
.......................eine Straße gegangen.

Karl Heinrich:.Darauf kommt's schließlich nicht an.

.........Doktor:Ja, mein Junge, darauf kommt's an. Nur darauf,
......................daß jemand allein über die Straße geht und gehen
......................darf. Komm'mit. (Will gehen, hält noch einmal
......................an, glücklich beide Hände auf Karl Heinrichs Schultern
......................legend.) O mein lieber Karl Heinz, Du sollst Augen
......................machen ! Heidelberg ! Du sollst Augen machen !


−−−−−−−−−−【訳】−−−−−−−−−−

..........博士:とことん言わせてくれ給え!言っておくが
....................君は何もみたことがないんだよ.人間というもの
....................を、若者という連中を、女の子のことも知らない
....................でいる−− たとえ、それがまさに重要だという
....................わけではないにしてもだ.−−君はまだひとりで
....................通りを歩いたことが一度もない.

カール・ハインリヒ:そのことは所詮重要なことではありません.

..........博士:君、それは重要なのだ.ひとりで歩く、ひとり
....................で歩けると言うことが最も大切なことなのだよ.
..................(行こうとするが、もう一度立ち止まって、うれしそ
.....................うに両手をカール・ハインリヒの両肩に置いた.
.....................おお、我が親愛なるカール・ハインツ、君は目を
......................開くことになるぞ! ハイデルベルクだぞ!
......................君は目を開くことになるのだ!


−−−−−−−−−−《語彙》−−−−−−−−−−

ausreden: (自/h) 終りまで話す
 (他) (4格)+ ausreden lassen
(4格)の話を最後まで聞く
  (3格に4格を)思いとどまるよう説得する
zum Kukuk noch 'mal !: (俗)こんちくしょう、うせやがれ
  一国の皇太子にこのような品のない言葉使いは
  しないはずです.ここは字義通りカッコーの鳴く
  まで、つまり、「すっかり」、「存分に」、「最後まで」
  などの意味で使っていると思います.
zum Kukuk ですが、あちらの国の鳩時計はカッコー
  (ポッポーではない)が鳴くので「時間が来るまで」
  という意味解釈でよろしいかと思います.
  「すっかり」という訳語は「春になるまで時間を
  たっぷりかける」という解釈によるものです.
  ドイツでは、カッコーは春に鳴くので、
  「春まで待ってね」みたいな意味が生じるのでしょう.
  尚、原文側のスペルでは辞書掲載はありません.
  現代ドイツ語のスペルではKukuk はKuckuck(m){_s/_e}  
Burschen: (pl)<der Bursche {_n/_n} 若者、青年
das Mädel :{_s/_.}(南ドイツ・オーストリア) 娘、少女、女の子
die Hauptsache: {_/_n} 主要なこと、もっとも重要な問題
just: [発音ユスト](副) ちょうど、まさに、たった今 √ラテン語
wenn: たとえ〜だったとしても(接続法U式とともに)
das: そのことが
  wenn auch just das vielleicht nicht die Hauptsache ist,
  たとえ、もしかしたら今それが重要なことでは
  ないにせよ、
schließlich: (副) 最後に、ついに、やっと、
 A 結局は、何といっても (after all)  
es kommt auf etwas⁴(jn⁴) an 〜(4格):〜次第である
            (4格)が重要問題である
an/halten: (自) 止まる、停止する
legend: (現在分詞) 置きながら <legen (他) 置く
  「両手をカールハインリヒの両肩に置きながら立ち止まる」
  が直訳.

167番: ハリエット嬢(94)


ハリエット嬢(94)
Miss Harriet
Maupassant



.−−−−−−−−−【94】−−−−−−−−−−−−−−

De temps en temps elle prononçait: ≪ Oh ! je
comprené, je comprené.   C' été très palpitante. ≫
Nous rentrâmes.
Le lendemain, en m' apercevant, elle vint vive-
ment me tendre la main. Et nous fûmes amis
tout de suite.


 
...−−−−−−−−−《訳》−−−−−−−−−−−−−−−

 ときどきハリエットさんはこう言うのでした:「ああ、
それは私にもわかりますわ.わくわくしますわね.」
私たちは宿に帰りました.
 翌日、彼女は私に気づくと溌剌としてやってきて、私
に握手の手を差し出したのです.そして私たちはすぐに
親しくなりました.



.−−−−−−−−−〘語句〙−−−−−−−−−−−−−−

prononçait:(半過去3単) <prononcer (他)@発音する
   ❷(言葉などを)発する、しゃべる;〜を口にする
c'été:c'était のつもりの発話;イギリス人訛り
é の発音が[e]に対しait の部分は[ɛ]
[e]唇を両横に引くイに近いシャープなエ
[ɛ]口の開きが大きく、やや曖昧なエ
comprené:(外国人のカタコト) comprends のこと
je comprends / わかりますわ.
je comprends, je comprends のくり返しで
「よく、わかりますわよ」、と言っているつもり.
palpitant(e):(形) [英 thrilling] 胸をときめかせる、
   興奮させる、はらはらする  
rentrâmes:(単純過去1複) <rentrer (自) 帰る、帰宅する
tendre la main:手をさしのべる、手を差し出す
tendre la main à qn:(人)に手を差し出す、握手を求める
fûmes:(単純過去1複) <être
ami:(形) 親しい、友好の;
ここではami は名詞の「友人」と解するのでは
なく形容詞の「親しい」と解釈するのがêtre
との連結上自然になります.ami を名詞に取る
場合は冠詞か所有形容詞が添えられている場合
です.
se faire des amis:友だちをつくる、
être amis:親しい
仏検では3級ぐらいまでなら
Nous fûmes amis tout de suite.を
私たちはすぐに友達同士になった
と訳しても「おまけの正解」をもらえるでしょう
というか3級までなら単純過去は出題されない
でしょう.

2023年04月14日

166番: アルト・ハイデルベルク(73)


アルト・ハイデルベルク(73)



−−−−−−−−−−【73】−−−−−−−−−−−−−

........Doktor: Du weißt ja gar nicht, wie's aussiet draußen ! Du
......................hast ja keine Ahnung. Du kennst ja nur Kammerherren
......................und Lakaien, Karl Heinz. Du hast ja nie was gesehen !

Karl Heinrich: Nicht übertreiben, Doktor !


−−−−−−−−−−(訳)−−−−−−−−−−−−−−

.....博士: 君は(城の)外がどういうふうなのか全く
.................知らないのだ!皆目、見当もつかない.君が
.................知っているのはただ侍従と従僕だけさ.カール・
.................ハインツ、君は決して何も見たことがないんだよ.
カール
....ハインリヒ: 博士、大げさすぎますよ.


−−−−−−−−−−⦅語彙⦆−−−−−−−−−−−−−−

* 今回より既出単語であってもその旨を記しません.
 忘れていても気軽に読み進めましょう!ここは学校
 じゃないから!
 【方針】忘れることは自由だ!思い出したら儲けもの.
*今回より女性名詞 {_/_en} は(女弱)と記します.
 女性弱変化の略です. 戦前の女性のことではありません.
 語尾がe で終わる名詞 {_/_n}も混乱のない限り(女弱).
die Ahnung: {女弱}  予感
     A 漠然とした理解、見当、心当たり
Keine Ahnung ! (人に聞かれて)全然わかりません.
aussiet: <aus/sehen 〜のように見える
Kammerherren: <der Kammerherr (男弱)(史)侍従
領主の部屋の出入りが侍従章(der Kammerherrenschlüssel )
(黄金の鍵型デザイン)で許されていた.
Lakaien: (m,pl) <Lakai (男弱) ≪古語≫ √フランス語
   (王侯貴族に仕える)従者、従僕
   (お仕着せを着た)召使い、従者
nie: (副) 決して〜ない 
übertreiben: (他、4格を) 誇張する、大げさに言う
  Ich übertreibe nicht, wenn ich sage, dass... 
  ...と言っても過言ではない

165番: ハリエット嬢(93)


ハリエット嬢(93)
Miss Harriet
Maupassant



.−−−−−−−−−【93】−−−−−−−−−−−−−−

Je me retournai pour ne pas sourire.
Puis, je lui parlai peinture, comme j' aurais fait
à un camarade, notant les tons, les valeurs, les
vigueurs, avec des termes du métier. Elle m' écou-
tait attentivement, comprenant, cherchant à deviner
le sens obscur des mots, à pénétrer ma pensée.


 
...−−−−−−−−−《訳》−−−−−−−−−−−−−−−

私は微笑みを見せないよううしろ向きになった.
そうして、彼女に絵画の話をしたりしていたが、色調、
価値観、力強さなど、専門用語を気にしながらの話しぶ
りはまるで仲間と会話するかのようだった.ハリエット
さんは、理解につとめようと、言葉の微妙な意味を探り
当てながら、私の考えを見抜こうとして、真剣に私の話
を聞いていました.



.−−−−−−−−−〘語句〙−−−−−−−−−−−−−−

se retourner:(pr) 後ろを向く、振り返る
peinture:(f) (芸術としての)絵画、絵画作品、絵
【個々の絵をいうときはtableau, toile などを使う】
parler peinture:絵画の話をする;parler + 無冠詞抽象名詞
もしくはparler de + 無冠詞抽象名詞 〜を論じる、
〜を語る、〜を話題にする
parler (de) littélature / 文学の話をする
parler (de) politique / 政治の話をする
* この場合のde は[〜について]という意味.
De quoi ça parle, ce bouquin ? / その本、何の本だい?
notant:<noter (他) 注意する、留意する、気をつける
ton:(m) @口調、A(文章の)調子、文体;
   ❸[絵画] 色調
valeur:(f) 価値、価格、評価、値打、
   ❷ 価値観
vigueur:(f) 力強さ、
terme:(m) 言葉、単語、専門用語
   (複) 言葉遣い、表現
métier:(m) 職業、仕事
écoutait:(半過去3単) <écouter (他) (注意して)聞く、
   耳を傾ける
attentivement:(副) 注意深く
comprenant:(現在分詞)
   <comprendre (他) わかる、理解する
cherchant:(現在分詞) <chercher (他) 探す
deviner:(他) 見抜く、推察する、(謎を)言い当てる   
sens:(m) 意味
obscur:[オプスキュール](形) 暗い、難解な、わかりにくい
   あいまいな、
pénétrer:(他) ❶ 入る、入り込む; ❷ 見抜く、洞察する

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はじめまして.ゴタぴょんと申します.通訳ガイド(英語)をしております.というかしていました.コロナの影響で現在仕事はありません.毎日ヒマなので、語学学習をしております.学習したノートを公開しますので、どうぞ、ご一緒に!
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