ハリエット嬢(152)
Miss Harriet
Maupassant
−−−−−−−−−−【152】−−−−−−−−−−−−−−−
Mais soudain, je frissonai jusqu' aux moelles.
Je venais de reconnaître un pied, puis une jambe
dressée; le corps entier et l' autre jambe disparais-
saient sous l' eau.
Je balbutiai, très bas, et tremblant si fort que
la lanterne dansit éperdument au- dessus du
soulier:
≪ C' est une femme qui...qui...qui est là-
dedans...c' est miss Harriet. ≫
−−−−−−−−−−−(訳)−−−−−−−−−−−−−−−−
しかし突然私は全身、骨の髄まで戦慄が走りました.
片方の足が見えました.見たことのある、見たばかりの
足そしてその下肢部が立っています:身体全体ともう片
方の脚部は水の中に消えていました.
私はとても低い声で震えながら口ごもって呟きました.
しかし震えながらも強く声に出したので、ランプがその
靴の上で激しく揺れました.
「女だ.あれは、あそこに落ちているのは女だ...
あれはハリエットさんだ.」
...−−−−−−−−−−〘語句〙−−−−−−−−−−−−−−−−
frissonai:(1単単純過去)
<frissonner (自)[de で] 震える、身震いする
moelle:[ムワル](f) 髄、骨髄、
jusqu'à la moelle / 骨の髄まで、
reconnaître:(他) (見覚え、聞き覚えがあって)
それとわかる、見分ける、覚えている
pied:(m) 人の足首から下.上の脚部はjambe
jambe:(f) 人の下肢部、脚部
dressée:(形、p,passé) 立てられた
corps:[コール](m) 身体、体
entier(ière):[アンティエ、アンティエール](形) 全体の、全部の
disparaissaient:(半過去3複)<disparaître (自)
見えなくなる、なくなる、ない
balbutiai:(単純過去1単) <balbutier (自) 口ごもる、
回らぬ舌でたどたどしく言う;
(他) 〜だと口ごもりながら言う
tremblant:(形、p,pré) <trembler [トランブレ](自) 震える
fort:(副) 力強く
éperdument:(副) 激しく、必死に、
soulier:(m) 靴、短靴
au-dessus de:〜の上で
dessus [ドスュ]の発音は、むしろ[ドスィ]ぐらいにして
dessous [ドスー](au-dessous de 〜の下で)
と区別しましょう
−−−−−−−−−−《ひとこと》−−−−−−−−−−−−−−−−
我らが女主人公、ハリエットさんが亡くなってしまい
ました.この物語、ページ数は257 ページあるのですが、
まだ読み始めて17 ページです.こんなに早く主人公が
いなくなってもいいのでしょうか?もしもこれが小学
校の国語の時間で、「物語を書きましょう」という時間
だったら、そして私が先生で、モーパッサンが受け持ち
児童だったら、きっとアドバイスしたでしょう.「物語
で主人公が死ぬのはラストシーンなんだよ.まだ死なせ
ちゃだめ」
ああ、凡人の先生とは、天才の芽を潰す先生のことか
もしれませんね.
でも先生の立場なら当然のアドバイスですし、板挟み
ですね.これは先生全体の悩み問題かもしれません.
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