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2023年06月15日

448番:アルト・ハイデルベルク(132)


アルト・ハイデルベルク(132)
𝕬𝖑𝖙 𝕳𝖊𝖎𝖉𝖊𝖑𝖇𝖊𝖗𝖌



−−−−−−−−【132】−−−−−−−−−−−−−−−

(Die Musik spielt ≫ Ergo bibamus ≪, die Studenten
singen mit, das Lied klingt durch die Nacht aus
einer ziemlichen Entfernung, gedämpft. )

............Detlev: Hallo, das Lied ! Komm mit. Du kennst
.............................das Lied ?.

Karl Heinrich: Nein.

............Detlev: Natürlich nicht. Niemand kennt es. Das
.............................Lied ist vom alten Herrn von Goethe.
.............................Weißt Du, mein Junge, wo man die
.............................deutsche Poesie studiert ? Bei uns !
.............................Auf den deutschen Hochschulen !

....................≫Was sollen wir sagen vom heutigen Tag ?
......................ich dächte nur:ergo bibamus !
......................Er ist nun einmal von besonderem Achlag,
......................Drum immer aufs Neue −−bibamus !
......................Er führet die Freude durch's offene Thor,
......................Es glänzen die Wolken, es teilt sich der Flor,
......................Da scheint uns ein Bildchen, ein göttliches vor,
......................Wir klingen und singen:bibamus !!≪

............................. Dein Wohl, mein Junge ! God save the
..............................king! Auf die Freundschaft !

Karl Heinrich: Auf die Freundschaft !

............Detlev: (ruft mit Donnerstimme). Saxonia !
.............................Hierher ! Alle ! Kellermann ! Füchse,
.............................mal eine Mütze her. (Nimmt einem die
.............................Mütze vom Kopf, setzt sie Karl Heinrich
.............................derb auf.) So !



−−−−−−−−−−−−− (訳) −−−−−−−−−−−−−−−−

音楽は「ガウデアームス」を演奏.学生たちは音楽に
合わせて歌う.その歌は夜の闇を縫って、かなり遠く
からも秘めやかに聞こえる.


デートレフ: おお、あの歌! 来なさいよ、一緒に.
...........................あの歌、知っていますか?

カール・ハインリヒ: いいえ.

デートレフ: やっぱり、知らないだろう.誰だって知
..........................らないさ.あの歌は老ゲーテ先生の作詩
..........................だ.君は知っていますか? ドイツ文学は
..........................どこで学ぶものなのかを?それは、ここ
...........................私たちのところでですよ!このドイツの
...........................大学でです.

..............「きょうというこの日のことを我々はどう思う?
..................言わせてもらえればただエルゴ・ビバムス*を
..................思うのみ.
..................きょうという日は何と言っても特別な日だ.
..................だから更に新たに「されば飲もう!」        
..................きょうは開かれた門から、喜びを導き入れて
..................くれる.
..................雲が輝き、ヴェールが開かれる.
..................そして僕たちに神々しい光景を見せてくれる.
..................僕たちは盃を打ち合わせて歌う:
..................エルゴ・ビバムス!

............................君の健康を! 君、乾杯! 君が代を! 
............................友情を祝して!

カール・ハインリヒ: 友情を祝して!

デートレフ: (大音声で)ザクセン学生団!団員諸君!
...........................全員集合! ケラーマン! 新入生諸君、
...........................誰か学生帽をひとつよこし給え.
       (ひとりの学生の頭から帽子を取って、
...........................カール・ハインリヒの頭にしっかりと
...........................かぶせる) よし、いいぞ!

.

−−−−−−−−−−−−−《語彙》−−−−−−−−−−−−−−−−

ziemlich:(形/副) かなり(の)
die Entfernung:(en) 距離
gedämpft:(形、過去分詞) ❶蒸した、ふかした、 
❷(音、色などが) 和らげられた、弱められた.
gedämpfte Farben / くすんだ色
    mit gedämpfter Stimme / 声をひそめて
hallo:(間) やあ、おおい、
die Poesie:❶[複数ナシ] 文芸、文学; ❷詩、詩歌
die Hochschule:(弱) 大学;単科大学
ergo bibamus:「されば飲もう」
besonder:(形) 特別な
der Schlag:(変e)❶ 打撃、一撃、打つこと;
❷時を打つ音
*) er:本来男性名詞を受ける人称代名詞だが、
ここではHeute (副詞)を受けています.
Heute は抽象名詞としては、文法上「中性名詞」 
になりますが、具体的な「日付け」は
Heute ist der Tag...等から類推されてか、
「男性名詞」として受けるようです.
nun einmal:事態が既成、既定で変更不可能で
あることを表す.
   「何と言っても〜だ」
「〜であるのだから仕方がない」
   「そうしたものなのだから」     
von:〜製の、〜でできている;
    Diese Kette ist von Silber. /
このネックレスが銀でできている.
    Heute ist von besonderem Schlag. /
きょうは特別な時でできている.   
drum:darum そのために、だから
aufs Neue:新たに;(auf は意図、欲求の対象を示す)
   この「新たに」は「新たなきょう」と
「新たな酒」、どちらにも解釈できそうですが、
訳本では「新たな乾杯」、「新たに飲もう」 
「いざや飲まん」つまり直後のbibamus の形容
詞とみています.
    尚、aufs neue となっている書もあるので、
「新たな乾杯」「新たに飲もう」のほうに軍配を
あげておきます.
führen:(他) 導く、案内する、もたらす、連れて行く
    [ある状態に] 至らしめる
    この動詞の主語、er は「きょう」(Heute)に
なります. 
die Freude:(弱) 喜び
offen:(形) (戸、本などが) 開いている、
    die offene Tür / 開いているドア
Thor:方言綴り?→ Das Tor (E式) 門、門の扉
*) Es glänzen die Wolken:雲は輝く;
es は非人称で、自然現象などの仮主語
    Heute ist es sehr warm. 
きょうはとても暖かい.
    Es ist heute sehr warm.
同上
der Flor:(e式) 紗(しゃ)
sich⁴ teilen:分かれる、分け合う、共有する
es teilt sich der Flor:es は仮主語で、
真主語はder Flor (紗).
   「紗」ですが、高地ドイツ語では「ヴェール」
のことなのでそのように訳します.
「ヴェールが分かれる」というのは
   「左右にヴェールが開かれる」ということ
だと思います.
Bildchen:Bild の縮小形 「光景」
vor/scheinen:(辞書不掲載)恐らく名詞のVorschein を
動詞風に使っているのだと思います.
だとすると、意味は、「出現させる」、「現す」、
「出現する」、「現れる」など
göttlich (形) ❶神の、神のよぷな、神々しい、
❷素晴らしい、非の打ちどころのない
die Donnerstimme:(雷のような)大音声 
derb:[デルプ] (形) 頑丈な、がっしりした


−−−−−−≪エルゴ・ビバムス≫−−−−−−−−−−−

タイトルはラテン語だが、詩はゲーテ(1749-1832)が
1810年に書きました.
CD、『ドイツ学生の歌ベスト・アルバム』の歌詞カード
の1番を書き写します.
(本文の歌詞は3番に相当します.2番の歌詞もその
うちご紹介したいと思います)


 ERGO BIBAMUS (されば飲もう)

Hier sind versammelt zu....................................
löblichem Tun,....................................................
drum, Brüderchen, ergo bibamus !....................
Die Gläser, sie klingen, Gespräche sie ruh'n;
beherziget:ergo bibamus !................................
Das heisst noch ein altes, ein tüchtiges Wort,...
es passet zum ersten und passet so fort..............
..............................................................................
und schallet ein Echo, vom festlichen Ort,.........
ein herrliches:ergo bibamus !............................


ぼくらがここに集まったのは
たたえられるべき行事のためだ、
それ故に、友よ、エルゴ・ビバムス!
グラスがひびく、語らいはやむ
肝に銘じよう、エルゴ・ビバムスを!
これは昔ながらの、有益な言葉だ、
最初の人にふさわしく、それに続く
人々にもふさわしい
祝宴の場所から、木魂するのは
声高らかなエルゴ・ビバムス!


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