2014年02月26日
全町避難・富岡町:無人の地、イノブタ王国に 急増で被害
東京電力福島第1原発事故から3年近くたっても住民の全町避難が続く福島県富岡町で、イノシシとブタを交配させた「イノブタ」が急増。無人の家に入って荒らすなど、我が物顔で歩き回っている。イノシシも増加中で「野生の王国にするわけにはいかない。住民の帰還意欲にかかわる」(同町)と、地元では対策に追われている。
富岡町では事故後、食用に飼育されていたイノブタ20頭ほどが逃走。環境省や町が昨年11月からワナを仕掛け、今年1月までに約120頭を捕獲した。イノシシとの区別は難しいが大半はイノブタで、繁殖して増えたらしい。同町産業振興課の黒澤真也係長(46)は「まだまだいる。どれぐらい増えたのか想像がつかない」と語る。
今月、同町を歩くと、雑草で荒れた畑から道路に顔をのぞかせるなど、1時間足らずで子連れなど5頭を目撃した。昨年12月には、農協倉庫の扉が壊され、米3トン(約60万円相当)が食べられたのが見つかった。近くでは、二本爪の足跡があちこちについていた。
イノシシの被害も増加傾向で、同じ全町避難の浪江町にも昨年4月から今月24日までに家屋侵入など43件の被害情報が寄せられ、昨年11月には一時帰宅中の住民が庭でイノシシに襲われた。特定外来種のアライグマの目撃情報も増加中。伊達市では昨年4月から今年1月までの捕獲数が1100頭(前年同期比600頭増)と倍増。県自然保護課の酒井浩主幹は「避難で人がいなくなった区域で増加したイノシシが、周辺に出てきているのではないか」と話す。
環境省は委託事業として浪江、双葉、大熊、富岡町の帰宅困難区域などで捕獲を続ける。富岡町も今年から狩猟免許を持つ町民14人で駆除隊を結成。4月からは1頭2万円の捕獲報奨金を検討し、捕獲数増を目指す。
現地視察経験のある小寺祐二・宇都宮大特任助教(野生動物管理学)は「原発周辺は人がおらず、耕作放棄が進むなどイノシシが住みやすい環境が広がり、数年後にはさらに繁殖する可能性がある。人への警戒を忘れた野生動物は人と近づきすぎ、事故が起きる危険性がある」と指摘する。【片平知宏】
毎日新聞より引用しました。
富岡町では事故後、食用に飼育されていたイノブタ20頭ほどが逃走。環境省や町が昨年11月からワナを仕掛け、今年1月までに約120頭を捕獲した。イノシシとの区別は難しいが大半はイノブタで、繁殖して増えたらしい。同町産業振興課の黒澤真也係長(46)は「まだまだいる。どれぐらい増えたのか想像がつかない」と語る。
今月、同町を歩くと、雑草で荒れた畑から道路に顔をのぞかせるなど、1時間足らずで子連れなど5頭を目撃した。昨年12月には、農協倉庫の扉が壊され、米3トン(約60万円相当)が食べられたのが見つかった。近くでは、二本爪の足跡があちこちについていた。
イノシシの被害も増加傾向で、同じ全町避難の浪江町にも昨年4月から今月24日までに家屋侵入など43件の被害情報が寄せられ、昨年11月には一時帰宅中の住民が庭でイノシシに襲われた。特定外来種のアライグマの目撃情報も増加中。伊達市では昨年4月から今年1月までの捕獲数が1100頭(前年同期比600頭増)と倍増。県自然保護課の酒井浩主幹は「避難で人がいなくなった区域で増加したイノシシが、周辺に出てきているのではないか」と話す。
環境省は委託事業として浪江、双葉、大熊、富岡町の帰宅困難区域などで捕獲を続ける。富岡町も今年から狩猟免許を持つ町民14人で駆除隊を結成。4月からは1頭2万円の捕獲報奨金を検討し、捕獲数増を目指す。
現地視察経験のある小寺祐二・宇都宮大特任助教(野生動物管理学)は「原発周辺は人がおらず、耕作放棄が進むなどイノシシが住みやすい環境が広がり、数年後にはさらに繁殖する可能性がある。人への警戒を忘れた野生動物は人と近づきすぎ、事故が起きる危険性がある」と指摘する。【片平知宏】
毎日新聞より引用しました。
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