2008年10月06日
上原今季初0封6勝 原巨人3発!逆転Vへ
![](http://joker.rgr.jp/g/200810/06-1.jpg)
圧巻だった。余力すら残っていた。最後と告げられて登った七回のマウンド。上原のギアが一気にトップに入った。中村紀を空振り、平田を見逃し、小池を空振りと3者連続三振の快投ショーだ。ベンチに戻ると伊原ヘッドコーチ、尾花投手総合コーチから握手を求められ、右腕は満面の笑みで白い歯を見せた。
「(七回の前に)もう1回で代わるようなことを言われたんで、全力でいこうかなと思って。帰ってからおいしいビールを飲んでください!」
10月最初の日曜日のデーゲーム。家族連れ、友達、恋人たちで埋め尽くされた東京ドームが、割れんばかりの大歓声に包まれる。右腕にとって今季初のお立ち台。「ウエハラ・コール」に乗せられた。
相手が中日、それも先発がチェンだけに喜びもひとしお。阪神と同率首位で迎えた9月28日の中日戦(ナゴヤドーム)。上原はチェンとの投げ合い好投を続けたが、1球に泣いた。八回に荒木にスライダーを本塁打され敗戦。首位陥落…。ベンチでグラブを投げつけて悔しがった。
リベンジに向け、もう一度、感覚を呼び起こした。「ぼくは猫背になりやすいから。香田さん(投手コーチ)に教えてもらったんです」。投球前、背中を意識。脇腹辺りに手を当て、背筋を伸ばすよう心がけた。不調のときは気持ちも弱くなり、自然と姿勢が悪くなった。技術的なことに思えるが、実は精神面に与える影響が大きい。きれいな姿勢を取ることで気持ちが前向きになり、リズムよく投げられた。
この日は最速144キロの直球にフォーク、そして“因縁”のスライダーも思うように決まった。四死球は0で、先発では今季初の無失点で6勝目だ。五輪前、先発では防御率6.75、中継ぎでは3.18と不調だったが、五輪後に先発復帰してからは防御率2.08。まさに完全復活。「オリンピックに比べれば、全然、緊張感がないんで、切迫感とかはないよ」と力強い言葉も飛び出した。
首位阪神が勝ったためゲーム差は0.5のままだが、逆転Vしか見ていない。次戦の8日には本拠地・東京ドームで今季最後の阪神戦が待つ。
「こちらのペースで試合ができるように集中して、あとは選手がノビノビと戦ってくれれば結果はついてくるでしょう」と原監督。さあ、虎退治だ。大一番での必勝へ、原巨人は一丸で向かう。
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