2008年10月09日
ついにキターッ!巨人M2、10日にもVだ
![](http://joker.rgr.jp/g/200810/09-1.jpg)
勝利の瞬間、原監督は今季初めて雄叫びを上げた。
「ヨッシャ〜!」。首脳陣との握手にも自然と力が入った。地鳴りのような大歓声。天下分け目の大一番を制したナインを誇らしげにハイタッチで迎えた。ついに虎の壁を越えてマジック「2」が点灯した。開幕から141試合目で今季初の単独首位。10日にも奇跡の逆転リーグ連覇達成までこぎつけた。
「興奮してます。(阪神より)一歩、先に出たのは大きいと思う。ただ(残り)3試合あるから、その部分で地に足をつけて頑張っていきます」
同率首位で迎えた今季最後の伝統の一戦を前に首脳陣、選手、スタッフ全員が手をつないで気合を入れ、必勝を誓った。先発の内海が2点リードの6回に押し出しで1点を失いなお2死満塁。左の代打・桧山に対して、原監督は中継ぎで11勝を挙げている新人王候補左腕、山口を今季66試合目のマウンドへ送った。重圧をものともせず桧山を内角直球でバットをへし折って二ゴロ。7回も無失点に抑えた。その裏の打席でプロ初安打もマーク。8回に先頭の金本に二塁打を浴びたが今岡、鳥谷を抑えて豊田につないだ。ペナントの行方を左右する局面で山口の起用。開幕から若手を積極起用してきた原采配が、大一番でもさえ渡った。
山口は昨年4月23日に育成から昇格。2勝をマークしたが勝ちパターンでの登板は少なかった。だが原監督は、球威、制球力が増して急速に成長を遂げる左腕を今春キャンプから高く評価。今季は開幕から主力が故障や不振に陥ったこともあり積極起用し続けた。阪神戦に限れば今季15試合で2勝1敗、防御率0・93。投げるたびの好投で周囲の注目を集めたが指揮官は「このぐらいはやると思っていた」。この試合も、降板直後の山口に歩み寄り「よくやった」と握手を交わした。まるで10年選手に対するような待遇。「育成のころから知っているし、本当に成長した。大きな試合で今年1年のトータルの仕事をさらっとやるんだから」と手放しで褒めた。
故障者が続出して苦しんだ前半戦から、若手を我慢して起用し続けた。ようやく主力が戻り、若手も含めて一丸となったチームは12連勝を飾るなど、怒とうの追い込みで単独首位まで上り詰めた。10日にも原監督は宙を舞う。最大13差からのミラクル逆転Vが、もうすぐ完結する。
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