2014年01月29日
またCM中止、今度はキリン缶チューハイ「本搾り」。クレーマーはなぜ増え続けるのか?
キリンの缶チューハイ「本搾り」のCMが2014年1月24日で中止された。カエルの着ぐるみを来たキャラクターが俳優の大沢たかおさんとやり取りをするCMだ。中止の理由は未成年にアピールするキャラクターやタレントはアルコール飲料の広告に起用してはいけないという部分に抵触する可能性があるということだ。
この中止に対してはいくつもの疑問が浮かぶ。
■そもそも未成年にアピールしているキャラクターなのか?
このカエルのキャラクター自体、そもそも未成年にアピールするキャラクターなのであろうか。確かにゆるキャラブームである。ゆるキャラは子供にも大人にもアピールしている。突っ込んで言えば、地方活性化のために、子供にアピール出来るキャラクターを作り、親にイベントや地元に連れて来てもらおうという戦略だ。ただ、このカエルのキャラクターに関しては事情が異なるのではないだろうか。ゆるキャラっぽいからといって、自治体ゆるキャラと一緒にしてしまうのは間違いなのではないだろうか。
■くまもんの焼酎は許されるのか?
そもそも未成年に対してアルコールをアピールしてはいけないとすれば、熊本県のキャラクターくまもんのイラスト入り焼酎を始め、地方自治体ゆるキャラのアルコール飲料は許されるのだろうか。くまもんの焼酎は地域活性化のためだからOKで、カエルのチューハイは企業のためだからNGというのは理由にならない。なぜなら、アルコールを未成年にアピールすることそのものがNGという前提に抵触するからだ。
■増え続ける炎上事件、クレーマー
最近、ネット、特にソーシャルメディア上での誹謗中傷が増えているように感じる。企業に対しても、個人に対しても、自分の虫の居所が悪くムシャクシャしているから言っているのではないかと思うくらい、見ていて嫌な気持ちになることが多くある。
個人であれば、その誹謗中傷に向き合わずとも無視したり、サービス利用自体を止めてしまえば済む問題だ。ただ企業の場合には、そうはいかない。誹謗中傷と言えど、無視することが炎上に繋がったり、炎上せずともブランドイメージ低下に繋がる危険性をはらむからだ。見えないストレスを抱えたり、人や物事への許容度が狭まった日本人が増加していることが背景に挙げられる。
■企業側の苦悩
クレームを入れられた企業は年々、その意見を無視することが出来なくなっている。それは企業側に正当性があったとしてもなのだ。なぜなら、企業側が誠意をもって、正しく対応しても、受け手となる人がやり取りの中の一部を揚げ足を取った形でネット(ソーシャルメディア)上に流すからだ。
その典型例がTwitterだ。140文字という制限の中では、企業とその人のやり取りの全貌はもちろんわからない。しかも恣意的に発信された情報だけが一人歩きし、それを面白可笑しく煽る人、背景をきちんと掴むこと無く情報だけを真実と受け止めてしまい拡散してしまう罪なき意識の人によって広がってしまうのだ。こうして企業は袋小路に追い込まれてしまう。
■間違ったCM中止をなくすためには
現状ではクレームが入れられた場合には、企業側が自社判断でCM中止を決定する。もちろんJARO(広告審査機構)はあるが、JAROの役割は主に嘘や誇張や誤解を招く広告をなくすというものだ。今回のような案件は審査の対象として適切ではないのだ。
現状では「■企業側の苦悩」で述べたように、企業側は理不尽な理由であっても、広告中止を判断してしまいがちな状況にある。それは「企業とクレーマー」という関係、つまり「企業と消費者(クレーマーも企業にとっては消費者の一人)」だからだ。広告が適切かどうかをきちんと判断するために、JAROではない中立の第三者機関が判断する仕組みを整えるべきだ。複数名の有識者、消費者代表などが集まり、その広告が本当に中止にあたるべき事例なのかどうかを第三者的に判断する仕組みが必要だ。
現状では企業側が圧倒的不利な立場にあるのだ。
ちなみに、一つの広告キャンペーンをするのに、少なくとも半年間、CMを作るならば数千万円の金額がかかっている。企業側は時間も、費用も、労力もムダにせざるをないのだ。
(新井 庸志)
文・All About News Dig編集部(All About )
ネタりかより引用しました。
この中止に対してはいくつもの疑問が浮かぶ。
■そもそも未成年にアピールしているキャラクターなのか?
このカエルのキャラクター自体、そもそも未成年にアピールするキャラクターなのであろうか。確かにゆるキャラブームである。ゆるキャラは子供にも大人にもアピールしている。突っ込んで言えば、地方活性化のために、子供にアピール出来るキャラクターを作り、親にイベントや地元に連れて来てもらおうという戦略だ。ただ、このカエルのキャラクターに関しては事情が異なるのではないだろうか。ゆるキャラっぽいからといって、自治体ゆるキャラと一緒にしてしまうのは間違いなのではないだろうか。
■くまもんの焼酎は許されるのか?
そもそも未成年に対してアルコールをアピールしてはいけないとすれば、熊本県のキャラクターくまもんのイラスト入り焼酎を始め、地方自治体ゆるキャラのアルコール飲料は許されるのだろうか。くまもんの焼酎は地域活性化のためだからOKで、カエルのチューハイは企業のためだからNGというのは理由にならない。なぜなら、アルコールを未成年にアピールすることそのものがNGという前提に抵触するからだ。
■増え続ける炎上事件、クレーマー
最近、ネット、特にソーシャルメディア上での誹謗中傷が増えているように感じる。企業に対しても、個人に対しても、自分の虫の居所が悪くムシャクシャしているから言っているのではないかと思うくらい、見ていて嫌な気持ちになることが多くある。
個人であれば、その誹謗中傷に向き合わずとも無視したり、サービス利用自体を止めてしまえば済む問題だ。ただ企業の場合には、そうはいかない。誹謗中傷と言えど、無視することが炎上に繋がったり、炎上せずともブランドイメージ低下に繋がる危険性をはらむからだ。見えないストレスを抱えたり、人や物事への許容度が狭まった日本人が増加していることが背景に挙げられる。
■企業側の苦悩
クレームを入れられた企業は年々、その意見を無視することが出来なくなっている。それは企業側に正当性があったとしてもなのだ。なぜなら、企業側が誠意をもって、正しく対応しても、受け手となる人がやり取りの中の一部を揚げ足を取った形でネット(ソーシャルメディア)上に流すからだ。
その典型例がTwitterだ。140文字という制限の中では、企業とその人のやり取りの全貌はもちろんわからない。しかも恣意的に発信された情報だけが一人歩きし、それを面白可笑しく煽る人、背景をきちんと掴むこと無く情報だけを真実と受け止めてしまい拡散してしまう罪なき意識の人によって広がってしまうのだ。こうして企業は袋小路に追い込まれてしまう。
■間違ったCM中止をなくすためには
現状ではクレームが入れられた場合には、企業側が自社判断でCM中止を決定する。もちろんJARO(広告審査機構)はあるが、JAROの役割は主に嘘や誇張や誤解を招く広告をなくすというものだ。今回のような案件は審査の対象として適切ではないのだ。
現状では「■企業側の苦悩」で述べたように、企業側は理不尽な理由であっても、広告中止を判断してしまいがちな状況にある。それは「企業とクレーマー」という関係、つまり「企業と消費者(クレーマーも企業にとっては消費者の一人)」だからだ。広告が適切かどうかをきちんと判断するために、JAROではない中立の第三者機関が判断する仕組みを整えるべきだ。複数名の有識者、消費者代表などが集まり、その広告が本当に中止にあたるべき事例なのかどうかを第三者的に判断する仕組みが必要だ。
現状では企業側が圧倒的不利な立場にあるのだ。
ちなみに、一つの広告キャンペーンをするのに、少なくとも半年間、CMを作るならば数千万円の金額がかかっている。企業側は時間も、費用も、労力もムダにせざるをないのだ。
(新井 庸志)
文・All About News Dig編集部(All About )
ネタりかより引用しました。
【社会の最新記事】
この記事へのコメント