2014年02月23日
目指せ肉食シニア! おいしく「低栄養」防ぐ
年を取ったら、肉や油は控えて野菜中心のあっさりした食事が良い−。そう思っている人は少なくないのでは? 高齢者が節制を続けると低栄養に陥り、老化を早めてしまうことに。60歳からは肉もしっかりと食べて、低栄養にならないための食事を心掛けたい。(榊聡美)
認知機能低下も
「一般の高齢者は肥満より低栄養の方が問題です」
東京都健康長寿医療センター研究所の研究部長、新開省二さんは、こう警鐘を鳴らす。
高齢者が自立して生活を送ることができる「健康長寿」と食生活との関係について、全国各地で追跡調査を行いながら研究を続ける。その中で、65歳以上の高齢者の2〜3割が低栄養傾向にあると分析する。
高齢になると、かむ力や飲み込む力、味覚・嗅覚が衰え、食べづらく、食欲が出ないため、食が細くなる。台所に長時間立つのもつらくなり、簡単な食事で済ませがちに。さらに、メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)や肥満の予防を意識し過ぎた粗食志向が低栄養につながっているケースも多い。
低栄養は老化を進めるだけでなく、「これまでのデータから、死亡リスクが高くなることが分かっています。脳卒中や心臓病など心血管病による死亡率が高いことも判明しました」。
最近の研究では、体力の目安となる握力や歩行速度の低下、認知機能が低下しやすいことも明らかになっている。
60歳を過ぎたら、さまざまな栄養素をバランス良くしっかり取ることが大切になる。新開さんは、1日に10種類もの食品を食べることを勧める。
特に、(1)〜(4)の動物性タンパク質が不足しやすいため、意識して取るようにする。量は問わず、1食品を食べれば1点とし、1日10点満点の食事を目指す。
「平均は3〜5点。点数が高い人は筋肉や骨がしっかりしていて、貧血も起こりにくい。まずは7点以上を目標にして」
食べやすい調理法
低栄養予防のための料理教室も開かれている。ベターホーム協会(東京都渋谷区)は1月、60歳以上を対象にした料理教室を全国18カ所で実施した。
東京・渋谷教室では、60、70代の約30人の参加者のうち、最高齢の高野正之さん(78)=杉並区=を含む12人が男性。「改めて2人の食を見直そうと思って」と、そろって参加した70代の夫婦もいた。
実習したシニア向けの一汁二菜の料理で特に好評だったのは「やわらか肉の黒酢酢豚」だ。しゃぶしゃぶ用の薄切り肉を巻いて塊肉に見立てるのがポイント。層状になった肉は歯切れがよく、食感も軽い。
埼玉県川口市に住む三浦まさ子さん(61)は「4年前に胃の切除手術を受けて、栄養が取れず、痩せてしまった。私の場合、口が胃の代わりだから、よくかまないといけないので、硬い物は避けていたけれど、これなら食べやすい」。
同協会は、シニア世代の食の知識や食事作りのコツをまとめた『つるかめ食堂 60歳からの健康維持レシピ』を出版。重要なタンパク源となる肉料理に多くのページを割いている。
「包丁の背でたたいて軟らかくする」「湯通しして脂肪分を落としてから調理する」「大根おろしを絡めてのどごしを良くする」といった食べやすさをアップさせる工夫が紹介されている。
新開さんは、1日に肉も魚も80グラムずつを目安に取るように勧める。十分にバランス良く食べるのは容易ではない。老化予防を意識して、少しずつ習慣化していくのが良いようだ。
msn産経ニュースより引用しました。
認知機能低下も
「一般の高齢者は肥満より低栄養の方が問題です」
東京都健康長寿医療センター研究所の研究部長、新開省二さんは、こう警鐘を鳴らす。
高齢者が自立して生活を送ることができる「健康長寿」と食生活との関係について、全国各地で追跡調査を行いながら研究を続ける。その中で、65歳以上の高齢者の2〜3割が低栄養傾向にあると分析する。
高齢になると、かむ力や飲み込む力、味覚・嗅覚が衰え、食べづらく、食欲が出ないため、食が細くなる。台所に長時間立つのもつらくなり、簡単な食事で済ませがちに。さらに、メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)や肥満の予防を意識し過ぎた粗食志向が低栄養につながっているケースも多い。
低栄養は老化を進めるだけでなく、「これまでのデータから、死亡リスクが高くなることが分かっています。脳卒中や心臓病など心血管病による死亡率が高いことも判明しました」。
最近の研究では、体力の目安となる握力や歩行速度の低下、認知機能が低下しやすいことも明らかになっている。
60歳を過ぎたら、さまざまな栄養素をバランス良くしっかり取ることが大切になる。新開さんは、1日に10種類もの食品を食べることを勧める。
特に、(1)〜(4)の動物性タンパク質が不足しやすいため、意識して取るようにする。量は問わず、1食品を食べれば1点とし、1日10点満点の食事を目指す。
「平均は3〜5点。点数が高い人は筋肉や骨がしっかりしていて、貧血も起こりにくい。まずは7点以上を目標にして」
食べやすい調理法
低栄養予防のための料理教室も開かれている。ベターホーム協会(東京都渋谷区)は1月、60歳以上を対象にした料理教室を全国18カ所で実施した。
東京・渋谷教室では、60、70代の約30人の参加者のうち、最高齢の高野正之さん(78)=杉並区=を含む12人が男性。「改めて2人の食を見直そうと思って」と、そろって参加した70代の夫婦もいた。
実習したシニア向けの一汁二菜の料理で特に好評だったのは「やわらか肉の黒酢酢豚」だ。しゃぶしゃぶ用の薄切り肉を巻いて塊肉に見立てるのがポイント。層状になった肉は歯切れがよく、食感も軽い。
埼玉県川口市に住む三浦まさ子さん(61)は「4年前に胃の切除手術を受けて、栄養が取れず、痩せてしまった。私の場合、口が胃の代わりだから、よくかまないといけないので、硬い物は避けていたけれど、これなら食べやすい」。
同協会は、シニア世代の食の知識や食事作りのコツをまとめた『つるかめ食堂 60歳からの健康維持レシピ』を出版。重要なタンパク源となる肉料理に多くのページを割いている。
「包丁の背でたたいて軟らかくする」「湯通しして脂肪分を落としてから調理する」「大根おろしを絡めてのどごしを良くする」といった食べやすさをアップさせる工夫が紹介されている。
新開さんは、1日に肉も魚も80グラムずつを目安に取るように勧める。十分にバランス良く食べるのは容易ではない。老化予防を意識して、少しずつ習慣化していくのが良いようだ。
msn産経ニュースより引用しました。
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