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2024年09月16日
花村嘉英 研究一覧
【研究発表】
●ドイツ・チュービンゲン大学新文献学部ドイツ語学科のゼミ(1989年−1990年)で統語論について発表し、オランダ語のゼミ(1989年−1990年)は、演習に参加した。また、言語学科のゼミは、音韻論(1993年)と意味論(1994年)で発表し、博士論文(HPSG für Textanalyse – zur Ironie Thomas Manns)(1995年)を作成した。
●文理シナジー学会で「文学とカリキュレーション」という組み合せで4回研究発表をした。(1998年、2004年、2006年、2007年)私の計算文学の目標は、作家の執筆時の脳の活動(シナジーのメタファー)を分析することにあり、「トーマス・マンとファジィ」、「魯迅とカオス」、「森鴎外と感情」、「ナディン・ゴーディマと意欲」、「川端康成と認知発達」などがその例である。
●武漢科技大学外語外事職業学院で「中国から伝わった日本のことばや文化」及び「日本語会話のトレーニング−場面のイメージ作り(状況意味論)」と題して2回発表をした。(2009年、2010年)
●中国・延辺大学の中日韓朝言語文化比較研究シンポジウムで「中日翻訳の高速化−比較言語学からの考察」及び「20世紀前半に見る東西の危機感」と題して2回研究発表をした。(2011年、2013年)
●日本語教育国際研究大会(名古屋大学)に於いて、「読む・書く」というテーマで教案を脳トレとリンクさせる要約法について研究発表をし、さらに「研究でつながる広場」で「日本語教育におけるシナジー論」と題して意見を交わした。(2012年)
●北京日本学研究センター及び中華日本学会が主催した「日本研究の新展開」国際シンポジウム(北京外国語大学)で「魯迅から鴎外へ-比較文学による考察」と題して研究発表をした。(2012年)
●四川外国語大学の国際シンポジウム−文化の越境と他者の表象で「『狂人日記』から見えてくるカオス効果について−認知言語学からの考察」と題して発表をした。(2013年)
●南京農業大学で開催された中国日語教学研究会江蘇分会で「森鴎外の『山椒大夫』のDB化とその分析」と題して研究発表をした。(2014年)
●上海外国語大学で開催された中日対照言語学研究会で「産業日本語の学習法とその応用例−2段階の処理法について」と題して研究発表をした。(2015年)
●南京林業大学で開催された中国日語教学研究会江蘇分会で「森鴎外の『佐橋甚五郎』のDBとバラツキによる分析」と題して研究発表をし、懇親会でも意見を交わした。(2016年)
●上海の同済大学で開催された中国日語教学研究会上海分会で「シナジーのメタファーの作り方」と題して研究発表をした。(2017年)
●上海の同済大学で開催された中国日語教学研究会上海分会で「川端康成の『雪国』から見えて来るシナジーのメタファーとは」と題して研究発表をした。(2018年)
●杭州師範大学で開催された中国日語教学研究会暨日本学研究国際研討会で「マクロの文学分析のための一考察−作家の条件として危機管理者を想定する」と題して研究発表をした。(2019年)
●中国日語教学研究会上海分会主催の日本語教育と日本学研究国際シンポジウム(ZOOM開催)において「三浦綾子の『道ありき』でうつ病を考える−人文科学から病跡学へ」と題して研究発表をした。(2020年)
【学術関連表彰】
「从认知语言学的角度浅析鲁迅作品−魯迅をシナジーで読む」華東理工大学出版社 2015年
●栄誉証書 大連外国語大学(文献学)2017年3月
●栄誉証書 南京農業大学(文献学)2017年3月、2017年5月
●捐赠証書(奨励)北京大学 2017年3月
●捐赠証書(奨励)北京外国語大学 2017年3月
【著作・論文・研修・資格】
【日本語】
◎言語系
●論文題目 日本語の会話や作文からやさしい翻訳へ−中国人に日本語を教授する 武漢科技大学外語外事職業学院 2010年
●論文題目 中国語ネイティブに向けた日本語の作文のトレーニング 日本語教育国際研究大会(名古屋2012)2012年
●論文題目 人文科学のための人材育成ついて 日本語教育のためのプログラムに収録 日本語教育国際研究大会(名古屋2012)
●論文題目 人文科学から始める技術文の翻訳−英日 独日 中日(レポート)上海外国語大学 2015年
●論文題目 森鴎外の「山椒大夫」のデータベース化とその分析 中国日語教学研究会江蘇分会論文集 2015年
●論文題目 森鴎外の「佐橋甚五郎」のデータベースとバラツキによる分析 中国日語教学研究会江蘇分会論文集 2016年
●論文題目 森鴎外の「山椒大夫」のくるバラツキについて 2018年
●論文題目 森鴎外の「山椒大夫」の相関関係について 2018年
●著書名 日语教育计划书 面向中国人的日语教学法与森鸥外小说的数据库应用 日本語教育のためのプログラム−中国語話者向けの教授法から森鴎外のデータベースまで 南京東南大学出版社 2017年
●論文題目 シナジーのメタファーを外国語教育に応用する ブログ シナジーのメタファー 2018年
●論文題目 ビジネス日本語の攻略法 ブログ シナジーのメタファー 2018年
●論文題目 ヴァイスゲルバーから日本語教育を再考する ブログ シナジーのメタファー 2018年
●論文題目 中国から日本に伝わったことばや文化について−欧州との比較も交えて 武漢科技大学外語外事職業学院 2019年
●論文題目 森鴎外の「山椒大夫」の多変量解析−クラスタ分析と主成分 2019年
●論文題目 心理学統計の検定を用いて森鴎外の「山椒大夫」を考える 2019年
●論文題目 シナジーのメタファーのために一作家一作品でできること-森鴎外「山椒大夫」2019年
●論文題目 森鴎外の「山椒大夫」の交絡について 2021年
●論文題目 森鴎外の「山椒大夫」でファイ係数を考える 2021年
●論文題目 森鴎外の「山椒大夫」でオッズ比を考える 2021年
●論文題目 森鴎外の「山椒大夫」でカイ二乗検定を考える 2021年
●論文題目 森鴎外の「佐橋甚五郎」の相関関係について 2018年
●論文題目 森鴎外の「佐橋甚五郎」の多変量解析−クラスタ分析と主成分 2019年
●論文題目 心理学統計の検定を用いて森鴎外の「佐橋甚五郎」を考える 2019年
●論文題目 シナジーのメタファーのために一作家一作品でできること-森鴎外「佐橋甚五郎」2019年
●論文題目 森鴎外の「佐橋甚五郎」の交絡について 2021年
●論文題目 森鴎外の「佐橋甚五郎」でファイ係数を考える 2021年
●論文題目 森鴎外の「佐橋甚五郎」でオッズ比を考える 2021年
●論文題目 森鴎外の「佐橋甚五郎」でカイ二乗検定を考える 2021年
●論文題目 森鷗外の「渋江抽齋」を感情で読む 2021年
●論文題目 森鷗外の「衛生新篇」で研究ノートを作成する 2021年
●論文題目 森鴎外の病跡学−人間鴎外と作家鴎外 2021年
●論文題目 森鷗外の「舞姫」でテキストマイニングを考える 2022年
●論文題目 川端康成の「雪国」に見る執筆脳について−「無と創造」から「目的達成型の認知発達」中国日語教学研究会上海分会論文集 2018年
●論文題目 川端康成の「雪国」のバラツキについて 2018年
●論文題目 川端康成の「雪国」の相関関係について ブログ シナジーのメタファー 2018年
●論文題目 川端康成の「雪国」の多変量解析−クラスタ分析と主成分 2019年
●論文題目 心理学統計の検定を用いて川端康成の「雪国」を考える 2019年
●論文題目 シナジーのメタファーのために一作家一作品でできること-川端康成「雪国」 ファンブログ 2019年
●論文題目 川端康成の「伊豆の踊子」でテキストマイニングを考える 2022年
●論文題目 井上靖の「わが母の記」で執筆脳を考える−連合野の働き 2021年
●論文題目 井上靖の「わが母の記」のバラツキについて 2019年
●論文題目 井上靖の「わが母の記」の多変量解析−クラスタ分析と主成分 2019年
●論文題目 井上靖の「わが母の記」の相関関係について 2019年
●論文題目 心理学統計の検定を用いて井上靖の「わが母の記」を考える ファンブログ 2019年
●論文題目 井上靖の「我が母の記」と認知症の関係について ファンブログ 2020年
●論文題目 井上靖の「わが母の記」から三角関数の応用例を考える 2021年
●論文題目 小林多喜二の「蟹工船」で執筆脳を考える−不安障害 ファンブログ 2019年
●論文題目 小林多喜二の「蟹工船」のバラツキについて 2019年
●論文題目 小林多喜二の「蟹工船」の相関関係について 2019年
●論文題目 小林多喜二の「蟹工船」の多変量解析−クラスタ分析と主成分 2019年
●論文題目 心理学統計の検定を用いて小林多喜二の「蟹工船」を考える 2019年
●論文題目 小林多喜二の「蟹工船」の交絡について 2021年
●論文題目 小林多喜二の「蟹工船」でファイ係数を考える 2021年
●論文題目 小林多喜二の「蟹工船」でオッズ比を考える 2021年
●論文題目 小林多喜二の「蟹工船」でカイ二乗検定を考える 2021年
●論文題目 三浦綾子の「道ありき」で執筆脳を考える ファンブログ 2019年
●論文題目 三浦綾子の「道ありき」のバラツキについて 2019年
●論文題目 三浦綾子の「道ありき」の相関関係について 2019年
●論文題目 三浦綾子の「道ありき」の多変量解析−クラスタ分析と主成分 2019年
●論文題目 心理学統計の検定を用いて三浦綾子の「道ありき」を考える 2019年
●論文題目 三浦綾子の「道ありき」の交絡について 2020年
●論文題目 三浦綾子の「道ありき」でファイ係数を考える 2020年
●論文題目 三浦綾子の「道ありき」でオッズ比を考える 2021年
●論文題目 三浦綾子の「道ありき」でカイ二乗検定を考える 2021年
●論文題目 三浦綾子の「道ありき」から三角関数の応用例を考える 2021年
●論文題目 三浦綾子の「道ありき」で寄与危険を考える 2021年
●論文題目 島崎藤村の「千曲川のスケッチ」で執筆脳を考える−自然や文化の観察者の立場から ファンブログ 2020年
●論文題目 島崎藤村の「千曲川のスケッチ」のバラツキについて 2020年
●論文題目 島崎藤村の「千曲川のスケッチ」の相関関係について 2020年
●論文題目 島崎藤村の「千曲川のスケッチ」の多変量解析−クラスタ分析と主成分 2020年
●論文題目 心理学統計の検定を用いて島崎藤村の「千曲川のスケッチ」を考える 2020年
◎文学系
●論文題目 中島敦の「山月記」で執筆脳を考える−パーソナリティ障害 ファンブログ 2019年
●論文題目 国木田独歩の「武蔵野」で執筆脳を考える ファンブログ 2020年 ファンブログ 2020年
●論文題目 芥川龍之介の「河童」で執筆脳を考える ファンブログ 2020年
●論文題目 坂口安吾の「肝臓先生」で執筆脳を考える−漠然とした不安 ファンブログ 2020年
●論文題目 志賀直哉の「城の崎にて」で執筆脳を考える ファンブログ 2020年
●論文題目 佐藤愛子の「沢村校長の晩年」で執筆脳を考える ファンブログ 2020年
●論文題目 有島武郎の「小さき者へ」で執筆脳を考える ファンブログ 2020年
●論文題目 横光利一の「蝿」で執筆脳を考える ファンブログ 2020年 ファンブログ 2020年
●論文題目 横光利一の「蝿」でテキストマイニングを考える 2022年
●論文題目 幸田文の「父」で執筆脳を考える−臨終 ファンブログ 2020年
●論文題目 泉鏡花の「外科室」で執筆脳を考える ファンブログ 2020年
●論文題目 有吉佐和子の「華岡青洲の妻」で執筆脳を考える−乳がん手術法 ファンブログ 2020年
●論文題目 水上勉の「海の牙」で執筆脳を考える−水俣病 ファンブログ 2020年
●論文題目 遠藤周作の「あの世で」で執筆脳を考える ファンブログ 2020年
●論文題目 谷崎潤一郎の「盲目物語」で執筆脳を考える ファンブログ 2020年
●論文題目 開高健の「裸の王様」で執筆脳を考える−アスペルガー症候群 ファンブログ 2020年
●論文題目 古井由吉の「水」で執筆脳を考える ファンブログ 2020年
●論文題目 五木寛之の「冬のひまわり」で執筆脳を考える ファンブログ 2020年
●論文題目 武者小路実篤の「愛と死」で執筆脳を考える ファンブログ 2020年
●論文題目 永井荷風の「濹東綺譚」で執筆脳を考える ファンブログ 2020年
●論文題目 田山花袋の「蒲団」で執筆脳を考える ファンブログ 2020年
●論文題目 田山花袋の「田舎教師」で執筆脳を考える ファンブログ 2023年
●論文題目 太宰治の「ヴィヨンの妻」で執筆脳を考える ファンブログ 2020年
●論文題目 宮沢賢治の「ひかりの素足」で執筆脳を考える−共生故の幸福
●論文題目 井伏鱒二の「山椒魚」で執筆脳を考える ファンブログ 2020年 ファンブログ 2020年
●論文題目 柴田翔の「鳥の影」で執筆脳を考える ファンブログ 2020年
●論文題目 宮本百合子の「播州平野」で執筆脳を考える ファンブログ 2020年
●論文題目 阿部公房の「飢餓同盟」で執筆脳を考える ファンブログ 2020年
●論文題目 三島由紀夫の「潮騒」で執筆脳を考える ファンブログ 2021年
●論文題目 三浦綾子の「道ありき」でうつ病から病跡学を考える 中国日語教学研究会上海分会論文集 2021年
●論文題目 川端康成の病跡学−人間川端と作家川端 2022年
●論文題目 夏目漱石の「坊ちゃん」で執筆脳を考える ファンブログ 2023年
●論文題目 広津和郎の「神経病時代」で執筆脳を考える−反射的な痙攣 ファンブログ 2023年
●論文題目 長塚節の「土」で執筆脳を考える ファンブログ 2023年
●論文題目 堀辰雄の「風立ちぬ」で執筆脳を考える ファンブログ 2023年
●論文題目 江川晴の「看護婦物語」で執筆脳を考える ファンブログ 2023年
●論文題目 上山明博の「関東大震災を予知した二人の男」で執筆脳を考える ファンブログ 2024年
●著書名 小説をシナジーで読む−森鴎外から川端康成へ データベースと病跡学に備えて V2ソリューション 2024年
●データベース 森鴎外「山椒大夫」「佐橋甚五郎」「安井夫人」「魚玄機」、井上靖「わが母の記」「天平の甍」、川端康成「雪国」「伊豆の踊子」、中島敦「山月記」、小林多喜二「蟹工船」、三浦綾子「道ありき」、島崎藤村「千曲川のスケッチ」、志賀直哉「城の崎にて」、国木田独歩「武蔵野」、芥川龍之介「河童」、坂口安吾「肝臓先生」、有島武郎「小さき者へ」、横光利一「蝿」、泉鏡花「外科室」、幸田文「父」、佐藤愛子「沢村校長の晩年」、有吉佐和子「華岡青洲の妻」、水上勉「海の牙」、遠藤周作「あの世で」、谷崎潤一郎「盲目物語」、太宰治「ヴィヨンの妻」、宮沢賢治「ひかりの素足」、堀辰雄「風立ちぬ」、田山花袋「蒲団」「田舎教師」、永井荷風「濹東綺譚」、堀辰雄「風立ちぬ」、古井由吉「水」、開高健「裸の王様」、幸田露伴「五重塔」、五木寛之「冬のひまわり」、武者小路実篤「愛と死」、井伏鱒二「山椒魚」、広津和郎「神経病時代」、三島由紀夫「潮騒」、阿部公房「飢餓同盟」、柴田翔「鳥の影」、長塚節「土」、夏目漱石「坊ちゃん」、宮本百合子「播州平野」、壷井栄「二十四の瞳」、瀬戸内寂静「紹興」、石坂洋次郎「若い川の流れ」、大江健三郎「アトミックエイジの守護神」、三浦哲郎「忍ぶ川」、上山明博「関東大震災を予知した二人の男」、渡辺淳一「光と影」、新田次郎「神通川」、安保邦彦「明けない夜の四日市」、北條民雄「ライを病む青年」、紀貫之「土佐日記」、竹西寛子「蘭」、曽野綾子「椅子の中」、江川晴「看護婦物語」、樋口一葉「たけくらべ」
【中国語】
◎言語系
●論文題目 中日翻訳の高速化−比較言語学からの考察 延辺大学中日朝韓言語文化比較研究国際シンポジウム 2012年
●論文題目 「狂人日記」から見えてくるカオス効果について−認知言語学からの考察(統合失調症)四川外国語大学国際シンポジウム 2013年
●著書名 从认知语言学的角度浅析鲁迅作品−魯迅をシナジーで読む 華東理工大学出版社 2015年
●論文題目 サピアの「言語」と魯迅の「阿Q正伝」−魯迅とカオス 从认知语言学的角度浅析鲁迅作品に収録 2015年
●Babel 中日契約書翻訳講座修了 2017年10月
●論文題目 魯迅の「狂人日記」のバラツキについて ブログ シナジーのメタファー 2018年
●論文題目 魯迅の「狂人日記」の相関関係について ファンブログ 2018年
●論文題目 魯迅の「狂人日記」の多変量解析−クラスタ分析と主成分 2019年
●論文題目 心理学統計の検定を用いて魯迅の「狂人日記」を考える 2019年
●論文題目 シナジーのメタファーのために一作家一作品でできること−魯迅の「狂人日記」2019年
●論文題目 魯迅の「狂人日記」から微分法の応用を考える 2021年
●論文題目 魯迅の「狂人日記」の交絡について 2021年
●論文題目 魯迅の「狂人日記」でファイ係数を考える 2021年
●論文題目 魯迅の「狂人日記」でオッズ比を考える 2021年
●論文題目 魯迅の「狂人日記」でカイ二乗検定を考える 2021年
●論文題目 魯迅の「阿Q正伝」のバラツキについて ファンブログ 2018年
●論文題目 魯迅の「阿Q正伝」の相関関係について ブログ シナジーのメタファー 2018年
●論文題目 魯迅の「阿Q正伝」の多変量解析−クラスタ分析と主成分 2019年
●論文題目 心理学統計の検定を用いて魯迅の「阿Q正伝」を考える 2019年
●論文題目 シナジーのメタファーのために一作家一作品でできること−魯迅の「阿Q正伝」2019年
●論文題目 魯迅の「阿Q正伝」の交絡について 2021年
●論文題目 魯迅の「阿Q正伝」でファイ係数を考える 2021年
●論文題目 魯迅の「阿Q正伝」でオッズ比を考える 2021年
●論文題目 魯迅の「阿Q正伝」でカイ二乗検定を考える 2021年
●論文題目 莫言の「蛙」で執筆脳を考える−帝王切開 ファンブログ 2020年
●論文題目 莫言の「蛙」のバラツキについて ファンブログ 2020年
●論文題目 莫言の「蛙」の相関関係について ファンブログ 2020年
●論文題目 莫言の「蛙」の多変量解析−クラスタ分析と主成分 ファンブログ 2020年
●論文題目 心理学統計の検定を用いて莫言の「蛙」を考える ファンブログ 2020年
●論文題目 莫言の「蛙」の交絡について ファンブログ 2020年
●論文題目 莫言の「蛙」でファイ係数を考える ファンブログ 2020年
●論文題目 莫言の「蛙」でオッズ比を考える 2021年
●論文題目 莫言の「蛙」でカイ二乗検定を考える 2021年
●著書名 小説をシナジーで読む−魯迅から莫言へ シナジーのメタファーのために V2ソリューション 2023年
◎文学系
●論文題目 魯迅の「祝福」で執筆脳を考える 2022年
●論文題目 魯迅の「藤野先生」で執筆脳を考える 2022年
●論文題目 高行健の「朋友」で執筆脳を考える 2021年
●論文題目 高行健の「円恩寺」で執筆脳を考える 2022年
●論文題目 高行健の「车祸」で執筆脳を考える 2022年
●論文題目 高行健の「文学の理由」について考える 2022年
●論文題目 谌容の「人到中年」で執筆脳を考える 2022年
●論文題目 王安憶の「小鮑庄」で執筆脳を考える 2023年
●論文題目 阿城の「棋王」で執筆脳を考える 2023年
●論文題目 阿城の「孩子王」で執筆脳を考える 2023年
●論文題目 陸文夫の「美食家」で執筆脳を考える 2023年
●論文題目 汪曽祥の「橋辺小説三篇」で執筆脳を考える 2023年
●データベース 魯迅「阿Q正伝」「狂人日記」「祝福」「藤野先生」、莫言「蛙」、高行健「朋友」「円恩寺」「车祸」、谌容「人到中年」、王安憶「小鮑庄」、阿城「棋王」「孩子王」、陸文夫「美食家」、汪曽祥「橋辺小説三篇」
【ドイツ語】
◎言語系
●発表題目 トーマス・マンのイロニーとファジー理論 文理シナジー学会 東海大学 1998年
●発表題目 計算文学のすすめ−Thomas Mannの “Der Zauberberg”(魔の山)を考える(発表)文理シナジー学会 東京文化会館 2005年
●著書名 計算文学入門−Thomas Mannのイロニーはファジィ推論といえるのか? 新風舎(出版証明書付) 2005年
●論文題目 論理文法の基礎−主要部駆動句構造文法のドイツ語への適用 計算文学入門に収録 2005年
●論文題目 やさしい曖昧な数学(ファジィ集合)−「魔の山」をマージする 計算文学入門に収録 2005年
●発表題目 計算文学の基礎固め:トーマス・マンの “Joseph und seine Brüder”(ヨーゼフとその兄弟)を考える(発表)文理シナジー学会 日本アムウェイ 2006年
●発表題目 計算文学のすすめ−トーマス・マンと鴎外の比較(発表)文理シナジー学会 日本アムウェイ 2007年
●論文題目 Thomas Mannの“Der Zauberberg”(魔の山)のデータベース化と推定からの分析 ブログ シナジーのメタファー 2017年
●論文題目 ラフ集合でThomas Mannの「魔の山」を考える−テキストマイニングのトレーニング ブログ シナジーのメタファー 2017年
●論文題目 トーマス・マンの“Der Zauberberg”(魔の山)のバラツキについて ファンブログ 2018年
●論文題目 トーマス・マンの“Der Zauberberg”(魔の山)の相関関係について ファンブログ 2019年
●論文題目 シナジーのメタファーのために一作家一作品でできること−トーマス・マンの「魔の山」2019年
●論文題目 トーマス・マンの“Der Zauberberg”(魔の山)の多変量解析−クラスタ分析と主成分 ファンブログ 2019年
●論文題目 心理学統計の検定を用いてトーマス・マンの“Der Zauberberg”(魔の山)を考える ファンブログ 2019年
●論文題目 トーマス・マンの“Joseph und seine Brüder”(ヨーゼフとその兄弟)の「ヤコブ物語」に見るファジィ測度について Puboo 2019年
論文題目 ハインリッヒ・ベルの “Wanderer, kommst du nach Spa…”(旅人よ、汝スパ…にいたりなば)で執筆脳を考える ファンブログ 2019年
●論文題目 ハインリッヒ・ベルの “Wanderer, kommst du nach Spa…”のバラツキについて 2019年
●論文題目 ハインリッヒ・ベルの “Wanderer, kommst du nach Spa…”の相関関係について 2019年
●論文題目 ハインリッヒ・ベルの “Wanderer, kommst du nach Spa…”の多変量解析-クラスタ分析と主成分 2019年
●論文題目 心理学統計の検定を用いてハインリッヒ・ベルの“Wanderer, kommst du nach Spa…”を考える 2019年
●論文題目 ペーター・ハントケの“Wunschloses Unglück”(幸せではないが、もういい)で執筆脳を考える−実母のうつ病 ファンブログ 2020年
●論文題目 ペーター・ハントケの“Wunschloses Unglück”のバラツキについて 2020年
●論文題目 ペーター・ハントケの“Wunschloses Unglück”の相関関係について 2020年
●論文題目 ペーター・ハントケの“Wunschloses Unglück”の多変量解析-クラスタ分析と主成分 2020年
●論文題目 心理学統計の検定を用いてペーター・ハントケの“Wunschloses Unglück”を考える 2020年
●論文題目 ハントケの“Wunschloses Unglück”から三角関数の応用を考える 2020年
●論文題目 今後のAIの活用について−自然言語処理技術を文学分析に応用する Gaccoのレポート 2020年
●論文題目 Anfangen、beginnen、aufhörenにおける様相因子の動きから生まれる文の曖昧性−モンタギュー文法による形式意味論からの考察 ブログ シナジーのメタファー 2020年
●論文題目 ドイツ語の話法の助動詞をモンタギュー文法から考える 2022年
●論文題目 モンタギュー文法の意味公準について考える−階層的な様相表現を中心にして 2022年
●論文題目 モンタギュー文法からGPSGへーイディオムの構成性をめぐるモデル理論の修正 2022年
●論文題目 イディオムーMGからGPSGそしてHPSGへ 2022年
●著書名 計算文学入門(改訂版)−シナジーのメタファーの原点を探る V2ソリューション 2022年
◎文学系
●翻訳書名 Johan Wolfgang von Götheの“Italienische Reise”(イタリア紀行)(共訳、監修)2010年 バベル出版
●論文題目 エリアス・カネッティの “Die Stimmen von Marrakesch”(マラケシュの声)で執筆脳を考える ファンブログ 2019年
●論文題目 フランツ・カフカの“Die Verwandlung”(変身)で執筆脳を考える ファンブログ 2020年
●論文題目 ヘルマン・ヘッセの”Schön ist die Jugend”(青春は美わし)で執筆脳を考える ファンブログ 2020年
●論文題目 ハインリッヒ・ マンの”Der Tyrann”(専制君主)で執筆脳を考える ファンブログ 2020年
●論文題目 ハインリッヒ・ マンの”Die Branzilla”(ブランツィッラ)の執筆脳について ファンブログ 2020年
●論文題目 ゴットフリート・ベンの”Gehirn”(脳)で執筆脳を考える ブログ シナジーのメタファー 2020年
●論文題目 シュテファン・ツヴァイクの”Angst”(不安)で執筆脳を考える−不安障害 2021年
●論文題目 ギュンター・グラスの”Katz und Maus”(猫と鼠)で執筆脳を考える 2021年
●論文題目 ゲアハルト・ハオプトマンの”Der Schuß im Park”(公園での発砲)で執筆脳を考える 2021年
●論文題目 パオル・ハイゼの”Unvergeßbare Worte”(忘られぬ言葉)で執筆脳を考える 2023年
●データベース トーマス・マン “Der Zauberberg”(魔の山)、ハインリッヒ・ベル “Wanderer, kommst du nach Spa…”(旅人よ、汝スパ…にいたりなば)、エリアス・カネッティ “Die Stimmen von Marrakesch”(マラケシュの声)、ペーター・ハントケ “Wunschloses Unglück”(幸せではないが、もういい)、フランツ・カフカ “Die Verwandlung”(変身)、ヘルマン・ヘッセ”Schön ist die Jugend”(青春は美わし)、ハインリッヒ・ マン”Der Tyrann”(専制君主)、”Die Branzilla”(ブランツィッラ)、ゴットフリート・ベン”Gehirn”(脳)、シュテファン・ツヴァイク”Angst”(不安)、ギュンター・グラス”Katz und Maus”(猫と鼠)、ゲアハルト・ハオプトマン”Der Schuß im Park”(公園での発砲)、パオル・ハイゼ”Unvergeßbare Worte”(忘られぬ言葉)
【英語】【フランス語】【スペイン語】
●論文訳 Linguistics of Sapir and the world of “The True Story of Ah Q” – Luxun and chaos, 2015
●論文訳 Chaotic effect expected from “A Madman’s Diary”-Consideration from cognitive linguistics, 2015
●エイブス・メディカル翻訳講座英和上級修了 2016年2月(同講座初級修了 2015年9月、同講座入門修了 2014年5月)
●論文訳 Study to make a database of “Sansho the Bailiff of Ogai Mori”, July 2018
●論文訳 To make a database of Jingoro Sahashi of Ogai Mori and its deviation, July 2018
●論文訳 How to make a synergic metaphor, January ブログ シナジーのメタファー 2018
●論文題目 “The Late Bourgeois World”(ブルジョワ世界の終わりに)から見たゴーディマの意欲について−脳の前頭葉・前頭前野の活動を中心に 2018年
●論文訳 About motivation of Nadine Gordimer viewed from “The Late Bourgeois World”, ブログ シナジーのメタファー 2018年
●著書名 从认知语言学的角度浅析纳丁・戈迪默 ナディン・ゴーディマと意欲−適応障害 華東理工大学出版社 2018年
●論文題目 ナディン・ゴーディマの“The Late Bourgeois World”のバラツキについて ファンブログ 2018年
●論文題目 ナディン・ゴーディマの“The Late Bourgeois World”の相関関係について ファンブログ 2018年
●論文題目 シナジーのメタファーのために一作家一作品でできること-ナディン・ゴーディマの“The Late Bourgeois World” ファンブログ 2019年
●論文訳 Synergic metaphor viewed from “Snow Country” of Yasunari Kawabata – from “Nothingness and Creation” to “object achievement type cognitive, ブログ シナジーのメタファー 2019
●論文題目 ナディン・ゴーディマの “The Late Bourgeois World” の多変量解析−クラスタ分析と主成分 2019年
●論文題目 心理学統計の検定を用いてナディン・ゴーディマの“The Late Bourgeois World”を考える 2019年
●論文題目 ジョン・マックスウェル・クッツェーの “Age of Iron”(鉄の時代)で執筆脳を考える ブログ シナジーのメタファー 2020年
●論文題目 ドリス・レッシングの “Hunger”(飢え)で執筆脳を考える 2021年
●論文題目 アルベール・カミュの “L'Étranger”(異邦人)で執筆脳を考える−不安障害 2021年
●論文題目 パトリック・モディアノの “Fleurs de ruine”(廃墟に咲く花)で執筆脳を考える 2021年
●論文訳 Research on a synergic metaphor of “Frog” by Mo Yan, ブログ シナジーのメタファー 2022
●論文題目 ガルシア・マルケスの “Amargura para tres sonámnulos”(三人の夢遊病者の苦しみ)で執筆脳を考える 2022年
●論文題目 バルガス・リョサの “El abuelo”(祖父)で執筆脳を考える 2022年
●論文題目 パール・バックの “The child who never grew”(母よ嘆くなかれ)で執筆脳を考える−発達障害 2022年
●論文題目 アリス・マンローの “Tell me Yes or No”(はっきりいってよ)で執筆脳を考える 2022年
●論文題目 アーネスト・ヘミングウェイ “The old man and the sea”(老人と海)で執筆脳を考える 2022年
●論文題目 ジャン・ポール・サルトルの “La Nausée”(嘔吐)で執筆脳を考える−吐き気 2022年
●論文題目 ル・クレジオの “Pawana”(パワナ)で執筆脳を考える 2022年
●論文題目 クロード・シモンの “Le tramway”(路面電車)で執筆脳を考える 2022年
●論文題目 アルフォンソ・ドーデの “ La Dernière Classe”(最後の授業)で執筆脳を考える 2022年
●論文題目 アナトール・フランスの “Crainquebille”(クランクビーユ)で執筆脳を考える 2022年
●論文題目 アブドゥルザラク・グルナの“Departure of memory”(出発の記憶)で執筆脳を考える 2023年
●論文題目 レイナルド・アレナスの“Antes que anochezca”(夜になる前に)で執筆脳を考える−エイズ 2023年
●論文題目 フランソア・モーリャックの“Génitrix”(母:ジェニトリックス)で執筆脳を考える−軽度認知症 2023年
●論文題目 アニー・エルノーの“L'occupacion”(嫉妬)で執筆脳を考える−意識障害 2023年
●論文題目 パトリック・ホワイトの“The Hanging Garden”(空中庭園)で執筆脳を考える 2023年
●論文題目 アンドレ・ジイドの“La symphonie pastrale”(田園交響曲)で執筆脳を考える 2024年
●論文題目 トニ・モリソンの“The bluest eye”(青い目が欲しい)で執筆脳を考える 2024年
●データベース ナディン・ゴーディマ “The Late Bourgeois World”(ブルジョワ世界の終わりに)、ジョン・マックスウェル・クッツェー“Age of Iron”(鉄の時代)、ドリス・レッシング“Hunger”(飢え)、パール・バック“The child who never grew”(母よ嘆くなかれ)、アリス・マンロー“Tell me Yes or No”(はっきりいてよ)、アーネスト・ヘミングウェイ“The old man and the sea”(老人と海)、アブドゥルザラク・グルナの“ Departure of memory”(出発の記憶)、パトリック・ホワイト“The Hanging Garden”( 空中庭園)、トニ・モリソン“The bluest eye”(青い目が欲しい)、ガルシア・マルケス“Amargura para tres sonámnulos”(三人の夢遊病者の苦しみ)、バルガス・リョサ“El abuelo”(祖父)、レイナルド・アレナス“Antes que anochezca”(夜になる前に)、アルベール・カミュ“L'Étranger”(異邦人)、パトリック・モディアノ“Fleurs de ruine”(廃墟に咲く花)、ジャン・ポール・サルトル“La Nausée”(嘔吐)、ル・クレジオ“Pawana”(パワナ)、クロード・シモン“Le tramway”(路面電車)、アルフォンソ・ドーデ“ La Dernière Classe”(最後の授業)、アナトール・フランス“Crainquebille”(クランクビーユ)、フランソア・モーリャック“Génitrix”(母:ジェニトリックス)、アニー・エルノー“L'occupacion”(嫉妬)、アンドレ・ジイド“La symphonie pastrale”(田園交響曲)
【比較言語・比較文学】
●論文題目 魯迅から鴎外へ−比較文学からの考察(レポート)北京外国語大学「日本研究の新展開」国際シンポジウ 2012年
●論文題目 20世紀前半に見る東西の危機感−魯迅、鴎外、トーマス・マン 延辺大学中日朝韓言語文化比較研究国際シンポジウム 2014年
●論文題目 シナジーのメタファーの作り方−トーマス・マン、魯迅、森鴎外、ナディン・ゴーディマ、井上靖(病跡学)中国日語教学研究会上海分会論文集 2018年
●論文題目 ことばの呼応とその運用を比較する−英語、ドイツ語、日本語、中国語を中心に ブログ シナジーのメタファー2018年
●論文題目 日本語から見た東アジアと欧米諸語の比較−言語類型論における普遍性を中心に ファンブログ 2018年
●論文題目 リスク社会学の観点から文学をマクロに考える−危機管理者としての作家について 中国日語教学研究会上海分会論文集 2020年
●論文題目 観察社会学の観点から文学をマクロに考える−自然や文化の観察者としての作家について 2020年
●論文題目 医療社会学の観点から文学をマクロに考える−データ分析者としての作家の役割について 2021年
●論文題目 家族社会学の観点から文学をマクロに考える−小説から社会と家族の関連性を考える 2021年
●論文題目 数理社会学の観点から文学をマクロに考える−不満がもたらす問題をランダムに比較する 2021年
●論文題目 文化社会学の観点から文学をマクロに考える−都市と地域の時空の現象 2021年
●論文題目 環境社会学の観点から文学をマクロに考える−四大公害病を中心に 2021年
●論文題目 福祉社会学の観点から文学をマクロに考える−ケア、看取り、貧窮を中心に 2021年
●論文題目 スポーツ社会学の観点から文学をマクロに考える−陸上を中心に 2022年
●論文題目 時間の比較社会学の観点から文学をマクロに考える−南部アフリカを中心に 2022年
●論文題目 老年社会学の観点から文学をマクロに考える 2023年
●論文題目 子ども社会学の観点から文学をマクロに考える 2023年
●論文題目 教育社会学の観点から文学をマクロに考える 2023年
●論文題目 法社会学の観点から文学をマクロに考える 2023年
●論文題目 農村社会学の観点から文学をマクロに考える 2023年
●論文題目 都市社会学の観点からマクロに文学を考える 2023年
●論文題目 終活の社会学の観点から文学をマクロに考える 2023年
●論文題目 宗教社会学の観点から文学をマクロに考える 2023年
●論文題目 看護社会学の観点から文学をマクロに考える 2023年
●論文題目 災害社会学の観点から文学をマクロに考える 2024年
【社会・システム】
●論文題目 「日本経済入門」の講義とその応用例(レポート) ファンブログ 2018年
●論文題目 リスク社会論からトップダウンで作家の執筆脳を考える−中島敦の「山月記」を交えて 2019年
●埼玉西部消防組合 甲種防火管理新規講習修了 2019年5月
●日本学術振興会 研究倫理 eラーニング 「事例で「学ぶ/考える」研究倫理 誠実な科学者の心得」修了 2019年8月
●ICR臨床研究入門 倫理審査委員会向けの倫理研修 eラーニング修了 2019年8月
●JTEX 知的財産権入門講座修了 2019年12月
●Fisdom修了講座 10進法を2進法に変換、暗号化、パリティチェック、情報リテラシー Office2016、統計学入門、Python入門、学校における無線ネットワークの作り方、安全学入門、インターネットセキュリティ、情報法 2019年12月
●INPIT 工業所有権研修・情報館 eラーニング 20講座受講済 2020年5月
●日本能力開発推進協会 マインドフルネススペシャリスト検定試験合格 2020年10月、上級心理カウンセラー検定試験合格2021年7月、行動心理士検定試験合格 2023年1月
●特許庁 「シナジーのメタファ―」の商標登録許可 2021年3月
●Gacco修了講座 セキュリティ・プライバシ・法令、公衆無線LANセキュリティ対策、SDGs(持続可能な開発目標)入門 、Memento Moriー死を想う、大学生のためのデータサイエンス、社会人のためのデータサイエンス 、多変量データ解析法 、統計学−データ分析の基礎、誰でも使えるオープンデータ、進化発生学入門、心理学スパイラルアップ、推論・知識処理・自然言語処理、クラウド基盤構築演習、アーキテクチャ・品質エンジニアリング、スマートIoTシステム・ビジネス入門、IoTとシステムズアプローチ、クラウドサービス・分散システム、センサ、機械学習、深層学習、社会の中のAI、ビジネスフィールドでのAI・データ活用スキル 2024年8月現在
【バイオ・メディカル】
●日本成人病予防協会(JAPA)健康管理士一般指導員認定 2015年3月、健康管理能力検定1級取得 2015年3月、健康管理士一般指導員ゴールド認定 2017年4月、食育セミナー「身体を強める食動学」参加 2017年10月、ステップアップ講座(横浜)参加 2017年12月、健康管理士上級指導員認定 2020年3月、健康管理士統括指導員認定 2023年10月
●予防医学・代替医療振興協会修了講座 予防医学指導士 2015年12月、代替医療カウンセラー 2016年4月、認知症ケアカウンセラー 2016年12月
●フードデリバリー 熱中症対策アドバイザー認定 2018年7月
●ソラスト修了講座 医師事務作業補助者(ドクターズオフィスワークアシスト)養成講座 2018年10月、医療事務講座クリニックコース(2019年3月)
●技能認定振興協会(JSMA)医師事務作業補助者検定試験合格 2019年4月
●日本癌治療学会 Cancer eラーニング 104講座修了 受講証明書有 2019年8月
●日本人間ドック学会 遺伝学的検査検討委員会 eラーニング修了 2019年8月
●日本医療ガス学会 医療ガス安全管理研修 eラーニング修了 2019年8月
●ICR臨床研究入門修了講座 臨床研究の基礎知識講座、臨床研究のデータベースマネージメント入門、再生医療研究のインフォームド・コンセント、事例から学ぶ研究倫理 2019年8月
●JTEX 製薬・医薬品の基礎講座修了 2019年10月
●東京女子医科大学 教育・学習支援プログラム 100講座修了 2020年2月
●動脈硬化予防啓発セミナー eラーニング 55講座修了 2020年5月
●Gacco修了講座 がんゲノム医療オンライン講座2020(ノート作成済)2021年3月
●日本糖尿病学会 リアルタイムCGM研修 eラーニング修了 2021年4月
●日本臨床腫瘍学会 市民公開講座「正しく知ろう!がん免疫療法とがんゲノム医療」受講済 2021年4月、がんゲノムネット eラーニング 受講済 2021年5月
●厚生労働省 Peace 緩和ケア研修 eラーニング修了、IHEAT 新型コロナウイルス感染症等に対する人材育成eラーニング 受講済 2021年5月
●MPラーニング(薬学) 50講座修了 2022年2月
●医療情報処理学会医療情報技師育成部会 eラーニング 受講講座 医療情報基礎用語集、個人情報の保護法、医療統計セミナーB、 医療情報学研究の最前線と医療現場を繋ぐ 2024年8月現在
【所属研究会】
●日本成人病予防協会
https://fanblogs.jp/macroresearch/履歴書
【連絡先】
電話 04-2921-1820、メール hanamura36@gmail.com
●ドイツ・チュービンゲン大学新文献学部ドイツ語学科のゼミ(1989年−1990年)で統語論について発表し、オランダ語のゼミ(1989年−1990年)は、演習に参加した。また、言語学科のゼミは、音韻論(1993年)と意味論(1994年)で発表し、博士論文(HPSG für Textanalyse – zur Ironie Thomas Manns)(1995年)を作成した。
●文理シナジー学会で「文学とカリキュレーション」という組み合せで4回研究発表をした。(1998年、2004年、2006年、2007年)私の計算文学の目標は、作家の執筆時の脳の活動(シナジーのメタファー)を分析することにあり、「トーマス・マンとファジィ」、「魯迅とカオス」、「森鴎外と感情」、「ナディン・ゴーディマと意欲」、「川端康成と認知発達」などがその例である。
●武漢科技大学外語外事職業学院で「中国から伝わった日本のことばや文化」及び「日本語会話のトレーニング−場面のイメージ作り(状況意味論)」と題して2回発表をした。(2009年、2010年)
●中国・延辺大学の中日韓朝言語文化比較研究シンポジウムで「中日翻訳の高速化−比較言語学からの考察」及び「20世紀前半に見る東西の危機感」と題して2回研究発表をした。(2011年、2013年)
●日本語教育国際研究大会(名古屋大学)に於いて、「読む・書く」というテーマで教案を脳トレとリンクさせる要約法について研究発表をし、さらに「研究でつながる広場」で「日本語教育におけるシナジー論」と題して意見を交わした。(2012年)
●北京日本学研究センター及び中華日本学会が主催した「日本研究の新展開」国際シンポジウム(北京外国語大学)で「魯迅から鴎外へ-比較文学による考察」と題して研究発表をした。(2012年)
●四川外国語大学の国際シンポジウム−文化の越境と他者の表象で「『狂人日記』から見えてくるカオス効果について−認知言語学からの考察」と題して発表をした。(2013年)
●南京農業大学で開催された中国日語教学研究会江蘇分会で「森鴎外の『山椒大夫』のDB化とその分析」と題して研究発表をした。(2014年)
●上海外国語大学で開催された中日対照言語学研究会で「産業日本語の学習法とその応用例−2段階の処理法について」と題して研究発表をした。(2015年)
●南京林業大学で開催された中国日語教学研究会江蘇分会で「森鴎外の『佐橋甚五郎』のDBとバラツキによる分析」と題して研究発表をし、懇親会でも意見を交わした。(2016年)
●上海の同済大学で開催された中国日語教学研究会上海分会で「シナジーのメタファーの作り方」と題して研究発表をした。(2017年)
●上海の同済大学で開催された中国日語教学研究会上海分会で「川端康成の『雪国』から見えて来るシナジーのメタファーとは」と題して研究発表をした。(2018年)
●杭州師範大学で開催された中国日語教学研究会暨日本学研究国際研討会で「マクロの文学分析のための一考察−作家の条件として危機管理者を想定する」と題して研究発表をした。(2019年)
●中国日語教学研究会上海分会主催の日本語教育と日本学研究国際シンポジウム(ZOOM開催)において「三浦綾子の『道ありき』でうつ病を考える−人文科学から病跡学へ」と題して研究発表をした。(2020年)
【学術関連表彰】
「从认知语言学的角度浅析鲁迅作品−魯迅をシナジーで読む」華東理工大学出版社 2015年
●栄誉証書 大連外国語大学(文献学)2017年3月
●栄誉証書 南京農業大学(文献学)2017年3月、2017年5月
●捐赠証書(奨励)北京大学 2017年3月
●捐赠証書(奨励)北京外国語大学 2017年3月
【著作・論文・研修・資格】
【日本語】
◎言語系
●論文題目 日本語の会話や作文からやさしい翻訳へ−中国人に日本語を教授する 武漢科技大学外語外事職業学院 2010年
●論文題目 中国語ネイティブに向けた日本語の作文のトレーニング 日本語教育国際研究大会(名古屋2012)2012年
●論文題目 人文科学のための人材育成ついて 日本語教育のためのプログラムに収録 日本語教育国際研究大会(名古屋2012)
●論文題目 人文科学から始める技術文の翻訳−英日 独日 中日(レポート)上海外国語大学 2015年
●論文題目 森鴎外の「山椒大夫」のデータベース化とその分析 中国日語教学研究会江蘇分会論文集 2015年
●論文題目 森鴎外の「佐橋甚五郎」のデータベースとバラツキによる分析 中国日語教学研究会江蘇分会論文集 2016年
●論文題目 森鴎外の「山椒大夫」のくるバラツキについて 2018年
●論文題目 森鴎外の「山椒大夫」の相関関係について 2018年
●著書名 日语教育计划书 面向中国人的日语教学法与森鸥外小说的数据库应用 日本語教育のためのプログラム−中国語話者向けの教授法から森鴎外のデータベースまで 南京東南大学出版社 2017年
●論文題目 シナジーのメタファーを外国語教育に応用する ブログ シナジーのメタファー 2018年
●論文題目 ビジネス日本語の攻略法 ブログ シナジーのメタファー 2018年
●論文題目 ヴァイスゲルバーから日本語教育を再考する ブログ シナジーのメタファー 2018年
●論文題目 中国から日本に伝わったことばや文化について−欧州との比較も交えて 武漢科技大学外語外事職業学院 2019年
●論文題目 森鴎外の「山椒大夫」の多変量解析−クラスタ分析と主成分 2019年
●論文題目 心理学統計の検定を用いて森鴎外の「山椒大夫」を考える 2019年
●論文題目 シナジーのメタファーのために一作家一作品でできること-森鴎外「山椒大夫」2019年
●論文題目 森鴎外の「山椒大夫」の交絡について 2021年
●論文題目 森鴎外の「山椒大夫」でファイ係数を考える 2021年
●論文題目 森鴎外の「山椒大夫」でオッズ比を考える 2021年
●論文題目 森鴎外の「山椒大夫」でカイ二乗検定を考える 2021年
●論文題目 森鴎外の「佐橋甚五郎」の相関関係について 2018年
●論文題目 森鴎外の「佐橋甚五郎」の多変量解析−クラスタ分析と主成分 2019年
●論文題目 心理学統計の検定を用いて森鴎外の「佐橋甚五郎」を考える 2019年
●論文題目 シナジーのメタファーのために一作家一作品でできること-森鴎外「佐橋甚五郎」2019年
●論文題目 森鴎外の「佐橋甚五郎」の交絡について 2021年
●論文題目 森鴎外の「佐橋甚五郎」でファイ係数を考える 2021年
●論文題目 森鴎外の「佐橋甚五郎」でオッズ比を考える 2021年
●論文題目 森鴎外の「佐橋甚五郎」でカイ二乗検定を考える 2021年
●論文題目 森鷗外の「渋江抽齋」を感情で読む 2021年
●論文題目 森鷗外の「衛生新篇」で研究ノートを作成する 2021年
●論文題目 森鴎外の病跡学−人間鴎外と作家鴎外 2021年
●論文題目 森鷗外の「舞姫」でテキストマイニングを考える 2022年
●論文題目 川端康成の「雪国」に見る執筆脳について−「無と創造」から「目的達成型の認知発達」中国日語教学研究会上海分会論文集 2018年
●論文題目 川端康成の「雪国」のバラツキについて 2018年
●論文題目 川端康成の「雪国」の相関関係について ブログ シナジーのメタファー 2018年
●論文題目 川端康成の「雪国」の多変量解析−クラスタ分析と主成分 2019年
●論文題目 心理学統計の検定を用いて川端康成の「雪国」を考える 2019年
●論文題目 シナジーのメタファーのために一作家一作品でできること-川端康成「雪国」 ファンブログ 2019年
●論文題目 川端康成の「伊豆の踊子」でテキストマイニングを考える 2022年
●論文題目 井上靖の「わが母の記」で執筆脳を考える−連合野の働き 2021年
●論文題目 井上靖の「わが母の記」のバラツキについて 2019年
●論文題目 井上靖の「わが母の記」の多変量解析−クラスタ分析と主成分 2019年
●論文題目 井上靖の「わが母の記」の相関関係について 2019年
●論文題目 心理学統計の検定を用いて井上靖の「わが母の記」を考える ファンブログ 2019年
●論文題目 井上靖の「我が母の記」と認知症の関係について ファンブログ 2020年
●論文題目 井上靖の「わが母の記」から三角関数の応用例を考える 2021年
●論文題目 小林多喜二の「蟹工船」で執筆脳を考える−不安障害 ファンブログ 2019年
●論文題目 小林多喜二の「蟹工船」のバラツキについて 2019年
●論文題目 小林多喜二の「蟹工船」の相関関係について 2019年
●論文題目 小林多喜二の「蟹工船」の多変量解析−クラスタ分析と主成分 2019年
●論文題目 心理学統計の検定を用いて小林多喜二の「蟹工船」を考える 2019年
●論文題目 小林多喜二の「蟹工船」の交絡について 2021年
●論文題目 小林多喜二の「蟹工船」でファイ係数を考える 2021年
●論文題目 小林多喜二の「蟹工船」でオッズ比を考える 2021年
●論文題目 小林多喜二の「蟹工船」でカイ二乗検定を考える 2021年
●論文題目 三浦綾子の「道ありき」で執筆脳を考える ファンブログ 2019年
●論文題目 三浦綾子の「道ありき」のバラツキについて 2019年
●論文題目 三浦綾子の「道ありき」の相関関係について 2019年
●論文題目 三浦綾子の「道ありき」の多変量解析−クラスタ分析と主成分 2019年
●論文題目 心理学統計の検定を用いて三浦綾子の「道ありき」を考える 2019年
●論文題目 三浦綾子の「道ありき」の交絡について 2020年
●論文題目 三浦綾子の「道ありき」でファイ係数を考える 2020年
●論文題目 三浦綾子の「道ありき」でオッズ比を考える 2021年
●論文題目 三浦綾子の「道ありき」でカイ二乗検定を考える 2021年
●論文題目 三浦綾子の「道ありき」から三角関数の応用例を考える 2021年
●論文題目 三浦綾子の「道ありき」で寄与危険を考える 2021年
●論文題目 島崎藤村の「千曲川のスケッチ」で執筆脳を考える−自然や文化の観察者の立場から ファンブログ 2020年
●論文題目 島崎藤村の「千曲川のスケッチ」のバラツキについて 2020年
●論文題目 島崎藤村の「千曲川のスケッチ」の相関関係について 2020年
●論文題目 島崎藤村の「千曲川のスケッチ」の多変量解析−クラスタ分析と主成分 2020年
●論文題目 心理学統計の検定を用いて島崎藤村の「千曲川のスケッチ」を考える 2020年
◎文学系
●論文題目 中島敦の「山月記」で執筆脳を考える−パーソナリティ障害 ファンブログ 2019年
●論文題目 国木田独歩の「武蔵野」で執筆脳を考える ファンブログ 2020年 ファンブログ 2020年
●論文題目 芥川龍之介の「河童」で執筆脳を考える ファンブログ 2020年
●論文題目 坂口安吾の「肝臓先生」で執筆脳を考える−漠然とした不安 ファンブログ 2020年
●論文題目 志賀直哉の「城の崎にて」で執筆脳を考える ファンブログ 2020年
●論文題目 佐藤愛子の「沢村校長の晩年」で執筆脳を考える ファンブログ 2020年
●論文題目 有島武郎の「小さき者へ」で執筆脳を考える ファンブログ 2020年
●論文題目 横光利一の「蝿」で執筆脳を考える ファンブログ 2020年 ファンブログ 2020年
●論文題目 横光利一の「蝿」でテキストマイニングを考える 2022年
●論文題目 幸田文の「父」で執筆脳を考える−臨終 ファンブログ 2020年
●論文題目 泉鏡花の「外科室」で執筆脳を考える ファンブログ 2020年
●論文題目 有吉佐和子の「華岡青洲の妻」で執筆脳を考える−乳がん手術法 ファンブログ 2020年
●論文題目 水上勉の「海の牙」で執筆脳を考える−水俣病 ファンブログ 2020年
●論文題目 遠藤周作の「あの世で」で執筆脳を考える ファンブログ 2020年
●論文題目 谷崎潤一郎の「盲目物語」で執筆脳を考える ファンブログ 2020年
●論文題目 開高健の「裸の王様」で執筆脳を考える−アスペルガー症候群 ファンブログ 2020年
●論文題目 古井由吉の「水」で執筆脳を考える ファンブログ 2020年
●論文題目 五木寛之の「冬のひまわり」で執筆脳を考える ファンブログ 2020年
●論文題目 武者小路実篤の「愛と死」で執筆脳を考える ファンブログ 2020年
●論文題目 永井荷風の「濹東綺譚」で執筆脳を考える ファンブログ 2020年
●論文題目 田山花袋の「蒲団」で執筆脳を考える ファンブログ 2020年
●論文題目 田山花袋の「田舎教師」で執筆脳を考える ファンブログ 2023年
●論文題目 太宰治の「ヴィヨンの妻」で執筆脳を考える ファンブログ 2020年
●論文題目 宮沢賢治の「ひかりの素足」で執筆脳を考える−共生故の幸福
●論文題目 井伏鱒二の「山椒魚」で執筆脳を考える ファンブログ 2020年 ファンブログ 2020年
●論文題目 柴田翔の「鳥の影」で執筆脳を考える ファンブログ 2020年
●論文題目 宮本百合子の「播州平野」で執筆脳を考える ファンブログ 2020年
●論文題目 阿部公房の「飢餓同盟」で執筆脳を考える ファンブログ 2020年
●論文題目 三島由紀夫の「潮騒」で執筆脳を考える ファンブログ 2021年
●論文題目 三浦綾子の「道ありき」でうつ病から病跡学を考える 中国日語教学研究会上海分会論文集 2021年
●論文題目 川端康成の病跡学−人間川端と作家川端 2022年
●論文題目 夏目漱石の「坊ちゃん」で執筆脳を考える ファンブログ 2023年
●論文題目 広津和郎の「神経病時代」で執筆脳を考える−反射的な痙攣 ファンブログ 2023年
●論文題目 長塚節の「土」で執筆脳を考える ファンブログ 2023年
●論文題目 堀辰雄の「風立ちぬ」で執筆脳を考える ファンブログ 2023年
●論文題目 江川晴の「看護婦物語」で執筆脳を考える ファンブログ 2023年
●論文題目 上山明博の「関東大震災を予知した二人の男」で執筆脳を考える ファンブログ 2024年
●著書名 小説をシナジーで読む−森鴎外から川端康成へ データベースと病跡学に備えて V2ソリューション 2024年
●データベース 森鴎外「山椒大夫」「佐橋甚五郎」「安井夫人」「魚玄機」、井上靖「わが母の記」「天平の甍」、川端康成「雪国」「伊豆の踊子」、中島敦「山月記」、小林多喜二「蟹工船」、三浦綾子「道ありき」、島崎藤村「千曲川のスケッチ」、志賀直哉「城の崎にて」、国木田独歩「武蔵野」、芥川龍之介「河童」、坂口安吾「肝臓先生」、有島武郎「小さき者へ」、横光利一「蝿」、泉鏡花「外科室」、幸田文「父」、佐藤愛子「沢村校長の晩年」、有吉佐和子「華岡青洲の妻」、水上勉「海の牙」、遠藤周作「あの世で」、谷崎潤一郎「盲目物語」、太宰治「ヴィヨンの妻」、宮沢賢治「ひかりの素足」、堀辰雄「風立ちぬ」、田山花袋「蒲団」「田舎教師」、永井荷風「濹東綺譚」、堀辰雄「風立ちぬ」、古井由吉「水」、開高健「裸の王様」、幸田露伴「五重塔」、五木寛之「冬のひまわり」、武者小路実篤「愛と死」、井伏鱒二「山椒魚」、広津和郎「神経病時代」、三島由紀夫「潮騒」、阿部公房「飢餓同盟」、柴田翔「鳥の影」、長塚節「土」、夏目漱石「坊ちゃん」、宮本百合子「播州平野」、壷井栄「二十四の瞳」、瀬戸内寂静「紹興」、石坂洋次郎「若い川の流れ」、大江健三郎「アトミックエイジの守護神」、三浦哲郎「忍ぶ川」、上山明博「関東大震災を予知した二人の男」、渡辺淳一「光と影」、新田次郎「神通川」、安保邦彦「明けない夜の四日市」、北條民雄「ライを病む青年」、紀貫之「土佐日記」、竹西寛子「蘭」、曽野綾子「椅子の中」、江川晴「看護婦物語」、樋口一葉「たけくらべ」
【中国語】
◎言語系
●論文題目 中日翻訳の高速化−比較言語学からの考察 延辺大学中日朝韓言語文化比較研究国際シンポジウム 2012年
●論文題目 「狂人日記」から見えてくるカオス効果について−認知言語学からの考察(統合失調症)四川外国語大学国際シンポジウム 2013年
●著書名 从认知语言学的角度浅析鲁迅作品−魯迅をシナジーで読む 華東理工大学出版社 2015年
●論文題目 サピアの「言語」と魯迅の「阿Q正伝」−魯迅とカオス 从认知语言学的角度浅析鲁迅作品に収録 2015年
●Babel 中日契約書翻訳講座修了 2017年10月
●論文題目 魯迅の「狂人日記」のバラツキについて ブログ シナジーのメタファー 2018年
●論文題目 魯迅の「狂人日記」の相関関係について ファンブログ 2018年
●論文題目 魯迅の「狂人日記」の多変量解析−クラスタ分析と主成分 2019年
●論文題目 心理学統計の検定を用いて魯迅の「狂人日記」を考える 2019年
●論文題目 シナジーのメタファーのために一作家一作品でできること−魯迅の「狂人日記」2019年
●論文題目 魯迅の「狂人日記」から微分法の応用を考える 2021年
●論文題目 魯迅の「狂人日記」の交絡について 2021年
●論文題目 魯迅の「狂人日記」でファイ係数を考える 2021年
●論文題目 魯迅の「狂人日記」でオッズ比を考える 2021年
●論文題目 魯迅の「狂人日記」でカイ二乗検定を考える 2021年
●論文題目 魯迅の「阿Q正伝」のバラツキについて ファンブログ 2018年
●論文題目 魯迅の「阿Q正伝」の相関関係について ブログ シナジーのメタファー 2018年
●論文題目 魯迅の「阿Q正伝」の多変量解析−クラスタ分析と主成分 2019年
●論文題目 心理学統計の検定を用いて魯迅の「阿Q正伝」を考える 2019年
●論文題目 シナジーのメタファーのために一作家一作品でできること−魯迅の「阿Q正伝」2019年
●論文題目 魯迅の「阿Q正伝」の交絡について 2021年
●論文題目 魯迅の「阿Q正伝」でファイ係数を考える 2021年
●論文題目 魯迅の「阿Q正伝」でオッズ比を考える 2021年
●論文題目 魯迅の「阿Q正伝」でカイ二乗検定を考える 2021年
●論文題目 莫言の「蛙」で執筆脳を考える−帝王切開 ファンブログ 2020年
●論文題目 莫言の「蛙」のバラツキについて ファンブログ 2020年
●論文題目 莫言の「蛙」の相関関係について ファンブログ 2020年
●論文題目 莫言の「蛙」の多変量解析−クラスタ分析と主成分 ファンブログ 2020年
●論文題目 心理学統計の検定を用いて莫言の「蛙」を考える ファンブログ 2020年
●論文題目 莫言の「蛙」の交絡について ファンブログ 2020年
●論文題目 莫言の「蛙」でファイ係数を考える ファンブログ 2020年
●論文題目 莫言の「蛙」でオッズ比を考える 2021年
●論文題目 莫言の「蛙」でカイ二乗検定を考える 2021年
●著書名 小説をシナジーで読む−魯迅から莫言へ シナジーのメタファーのために V2ソリューション 2023年
◎文学系
●論文題目 魯迅の「祝福」で執筆脳を考える 2022年
●論文題目 魯迅の「藤野先生」で執筆脳を考える 2022年
●論文題目 高行健の「朋友」で執筆脳を考える 2021年
●論文題目 高行健の「円恩寺」で執筆脳を考える 2022年
●論文題目 高行健の「车祸」で執筆脳を考える 2022年
●論文題目 高行健の「文学の理由」について考える 2022年
●論文題目 谌容の「人到中年」で執筆脳を考える 2022年
●論文題目 王安憶の「小鮑庄」で執筆脳を考える 2023年
●論文題目 阿城の「棋王」で執筆脳を考える 2023年
●論文題目 阿城の「孩子王」で執筆脳を考える 2023年
●論文題目 陸文夫の「美食家」で執筆脳を考える 2023年
●論文題目 汪曽祥の「橋辺小説三篇」で執筆脳を考える 2023年
●データベース 魯迅「阿Q正伝」「狂人日記」「祝福」「藤野先生」、莫言「蛙」、高行健「朋友」「円恩寺」「车祸」、谌容「人到中年」、王安憶「小鮑庄」、阿城「棋王」「孩子王」、陸文夫「美食家」、汪曽祥「橋辺小説三篇」
【ドイツ語】
◎言語系
●発表題目 トーマス・マンのイロニーとファジー理論 文理シナジー学会 東海大学 1998年
●発表題目 計算文学のすすめ−Thomas Mannの “Der Zauberberg”(魔の山)を考える(発表)文理シナジー学会 東京文化会館 2005年
●著書名 計算文学入門−Thomas Mannのイロニーはファジィ推論といえるのか? 新風舎(出版証明書付) 2005年
●論文題目 論理文法の基礎−主要部駆動句構造文法のドイツ語への適用 計算文学入門に収録 2005年
●論文題目 やさしい曖昧な数学(ファジィ集合)−「魔の山」をマージする 計算文学入門に収録 2005年
●発表題目 計算文学の基礎固め:トーマス・マンの “Joseph und seine Brüder”(ヨーゼフとその兄弟)を考える(発表)文理シナジー学会 日本アムウェイ 2006年
●発表題目 計算文学のすすめ−トーマス・マンと鴎外の比較(発表)文理シナジー学会 日本アムウェイ 2007年
●論文題目 Thomas Mannの“Der Zauberberg”(魔の山)のデータベース化と推定からの分析 ブログ シナジーのメタファー 2017年
●論文題目 ラフ集合でThomas Mannの「魔の山」を考える−テキストマイニングのトレーニング ブログ シナジーのメタファー 2017年
●論文題目 トーマス・マンの“Der Zauberberg”(魔の山)のバラツキについて ファンブログ 2018年
●論文題目 トーマス・マンの“Der Zauberberg”(魔の山)の相関関係について ファンブログ 2019年
●論文題目 シナジーのメタファーのために一作家一作品でできること−トーマス・マンの「魔の山」2019年
●論文題目 トーマス・マンの“Der Zauberberg”(魔の山)の多変量解析−クラスタ分析と主成分 ファンブログ 2019年
●論文題目 心理学統計の検定を用いてトーマス・マンの“Der Zauberberg”(魔の山)を考える ファンブログ 2019年
●論文題目 トーマス・マンの“Joseph und seine Brüder”(ヨーゼフとその兄弟)の「ヤコブ物語」に見るファジィ測度について Puboo 2019年
論文題目 ハインリッヒ・ベルの “Wanderer, kommst du nach Spa…”(旅人よ、汝スパ…にいたりなば)で執筆脳を考える ファンブログ 2019年
●論文題目 ハインリッヒ・ベルの “Wanderer, kommst du nach Spa…”のバラツキについて 2019年
●論文題目 ハインリッヒ・ベルの “Wanderer, kommst du nach Spa…”の相関関係について 2019年
●論文題目 ハインリッヒ・ベルの “Wanderer, kommst du nach Spa…”の多変量解析-クラスタ分析と主成分 2019年
●論文題目 心理学統計の検定を用いてハインリッヒ・ベルの“Wanderer, kommst du nach Spa…”を考える 2019年
●論文題目 ペーター・ハントケの“Wunschloses Unglück”(幸せではないが、もういい)で執筆脳を考える−実母のうつ病 ファンブログ 2020年
●論文題目 ペーター・ハントケの“Wunschloses Unglück”のバラツキについて 2020年
●論文題目 ペーター・ハントケの“Wunschloses Unglück”の相関関係について 2020年
●論文題目 ペーター・ハントケの“Wunschloses Unglück”の多変量解析-クラスタ分析と主成分 2020年
●論文題目 心理学統計の検定を用いてペーター・ハントケの“Wunschloses Unglück”を考える 2020年
●論文題目 ハントケの“Wunschloses Unglück”から三角関数の応用を考える 2020年
●論文題目 今後のAIの活用について−自然言語処理技術を文学分析に応用する Gaccoのレポート 2020年
●論文題目 Anfangen、beginnen、aufhörenにおける様相因子の動きから生まれる文の曖昧性−モンタギュー文法による形式意味論からの考察 ブログ シナジーのメタファー 2020年
●論文題目 ドイツ語の話法の助動詞をモンタギュー文法から考える 2022年
●論文題目 モンタギュー文法の意味公準について考える−階層的な様相表現を中心にして 2022年
●論文題目 モンタギュー文法からGPSGへーイディオムの構成性をめぐるモデル理論の修正 2022年
●論文題目 イディオムーMGからGPSGそしてHPSGへ 2022年
●著書名 計算文学入門(改訂版)−シナジーのメタファーの原点を探る V2ソリューション 2022年
◎文学系
●翻訳書名 Johan Wolfgang von Götheの“Italienische Reise”(イタリア紀行)(共訳、監修)2010年 バベル出版
●論文題目 エリアス・カネッティの “Die Stimmen von Marrakesch”(マラケシュの声)で執筆脳を考える ファンブログ 2019年
●論文題目 フランツ・カフカの“Die Verwandlung”(変身)で執筆脳を考える ファンブログ 2020年
●論文題目 ヘルマン・ヘッセの”Schön ist die Jugend”(青春は美わし)で執筆脳を考える ファンブログ 2020年
●論文題目 ハインリッヒ・ マンの”Der Tyrann”(専制君主)で執筆脳を考える ファンブログ 2020年
●論文題目 ハインリッヒ・ マンの”Die Branzilla”(ブランツィッラ)の執筆脳について ファンブログ 2020年
●論文題目 ゴットフリート・ベンの”Gehirn”(脳)で執筆脳を考える ブログ シナジーのメタファー 2020年
●論文題目 シュテファン・ツヴァイクの”Angst”(不安)で執筆脳を考える−不安障害 2021年
●論文題目 ギュンター・グラスの”Katz und Maus”(猫と鼠)で執筆脳を考える 2021年
●論文題目 ゲアハルト・ハオプトマンの”Der Schuß im Park”(公園での発砲)で執筆脳を考える 2021年
●論文題目 パオル・ハイゼの”Unvergeßbare Worte”(忘られぬ言葉)で執筆脳を考える 2023年
●データベース トーマス・マン “Der Zauberberg”(魔の山)、ハインリッヒ・ベル “Wanderer, kommst du nach Spa…”(旅人よ、汝スパ…にいたりなば)、エリアス・カネッティ “Die Stimmen von Marrakesch”(マラケシュの声)、ペーター・ハントケ “Wunschloses Unglück”(幸せではないが、もういい)、フランツ・カフカ “Die Verwandlung”(変身)、ヘルマン・ヘッセ”Schön ist die Jugend”(青春は美わし)、ハインリッヒ・ マン”Der Tyrann”(専制君主)、”Die Branzilla”(ブランツィッラ)、ゴットフリート・ベン”Gehirn”(脳)、シュテファン・ツヴァイク”Angst”(不安)、ギュンター・グラス”Katz und Maus”(猫と鼠)、ゲアハルト・ハオプトマン”Der Schuß im Park”(公園での発砲)、パオル・ハイゼ”Unvergeßbare Worte”(忘られぬ言葉)
【英語】【フランス語】【スペイン語】
●論文訳 Linguistics of Sapir and the world of “The True Story of Ah Q” – Luxun and chaos, 2015
●論文訳 Chaotic effect expected from “A Madman’s Diary”-Consideration from cognitive linguistics, 2015
●エイブス・メディカル翻訳講座英和上級修了 2016年2月(同講座初級修了 2015年9月、同講座入門修了 2014年5月)
●論文訳 Study to make a database of “Sansho the Bailiff of Ogai Mori”, July 2018
●論文訳 To make a database of Jingoro Sahashi of Ogai Mori and its deviation, July 2018
●論文訳 How to make a synergic metaphor, January ブログ シナジーのメタファー 2018
●論文題目 “The Late Bourgeois World”(ブルジョワ世界の終わりに)から見たゴーディマの意欲について−脳の前頭葉・前頭前野の活動を中心に 2018年
●論文訳 About motivation of Nadine Gordimer viewed from “The Late Bourgeois World”, ブログ シナジーのメタファー 2018年
●著書名 从认知语言学的角度浅析纳丁・戈迪默 ナディン・ゴーディマと意欲−適応障害 華東理工大学出版社 2018年
●論文題目 ナディン・ゴーディマの“The Late Bourgeois World”のバラツキについて ファンブログ 2018年
●論文題目 ナディン・ゴーディマの“The Late Bourgeois World”の相関関係について ファンブログ 2018年
●論文題目 シナジーのメタファーのために一作家一作品でできること-ナディン・ゴーディマの“The Late Bourgeois World” ファンブログ 2019年
●論文訳 Synergic metaphor viewed from “Snow Country” of Yasunari Kawabata – from “Nothingness and Creation” to “object achievement type cognitive, ブログ シナジーのメタファー 2019
●論文題目 ナディン・ゴーディマの “The Late Bourgeois World” の多変量解析−クラスタ分析と主成分 2019年
●論文題目 心理学統計の検定を用いてナディン・ゴーディマの“The Late Bourgeois World”を考える 2019年
●論文題目 ジョン・マックスウェル・クッツェーの “Age of Iron”(鉄の時代)で執筆脳を考える ブログ シナジーのメタファー 2020年
●論文題目 ドリス・レッシングの “Hunger”(飢え)で執筆脳を考える 2021年
●論文題目 アルベール・カミュの “L'Étranger”(異邦人)で執筆脳を考える−不安障害 2021年
●論文題目 パトリック・モディアノの “Fleurs de ruine”(廃墟に咲く花)で執筆脳を考える 2021年
●論文訳 Research on a synergic metaphor of “Frog” by Mo Yan, ブログ シナジーのメタファー 2022
●論文題目 ガルシア・マルケスの “Amargura para tres sonámnulos”(三人の夢遊病者の苦しみ)で執筆脳を考える 2022年
●論文題目 バルガス・リョサの “El abuelo”(祖父)で執筆脳を考える 2022年
●論文題目 パール・バックの “The child who never grew”(母よ嘆くなかれ)で執筆脳を考える−発達障害 2022年
●論文題目 アリス・マンローの “Tell me Yes or No”(はっきりいってよ)で執筆脳を考える 2022年
●論文題目 アーネスト・ヘミングウェイ “The old man and the sea”(老人と海)で執筆脳を考える 2022年
●論文題目 ジャン・ポール・サルトルの “La Nausée”(嘔吐)で執筆脳を考える−吐き気 2022年
●論文題目 ル・クレジオの “Pawana”(パワナ)で執筆脳を考える 2022年
●論文題目 クロード・シモンの “Le tramway”(路面電車)で執筆脳を考える 2022年
●論文題目 アルフォンソ・ドーデの “ La Dernière Classe”(最後の授業)で執筆脳を考える 2022年
●論文題目 アナトール・フランスの “Crainquebille”(クランクビーユ)で執筆脳を考える 2022年
●論文題目 アブドゥルザラク・グルナの“Departure of memory”(出発の記憶)で執筆脳を考える 2023年
●論文題目 レイナルド・アレナスの“Antes que anochezca”(夜になる前に)で執筆脳を考える−エイズ 2023年
●論文題目 フランソア・モーリャックの“Génitrix”(母:ジェニトリックス)で執筆脳を考える−軽度認知症 2023年
●論文題目 アニー・エルノーの“L'occupacion”(嫉妬)で執筆脳を考える−意識障害 2023年
●論文題目 パトリック・ホワイトの“The Hanging Garden”(空中庭園)で執筆脳を考える 2023年
●論文題目 アンドレ・ジイドの“La symphonie pastrale”(田園交響曲)で執筆脳を考える 2024年
●論文題目 トニ・モリソンの“The bluest eye”(青い目が欲しい)で執筆脳を考える 2024年
●データベース ナディン・ゴーディマ “The Late Bourgeois World”(ブルジョワ世界の終わりに)、ジョン・マックスウェル・クッツェー“Age of Iron”(鉄の時代)、ドリス・レッシング“Hunger”(飢え)、パール・バック“The child who never grew”(母よ嘆くなかれ)、アリス・マンロー“Tell me Yes or No”(はっきりいてよ)、アーネスト・ヘミングウェイ“The old man and the sea”(老人と海)、アブドゥルザラク・グルナの“ Departure of memory”(出発の記憶)、パトリック・ホワイト“The Hanging Garden”( 空中庭園)、トニ・モリソン“The bluest eye”(青い目が欲しい)、ガルシア・マルケス“Amargura para tres sonámnulos”(三人の夢遊病者の苦しみ)、バルガス・リョサ“El abuelo”(祖父)、レイナルド・アレナス“Antes que anochezca”(夜になる前に)、アルベール・カミュ“L'Étranger”(異邦人)、パトリック・モディアノ“Fleurs de ruine”(廃墟に咲く花)、ジャン・ポール・サルトル“La Nausée”(嘔吐)、ル・クレジオ“Pawana”(パワナ)、クロード・シモン“Le tramway”(路面電車)、アルフォンソ・ドーデ“ La Dernière Classe”(最後の授業)、アナトール・フランス“Crainquebille”(クランクビーユ)、フランソア・モーリャック“Génitrix”(母:ジェニトリックス)、アニー・エルノー“L'occupacion”(嫉妬)、アンドレ・ジイド“La symphonie pastrale”(田園交響曲)
【比較言語・比較文学】
●論文題目 魯迅から鴎外へ−比較文学からの考察(レポート)北京外国語大学「日本研究の新展開」国際シンポジウ 2012年
●論文題目 20世紀前半に見る東西の危機感−魯迅、鴎外、トーマス・マン 延辺大学中日朝韓言語文化比較研究国際シンポジウム 2014年
●論文題目 シナジーのメタファーの作り方−トーマス・マン、魯迅、森鴎外、ナディン・ゴーディマ、井上靖(病跡学)中国日語教学研究会上海分会論文集 2018年
●論文題目 ことばの呼応とその運用を比較する−英語、ドイツ語、日本語、中国語を中心に ブログ シナジーのメタファー2018年
●論文題目 日本語から見た東アジアと欧米諸語の比較−言語類型論における普遍性を中心に ファンブログ 2018年
●論文題目 リスク社会学の観点から文学をマクロに考える−危機管理者としての作家について 中国日語教学研究会上海分会論文集 2020年
●論文題目 観察社会学の観点から文学をマクロに考える−自然や文化の観察者としての作家について 2020年
●論文題目 医療社会学の観点から文学をマクロに考える−データ分析者としての作家の役割について 2021年
●論文題目 家族社会学の観点から文学をマクロに考える−小説から社会と家族の関連性を考える 2021年
●論文題目 数理社会学の観点から文学をマクロに考える−不満がもたらす問題をランダムに比較する 2021年
●論文題目 文化社会学の観点から文学をマクロに考える−都市と地域の時空の現象 2021年
●論文題目 環境社会学の観点から文学をマクロに考える−四大公害病を中心に 2021年
●論文題目 福祉社会学の観点から文学をマクロに考える−ケア、看取り、貧窮を中心に 2021年
●論文題目 スポーツ社会学の観点から文学をマクロに考える−陸上を中心に 2022年
●論文題目 時間の比較社会学の観点から文学をマクロに考える−南部アフリカを中心に 2022年
●論文題目 老年社会学の観点から文学をマクロに考える 2023年
●論文題目 子ども社会学の観点から文学をマクロに考える 2023年
●論文題目 教育社会学の観点から文学をマクロに考える 2023年
●論文題目 法社会学の観点から文学をマクロに考える 2023年
●論文題目 農村社会学の観点から文学をマクロに考える 2023年
●論文題目 都市社会学の観点からマクロに文学を考える 2023年
●論文題目 終活の社会学の観点から文学をマクロに考える 2023年
●論文題目 宗教社会学の観点から文学をマクロに考える 2023年
●論文題目 看護社会学の観点から文学をマクロに考える 2023年
●論文題目 災害社会学の観点から文学をマクロに考える 2024年
【社会・システム】
●論文題目 「日本経済入門」の講義とその応用例(レポート) ファンブログ 2018年
●論文題目 リスク社会論からトップダウンで作家の執筆脳を考える−中島敦の「山月記」を交えて 2019年
●埼玉西部消防組合 甲種防火管理新規講習修了 2019年5月
●日本学術振興会 研究倫理 eラーニング 「事例で「学ぶ/考える」研究倫理 誠実な科学者の心得」修了 2019年8月
●ICR臨床研究入門 倫理審査委員会向けの倫理研修 eラーニング修了 2019年8月
●JTEX 知的財産権入門講座修了 2019年12月
●Fisdom修了講座 10進法を2進法に変換、暗号化、パリティチェック、情報リテラシー Office2016、統計学入門、Python入門、学校における無線ネットワークの作り方、安全学入門、インターネットセキュリティ、情報法 2019年12月
●INPIT 工業所有権研修・情報館 eラーニング 20講座受講済 2020年5月
●日本能力開発推進協会 マインドフルネススペシャリスト検定試験合格 2020年10月、上級心理カウンセラー検定試験合格2021年7月、行動心理士検定試験合格 2023年1月
●特許庁 「シナジーのメタファ―」の商標登録許可 2021年3月
●Gacco修了講座 セキュリティ・プライバシ・法令、公衆無線LANセキュリティ対策、SDGs(持続可能な開発目標)入門 、Memento Moriー死を想う、大学生のためのデータサイエンス、社会人のためのデータサイエンス 、多変量データ解析法 、統計学−データ分析の基礎、誰でも使えるオープンデータ、進化発生学入門、心理学スパイラルアップ、推論・知識処理・自然言語処理、クラウド基盤構築演習、アーキテクチャ・品質エンジニアリング、スマートIoTシステム・ビジネス入門、IoTとシステムズアプローチ、クラウドサービス・分散システム、センサ、機械学習、深層学習、社会の中のAI、ビジネスフィールドでのAI・データ活用スキル 2024年8月現在
【バイオ・メディカル】
●日本成人病予防協会(JAPA)健康管理士一般指導員認定 2015年3月、健康管理能力検定1級取得 2015年3月、健康管理士一般指導員ゴールド認定 2017年4月、食育セミナー「身体を強める食動学」参加 2017年10月、ステップアップ講座(横浜)参加 2017年12月、健康管理士上級指導員認定 2020年3月、健康管理士統括指導員認定 2023年10月
●予防医学・代替医療振興協会修了講座 予防医学指導士 2015年12月、代替医療カウンセラー 2016年4月、認知症ケアカウンセラー 2016年12月
●フードデリバリー 熱中症対策アドバイザー認定 2018年7月
●ソラスト修了講座 医師事務作業補助者(ドクターズオフィスワークアシスト)養成講座 2018年10月、医療事務講座クリニックコース(2019年3月)
●技能認定振興協会(JSMA)医師事務作業補助者検定試験合格 2019年4月
●日本癌治療学会 Cancer eラーニング 104講座修了 受講証明書有 2019年8月
●日本人間ドック学会 遺伝学的検査検討委員会 eラーニング修了 2019年8月
●日本医療ガス学会 医療ガス安全管理研修 eラーニング修了 2019年8月
●ICR臨床研究入門修了講座 臨床研究の基礎知識講座、臨床研究のデータベースマネージメント入門、再生医療研究のインフォームド・コンセント、事例から学ぶ研究倫理 2019年8月
●JTEX 製薬・医薬品の基礎講座修了 2019年10月
●東京女子医科大学 教育・学習支援プログラム 100講座修了 2020年2月
●動脈硬化予防啓発セミナー eラーニング 55講座修了 2020年5月
●Gacco修了講座 がんゲノム医療オンライン講座2020(ノート作成済)2021年3月
●日本糖尿病学会 リアルタイムCGM研修 eラーニング修了 2021年4月
●日本臨床腫瘍学会 市民公開講座「正しく知ろう!がん免疫療法とがんゲノム医療」受講済 2021年4月、がんゲノムネット eラーニング 受講済 2021年5月
●厚生労働省 Peace 緩和ケア研修 eラーニング修了、IHEAT 新型コロナウイルス感染症等に対する人材育成eラーニング 受講済 2021年5月
●MPラーニング(薬学) 50講座修了 2022年2月
●医療情報処理学会医療情報技師育成部会 eラーニング 受講講座 医療情報基礎用語集、個人情報の保護法、医療統計セミナーB、 医療情報学研究の最前線と医療現場を繋ぐ 2024年8月現在
【所属研究会】
●日本成人病予防協会
https://fanblogs.jp/macroresearch/履歴書
【連絡先】
電話 04-2921-1820、メール hanamura36@gmail.com
三浦綾子の「道ありき」でうつ病を考える−病跡学へのアプローチ11
4 まとめ
三浦綾子の執筆時の脳の活動を調べるために、まず受容と共生からなるLのストーリーを文献により組み立てた。次に、「道ありき」のLのストーリーをデータベース化して、最後に特定したところを実験で確認した。そのため、テキスト共生によるシナジーのメタファーについては、一応の研究成果が得られている。
これで人文から自然科学に向かう共生の研究として計算文学から病蹟学へのラインができた。問題解決の場面のみならず、未解決の場面でも病蹟学であれば実験の対象にすることができる。認知の柱をスライドさせながら、人文と他系列の調節をするだけでなく、認知科学をバラして、縦に言語の認知、横に情報の認知となるLのイメージを作ると、メゾのデータとして広義のシナジーのメタファーのために役に立つ。Lのイメージは、3次元のロジックと合わせると安定した箱になる。
参考文献
日本成人病予防協会 健康管理士一般指導員受験対策講座テキスト3 ヘルスケア出版 2014
花村嘉英 計算文学入門−Thomas Mannのイロニーはファジィ推論といえるのか? 新風舎 2005
花村嘉英 从认知语言学的角度浅析鲁迅作品−魯迅をシナジーで読む 華東理工大学出版社 2015
花村嘉英 日语教育计划书−面向中国人的日语教学法与森鸥外小说的数据库应用 日本語教育のためのプログラム−中国語話者向けの教授法から森鴎外のデータベースまで 南京東南大学出版社 2017
花村嘉英 从认知语言学的角度浅析纳丁・戈迪默−ナディン・ゴーディマと意欲 華東理工大学出版社 2018
花村嘉英 シナジーのメタファーの作り方−トーマス・マン、魯迅、森鴎外、ナディン・ゴーディマ、井上靖 中国日語教学研究会上海分会論文集 2018
花村嘉英 川端康成の「雪国」に見る執筆脳について−「無と創造」から「目的達成型の認知発達」へ 中国日語教学研究会上海分会論文集 2019
三浦綾子 道ありき(青春編2004、結婚編2003、信仰入門編2011) 新潮文庫
三浦綾子の執筆時の脳の活動を調べるために、まず受容と共生からなるLのストーリーを文献により組み立てた。次に、「道ありき」のLのストーリーをデータベース化して、最後に特定したところを実験で確認した。そのため、テキスト共生によるシナジーのメタファーについては、一応の研究成果が得られている。
これで人文から自然科学に向かう共生の研究として計算文学から病蹟学へのラインができた。問題解決の場面のみならず、未解決の場面でも病蹟学であれば実験の対象にすることができる。認知の柱をスライドさせながら、人文と他系列の調節をするだけでなく、認知科学をバラして、縦に言語の認知、横に情報の認知となるLのイメージを作ると、メゾのデータとして広義のシナジーのメタファーのために役に立つ。Lのイメージは、3次元のロジックと合わせると安定した箱になる。
参考文献
日本成人病予防協会 健康管理士一般指導員受験対策講座テキスト3 ヘルスケア出版 2014
花村嘉英 計算文学入門−Thomas Mannのイロニーはファジィ推論といえるのか? 新風舎 2005
花村嘉英 从认知语言学的角度浅析鲁迅作品−魯迅をシナジーで読む 華東理工大学出版社 2015
花村嘉英 日语教育计划书−面向中国人的日语教学法与森鸥外小说的数据库应用 日本語教育のためのプログラム−中国語話者向けの教授法から森鴎外のデータベースまで 南京東南大学出版社 2017
花村嘉英 从认知语言学的角度浅析纳丁・戈迪默−ナディン・ゴーディマと意欲 華東理工大学出版社 2018
花村嘉英 シナジーのメタファーの作り方−トーマス・マン、魯迅、森鴎外、ナディン・ゴーディマ、井上靖 中国日語教学研究会上海分会論文集 2018
花村嘉英 川端康成の「雪国」に見る執筆脳について−「無と創造」から「目的達成型の認知発達」へ 中国日語教学研究会上海分会論文集 2019
三浦綾子 道ありき(青春編2004、結婚編2003、信仰入門編2011) 新潮文庫
三浦綾子の「道ありき」でうつ病を考える−病跡学へのアプローチ10
表3 虚無とうつの認知プロセス
A 表2と同じ。情報の認知1 1、情報の認知1 2、情報の認知1 1
B 表2と同じ。情報の認知1 2、情報の認知1 2、情報の認知1 1
C 表2と同じ。情報の認知1 3、情報の認知1 2、情報の認知1 1
D 表2と同じ。情報の認知1 3、情報の認知1 2、情報の認知1 1
E 表2と同じ。情報の認知1 2、情報の認知1 2、情報の認知1 1
A:情報の認知1は@ベースとプロファイル、情報の認知2はA新情報、情報の認知3は@計画から問題解決へである。
B:情報の認知1はAグループ化、情報の認知2はA新情報、情報の認知3は@計画から問題解決へである。
C:情報の認知1はB他の反応、情報の認知2はA新情報、情報の認知3は@計画から問題解決へである。
D:情報の認知1はB他の反応、情報の認知2はA新情報、情報の認知3は@計画から問題解決へである。
E:情報の認知1はAグループ化、情報の認知2はA新情報、情報の認知3は@計画から問題解決へである。
結果
三浦綾子は、この場面で、聖書を読んで外部から情報を取り込み、釈迦を思い虚無に関する共通の姿を宗教に見出した。そして、虚無の生活からの転機により計画から問題解決に到達している。そのため「虚無と愛情」と「虚無とうつ」という組が相互に作用する。
花村嘉英(2020)「三浦綾子の『道ありき』の執筆脳について」より
A 表2と同じ。情報の認知1 1、情報の認知1 2、情報の認知1 1
B 表2と同じ。情報の認知1 2、情報の認知1 2、情報の認知1 1
C 表2と同じ。情報の認知1 3、情報の認知1 2、情報の認知1 1
D 表2と同じ。情報の認知1 3、情報の認知1 2、情報の認知1 1
E 表2と同じ。情報の認知1 2、情報の認知1 2、情報の認知1 1
A:情報の認知1は@ベースとプロファイル、情報の認知2はA新情報、情報の認知3は@計画から問題解決へである。
B:情報の認知1はAグループ化、情報の認知2はA新情報、情報の認知3は@計画から問題解決へである。
C:情報の認知1はB他の反応、情報の認知2はA新情報、情報の認知3は@計画から問題解決へである。
D:情報の認知1はB他の反応、情報の認知2はA新情報、情報の認知3は@計画から問題解決へである。
E:情報の認知1はAグループ化、情報の認知2はA新情報、情報の認知3は@計画から問題解決へである。
結果
三浦綾子は、この場面で、聖書を読んで外部から情報を取り込み、釈迦を思い虚無に関する共通の姿を宗教に見出した。そして、虚無の生活からの転機により計画から問題解決に到達している。そのため「虚無と愛情」と「虚無とうつ」という組が相互に作用する。
花村嘉英(2020)「三浦綾子の『道ありき』の執筆脳について」より
三浦綾子の「道ありき」でうつ病を考える−病跡学へのアプローチ9
【連想分析2】
情報の認知1(感覚情報)
感覚器官からの情報に注目することから、対象の捉え方が問題になる。また、記憶に基づく感情は、扁桃体と関係しているため、条件反射で無意識に素振りに出てしまう。このプロセルのカラムの特徴は、@ベースとプロファイル、Aグループ化、B条件反射である。
情報の認知2(記憶と学習)
外部からの情報を既存の知識構造へ組み込む。この新しい知識はスキーマと呼ばれ、既存の情報と共通する特徴を持っている。未知の情報は、またカテゴリー化される。このプロセスは、経験を通した学習になる。このプロセルのカラムの特徴は、@旧情報、A新情報である。
情報の認知3(計画、問題解決、推論)
受け取った情報は、計画を立てるプロセスでも役に立つ。その際、目的に応じて問題を分析し、解決策を探っていく。しかし、獲得した情報が完全でない場合は、推論が必要になる。このプロセルのカラムの特徴は、@計画から問題解決へ、A問題未解決から推論へである。
花村嘉英(2020)「三浦綾子の『道ありき』の執筆脳について」より
情報の認知1(感覚情報)
感覚器官からの情報に注目することから、対象の捉え方が問題になる。また、記憶に基づく感情は、扁桃体と関係しているため、条件反射で無意識に素振りに出てしまう。このプロセルのカラムの特徴は、@ベースとプロファイル、Aグループ化、B条件反射である。
情報の認知2(記憶と学習)
外部からの情報を既存の知識構造へ組み込む。この新しい知識はスキーマと呼ばれ、既存の情報と共通する特徴を持っている。未知の情報は、またカテゴリー化される。このプロセスは、経験を通した学習になる。このプロセルのカラムの特徴は、@旧情報、A新情報である。
情報の認知3(計画、問題解決、推論)
受け取った情報は、計画を立てるプロセスでも役に立つ。その際、目的に応じて問題を分析し、解決策を探っていく。しかし、獲得した情報が完全でない場合は、推論が必要になる。このプロセルのカラムの特徴は、@計画から問題解決へ、A問題未解決から推論へである。
花村嘉英(2020)「三浦綾子の『道ありき』の執筆脳について」より
三浦綾子の「道ありき」でうつ病を考える−病跡学へのアプローチ8
分析例
1 聖書を読んで釈迦を思い虚無の生活から転機が訪れる場面。
2 この小論では、「道ありき」執筆時の三浦綾子の脳の活動を「虚無とうつ」と考えているため、意味3の思考の流れ、虚無のありなしに注目する。
3 意味1の喜怒哀楽のうち喜楽は、聖書を渡した前川正との愛情につながる。
4 意味1 @喜A怒B哀C楽、意味2 @視覚A聴覚B味覚C嗅覚D触覚、意味3 @虚無ありAなし、意味4振舞い @直示A隠喩B記事なし
5 疾病脳(虚無でうつ) @あるAなし、健常脳(うつから回復) @あるAなし
テキスト共生の公式
ステップ1:意味1、2、3、4を合わせて解析の組「虚無と愛情」を作る。
ステップ2:うつ病の精神症状から「虚無とうつ」という組を作り、解析の組と合わせる。
A:B哀+@視覚+@虚無あり+@直示という解析の組を、うつ病の精神症状からなる虚無でうつあり+うつから回復なしという組と合わせる。
B:B哀+@視覚+@虚無あり+@直示という解析の組を、うつ病の精神症状からなる虚無でうつあり+うつから回復なしという組と合わせる。
C:@喜+@視覚+A虚無なし+A隠喩という解析の組を、うつ病の精神症状からなる虚無でうつなし+うつから回復ありという組と合わせる。
D:@喜+@視覚+A虚無なし+A隠喩という解析の組を、うつ病の精神症状からなる虚無でうつなし+うつから回復ありという組と合わせる。
E:C楽+@視覚+A虚無なし+A隠喩という解析の組を、うつ病の精神症状からなる虚無でうつなし+うつから回復ありという組と合わせる。
結果 表2については、テキスト共生の公式が適用される。
花村嘉英(2020)「三浦綾子の『道ありき』の執筆脳について」より
1 聖書を読んで釈迦を思い虚無の生活から転機が訪れる場面。
2 この小論では、「道ありき」執筆時の三浦綾子の脳の活動を「虚無とうつ」と考えているため、意味3の思考の流れ、虚無のありなしに注目する。
3 意味1の喜怒哀楽のうち喜楽は、聖書を渡した前川正との愛情につながる。
4 意味1 @喜A怒B哀C楽、意味2 @視覚A聴覚B味覚C嗅覚D触覚、意味3 @虚無ありAなし、意味4振舞い @直示A隠喩B記事なし
5 疾病脳(虚無でうつ) @あるAなし、健常脳(うつから回復) @あるAなし
テキスト共生の公式
ステップ1:意味1、2、3、4を合わせて解析の組「虚無と愛情」を作る。
ステップ2:うつ病の精神症状から「虚無とうつ」という組を作り、解析の組と合わせる。
A:B哀+@視覚+@虚無あり+@直示という解析の組を、うつ病の精神症状からなる虚無でうつあり+うつから回復なしという組と合わせる。
B:B哀+@視覚+@虚無あり+@直示という解析の組を、うつ病の精神症状からなる虚無でうつあり+うつから回復なしという組と合わせる。
C:@喜+@視覚+A虚無なし+A隠喩という解析の組を、うつ病の精神症状からなる虚無でうつなし+うつから回復ありという組と合わせる。
D:@喜+@視覚+A虚無なし+A隠喩という解析の組を、うつ病の精神症状からなる虚無でうつなし+うつから回復ありという組と合わせる。
E:C楽+@視覚+A虚無なし+A隠喩という解析の組を、うつ病の精神症状からなる虚無でうつなし+うつから回復ありという組と合わせる。
結果 表2については、テキスト共生の公式が適用される。
花村嘉英(2020)「三浦綾子の『道ありき』の執筆脳について」より
三浦綾子の「道ありき」でうつ病を考える−病跡学へのアプローチ7
【連想分析1】
表2 受容と共生のイメージ合わせ
虚無の生活から転機が訪れる場面
A 言ってみれば、この世で望める限りの幸福を一心に集めていたわけだ。しかし彼は老人を見て、人間の衰えゆく姿を思い、葬式を見て、人の命の有限なることも思った。そしてある夜ひそかに、王宮も王子の地位も、美しい妻も子も棄てて、一人山の中に入ってしまった。
意味1 3、意味1 1、意味1 1、意味1 1、疾病脳1、健常脳2
B つまり釈迦は、今まで自分が幸福だと思っていたものに、むなしさだけを感じ取ってしまったのであろう。電動の書といい、釈迦といい、そのそもそもの初めには虚無があったということに、わたしは宗教というものに共通する一つの姿を見た。意味1 3、意味1 1、意味1 1、意味1 1、疾病脳1、健常脳2
C わたし自身、敗戦以来すっかり虚無的になっていたから、この発見はわたしに一つの転機をもたらした。
意味1 1、意味1 1、意味1 2、意味1 2、疾病脳2、健常脳1
D 虚無は、この世のすべてのものを否定するむなしい考え方であり、ついには自分自身をも否定することになるわけだが、そこまで追いつかれた時に、何かが開けるということを、電動の書にわたしは感じた。
意味1 1、意味1 1、意味1 2、意味1 2、疾病脳2、健常脳1
E この伝導の書の終わりにあった、「汝の若き日に汝の造り主をおぼえよ」の一言は、それ故にひどくわたしの心を打った。それ以来私たちの求道生活は、次第にまじめになっていった。
意味1 4、意味1 1、意味1 2、意味1 2、疾病脳2、健常脳1
花村嘉英(2020)「三浦綾子の『道ありき』の執筆脳について」より
表2 受容と共生のイメージ合わせ
虚無の生活から転機が訪れる場面
A 言ってみれば、この世で望める限りの幸福を一心に集めていたわけだ。しかし彼は老人を見て、人間の衰えゆく姿を思い、葬式を見て、人の命の有限なることも思った。そしてある夜ひそかに、王宮も王子の地位も、美しい妻も子も棄てて、一人山の中に入ってしまった。
意味1 3、意味1 1、意味1 1、意味1 1、疾病脳1、健常脳2
B つまり釈迦は、今まで自分が幸福だと思っていたものに、むなしさだけを感じ取ってしまったのであろう。電動の書といい、釈迦といい、そのそもそもの初めには虚無があったということに、わたしは宗教というものに共通する一つの姿を見た。意味1 3、意味1 1、意味1 1、意味1 1、疾病脳1、健常脳2
C わたし自身、敗戦以来すっかり虚無的になっていたから、この発見はわたしに一つの転機をもたらした。
意味1 1、意味1 1、意味1 2、意味1 2、疾病脳2、健常脳1
D 虚無は、この世のすべてのものを否定するむなしい考え方であり、ついには自分自身をも否定することになるわけだが、そこまで追いつかれた時に、何かが開けるということを、電動の書にわたしは感じた。
意味1 1、意味1 1、意味1 2、意味1 2、疾病脳2、健常脳1
E この伝導の書の終わりにあった、「汝の若き日に汝の造り主をおぼえよ」の一言は、それ故にひどくわたしの心を打った。それ以来私たちの求道生活は、次第にまじめになっていった。
意味1 4、意味1 1、意味1 2、意味1 2、疾病脳2、健常脳1
花村嘉英(2020)「三浦綾子の『道ありき』の執筆脳について」より
三浦綾子の「道ありき」でうつ病を考える−病跡学へのアプローチ6
3 データベースの作成・分析
データベースの作成法について説明する。エクセルのデータについては、列の前半(文法1から意味5)が構文や意味の解析データ、後半(医学情報から人工知能)が理系に寄せる生成のデータである。一応、L(受容と共生)は反映している。データベースの数字は、登場人物を動かしながら考えている。
こうしたデータベースを作る場合、共生のカラムの設定が難しい。受容は、それぞれの言語ごとに構文と意味を解析し、何かの組を作ればよい。しかし、共生は、作家の知的財産に基づいた脳の活動が問題になるため、作家ごとにカラムが変わる。(花村2017)
【データベースの作成】
表1 「道ありき」のデータベースのカラム
文法1 名詞の格 三浦綾子の助詞の使い方を考える。
文法2 態 能動、受動、使役。
文法3 時制、相 現在、過去、未来、進行形、完了形。
文法4 様相 様相の表現。可能、推量、義務、必然。
意味1 喜怒哀楽 感情との接点。
意味2 五感 視覚、聴覚、味覚、嗅覚、触覚。
意味3 思考の流れ 虚無ある、なし。
意味4 振舞い ジェスチャー、身振り。直示と隠喩を考える。
医学情報 病跡学との接点 受容と共生の共有点。構文や意味の解析から得た組「虚無と愛情」と病跡学でリンクを張るためにメディカル情報を入れる。
記憶 短期、作業記憶、長期(陳述と非陳述) 作品から読み取れる記憶を拾う。長期記憶は陳述と非陳述に分類される。
情報の認知1 感覚情報の捉え方 感覚器官からの情報に注目するため、対象の捉え方が問題になる。例えば、ベースとプロファイルやグループ化または条件反射。
情報の認知2 記憶と学習 外部からの情報を既存の知識構造に組み込む。その際、未知の情報についてはカテゴリー化する。学習につながるため。記憶の型として、短期、作業記憶、長期(陳述と非陳述)を考える。
情報の認知3 計画、問題解決、推論 受け取った情報は、計画を立てるときにも役に立つ。目的に応じて問題を分析し、解決策を探っていく。獲得した情報が完全でない場合、推論が必要になる。
疾病脳 虚無でうつ 何もなく虚しい心境。空虚であり自己も否定する。抑うつ感、不安感、思考や意欲に障害が出る。気分障害。
健常脳 うつから回復 気分障害からの回復。
花村嘉英(2020)「三浦綾子の『道ありき』の執筆脳について」より
データベースの作成法について説明する。エクセルのデータについては、列の前半(文法1から意味5)が構文や意味の解析データ、後半(医学情報から人工知能)が理系に寄せる生成のデータである。一応、L(受容と共生)は反映している。データベースの数字は、登場人物を動かしながら考えている。
こうしたデータベースを作る場合、共生のカラムの設定が難しい。受容は、それぞれの言語ごとに構文と意味を解析し、何かの組を作ればよい。しかし、共生は、作家の知的財産に基づいた脳の活動が問題になるため、作家ごとにカラムが変わる。(花村2017)
【データベースの作成】
表1 「道ありき」のデータベースのカラム
文法1 名詞の格 三浦綾子の助詞の使い方を考える。
文法2 態 能動、受動、使役。
文法3 時制、相 現在、過去、未来、進行形、完了形。
文法4 様相 様相の表現。可能、推量、義務、必然。
意味1 喜怒哀楽 感情との接点。
意味2 五感 視覚、聴覚、味覚、嗅覚、触覚。
意味3 思考の流れ 虚無ある、なし。
意味4 振舞い ジェスチャー、身振り。直示と隠喩を考える。
医学情報 病跡学との接点 受容と共生の共有点。構文や意味の解析から得た組「虚無と愛情」と病跡学でリンクを張るためにメディカル情報を入れる。
記憶 短期、作業記憶、長期(陳述と非陳述) 作品から読み取れる記憶を拾う。長期記憶は陳述と非陳述に分類される。
情報の認知1 感覚情報の捉え方 感覚器官からの情報に注目するため、対象の捉え方が問題になる。例えば、ベースとプロファイルやグループ化または条件反射。
情報の認知2 記憶と学習 外部からの情報を既存の知識構造に組み込む。その際、未知の情報についてはカテゴリー化する。学習につながるため。記憶の型として、短期、作業記憶、長期(陳述と非陳述)を考える。
情報の認知3 計画、問題解決、推論 受け取った情報は、計画を立てるときにも役に立つ。目的に応じて問題を分析し、解決策を探っていく。獲得した情報が完全でない場合、推論が必要になる。
疾病脳 虚無でうつ 何もなく虚しい心境。空虚であり自己も否定する。抑うつ感、不安感、思考や意欲に障害が出る。気分障害。
健常脳 うつから回復 気分障害からの回復。
花村嘉英(2020)「三浦綾子の『道ありき』の執筆脳について」より
三浦綾子の「道ありき」でうつ病を考える−病跡学へのアプローチ5
前川正の喪が明けてから、綾子の病室を訪問する客の中に三浦光世という男がいた。旭川営林署に勤務する会計係である。死刑因と文通し、慰め力づけている人であった。やはり腎臓結核の手術歴がある。確かに結核は、侵入経路の大多数が肺出る。しかし、肺や腸、腎臓などの臓器や骨、関節そして皮膚を侵し、胸膜炎や腹膜炎を起こす。三浦は、清潔で静かな表情をし、前川正と趣味や思想が似ていた。綾子は、熱が出て寝汗もかき、血痰が増え面会謝絶になる。病気を気づかう見舞いから、次第に三浦光世に惹かれていく。
微熱や寝汗はあるも少しずつ体力がついたころ、万一のために遺言を書き、歌を整理していた。自分の死体を解剖してもらいたい。解剖用死体が不足していて、死後に何かの役に立ちたいという思いからである。三浦光世に渡すと、必ず治るといってノートを読んでくれた。三浦の手紙には、最愛なるという形容が綾子の名前についていた。愛の励ましのおかげで、綾子の体は元気になり、外出もできるようになった。
昭和三十四年の正月、三浦の年頭の挨拶のとき、婚約式が1月25日に決まった。式が終わると、結婚式は5月24日になった。よく晴れた日曜日に教会堂で牧師の言葉に二人で深く頷いた。
回想録執筆時の記憶の中では、肺病のため虚しい思いがつきまとっている。そこで「道ありき」の執筆脳は、「虚無とうつ」にする。ツングの自己評価うつ病尺度(日本成人病予防協会2014)を「道ありき」に適用すると、スコアは53点となり、当時の三浦綾子は、中程度の抑うつ傾向にあったといえる。シナジーのメタファーは、「三浦綾子と虚無」である。
花村嘉英(2020)「三浦綾子の『道ありき』の執筆脳について」より
微熱や寝汗はあるも少しずつ体力がついたころ、万一のために遺言を書き、歌を整理していた。自分の死体を解剖してもらいたい。解剖用死体が不足していて、死後に何かの役に立ちたいという思いからである。三浦光世に渡すと、必ず治るといってノートを読んでくれた。三浦の手紙には、最愛なるという形容が綾子の名前についていた。愛の励ましのおかげで、綾子の体は元気になり、外出もできるようになった。
昭和三十四年の正月、三浦の年頭の挨拶のとき、婚約式が1月25日に決まった。式が終わると、結婚式は5月24日になった。よく晴れた日曜日に教会堂で牧師の言葉に二人で深く頷いた。
回想録執筆時の記憶の中では、肺病のため虚しい思いがつきまとっている。そこで「道ありき」の執筆脳は、「虚無とうつ」にする。ツングの自己評価うつ病尺度(日本成人病予防協会2014)を「道ありき」に適用すると、スコアは53点となり、当時の三浦綾子は、中程度の抑うつ傾向にあったといえる。シナジーのメタファーは、「三浦綾子と虚無」である。
花村嘉英(2020)「三浦綾子の『道ありき』の執筆脳について」より
三浦綾子の「道ありき」でうつ病を考える−病跡学へのアプローチ4
札幌に転院してから熱が続き体は痩せ血痰も出て排尿の回数が多くなり、夜だけで7、8回起きることがあった。病院では検査が続く。血液検査、尿検査、1.8リットルの水を飲む水検査など。それでも体はますます痩せていく。胸部に空洞が判明した。背中も痛み、下半身に麻痺が来て失禁も伴い、まさにカリエスである。絶対安静の診断が下される。こうした身体疾患が原因となり、気分障害が発症している。
綾子の交際相手の前川正も手術が決まる。第一回目に肋骨を四本取ることになる。前川は、麻酔が苦手らしい。手術の間無事に終わることを綾子は祈っていた。その年、昭和二十七年、綾子は洗礼を受けた。正月が来た。前川正は、二週間後に肋骨を四本取るため、二回目の手術を受ける。二回目の手術が終わってから、不吉な夢を見た。正が亡くなったといって彼の母が病室にゴザを返しに来た。あまりにありありとしていて何とも言えない不吉な予感がした。自身の自殺願望すら思い出す。自殺願望も気分障害の症状である。
ギブスをはめたまま旭川へ帰郷する。31歳になっていた。発病してから8年が過ぎた。前川正の術後の症状を聞くと、血痰が出るという。つまり空洞は潰れていない。翌年の綾子の誕生日4月25日に母上の代筆で和紙に鉛筆書きで書かれた手紙が届いた。5月2日に前川正は亡くなった。前の晩、食事中に意識不明になって、そのまま意識が戻らず亡くなったという。綾子は、病室で号泣する。
花村嘉英(2020)「三浦綾子の『道ありき』の執筆脳について」より
綾子の交際相手の前川正も手術が決まる。第一回目に肋骨を四本取ることになる。前川は、麻酔が苦手らしい。手術の間無事に終わることを綾子は祈っていた。その年、昭和二十七年、綾子は洗礼を受けた。正月が来た。前川正は、二週間後に肋骨を四本取るため、二回目の手術を受ける。二回目の手術が終わってから、不吉な夢を見た。正が亡くなったといって彼の母が病室にゴザを返しに来た。あまりにありありとしていて何とも言えない不吉な予感がした。自身の自殺願望すら思い出す。自殺願望も気分障害の症状である。
ギブスをはめたまま旭川へ帰郷する。31歳になっていた。発病してから8年が過ぎた。前川正の術後の症状を聞くと、血痰が出るという。つまり空洞は潰れていない。翌年の綾子の誕生日4月25日に母上の代筆で和紙に鉛筆書きで書かれた手紙が届いた。5月2日に前川正は亡くなった。前の晩、食事中に意識不明になって、そのまま意識が戻らず亡くなったという。綾子は、病室で号泣する。
花村嘉英(2020)「三浦綾子の『道ありき』の執筆脳について」より
三浦綾子の「道ありき」でうつ病を考える−病跡学へのアプローチ3
2 「道ありき」のLのストーリー
人生の中では失うものもあれば得るものもある。例えば、病気になれば気持ちが滅入り、物事を悪く考えるようになる。三浦綾子も20代に入って敗戦の翌年に肺結核の症状が出た。しかし、医師は肺結核とは言わず、問診で肺浸潤とか肋膜と説明した。肺結核と診断すれば、現代でいうがんを宣告するようなものであった。何れにせよ何を目標に生きればよいのかわからず、綾子は、何もかもが虚しく思われる虚無の心境となった。
虚無的生活は、人間を駄目にする。三浦綾子曰く、全てが虚しいから、生きることに情熱はなく、何もかもが馬鹿くさくなり、全ての存在が否定的になって、自分の存在すら肯定できない。但し、一つだけ否定できないものがあった。それは、教え子に対する愛情である。
そんな時、医学生の前川正という人から聖書を進められる。聖書は、教訓めいたことのみならず、虚無的な物の見方も含み、自己を否定して追い込むと何かが開けると説く。綾子の求道生活は、次第に真面目になっていく。そこで「道ありき」の購読脳を「虚無と愛情」にする。
旭川での入院当初、三浦綾子自身は、カリエスだと思っていた。カリエスとは、骨の慢性炎症、ことに結核によって骨質が次第に溶け、膿が出るようになる骨の病である。一方、肺結核は、結核菌によって起る慢性の肺の感染症、多くは、無自覚に起こり、咳、喀痰、喀血、呼吸促迫、胸痛などの局所症状、羸痩(るいそう)、倦怠、微熱、発汗または食欲不振、脈拍増加などの一般症状を呈する。カリエスは、症状が相当進まないと、医師はそのように診断しない。
花村嘉英(2020)「三浦綾子の『道ありき』の執筆脳について」より
人生の中では失うものもあれば得るものもある。例えば、病気になれば気持ちが滅入り、物事を悪く考えるようになる。三浦綾子も20代に入って敗戦の翌年に肺結核の症状が出た。しかし、医師は肺結核とは言わず、問診で肺浸潤とか肋膜と説明した。肺結核と診断すれば、現代でいうがんを宣告するようなものであった。何れにせよ何を目標に生きればよいのかわからず、綾子は、何もかもが虚しく思われる虚無の心境となった。
虚無的生活は、人間を駄目にする。三浦綾子曰く、全てが虚しいから、生きることに情熱はなく、何もかもが馬鹿くさくなり、全ての存在が否定的になって、自分の存在すら肯定できない。但し、一つだけ否定できないものがあった。それは、教え子に対する愛情である。
そんな時、医学生の前川正という人から聖書を進められる。聖書は、教訓めいたことのみならず、虚無的な物の見方も含み、自己を否定して追い込むと何かが開けると説く。綾子の求道生活は、次第に真面目になっていく。そこで「道ありき」の購読脳を「虚無と愛情」にする。
旭川での入院当初、三浦綾子自身は、カリエスだと思っていた。カリエスとは、骨の慢性炎症、ことに結核によって骨質が次第に溶け、膿が出るようになる骨の病である。一方、肺結核は、結核菌によって起る慢性の肺の感染症、多くは、無自覚に起こり、咳、喀痰、喀血、呼吸促迫、胸痛などの局所症状、羸痩(るいそう)、倦怠、微熱、発汗または食欲不振、脈拍増加などの一般症状を呈する。カリエスは、症状が相当進まないと、医師はそのように診断しない。
花村嘉英(2020)「三浦綾子の『道ありき』の執筆脳について」より
三浦綾子の「道ありき」でうつ病を考える−病跡学へのアプローチ2
三浦綾子(1922−1999)の「道ありき」(1969)では、気胸(Pneumotorax)を患う結核患者としての作者自身が描かれており、スイスのダボスにあったサナトリウムで療養する肺病の患者たちの気胸療法を紹介しているトーマス・マンの「魔の山」と共通が見られる。
トーマス・マンの「魔の山」では、ダボスのサナトリウムに療養している片肺クラブの連中がやはり気胸を患っている。一方の肺が駄目で片方の肺は健康、あるいはまだ大丈夫といった場合、悪い方の肺の活動を一定期間停止させて休ませる。そしてそこを切開しそこから窒素ガスを入れる。ガスは大半半月で入れ替える。これを一年以上続けると悪い方の肺が治癒するという冒険的な治療法をサナトリウムのベーレンス院長が行っている。彼は、肺の専門医である。
今や国際環境会議の舞台となったダボスの20世紀の前半は、世界のどこへ行っても肺結核といえば死を宣告されたも同然であり、気胸や肺炎性カタルといった肺病に関する治療法は、皆の関心事であった。自叙伝と教養小説というジャンルの違いはあれど、戦中戦後に時間を止めれば、国境を越えた疾病への関心が読み取れる。
花村嘉英(2020)「三浦綾子の『道ありき』の執筆脳について」より
トーマス・マンの「魔の山」では、ダボスのサナトリウムに療養している片肺クラブの連中がやはり気胸を患っている。一方の肺が駄目で片方の肺は健康、あるいはまだ大丈夫といった場合、悪い方の肺の活動を一定期間停止させて休ませる。そしてそこを切開しそこから窒素ガスを入れる。ガスは大半半月で入れ替える。これを一年以上続けると悪い方の肺が治癒するという冒険的な治療法をサナトリウムのベーレンス院長が行っている。彼は、肺の専門医である。
今や国際環境会議の舞台となったダボスの20世紀の前半は、世界のどこへ行っても肺結核といえば死を宣告されたも同然であり、気胸や肺炎性カタルといった肺病に関する治療法は、皆の関心事であった。自叙伝と教養小説というジャンルの違いはあれど、戦中戦後に時間を止めれば、国境を越えた疾病への関心が読み取れる。
花村嘉英(2020)「三浦綾子の『道ありき』の執筆脳について」より
三浦綾子の「道ありき」でうつ病を考える−病跡学へのアプローチ1
1 先行研究
文学分析は、通常、読者による購読脳が問題になる。一方、シナジーのメタファーは、作家の執筆脳を研究するためのマクロに通じる分析方法である。基本のパターンは、まず縦が購読脳で横が執筆脳になるLのイメージを作り、次に、各場面をLに読みながらデータベースを作成し、全体を組の集合体にする。そして最後に、双方の脳の活動をマージするために、脳内の信号のパスを探す、若しくは、脳のエリアの機能を探す。これがミクロとマクロの中間にあるメゾのデータとなり、狭義の意味でシナジーのメタファーが作られる。この段階では、副専攻を増やすことが重要である。
執筆脳は、作者が自身で書いているという事実及び作者がメインで伝えようと思っていることに対する定番の読み及びそれに対する共生の読みと定義する。そのため、この小論では、トーマス・マン(1875−1955)、魯迅(1881−1936)、森鴎外(1862−1922)の執筆脳に関する私の著作を先行研究にする。また、これらの著作の中では、それぞれの作家の執筆脳として文体を取り上げ、とりわけ問題解決の場面を分析の対象にしている。さらに、マクロの分析について地球規模とフォーマットのシフトを意識してナディン・ゴーディマ(1923−2014)を加えると、“The Late Bourgeois World”執筆時の脳の活動が意欲と組になることを先行研究に入れておく。
筆者の持ち場が言語学のため、購読脳の分析の際に、何かしらの言語分析を試みている。例えば、トーマス・マンには構文分析があり、魯迅にはことばの比較がある。そのため、全集の分析に拘る文学の研究者とは、分析のストーリーに違いがある。文学の研究者であれば、全集の中から一つだけシナジーのメタファーのために作品を選び、その理由を述べればよい。なお、Lのストーリーについては、人文と理系が交差するため、機械翻訳などで文体の違いを調節するトレーニングが推奨される。
メゾのデータを束ねて何やら予測が立てば、言語分析や翻訳そして資格に基づくミクロと医学も含めたリスクや観察の社会論からなるマクロとを合わせて、広義の意味でシナジーのメタファーが作られる。
花村嘉英(2020)「三浦綾子の『道ありき』の執筆脳について」より
文学分析は、通常、読者による購読脳が問題になる。一方、シナジーのメタファーは、作家の執筆脳を研究するためのマクロに通じる分析方法である。基本のパターンは、まず縦が購読脳で横が執筆脳になるLのイメージを作り、次に、各場面をLに読みながらデータベースを作成し、全体を組の集合体にする。そして最後に、双方の脳の活動をマージするために、脳内の信号のパスを探す、若しくは、脳のエリアの機能を探す。これがミクロとマクロの中間にあるメゾのデータとなり、狭義の意味でシナジーのメタファーが作られる。この段階では、副専攻を増やすことが重要である。
執筆脳は、作者が自身で書いているという事実及び作者がメインで伝えようと思っていることに対する定番の読み及びそれに対する共生の読みと定義する。そのため、この小論では、トーマス・マン(1875−1955)、魯迅(1881−1936)、森鴎外(1862−1922)の執筆脳に関する私の著作を先行研究にする。また、これらの著作の中では、それぞれの作家の執筆脳として文体を取り上げ、とりわけ問題解決の場面を分析の対象にしている。さらに、マクロの分析について地球規模とフォーマットのシフトを意識してナディン・ゴーディマ(1923−2014)を加えると、“The Late Bourgeois World”執筆時の脳の活動が意欲と組になることを先行研究に入れておく。
筆者の持ち場が言語学のため、購読脳の分析の際に、何かしらの言語分析を試みている。例えば、トーマス・マンには構文分析があり、魯迅にはことばの比較がある。そのため、全集の分析に拘る文学の研究者とは、分析のストーリーに違いがある。文学の研究者であれば、全集の中から一つだけシナジーのメタファーのために作品を選び、その理由を述べればよい。なお、Lのストーリーについては、人文と理系が交差するため、機械翻訳などで文体の違いを調節するトレーニングが推奨される。
メゾのデータを束ねて何やら予測が立てば、言語分析や翻訳そして資格に基づくミクロと医学も含めたリスクや観察の社会論からなるマクロとを合わせて、広義の意味でシナジーのメタファーが作られる。
花村嘉英(2020)「三浦綾子の『道ありき』の執筆脳について」より
遠藤周作の「あの世で」で執筆脳を考える8
4 まとめ
遠藤周作の執筆時の脳の活動を調べるために、まず受容と共生からなるLのストーリーを文献により組み立てた。次に、「あの世で」のLのストーリーをデータベース化し、最後に特定したところを実験で確認した。そのため、テキスト共生によるシナジーのメタファーについては、一応の研究成果が得られている。
この種の実験をおよそ100人の作家で試みている。その際、日本人と外国人60人対40人、男女比4対1、ノーベル賞作家30人を目安に対照言語が独日であることから非英語の比較を意識してできるだけ日本語以外で英語が突出しないように心掛けている。
参考文献
遠藤周作 無鹿(解説 高橋千劔破) 文春文庫 2000
日本成人病予防協会 健康管理士一般指導員受験対策講座テキスト3 ヘルスケア出版 2014
花村嘉英 計算文学入門−Thomas Mannのイロニーはファジィ推論といえるのか? 新風社 2005
花村嘉英 从认知语言学的角度浅析鲁迅作品−魯迅をシナジーで読む 華東理工大学出版社 2015
花村嘉英 日语教育计划书−面向中国人的日语教学法与森鸥外小说的数据库应用 日本語教育のためのプログラム−中国語話者向けの教授法から森鴎外のデータベースまで 南京東南大学出版社 2017
花村嘉英 从认知语言学的角度浅析纳丁・戈迪默-ナディン・ゴーディマと意欲 華東理工大学出版社 2018
花村嘉英 シナジーのメタファーの作り方−トーマス・マン、魯迅、森鴎外、ナディン・ゴーディマ、井上靖 中国日語教学研究会上海分会論文集 2018
花村嘉英 川端康成の「雪国」に見る執筆脳について-「無と創造」から「目的達成型の認知発達」へ 中国日語教学研究会上海分会論文集 2019
花村嘉英 社会学の観点からマクロの文学を考察する−危機管理者としての作家について 中国日語教学研究会上海分会論文集 2020
エリザベス・キューブラー・ロス Wikipedia
遠藤周作の執筆時の脳の活動を調べるために、まず受容と共生からなるLのストーリーを文献により組み立てた。次に、「あの世で」のLのストーリーをデータベース化し、最後に特定したところを実験で確認した。そのため、テキスト共生によるシナジーのメタファーについては、一応の研究成果が得られている。
この種の実験をおよそ100人の作家で試みている。その際、日本人と外国人60人対40人、男女比4対1、ノーベル賞作家30人を目安に対照言語が独日であることから非英語の比較を意識してできるだけ日本語以外で英語が突出しないように心掛けている。
参考文献
遠藤周作 無鹿(解説 高橋千劔破) 文春文庫 2000
日本成人病予防協会 健康管理士一般指導員受験対策講座テキスト3 ヘルスケア出版 2014
花村嘉英 計算文学入門−Thomas Mannのイロニーはファジィ推論といえるのか? 新風社 2005
花村嘉英 从认知语言学的角度浅析鲁迅作品−魯迅をシナジーで読む 華東理工大学出版社 2015
花村嘉英 日语教育计划书−面向中国人的日语教学法与森鸥外小说的数据库应用 日本語教育のためのプログラム−中国語話者向けの教授法から森鴎外のデータベースまで 南京東南大学出版社 2017
花村嘉英 从认知语言学的角度浅析纳丁・戈迪默-ナディン・ゴーディマと意欲 華東理工大学出版社 2018
花村嘉英 シナジーのメタファーの作り方−トーマス・マン、魯迅、森鴎外、ナディン・ゴーディマ、井上靖 中国日語教学研究会上海分会論文集 2018
花村嘉英 川端康成の「雪国」に見る執筆脳について-「無と創造」から「目的達成型の認知発達」へ 中国日語教学研究会上海分会論文集 2019
花村嘉英 社会学の観点からマクロの文学を考察する−危機管理者としての作家について 中国日語教学研究会上海分会論文集 2020
エリザベス・キューブラー・ロス Wikipedia
遠藤周作の「あの世で」で執筆脳を考える7
表3 情報の認知
A 表2と同じ。 情報の認知1 2、情報の認知2 2、情報の認知3 1
B 表2と同じ。 情報の認知1 2、情報の認知2 2、情報の認知3 1
C 表2と同じ。 情報の認知1 2、情報の認知2 2、情報の認知3 2
D 表2と同じ。 情報の認知1 2、情報の認知2 2、情報の認知3 1
E 表2と同じ。 情報の認知1 3、情報の認知2 1、情報の認知3 1
A:情報の認知1はAグループ化、情報の認知2はA新情報、情報の認知3は@計画から問題解決へである。
B:情報の認知1はAグループ化、情報の認知2はA新情報、情報の認知3は@計画から問題解決へである。
C:情報の認知1はAグループ化、情報の認知2はA新情報、情報の認知3はA問題未解決から推論へである。
D:情報の認知1はAグループ化、情報の認知2はA新情報、情報の認知3は@計画から問題解決へである。
E:情報の認知1はB条件反射、情報の認知2は@旧情報、情報の認知3は@計画から問題解決へである。
結果
遠藤周作は、この場面でキューブラー・ロス博士の話と照合しながら、天尾真知子の臨死体験の告白を聞いている。そして、肉体は機能を失っても意識は活動を続けるとしながらも、真知子の話に新事実を認めるため、「魂と心の繋がり」と「リンクと隙間」という組が相互に作用する。
花村嘉英(2020)「遠藤周作の『あの世で』の執筆脳について」より
A 表2と同じ。 情報の認知1 2、情報の認知2 2、情報の認知3 1
B 表2と同じ。 情報の認知1 2、情報の認知2 2、情報の認知3 1
C 表2と同じ。 情報の認知1 2、情報の認知2 2、情報の認知3 2
D 表2と同じ。 情報の認知1 2、情報の認知2 2、情報の認知3 1
E 表2と同じ。 情報の認知1 3、情報の認知2 1、情報の認知3 1
A:情報の認知1はAグループ化、情報の認知2はA新情報、情報の認知3は@計画から問題解決へである。
B:情報の認知1はAグループ化、情報の認知2はA新情報、情報の認知3は@計画から問題解決へである。
C:情報の認知1はAグループ化、情報の認知2はA新情報、情報の認知3はA問題未解決から推論へである。
D:情報の認知1はAグループ化、情報の認知2はA新情報、情報の認知3は@計画から問題解決へである。
E:情報の認知1はB条件反射、情報の認知2は@旧情報、情報の認知3は@計画から問題解決へである。
結果
遠藤周作は、この場面でキューブラー・ロス博士の話と照合しながら、天尾真知子の臨死体験の告白を聞いている。そして、肉体は機能を失っても意識は活動を続けるとしながらも、真知子の話に新事実を認めるため、「魂と心の繋がり」と「リンクと隙間」という組が相互に作用する。
花村嘉英(2020)「遠藤周作の『あの世で』の執筆脳について」より
遠藤周作の「あの世で」で執筆脳を考える6
【連想分析2】
情報の認知1(感覚情報)
感覚器官からの情報に注目することから、対象の捉え方が問題になる。また、記憶に基づく感情は、扁桃体と関係しているため、条件反射で無意識に素振りに出てしまう。このプロセルのカラムの特徴は、@ベースとプロファイル、Aグループ化、B条件反射である。
情報の認知2(記憶と学習)
外部からの情報を既存の知識構造へ組み込む。この新しい知識はスキーマと呼ばれ、既存の情報と共通する特徴を持っている。未知の情報は、またカテゴリー化される。このプロセスは、経験を通した学習になる。このプロセルのカラムの特徴は、@旧情報、A新情報である。
情報の認知3(計画、問題解決、推論)
受け取った情報は、計画を立てるプロセスでも役に立つ。その際、目的に応じて問題を分析し、解決策を探っていく。しかし、獲得した情報が完全でない場合は、推論が必要になる。このプロセルのカラムの特徴は、@計画から問題解決へ、A問題未解決から推論へである。
花村嘉英(2020)「遠藤周作の『あの世で』の執筆脳について」より
情報の認知1(感覚情報)
感覚器官からの情報に注目することから、対象の捉え方が問題になる。また、記憶に基づく感情は、扁桃体と関係しているため、条件反射で無意識に素振りに出てしまう。このプロセルのカラムの特徴は、@ベースとプロファイル、Aグループ化、B条件反射である。
情報の認知2(記憶と学習)
外部からの情報を既存の知識構造へ組み込む。この新しい知識はスキーマと呼ばれ、既存の情報と共通する特徴を持っている。未知の情報は、またカテゴリー化される。このプロセスは、経験を通した学習になる。このプロセルのカラムの特徴は、@旧情報、A新情報である。
情報の認知3(計画、問題解決、推論)
受け取った情報は、計画を立てるプロセスでも役に立つ。その際、目的に応じて問題を分析し、解決策を探っていく。しかし、獲得した情報が完全でない場合は、推論が必要になる。このプロセルのカラムの特徴は、@計画から問題解決へ、A問題未解決から推論へである。
花村嘉英(2020)「遠藤周作の『あの世で』の執筆脳について」より
遠藤周作の「あの世で」で執筆脳を考える5
分析例
1 遠藤周作が天尾真知子の話を聞く場面。
2 この小論では、「あの世で」の購読脳を「魂と心の繋がり」と考えているため、意味3の思考の流れ、リンクを張る表現に注目する。
3 意味1@視覚A聴覚B味覚C嗅覚D触覚 、意味2 @喜A怒B哀C楽、意味3リンク@ありAなし、意味4振舞い @直示A隠喩B記事なし
4 人工知能 @リンク、A隙間
テキスト共生の公式
ステップ1:意味1、2、3、4を合わせて解析の組「魂と心の繋がり」を作る。
ステップ2:心の繋がりは、リンクを張ることに通じるため「リンクと隙間」という組を作り、解析の組と合わせる。
A:@視覚+@喜+@リンクあり+A隠喩という解析の組を、@リンク+A隙間という組と合わせる。
B:A聴覚+C楽+@リンクあり+@直示という解析の組を、@リンク+A隙間という組と合わせる。
C:@視覚+C楽+@リンクあり+@直示という解析の組を、@リンク+A隙間という組と合わせる。
D:@視覚+C楽+@リンクあり+@直示という解析の組を、@リンク+A隙間という組と合わせる。
E:@視覚+C楽+@リンクあり+@直示という解析の組を、@リンク+A隙間という組と合わせる。
結果 表2については、テキスト共生の公式が適用される。
花村嘉英(2020)「遠藤周作の『あの世で』の執筆脳について」より
1 遠藤周作が天尾真知子の話を聞く場面。
2 この小論では、「あの世で」の購読脳を「魂と心の繋がり」と考えているため、意味3の思考の流れ、リンクを張る表現に注目する。
3 意味1@視覚A聴覚B味覚C嗅覚D触覚 、意味2 @喜A怒B哀C楽、意味3リンク@ありAなし、意味4振舞い @直示A隠喩B記事なし
4 人工知能 @リンク、A隙間
テキスト共生の公式
ステップ1:意味1、2、3、4を合わせて解析の組「魂と心の繋がり」を作る。
ステップ2:心の繋がりは、リンクを張ることに通じるため「リンクと隙間」という組を作り、解析の組と合わせる。
A:@視覚+@喜+@リンクあり+A隠喩という解析の組を、@リンク+A隙間という組と合わせる。
B:A聴覚+C楽+@リンクあり+@直示という解析の組を、@リンク+A隙間という組と合わせる。
C:@視覚+C楽+@リンクあり+@直示という解析の組を、@リンク+A隙間という組と合わせる。
D:@視覚+C楽+@リンクあり+@直示という解析の組を、@リンク+A隙間という組と合わせる。
E:@視覚+C楽+@リンクあり+@直示という解析の組を、@リンク+A隙間という組と合わせる。
結果 表2については、テキスト共生の公式が適用される。
花村嘉英(2020)「遠藤周作の『あの世で』の執筆脳について」より
遠藤周作の「あの世で」で執筆脳を考える4
【連想分析1】
表2 受容と共生のイメージ合わせ
作者が天尾真知子の話を聞く場面
A 「先生、こんな話、信じてくれないでしょう」「と彼女はコップの水を一口、飲んで私にたずねた。」「信じますよいや、本気で言っているんだ。信じますよ」「本当ですか、わたくし、今まで誰もが、−兄まで信じてくれないので誰にも教えないことにしていたんです。でも、なぜ、先生は信じてくださるのですか」
意味1 1、意味2 1、意味3 1、意味4 2、人工知能 2
B キューブラー・ロス博士は、自分の遺体をみたと同じように、意識を失っている間、自分より先だった両親(特に母)や兄弟や配偶者たちの存在を非常に感じた蘇生者が多いことを報告している。私は真知子の話を聞きながら、何から何までがロス博士の話通リだと思った。
意味1 2、意味2 4、意味3 1、意味4 1、人工知能 1
C 今、眼前に臨死体験者の一人である天尾真知子が座っている。フォークでサラダを口に運んでいる。彼女はもちろん、私が心のなかで彼女の話とキューブラー・ロス博士の講演とを照合しているなど夢にも考えていない。おそらく、この娘はロスの名前さえしらないだろう。
意味1 1、意味2 4、意味3 1、意味4 1、人工知能 1
D それだけに、私は彼女の告白を心から信じた。「お祖母ちゃまはいきていた時、わたくしにこう言ったことがあるんです。おまえのことはお祖母ちゃまが何時も守ってあげるからねって」「その約束通リのことをしてくださったんだ」「そうです。だからわたくし、今ではもらったこの人生を大事にしようと考えているんです」「お祖母ちゃまのお写真にお茶を毎日、さしあげるといい」
意味1 1、意味2 4、意味3 1、意味4 1、人工知能 1
E なぜそんな古臭いことを口に出したのか自分ではわからない。しかし私は本気でそんなことを彼女に奨めたのだ。その後−、いや、その後といっては嘘になる。彼女の話を思い出すたび、私は我々の人生に続くもう一つの世界のあることをさらに確信していくようになった。
意味1 1、意味2 4、意味3 1、意味4 1、人工知能 1
花村嘉英(2020)「遠藤周作の『あの世で』の執筆脳について」より
表2 受容と共生のイメージ合わせ
作者が天尾真知子の話を聞く場面
A 「先生、こんな話、信じてくれないでしょう」「と彼女はコップの水を一口、飲んで私にたずねた。」「信じますよいや、本気で言っているんだ。信じますよ」「本当ですか、わたくし、今まで誰もが、−兄まで信じてくれないので誰にも教えないことにしていたんです。でも、なぜ、先生は信じてくださるのですか」
意味1 1、意味2 1、意味3 1、意味4 2、人工知能 2
B キューブラー・ロス博士は、自分の遺体をみたと同じように、意識を失っている間、自分より先だった両親(特に母)や兄弟や配偶者たちの存在を非常に感じた蘇生者が多いことを報告している。私は真知子の話を聞きながら、何から何までがロス博士の話通リだと思った。
意味1 2、意味2 4、意味3 1、意味4 1、人工知能 1
C 今、眼前に臨死体験者の一人である天尾真知子が座っている。フォークでサラダを口に運んでいる。彼女はもちろん、私が心のなかで彼女の話とキューブラー・ロス博士の講演とを照合しているなど夢にも考えていない。おそらく、この娘はロスの名前さえしらないだろう。
意味1 1、意味2 4、意味3 1、意味4 1、人工知能 1
D それだけに、私は彼女の告白を心から信じた。「お祖母ちゃまはいきていた時、わたくしにこう言ったことがあるんです。おまえのことはお祖母ちゃまが何時も守ってあげるからねって」「その約束通リのことをしてくださったんだ」「そうです。だからわたくし、今ではもらったこの人生を大事にしようと考えているんです」「お祖母ちゃまのお写真にお茶を毎日、さしあげるといい」
意味1 1、意味2 4、意味3 1、意味4 1、人工知能 1
E なぜそんな古臭いことを口に出したのか自分ではわからない。しかし私は本気でそんなことを彼女に奨めたのだ。その後−、いや、その後といっては嘘になる。彼女の話を思い出すたび、私は我々の人生に続くもう一つの世界のあることをさらに確信していくようになった。
意味1 1、意味2 4、意味3 1、意味4 1、人工知能 1
花村嘉英(2020)「遠藤周作の『あの世で』の執筆脳について」より
遠藤周作の「あの世で」で執筆脳を考える3
3 データベースの作成・分析
データベースの作成法について説明する。エクセルのデータについては、列の前半(文法1から意味5)が構文や意味の解析データ、後半(医学情報から人工知能)が理系に寄せる生成のデータである。一応、L(受容と共生)を反映している。データベースの数字は、登場人物を動かしながら考えている。
こうしたデータベースを作る場合、共生のカラムの設定が難しい。受容は、それぞれの言語ごとに構文と意味を解析し、何かの組を作ればよい。しかし、共生は、作家の知的財産に基づいた脳の活動が問題になるため、作家ごとにカラムが変わる。
【データベースの作成】
表1 「あの世で」のデータベースのカラム
文法1 名詞の格 遠藤周作の助詞の使い方を考える。
文法2 態 能動、受動、使役。
文法3 時制、相 現在、過去、未来、進行形、完了形。
文法4 様相 可能、推量、義務、必然。
意味1 五感 視覚、聴覚、味覚、嗅覚、触覚。
意味2 喜怒哀楽 情動との接点。瞬時の思い。
意味3 思考の流れ リンク、ありなし 。
意味4 振舞い ジェスチャー、身振り。直示と隠喩を考える。
医学情報 病跡学との接点 受容と共生の共有点。構文や意味の解析から得た組「魂と心の繋がり」と病跡学でリンクを張るためにメディカル情報を入れる。
情報の認知1 感覚情報の捉え方 感覚器官からの情報に注目するため、対象の捉え方が問題になる。例えば、ベースとプロファイルやグループ化または条件反射。
情報の認知2 記憶と学習 外部からの情報を既存の知識構造に組み込む。その際、未知の情報についてはカテゴリー化する。学習につながるため。記憶の型として、短期、作業記憶、長期(陳述と非陳述)を考える。
情報の認知3 計画、問題解決、推論 受け取った情報は、計画を立てるときにも役に立つ。目的に応じて問題を分析し、解決策を探っていく。獲得した情報が完全でない場合、推論が必要になる。
人工知能 リンクと隙間 エキスパートシステム リンクは、運動や力を伝達する装置、隙間は、ものとものとの間のすいているところ。
花村嘉英(2020)「遠藤周作の『あの世で』の執筆脳について」より
データベースの作成法について説明する。エクセルのデータについては、列の前半(文法1から意味5)が構文や意味の解析データ、後半(医学情報から人工知能)が理系に寄せる生成のデータである。一応、L(受容と共生)を反映している。データベースの数字は、登場人物を動かしながら考えている。
こうしたデータベースを作る場合、共生のカラムの設定が難しい。受容は、それぞれの言語ごとに構文と意味を解析し、何かの組を作ればよい。しかし、共生は、作家の知的財産に基づいた脳の活動が問題になるため、作家ごとにカラムが変わる。
【データベースの作成】
表1 「あの世で」のデータベースのカラム
文法1 名詞の格 遠藤周作の助詞の使い方を考える。
文法2 態 能動、受動、使役。
文法3 時制、相 現在、過去、未来、進行形、完了形。
文法4 様相 可能、推量、義務、必然。
意味1 五感 視覚、聴覚、味覚、嗅覚、触覚。
意味2 喜怒哀楽 情動との接点。瞬時の思い。
意味3 思考の流れ リンク、ありなし 。
意味4 振舞い ジェスチャー、身振り。直示と隠喩を考える。
医学情報 病跡学との接点 受容と共生の共有点。構文や意味の解析から得た組「魂と心の繋がり」と病跡学でリンクを張るためにメディカル情報を入れる。
情報の認知1 感覚情報の捉え方 感覚器官からの情報に注目するため、対象の捉え方が問題になる。例えば、ベースとプロファイルやグループ化または条件反射。
情報の認知2 記憶と学習 外部からの情報を既存の知識構造に組み込む。その際、未知の情報についてはカテゴリー化する。学習につながるため。記憶の型として、短期、作業記憶、長期(陳述と非陳述)を考える。
情報の認知3 計画、問題解決、推論 受け取った情報は、計画を立てるときにも役に立つ。目的に応じて問題を分析し、解決策を探っていく。獲得した情報が完全でない場合、推論が必要になる。
人工知能 リンクと隙間 エキスパートシステム リンクは、運動や力を伝達する装置、隙間は、ものとものとの間のすいているところ。
花村嘉英(2020)「遠藤周作の『あの世で』の執筆脳について」より
遠藤周作の「あの世で」で執筆脳を考える2
2 Lの分析
遠藤周作(1923−1996)は、晩年に人間にとり死が何なのか真剣に考えていた。死は肉体を滅ぼしても魂は滅びず、次の世界へ行く。高橋(2000)によると、その世界が現世に何らかの影響を及ぼし続け、自他をともに動かし、互いを見守り、永久に生命体が存在することを作者は信じていた。そして、遠藤周作は、「あの世で」を彼の作品群の隙間を埋めるものと位置づけた。
アメリカの精神科医キューブラー・ロス(1926−2004)博士の影響もある。ロスは、死にかけている患者の扱いに憤慨し、死と死ぬことそして死後の世界に関心を持つようになった。ロスの研究では、死の受容プロセスが有名である。否定・遊離→怒り→取引→抑うつ→受容というように経過する。自分が死ぬことは嘘ではないか疑い、それを怒り、何かに縋ろうとし、次第に何もできなくなり、死を受け入れる。(キューブラー・ロスWikipedia)
日航機が御巣鷹山に墜落した事故は、夏のお盆や終戦記念と重なって魂が里帰りする季節を思い出す。もし、大阪行きの日航機402便に搭乗していたら、墜落事故に遭遇しただろう友人大塚公平は、囲碁仲間からの強引な誘いのおかげで夜の新幹線に乗ることになる。そこで奇跡が起こった。
しかし、話はこれだけでは終わらない。友人の大塚の恋人だった別所芳子と同姓同名の遭難者がいる。この女性は、40年も前に乳癌で死んでいる。新聞社が家族に連絡しようにも住所が存在しない。住所以外は、大塚が恋人と別れた時点と変わらない。年齢も23歳である。その女性が身代わりになってくれた。次の世界にいても同じ屋根の下でともに苦労を重ねた男を愛する気持ちからお守りしてくれた。ありがたい限り。
動物の肉体に宿って心の働きを司ると考えられる魂について改めて考えさせられる。そこで、購読脳を「魂と心の繋がり」にする。心の繋がりは、無論精神作用であるため、執筆脳は、「リンクと隙間」にする。この執筆脳を購読脳の「魂と心の繋がり」とマージした場合のシナジーのメタファーは、「遠藤周作と隙間の調節」である。
花村嘉英(2020)「遠藤周作の『あの世で』の執筆脳について」より
遠藤周作(1923−1996)は、晩年に人間にとり死が何なのか真剣に考えていた。死は肉体を滅ぼしても魂は滅びず、次の世界へ行く。高橋(2000)によると、その世界が現世に何らかの影響を及ぼし続け、自他をともに動かし、互いを見守り、永久に生命体が存在することを作者は信じていた。そして、遠藤周作は、「あの世で」を彼の作品群の隙間を埋めるものと位置づけた。
アメリカの精神科医キューブラー・ロス(1926−2004)博士の影響もある。ロスは、死にかけている患者の扱いに憤慨し、死と死ぬことそして死後の世界に関心を持つようになった。ロスの研究では、死の受容プロセスが有名である。否定・遊離→怒り→取引→抑うつ→受容というように経過する。自分が死ぬことは嘘ではないか疑い、それを怒り、何かに縋ろうとし、次第に何もできなくなり、死を受け入れる。(キューブラー・ロスWikipedia)
日航機が御巣鷹山に墜落した事故は、夏のお盆や終戦記念と重なって魂が里帰りする季節を思い出す。もし、大阪行きの日航機402便に搭乗していたら、墜落事故に遭遇しただろう友人大塚公平は、囲碁仲間からの強引な誘いのおかげで夜の新幹線に乗ることになる。そこで奇跡が起こった。
しかし、話はこれだけでは終わらない。友人の大塚の恋人だった別所芳子と同姓同名の遭難者がいる。この女性は、40年も前に乳癌で死んでいる。新聞社が家族に連絡しようにも住所が存在しない。住所以外は、大塚が恋人と別れた時点と変わらない。年齢も23歳である。その女性が身代わりになってくれた。次の世界にいても同じ屋根の下でともに苦労を重ねた男を愛する気持ちからお守りしてくれた。ありがたい限り。
動物の肉体に宿って心の働きを司ると考えられる魂について改めて考えさせられる。そこで、購読脳を「魂と心の繋がり」にする。心の繋がりは、無論精神作用であるため、執筆脳は、「リンクと隙間」にする。この執筆脳を購読脳の「魂と心の繋がり」とマージした場合のシナジーのメタファーは、「遠藤周作と隙間の調節」である。
花村嘉英(2020)「遠藤周作の『あの世で』の執筆脳について」より
遠藤周作の「あの世で」で執筆脳を考える1
1 はじめに
文学分析は、通常、読者による購読脳が問題になる。一方、シナジーのメタファーは、作家の執筆脳を研究するためのマクロに通じる分析方法である。基本のパターンは、まず縦が購読脳で横が執筆脳になるLのイメージを作り、次に、各場面をLに読みながらデータベースを作成し、全体を組の集合体にする。そして最後に、双方の脳の活動をマージするために、脳内の信号のパスを探す、若しくは、脳のエリアの機能を探す。これがミクロとマクロの中間にあるメゾのデータとなり、狭義の意味でシナジーのメタファーが作られる。この段階では、副専攻を増やすことが重要である。
執筆脳は、作者が自身で書いているという事実及び作者がメインで伝えようと思っていることに対する定番の読み及びそれに対する共生の読みと定義する。そのため、この小論では、トーマス・マン(1875−1955)、魯迅(1881−1936)、森鴎外(1862−1922)の執筆脳に関する私の著作を先行研究にする。また、これらの著作の中では、それぞれの作家の執筆脳として文体を取り上げ、とりわけ問題解決の場面を分析の対象にしている。さらに、マクロの分析について地球規模とフォーマットのシフトを意識してナディン・ゴーディマ(1923−2014)を加えると、“The Late Bourgeois World”執筆時の脳の活動が意欲と組になることを先行研究に入れておく。
筆者の持ち場が言語学のため、購読脳の分析の際に、何かしらの言語分析を試みている。例えば、トーマス・マンには構文分析があり、魯迅にはことばの比較がある。そのため、全集の分析に拘る文学の研究者とは、分析のストーリーに違いがある。言語の研究者であれば、全集の中から一つだけシナジーのメタファーのために作品を選び、その理由を述べればよい。なお、Lのストーリーについては、人文と理系が交差するため、機械翻訳などで文体の違いを調節するトレーニングが推奨される。
メゾのデータを束ねて何やら観察で予測が立てば、言語分析や翻訳そして資格に基づくミクロと医学も含めたリスクや観察の社会論からなるマクロとを合わせて、広義の意味でシナジーのメタファーが作られる。
花村嘉英(2020)「遠藤周作の『あの世で』の執筆脳について」より
文学分析は、通常、読者による購読脳が問題になる。一方、シナジーのメタファーは、作家の執筆脳を研究するためのマクロに通じる分析方法である。基本のパターンは、まず縦が購読脳で横が執筆脳になるLのイメージを作り、次に、各場面をLに読みながらデータベースを作成し、全体を組の集合体にする。そして最後に、双方の脳の活動をマージするために、脳内の信号のパスを探す、若しくは、脳のエリアの機能を探す。これがミクロとマクロの中間にあるメゾのデータとなり、狭義の意味でシナジーのメタファーが作られる。この段階では、副専攻を増やすことが重要である。
執筆脳は、作者が自身で書いているという事実及び作者がメインで伝えようと思っていることに対する定番の読み及びそれに対する共生の読みと定義する。そのため、この小論では、トーマス・マン(1875−1955)、魯迅(1881−1936)、森鴎外(1862−1922)の執筆脳に関する私の著作を先行研究にする。また、これらの著作の中では、それぞれの作家の執筆脳として文体を取り上げ、とりわけ問題解決の場面を分析の対象にしている。さらに、マクロの分析について地球規模とフォーマットのシフトを意識してナディン・ゴーディマ(1923−2014)を加えると、“The Late Bourgeois World”執筆時の脳の活動が意欲と組になることを先行研究に入れておく。
筆者の持ち場が言語学のため、購読脳の分析の際に、何かしらの言語分析を試みている。例えば、トーマス・マンには構文分析があり、魯迅にはことばの比較がある。そのため、全集の分析に拘る文学の研究者とは、分析のストーリーに違いがある。言語の研究者であれば、全集の中から一つだけシナジーのメタファーのために作品を選び、その理由を述べればよい。なお、Lのストーリーについては、人文と理系が交差するため、機械翻訳などで文体の違いを調節するトレーニングが推奨される。
メゾのデータを束ねて何やら観察で予測が立てば、言語分析や翻訳そして資格に基づくミクロと医学も含めたリスクや観察の社会論からなるマクロとを合わせて、広義の意味でシナジーのメタファーが作られる。
花村嘉英(2020)「遠藤周作の『あの世で』の執筆脳について」より
有吉佐和子の「華岡青州の妻」で執筆脳を考える8
4 まとめ
有吉佐和子の執筆時の脳の活動を調べるために、まず受容と共生からなるLのストーリーを文献により組み立てた。次に、「華岡青州の妻」のLのストーリーをデータベース化して、最後に特定したところを実験で確認した。そのため、テキスト共生によるシナジーのメタファーについては、一応の研究成果が得られている。
この種の実験をおよそ100人の作家で試みている。その際、日本人と外国人60人対40人、男女比4対1、ノーベル賞作家30人を目安に対照言語が独日であることから非英語の比較を意識してできるだけ日本語以外で英語が突出しないように心掛けている。
参考文献
有吉佐和子 華岡青州の妻(解説 和歌森太郎) 新潮文庫 2010
日本成人病予防協会 健康管理士一般指導員受験対策講座テキスト3 ヘルスケア出版 2014
花村嘉英 計算文学入門−Thomas Mannのイロニーはファジィ推論といえるのか? 新風社 2005
花村嘉英 从认知语言学的角度浅析鲁迅作品−魯迅をシナジーで読む 華東理工大学出版社 2015
花村嘉英 日语教育计划书−面向中国人的日语教学法与森鸥外小说的数据库应用 日本語教育のためのプログラム−中国語話者向けの教授法から森鴎外のデータベースまで 南京東南大学出版社 2017
花村嘉英 从认知语言学的角度浅析纳丁・戈迪默-ナディン・ゴーディマと意欲 華東理工大学出版社 2018
花村嘉英 シナジーのメタファーの作り方−トーマス・マン、魯迅、森鴎外、ナディン・ゴーディマ、井上靖 中国日語教学研究会上海分会論文集 2018
花村嘉英 川端康成の「雪国」に見る執筆脳について-「無と創造」から「目的達成型の認知発達」へ 中国日語教学研究会上海分会論文集 2019
花村嘉英 社会学の観点からマクロの文学を考察する−危機管理者としての作家について 中国日語教学研究会上海分会論文集 2020
有吉佐和子の執筆時の脳の活動を調べるために、まず受容と共生からなるLのストーリーを文献により組み立てた。次に、「華岡青州の妻」のLのストーリーをデータベース化して、最後に特定したところを実験で確認した。そのため、テキスト共生によるシナジーのメタファーについては、一応の研究成果が得られている。
この種の実験をおよそ100人の作家で試みている。その際、日本人と外国人60人対40人、男女比4対1、ノーベル賞作家30人を目安に対照言語が独日であることから非英語の比較を意識してできるだけ日本語以外で英語が突出しないように心掛けている。
参考文献
有吉佐和子 華岡青州の妻(解説 和歌森太郎) 新潮文庫 2010
日本成人病予防協会 健康管理士一般指導員受験対策講座テキスト3 ヘルスケア出版 2014
花村嘉英 計算文学入門−Thomas Mannのイロニーはファジィ推論といえるのか? 新風社 2005
花村嘉英 从认知语言学的角度浅析鲁迅作品−魯迅をシナジーで読む 華東理工大学出版社 2015
花村嘉英 日语教育计划书−面向中国人的日语教学法与森鸥外小说的数据库应用 日本語教育のためのプログラム−中国語話者向けの教授法から森鴎外のデータベースまで 南京東南大学出版社 2017
花村嘉英 从认知语言学的角度浅析纳丁・戈迪默-ナディン・ゴーディマと意欲 華東理工大学出版社 2018
花村嘉英 シナジーのメタファーの作り方−トーマス・マン、魯迅、森鴎外、ナディン・ゴーディマ、井上靖 中国日語教学研究会上海分会論文集 2018
花村嘉英 川端康成の「雪国」に見る執筆脳について-「無と創造」から「目的達成型の認知発達」へ 中国日語教学研究会上海分会論文集 2019
花村嘉英 社会学の観点からマクロの文学を考察する−危機管理者としての作家について 中国日語教学研究会上海分会論文集 2020
有吉佐和子の「華岡青州の妻」で執筆脳を考える7
表3 情報の認知
A 表2と同じ。 情報の認知1 2、情報の認知2 2、情報の認知3 2
B 表2と同じ。 情報の認知1 2、情報の認知2 2、情報の認知3 2
C 表2と同じ。 情報の認知1 3、情報の認知2 2、情報の認知3 2
D 表2と同じ。 情報の認知1 3、情報の認知2 2、情報の認知3 1
E 表2と同じ。 情報の認知1 2、情報の認知2 2、情報の認知3 1
A:情報の認知1はAグループ化、情報の認知2はA新情報、情報の認知3はA問題未解決から推論へである。
B:情報の認知1はAグループ化、情報の認知2はA新情報、情報の認知3はA問題未解決から推論へである。
C:情報の認知1はB条件反射、情報の認知2はA新情報、情報の認知3はA問題未解決から推論へである。
D:情報の認知1はB条件反射、情報の認知2はA新情報、情報の認知3は@問題解決から推論へである。
E:情報の認知1はAグループ化、情報の認知2はA新情報、情報の認知3は@問題解決から推論へである。
結果
有吉佐和子は、この場面で青洲の麻酔薬の開発に身を捧げた加恵の毒薬による失明とそれにもかかわらず懐妊したことを同時に伝えようとしている。於継は、青洲の世継ぎに養子を取るつもりでいた。そのため、「女心の葛藤と外科医術の開拓」と「衝突と達成」という組が相互に作用する。
花村嘉英(2020)「有吉佐和子の『華岡青州の妻』の執筆脳について」より
A 表2と同じ。 情報の認知1 2、情報の認知2 2、情報の認知3 2
B 表2と同じ。 情報の認知1 2、情報の認知2 2、情報の認知3 2
C 表2と同じ。 情報の認知1 3、情報の認知2 2、情報の認知3 2
D 表2と同じ。 情報の認知1 3、情報の認知2 2、情報の認知3 1
E 表2と同じ。 情報の認知1 2、情報の認知2 2、情報の認知3 1
A:情報の認知1はAグループ化、情報の認知2はA新情報、情報の認知3はA問題未解決から推論へである。
B:情報の認知1はAグループ化、情報の認知2はA新情報、情報の認知3はA問題未解決から推論へである。
C:情報の認知1はB条件反射、情報の認知2はA新情報、情報の認知3はA問題未解決から推論へである。
D:情報の認知1はB条件反射、情報の認知2はA新情報、情報の認知3は@問題解決から推論へである。
E:情報の認知1はAグループ化、情報の認知2はA新情報、情報の認知3は@問題解決から推論へである。
結果
有吉佐和子は、この場面で青洲の麻酔薬の開発に身を捧げた加恵の毒薬による失明とそれにもかかわらず懐妊したことを同時に伝えようとしている。於継は、青洲の世継ぎに養子を取るつもりでいた。そのため、「女心の葛藤と外科医術の開拓」と「衝突と達成」という組が相互に作用する。
花村嘉英(2020)「有吉佐和子の『華岡青州の妻』の執筆脳について」より
有吉佐和子の「華岡青州の妻」で執筆脳を考える6
【連想分析2】
情報の認知1(感覚情報)
感覚器官からの情報に注目することから、対象の捉え方が問題になる。また、記憶に基づく感情は、扁桃体と関係しているため、条件反射で無意識に素振りに出てしまう。このプロセルのカラムの特徴は、@ベースとプロファイル、Aグループ化、B条件反射である。
情報の認知2(記憶と学習)
外部からの情報を既存の知識構造へ組み込む。この新しい知識はスキーマと呼ばれ、既存の情報と共通する特徴を持っている。未知の情報は、またカテゴリー化される。このプロセスは、経験を通した学習になる。このプロセルのカラムの特徴は、@旧情報、A新情報である。
情報の認知3(計画、問題解決、推論)
受け取った情報は、計画を立てるプロセスでも役に立つ。その際、目的に応じて問題を分析し、解決策を探っていく。しかし、獲得した情報が完全でない場合は、推論が必要になる。このプロセルのカラムの特徴は、@計画から問題解決へ、A問題未解決から推論へである。
花村嘉英(2020)「有吉佐和子の『華岡青州の妻』の執筆脳について」より
情報の認知1(感覚情報)
感覚器官からの情報に注目することから、対象の捉え方が問題になる。また、記憶に基づく感情は、扁桃体と関係しているため、条件反射で無意識に素振りに出てしまう。このプロセルのカラムの特徴は、@ベースとプロファイル、Aグループ化、B条件反射である。
情報の認知2(記憶と学習)
外部からの情報を既存の知識構造へ組み込む。この新しい知識はスキーマと呼ばれ、既存の情報と共通する特徴を持っている。未知の情報は、またカテゴリー化される。このプロセスは、経験を通した学習になる。このプロセルのカラムの特徴は、@旧情報、A新情報である。
情報の認知3(計画、問題解決、推論)
受け取った情報は、計画を立てるプロセスでも役に立つ。その際、目的に応じて問題を分析し、解決策を探っていく。しかし、獲得した情報が完全でない場合は、推論が必要になる。このプロセルのカラムの特徴は、@計画から問題解決へ、A問題未解決から推論へである。
花村嘉英(2020)「有吉佐和子の『華岡青州の妻』の執筆脳について」より
有吉佐和子の「華岡青州の妻」で執筆脳を考える5
分析例
1 加恵が毒薬で失明するも懐妊もする場面。
2 この小論では、「華岡青州の妻」の購読脳を「女心の葛藤と外科医術の開拓」と考えているため、意味3の思考の流れ、葛藤のありなしに注目する。
3 意味1@視覚A聴覚B味覚C嗅覚D触覚 、意味2 @喜A怒B哀C楽、意味3葛藤@ありAなし、意味4振舞い @直示A隠喩B記事なし
4 人工知能 @衝突、A達成
テキスト共生の公式
ステップ1:意味1、2、3、4を合わせて解析の組「女心の葛藤と外科医術の開拓」を作る。
ステップ2:女心の葛藤と麻酔剤の開発から「衝突と達成」という組を作り、解析の組と合わせる。
A:@視覚+B哀+@葛藤あり+@直示という解析の組を、A衝突なしA達成なしという組と合わせる。
B:@視覚+B哀+@葛藤あり+A隠喩という解析の組を、A衝突なしA達成なしという組と合わせる。
C:@視覚+B哀+@葛藤あり+A隠喩という解析の組を、A衝突なしA達成なしという組と合わせる。
D:@視覚+B哀+@葛藤あり+@直示という解析の組を、A衝突なし@達成ありという組と合わせる。
E:@視覚+@喜+A葛藤なし+@直示という解析の組を、@衝突あり@達成ありという組と合わせる。
結果 表2については、テキスト共生の公式が適用される。
花村嘉英(2020)「有吉佐和子の『華岡青州の妻』の執筆脳について」より
1 加恵が毒薬で失明するも懐妊もする場面。
2 この小論では、「華岡青州の妻」の購読脳を「女心の葛藤と外科医術の開拓」と考えているため、意味3の思考の流れ、葛藤のありなしに注目する。
3 意味1@視覚A聴覚B味覚C嗅覚D触覚 、意味2 @喜A怒B哀C楽、意味3葛藤@ありAなし、意味4振舞い @直示A隠喩B記事なし
4 人工知能 @衝突、A達成
テキスト共生の公式
ステップ1:意味1、2、3、4を合わせて解析の組「女心の葛藤と外科医術の開拓」を作る。
ステップ2:女心の葛藤と麻酔剤の開発から「衝突と達成」という組を作り、解析の組と合わせる。
A:@視覚+B哀+@葛藤あり+@直示という解析の組を、A衝突なしA達成なしという組と合わせる。
B:@視覚+B哀+@葛藤あり+A隠喩という解析の組を、A衝突なしA達成なしという組と合わせる。
C:@視覚+B哀+@葛藤あり+A隠喩という解析の組を、A衝突なしA達成なしという組と合わせる。
D:@視覚+B哀+@葛藤あり+@直示という解析の組を、A衝突なし@達成ありという組と合わせる。
E:@視覚+@喜+A葛藤なし+@直示という解析の組を、@衝突あり@達成ありという組と合わせる。
結果 表2については、テキスト共生の公式が適用される。
花村嘉英(2020)「有吉佐和子の『華岡青州の妻』の執筆脳について」より
有吉佐和子の「華岡青州の妻」で執筆脳を考える4
【連想分析1】
表2 受容と共生のイメージ合わせ
加恵の失明と懐妊
A 青洲の大きな目が剥き出したようになって妻の目を凝視していた。潤んだ眼をしばたたきながら加恵は真昼の明るい部屋の中で、青洲の顔も見えないようであった。「加恵」青洲は妻を抱くと、静かに蒲団に横たえた。「痛むか」「いいえ、先刻ほどには」「そうか」
意味1 1、意味2 3、意味3 1、意味4 1、衝突2、達成2
B 青洲は加恵の瞼に指をあててなんの反応も見せない瞳孔を仔細にあらため見ながら、次第に表情を曇らせていった。麻酔薬の実験成果の喜びは萎えて、彼の心はよやく医者から夫に戻ろうとしていた。加恵にはもう見えなかったが、青洲の喉仏の横にある例の大きな黒子は、懸命に何かをこらえている内心を示すように激しく揺れ動いていた。 意味1 1、意味2 3、意味3 1、意味4 2、衝突2、達成2
C 目の奥の痛みは日がたつにつれて薄れていったが、目やにも止まった頃には、加恵は完全に盲目になっていた。青洲のそれを見つめている悲嘆は誰の目にも痛々しかった。そして於継が朽木の倒れるような斃れかたをしたときも、彼の心を瞬間も加恵から離すことはなかった。
意味1 1、意味2 3、意味3 1、意味4 2、衝突2、達成2
D 盲目の加恵はもはや姑の看病はできなかったし、魂がぬけたように甚だしく老いた於継の姿もみることはなかった。薬草畠も霜で凍るような夜、於継が息をひきとったとき、加恵は米次郎に手をひかれて姑の臨終に侍したが、静かに合掌しながらも、しきりにと胸から喉へ突き上げてくる不快なおく気の方に気をとられていた。 意味1 1、意味2 3、意味3 1、意味4 1、衝突2、達成1
E 十幾年ぶりかで加恵は妊っていたのであったが、於継はそれを知らずに死んだ。彼女が青洲の養子にするようにといっていた良平は京都に遊学中であったから、枕元には青洲夫婦と小陸がいたばかりである。
意味1 1、意味2 1、意味3 2、意味4 1、衝突1、達成1
花村嘉英(2020)「有吉佐和子の『華岡青州の妻』の執筆脳について」より
表2 受容と共生のイメージ合わせ
加恵の失明と懐妊
A 青洲の大きな目が剥き出したようになって妻の目を凝視していた。潤んだ眼をしばたたきながら加恵は真昼の明るい部屋の中で、青洲の顔も見えないようであった。「加恵」青洲は妻を抱くと、静かに蒲団に横たえた。「痛むか」「いいえ、先刻ほどには」「そうか」
意味1 1、意味2 3、意味3 1、意味4 1、衝突2、達成2
B 青洲は加恵の瞼に指をあててなんの反応も見せない瞳孔を仔細にあらため見ながら、次第に表情を曇らせていった。麻酔薬の実験成果の喜びは萎えて、彼の心はよやく医者から夫に戻ろうとしていた。加恵にはもう見えなかったが、青洲の喉仏の横にある例の大きな黒子は、懸命に何かをこらえている内心を示すように激しく揺れ動いていた。 意味1 1、意味2 3、意味3 1、意味4 2、衝突2、達成2
C 目の奥の痛みは日がたつにつれて薄れていったが、目やにも止まった頃には、加恵は完全に盲目になっていた。青洲のそれを見つめている悲嘆は誰の目にも痛々しかった。そして於継が朽木の倒れるような斃れかたをしたときも、彼の心を瞬間も加恵から離すことはなかった。
意味1 1、意味2 3、意味3 1、意味4 2、衝突2、達成2
D 盲目の加恵はもはや姑の看病はできなかったし、魂がぬけたように甚だしく老いた於継の姿もみることはなかった。薬草畠も霜で凍るような夜、於継が息をひきとったとき、加恵は米次郎に手をひかれて姑の臨終に侍したが、静かに合掌しながらも、しきりにと胸から喉へ突き上げてくる不快なおく気の方に気をとられていた。 意味1 1、意味2 3、意味3 1、意味4 1、衝突2、達成1
E 十幾年ぶりかで加恵は妊っていたのであったが、於継はそれを知らずに死んだ。彼女が青洲の養子にするようにといっていた良平は京都に遊学中であったから、枕元には青洲夫婦と小陸がいたばかりである。
意味1 1、意味2 1、意味3 2、意味4 1、衝突1、達成1
花村嘉英(2020)「有吉佐和子の『華岡青州の妻』の執筆脳について」より
有吉佐和子の「華岡青州の妻」で執筆脳を考える3
3 データベースの作成・分析
データベースの作成法について説明する。エクセルのデータについては、列の前半(文法1から意味5)が構文や意味の解析データ、後半(医学情報から人工知能)が理系に寄せる生成のデータである。一応、L(受容と共生)を反映している。データベースの数字は、登場人物を動かしながら考えている。
こうしたデータベースを作る場合、共生のカラムの設定が難しい。受容は、それぞれの言語ごとに構文と意味を解析し、何かの組を作ればよい。しかし、共生は、作家の知的財産に基づいた脳の活動が問題になるため、作家ごとにカラムが変わる。
【データベースの作成】
表1 「華岡青州の妻」のデータベースのカラム
文法1 名詞の格 有吉佐和子の助詞の使い方を考える。
文法2 ヴォイス 能動、受動、使役。
文法3 テンス、アスペクト 現在、過去、未来、進行形、完了形。
文法4 モダリティ 可能、推量、義務、必然。
意味1 五感 視覚、聴覚、味覚、嗅覚、触覚。
意味2 喜怒哀楽 喜びや怒り。
意味3 葛藤 精神内部で異なる方向の力同士が衝突する。
意味4 振舞い ジェスチャー、身振り。直示と隠喩を考える。
医学情報 病跡学との接点 受容と共生の共有点。構文や意味の解析から得た組「女心の葛藤と外科医術の開拓」と病跡学でリンクを張るためにメディカル情報を入れる。
記憶 短期、作業記憶、長期(陳述と非陳述) 作品から読み取れる記憶を拾う。長期記憶は陳述と非陳述に分類される。
情報の認知1 感覚情報の捉え方 感覚器官からの情報に注目するため、対象の捉え方が問題になる。例えば、ベースとプロファイルやグループ化または条件反射。
情報の認知2 記憶と学習 外部からの情報を既存の知識構造に組み込む。その際、未知の情報についてはカテゴリー化する。学習につながるため。記憶の型として、短期、作業記憶、長期(陳述と非陳述)を考える。
情報の認知3 計画、問題解決、推論 受け取った情報は、計画を立てるときにも役に立つ。目的に応じて問題を分析し、解決策を探っていく。獲得した情報が完全でない場合、推論が必要になる。
人工知能 衝突 エキスパートシステム 主張や意見が対立すること。反目すること。
人工知能 達成 エキスパートシステム 目的に達し成功すること。
花村嘉英(2020)「有吉佐和子の『華岡青州の妻』の執筆脳について」より
データベースの作成法について説明する。エクセルのデータについては、列の前半(文法1から意味5)が構文や意味の解析データ、後半(医学情報から人工知能)が理系に寄せる生成のデータである。一応、L(受容と共生)を反映している。データベースの数字は、登場人物を動かしながら考えている。
こうしたデータベースを作る場合、共生のカラムの設定が難しい。受容は、それぞれの言語ごとに構文と意味を解析し、何かの組を作ればよい。しかし、共生は、作家の知的財産に基づいた脳の活動が問題になるため、作家ごとにカラムが変わる。
【データベースの作成】
表1 「華岡青州の妻」のデータベースのカラム
文法1 名詞の格 有吉佐和子の助詞の使い方を考える。
文法2 ヴォイス 能動、受動、使役。
文法3 テンス、アスペクト 現在、過去、未来、進行形、完了形。
文法4 モダリティ 可能、推量、義務、必然。
意味1 五感 視覚、聴覚、味覚、嗅覚、触覚。
意味2 喜怒哀楽 喜びや怒り。
意味3 葛藤 精神内部で異なる方向の力同士が衝突する。
意味4 振舞い ジェスチャー、身振り。直示と隠喩を考える。
医学情報 病跡学との接点 受容と共生の共有点。構文や意味の解析から得た組「女心の葛藤と外科医術の開拓」と病跡学でリンクを張るためにメディカル情報を入れる。
記憶 短期、作業記憶、長期(陳述と非陳述) 作品から読み取れる記憶を拾う。長期記憶は陳述と非陳述に分類される。
情報の認知1 感覚情報の捉え方 感覚器官からの情報に注目するため、対象の捉え方が問題になる。例えば、ベースとプロファイルやグループ化または条件反射。
情報の認知2 記憶と学習 外部からの情報を既存の知識構造に組み込む。その際、未知の情報についてはカテゴリー化する。学習につながるため。記憶の型として、短期、作業記憶、長期(陳述と非陳述)を考える。
情報の認知3 計画、問題解決、推論 受け取った情報は、計画を立てるときにも役に立つ。目的に応じて問題を分析し、解決策を探っていく。獲得した情報が完全でない場合、推論が必要になる。
人工知能 衝突 エキスパートシステム 主張や意見が対立すること。反目すること。
人工知能 達成 エキスパートシステム 目的に達し成功すること。
花村嘉英(2020)「有吉佐和子の『華岡青州の妻』の執筆脳について」より
有吉佐和子の「華岡青州の妻」で執筆脳を考える2
2 「華岡青州の妻」のLのストーリー
世界初の全身麻酔による乳癌手術の成功者華岡青洲(1760−1835)は、当時でいう先端を行く外科医として乳癌の手術の方法を探していた。京都帰りの25歳のときには、曼荼羅華を主成分とする麻酔剤が研究テーマであった。
青洲の妻加恵は、封建社会の家を重んずる姑と敵対関係にあり、和歌森(2010)にいわせると、家と女の関わりは、今も昔も特別といえる。歴史に名高い医者の家でも女心の葛藤は、有吉佐和子(1931−1984)をして小説の題材になった。そのため、購読脳は、「女心の葛藤と外科医術の開拓」にする。
作品の中では、精神内部で異なる方向の力同士が衝突している。衝突しながらも、小姑お勝が乳癌になってから、青洲の麻酔薬作りは人体実験の段階に入り、姑と嫁の争いが頂点に達する。青州は、最初母に麻酔剤を試してみる。しかし、母は、薬の完成を早呑み込みしたため、青洲も内心忸怩たるものがあった。
加恵の献身は、自身を実験台として麻酔剤を生産させたことである。青洲は、曼荼羅華の花や種を多量にし、猛毒の草烏頭も調合した。於継に飲ませた量とは比べものにならない。加恵の場合、三日二晩寝続け、目が覚めてから健康状態に戻るまで半月かかった。しかし、辛いとは思わなかった。そして通仙散が誕生した。無論、青州の達成感も格別であった。
息子も出産し、麻酔剤も成就させ、加恵は、盲目になるも達成感のある晩年を過ごす。そこで、執筆脳は「衝突と達成」にする。また、購読脳と執筆脳をマージしたシナジーのメタファーは、「有吉佐和子と葛藤」である。
花村嘉英(2020)「有吉佐和子の『華岡青州の妻』の執筆脳について」より
世界初の全身麻酔による乳癌手術の成功者華岡青洲(1760−1835)は、当時でいう先端を行く外科医として乳癌の手術の方法を探していた。京都帰りの25歳のときには、曼荼羅華を主成分とする麻酔剤が研究テーマであった。
青洲の妻加恵は、封建社会の家を重んずる姑と敵対関係にあり、和歌森(2010)にいわせると、家と女の関わりは、今も昔も特別といえる。歴史に名高い医者の家でも女心の葛藤は、有吉佐和子(1931−1984)をして小説の題材になった。そのため、購読脳は、「女心の葛藤と外科医術の開拓」にする。
作品の中では、精神内部で異なる方向の力同士が衝突している。衝突しながらも、小姑お勝が乳癌になってから、青洲の麻酔薬作りは人体実験の段階に入り、姑と嫁の争いが頂点に達する。青州は、最初母に麻酔剤を試してみる。しかし、母は、薬の完成を早呑み込みしたため、青洲も内心忸怩たるものがあった。
加恵の献身は、自身を実験台として麻酔剤を生産させたことである。青洲は、曼荼羅華の花や種を多量にし、猛毒の草烏頭も調合した。於継に飲ませた量とは比べものにならない。加恵の場合、三日二晩寝続け、目が覚めてから健康状態に戻るまで半月かかった。しかし、辛いとは思わなかった。そして通仙散が誕生した。無論、青州の達成感も格別であった。
息子も出産し、麻酔剤も成就させ、加恵は、盲目になるも達成感のある晩年を過ごす。そこで、執筆脳は「衝突と達成」にする。また、購読脳と執筆脳をマージしたシナジーのメタファーは、「有吉佐和子と葛藤」である。
花村嘉英(2020)「有吉佐和子の『華岡青州の妻』の執筆脳について」より
有吉佐和子の「華岡青州の妻」で執筆脳を考える1
1 先行研究
文学分析は、通常、読者による購読脳が問題になる。一方、シナジーのメタファーは、作家の執筆脳を研究するためのマクロに通じる分析方法である。基本のパターンは、まず縦が購読脳で横が執筆脳になるLのイメージを作り、次に、各場面をLに読みながらデータベースを作成し、全体を組の集合体にする。そして最後に、双方の脳の活動をマージするために、脳内の信号のパスを探す、若しくは、脳のエリアの機能を探す。これがミクロとマクロの中間にあるメゾのデータとなり、狭義の意味でシナジーのメタファーが作られる。この段階では、副専攻を増やすことが重要である。
執筆脳は、作者が自身で書いているという事実及び作者がメインで伝えようと思っていることに対する定番の読み及びそれに対する共生の読みと定義する。そのため、この小論では、トーマス・マン(1875−1955)、魯迅(1881−1936)、森鴎外(1862−1922)の執筆脳に関する私の著作を先行研究にする。また、これらの著作の中では、それぞれの作家の執筆脳として文体を取り上げ、とりわけ問題解決の場面を分析の対象にしている。さらに、マクロの分析について地球規模とフォーマットのシフトを意識してナディン・ゴーディマ(1923−2014)を加えると、“The Late Bourgeois World”執筆時の脳の活動が意欲と組になることを先行研究に入れておく。
筆者の持ち場が言語学のため、購読脳の分析の際に、何かしらの言語分析を試みている。例えば、トーマス・マンには構文分析があり、魯迅にはことばの比較がある。そのため、全集の分析に拘る文学の研究者とは、分析のストーリーに違いがある。文学の研究者であれば、全集の中から一つだけシナジーのメタファーのために作品を選び、その理由を述べればよい。なお、Lのストーリーについては、人文と理系が交差するため、機械翻訳などで文体の違いを調節するトレーニングが推奨される。
メゾのデータを束ねて何やら観察で予測が立てば、言語分析や翻訳そして資格に基づくミクロと医学も含めたリスクや観察の社会論からなるマクロとを合わせて、広義の意味でシナジーのメタファーが作られる。
花村嘉英(2020)「有吉佐和子の『華岡青州の妻』の執筆脳について」より
文学分析は、通常、読者による購読脳が問題になる。一方、シナジーのメタファーは、作家の執筆脳を研究するためのマクロに通じる分析方法である。基本のパターンは、まず縦が購読脳で横が執筆脳になるLのイメージを作り、次に、各場面をLに読みながらデータベースを作成し、全体を組の集合体にする。そして最後に、双方の脳の活動をマージするために、脳内の信号のパスを探す、若しくは、脳のエリアの機能を探す。これがミクロとマクロの中間にあるメゾのデータとなり、狭義の意味でシナジーのメタファーが作られる。この段階では、副専攻を増やすことが重要である。
執筆脳は、作者が自身で書いているという事実及び作者がメインで伝えようと思っていることに対する定番の読み及びそれに対する共生の読みと定義する。そのため、この小論では、トーマス・マン(1875−1955)、魯迅(1881−1936)、森鴎外(1862−1922)の執筆脳に関する私の著作を先行研究にする。また、これらの著作の中では、それぞれの作家の執筆脳として文体を取り上げ、とりわけ問題解決の場面を分析の対象にしている。さらに、マクロの分析について地球規模とフォーマットのシフトを意識してナディン・ゴーディマ(1923−2014)を加えると、“The Late Bourgeois World”執筆時の脳の活動が意欲と組になることを先行研究に入れておく。
筆者の持ち場が言語学のため、購読脳の分析の際に、何かしらの言語分析を試みている。例えば、トーマス・マンには構文分析があり、魯迅にはことばの比較がある。そのため、全集の分析に拘る文学の研究者とは、分析のストーリーに違いがある。文学の研究者であれば、全集の中から一つだけシナジーのメタファーのために作品を選び、その理由を述べればよい。なお、Lのストーリーについては、人文と理系が交差するため、機械翻訳などで文体の違いを調節するトレーニングが推奨される。
メゾのデータを束ねて何やら観察で予測が立てば、言語分析や翻訳そして資格に基づくミクロと医学も含めたリスクや観察の社会論からなるマクロとを合わせて、広義の意味でシナジーのメタファーが作られる。
花村嘉英(2020)「有吉佐和子の『華岡青州の妻』の執筆脳について」より
芥川龍之介の「河童」の多変量解析−クラスタ分析と主成分10
6 まとめ
データベースの数字を用いてクラスタ解析から得られた特徴を場面ごとに平均、標準偏差、中央値、四分位範囲と考察し、それぞれ何が主成分なのか説明できている。そのため、この小論の分析方法は、既存の研究とも照合ができ、統計による文学分析がさらに研究を濃くしてくれている。
この種の実験は、およそ100人の作家で試みている。その際、日本人と外国人60人対40人、男女比4対1、ノーベル賞作家30人を目安に対照言語が独日であることから非英語の比較を意識して、できるだけ日本語以外で英語が突出しないように心掛けている。
【参考文献】
芥川龍之介 河童 角川文庫 2008
片野善夫 ほすぴ162号 知っているようで知らない五感のしくみ−視覚 日本成人病予防協会 2018
加藤剛 多変量解析超入門 技術評論社 2013
花村嘉英 計算文学入門−Thomas Mannのイロニーはファジィ推論といえるのか? 新風舎 2005
花村嘉英 从认知语言学的角度浅析鲁迅作品−魯迅をシナジーで読む 華東理工大学出版社 2015
花村嘉英 日语教育计划书−面向中国人的日语教学法与森鸥外小说的数据库应用 日本語教育のためのプログラム−中国語話者向けの教授法から森鴎外のデータベースまで 南京東南大学出版社 2017
花村嘉英 シナジーのメタファーの作り方−トーマス・マン、魯迅、森鴎外、ナディン・ゴーディマ、井上靖 中国日语教学研究会上海分会論文集 華東理工大学出版社 2018
花村嘉英 从认知语言学的角度浅析纳丁・戈迪默 ナディン・ゴーディマと意欲 華東理工大学出版社 2018
花村嘉英 川端康成の「雪国」から見えてくるシナジーのメタファーとは−「無と創造」から「目的達成型の認知発達」へ 中国日语教学研究会上海分会論文集 華東理工大学出版社 2019
花村嘉英 芥川龍之介の「河童」の購読脳について 2020
データベースの数字を用いてクラスタ解析から得られた特徴を場面ごとに平均、標準偏差、中央値、四分位範囲と考察し、それぞれ何が主成分なのか説明できている。そのため、この小論の分析方法は、既存の研究とも照合ができ、統計による文学分析がさらに研究を濃くしてくれている。
この種の実験は、およそ100人の作家で試みている。その際、日本人と外国人60人対40人、男女比4対1、ノーベル賞作家30人を目安に対照言語が独日であることから非英語の比較を意識して、できるだけ日本語以外で英語が突出しないように心掛けている。
【参考文献】
芥川龍之介 河童 角川文庫 2008
片野善夫 ほすぴ162号 知っているようで知らない五感のしくみ−視覚 日本成人病予防協会 2018
加藤剛 多変量解析超入門 技術評論社 2013
花村嘉英 計算文学入門−Thomas Mannのイロニーはファジィ推論といえるのか? 新風舎 2005
花村嘉英 从认知语言学的角度浅析鲁迅作品−魯迅をシナジーで読む 華東理工大学出版社 2015
花村嘉英 日语教育计划书−面向中国人的日语教学法与森鸥外小说的数据库应用 日本語教育のためのプログラム−中国語話者向けの教授法から森鴎外のデータベースまで 南京東南大学出版社 2017
花村嘉英 シナジーのメタファーの作り方−トーマス・マン、魯迅、森鴎外、ナディン・ゴーディマ、井上靖 中国日语教学研究会上海分会論文集 華東理工大学出版社 2018
花村嘉英 从认知语言学的角度浅析纳丁・戈迪默 ナディン・ゴーディマと意欲 華東理工大学出版社 2018
花村嘉英 川端康成の「雪国」から見えてくるシナジーのメタファーとは−「無と創造」から「目的達成型の認知発達」へ 中国日语教学研究会上海分会論文集 華東理工大学出版社 2019
花村嘉英 芥川龍之介の「河童」の購読脳について 2020
芥川龍之介の「河童」の多変量解析−クラスタ分析と主成分9
【カラム】
A平均1.2 標準偏差0.45 中央値1.0 四分位範囲1.0
B平均1.8 標準偏差0.45 中央値2.0 四分位範囲2.0
C平均2.0 標準偏差0 中央値2.0 四分位範囲2.0
D平均1.8 標準偏差0.45 中央値2.0 四分位範囲2.0
【クラスタABとクラスタCD】
AB 平均1.5普通、標準偏差0.45普通、中央値1.5普通、四分位範囲1.5高い
CD 平均1.9高い、標準偏差0.23低い、中央値2.0高い、四分位範囲2.0高い
【クラスタからの特徴を手掛かりにし、どういう情報が主成分なのか全体的に掴む】
A、B、C、Dのバラツキが比較的小さいことから、作者の考察は一定している。
【ライン】合計は、言語の認知と情報の認知の和を表す指標であり、文理の各系列をスライドする認知の柱が出す数字となる。
@ 7、視覚、隠喩、新情報、未解決 →いろいろな河童の訪問を受けた。
A 7、視覚、隠喩、新情報、未解決 →医者のチャック、哲学者のマッグの見舞いなど。
B 8、視覚以外、隠喩、新情報、未解決 →硝子会社の社長のゲエルも来た。
C 7、視覚、隠喩、新情報、未解決 →クラバックの土産なんかない。
D 5、視覚、直示、新情報、解決 →トックの全集の一冊を朗読する。
【場面の全体】
全体で視覚情報は8割であり、脳に届く通常の五感の入力信号の割合で視覚の情報が問題解決に効いており、新情報も多くテンポよくストーリーが展開している。
花村嘉英(2020)「芥川龍之介の『河童』の多変量解析−クラスタ分析と主成分」より
A平均1.2 標準偏差0.45 中央値1.0 四分位範囲1.0
B平均1.8 標準偏差0.45 中央値2.0 四分位範囲2.0
C平均2.0 標準偏差0 中央値2.0 四分位範囲2.0
D平均1.8 標準偏差0.45 中央値2.0 四分位範囲2.0
【クラスタABとクラスタCD】
AB 平均1.5普通、標準偏差0.45普通、中央値1.5普通、四分位範囲1.5高い
CD 平均1.9高い、標準偏差0.23低い、中央値2.0高い、四分位範囲2.0高い
【クラスタからの特徴を手掛かりにし、どういう情報が主成分なのか全体的に掴む】
A、B、C、Dのバラツキが比較的小さいことから、作者の考察は一定している。
【ライン】合計は、言語の認知と情報の認知の和を表す指標であり、文理の各系列をスライドする認知の柱が出す数字となる。
@ 7、視覚、隠喩、新情報、未解決 →いろいろな河童の訪問を受けた。
A 7、視覚、隠喩、新情報、未解決 →医者のチャック、哲学者のマッグの見舞いなど。
B 8、視覚以外、隠喩、新情報、未解決 →硝子会社の社長のゲエルも来た。
C 7、視覚、隠喩、新情報、未解決 →クラバックの土産なんかない。
D 5、視覚、直示、新情報、解決 →トックの全集の一冊を朗読する。
【場面の全体】
全体で視覚情報は8割であり、脳に届く通常の五感の入力信号の割合で視覚の情報が問題解決に効いており、新情報も多くテンポよくストーリーが展開している。
花村嘉英(2020)「芥川龍之介の『河童』の多変量解析−クラスタ分析と主成分」より
芥川龍之介の「河童」の多変量解析−クラスタ分析と主成分8
◆場面3 河童の訪問
それから僕は二三日ごとにいろいろの河童の訪問を受けました。僕の病はS博士によれば早発性痴呆症ということです。しかしあの医者のチャックは(これははなはだあなたにも失礼に当たるのに違いありません。)僕は早発性痴呆症患者ではない、早発性痴呆症患者はS博士をはじめ、あなたがた自身だと言っていました。
A1、B2、C2、D2
医者のチャックも来るくらいですから、学生のラップや哲学者のマッグの見舞いにきたことはもちろんです。が、あの漁夫のバッグのほかに昼間はだれも尋ねてきません。A1、B2、C2、D2
ことに二三匹いっしょに来るのは夜、――それも月のある夜です。僕はゆうべも月明りの中に硝子会社の社長のゲエルや哲学者のマッグと話をしました。のみならず音楽家のクラバックにもヴァイオリンを一曲弾いてもらいました。A2、B2、C2、D2
そら、向こうの机の上に黒百合の花束がのっているでしょう? あれもゆうべクラバックが土産に持ってきてくれたものです。……(僕は後ろを振り返ってみた。が、もちろん机の上には花束も何ものっていなかった。)A1、B2、C2、D2
それからこの本も哲学者のマッグがわざわざ持ってきてくれたものです。ちょっと最初の詩を読んでごらんなさい。いや、あなたは河童の国の言葉を御存知になるはずはありません。では代わりに読んでみましょう。これは近ごろ出版になったトックの全集の一冊です。――(彼は古い電話帳をひろげ、こういう詩をおお声に読みはじめた。)A1、B1、C2、D1
花村嘉英(2020)「芥川龍之介の『河童』の多変量解析−クラスタ分析と主成分」より
それから僕は二三日ごとにいろいろの河童の訪問を受けました。僕の病はS博士によれば早発性痴呆症ということです。しかしあの医者のチャックは(これははなはだあなたにも失礼に当たるのに違いありません。)僕は早発性痴呆症患者ではない、早発性痴呆症患者はS博士をはじめ、あなたがた自身だと言っていました。
A1、B2、C2、D2
医者のチャックも来るくらいですから、学生のラップや哲学者のマッグの見舞いにきたことはもちろんです。が、あの漁夫のバッグのほかに昼間はだれも尋ねてきません。A1、B2、C2、D2
ことに二三匹いっしょに来るのは夜、――それも月のある夜です。僕はゆうべも月明りの中に硝子会社の社長のゲエルや哲学者のマッグと話をしました。のみならず音楽家のクラバックにもヴァイオリンを一曲弾いてもらいました。A2、B2、C2、D2
そら、向こうの机の上に黒百合の花束がのっているでしょう? あれもゆうべクラバックが土産に持ってきてくれたものです。……(僕は後ろを振り返ってみた。が、もちろん机の上には花束も何ものっていなかった。)A1、B2、C2、D2
それからこの本も哲学者のマッグがわざわざ持ってきてくれたものです。ちょっと最初の詩を読んでごらんなさい。いや、あなたは河童の国の言葉を御存知になるはずはありません。では代わりに読んでみましょう。これは近ごろ出版になったトックの全集の一冊です。――(彼は古い電話帳をひろげ、こういう詩をおお声に読みはじめた。)A1、B1、C2、D1
花村嘉英(2020)「芥川龍之介の『河童』の多変量解析−クラスタ分析と主成分」より
芥川龍之介の「河童」の多変量解析−クラスタ分析と主成分7
【カラム】
A平均1.2 標準偏差0.45 中央値1.0 四分位範囲1.0
B平均1.6 標準偏差0.55 中央値2.0 四分位範囲1.0
C平均1.8 標準偏差0.45 中央値2.0 四分位範囲2.0
D平均1.6 標準偏差0.55 中央値2.0 四分位範囲1.0
【クラスタABとクラスタCD】
AB 平均1.4普通、標準偏差0.5普通、中央値1.5普通、四分位範囲1.0低い
CD 平均1.7高い、標準偏差0.5普通、中央値2.0高い、四分位範囲1.5高い
【クラスタからの特徴を手掛かりにし、どういう情報が主成分なのか全体的に掴む】
袖の下の様子を風刺しており、情報は新だが、問題は解決に向かっていく。
【ライン】合計は、言語の認知と情報の認知の和を表す指標であり、文理の各系列をスライドする認知の柱が出す数字となる。
@ 7、視覚、隠喩、新情報、未解決 →運命を定めるものは信仰と境遇と偶然である。
A 7、視覚、隠喩、新情報、未解決 →我々の神を信ずるわけにいかない。
B 7、視覚、隠喩、新情報、未解決 →雌の河童がいきなり長老へ飛びかかった。
C 5、視覚以外、直示、旧情報、解決 →大寺院の玄関を下おりた。
D 5、視覚、直示、新情報、解決 →大寺院を振り返った。
【場面の全体】
全体で視覚情報は8割であり、脳に届く通常の五感の入力信号の割合で視覚の情報が問題解決に効いており、新情報も多くテンポよくストーリーが展開している。
花村嘉英(2020)「芥川龍之介の『河童』の多変量解析−クラスタ分析と主成分」より
A平均1.2 標準偏差0.45 中央値1.0 四分位範囲1.0
B平均1.6 標準偏差0.55 中央値2.0 四分位範囲1.0
C平均1.8 標準偏差0.45 中央値2.0 四分位範囲2.0
D平均1.6 標準偏差0.55 中央値2.0 四分位範囲1.0
【クラスタABとクラスタCD】
AB 平均1.4普通、標準偏差0.5普通、中央値1.5普通、四分位範囲1.0低い
CD 平均1.7高い、標準偏差0.5普通、中央値2.0高い、四分位範囲1.5高い
【クラスタからの特徴を手掛かりにし、どういう情報が主成分なのか全体的に掴む】
袖の下の様子を風刺しており、情報は新だが、問題は解決に向かっていく。
【ライン】合計は、言語の認知と情報の認知の和を表す指標であり、文理の各系列をスライドする認知の柱が出す数字となる。
@ 7、視覚、隠喩、新情報、未解決 →運命を定めるものは信仰と境遇と偶然である。
A 7、視覚、隠喩、新情報、未解決 →我々の神を信ずるわけにいかない。
B 7、視覚、隠喩、新情報、未解決 →雌の河童がいきなり長老へ飛びかかった。
C 5、視覚以外、直示、旧情報、解決 →大寺院の玄関を下おりた。
D 5、視覚、直示、新情報、解決 →大寺院を振り返った。
【場面の全体】
全体で視覚情報は8割であり、脳に届く通常の五感の入力信号の割合で視覚の情報が問題解決に効いており、新情報も多くテンポよくストーリーが展開している。
花村嘉英(2020)「芥川龍之介の『河童』の多変量解析−クラスタ分析と主成分」より
芥川龍之介の「河童」の多変量解析−クラスタ分析と主成分6
◆場面2 大寺院
長老は僕の話を聞き、深い息をもらしました。
「我々の運命を定めるものは信仰と境遇と偶然とだけです。(もっともあなたがたはそのほかに遺伝をお数えなさるでしょう。)トックさんは不幸にも信仰をお持ちにならなかったのです。」「トックはあなたをうらやんでいたでしょう。いや、僕もうらやんでいます。ラップ君などは年も若いし、……」「僕も嘴さえちゃんとしていればあるいは楽天的だったかもしれません。」A1、B2、C2、D2
長老は僕らにこう言われると、もう一度深い息をもらしました。しかもその目は涙ぐんだまま、じっと黒いヴェヌスを見つめているのです。「わたしも実は、――これはわたしの秘密ですから、どうかだれにもおっしゃらずにください。――わたしも実は我々の神を信ずるわけにいかないのです。しかしいつかわたしの祈祷は、――」A1、B2、C2、D2
ちょうど長老のこう言った時です。突然部屋の戸があいたと思うと、大きい雌の河童が一匹、いきなり長老へ飛びかかりました。僕らがこの雌の河童を抱きとめようとしたのはもちろんです。が、雌の河童はとっさの間あいだに床の上へ長老を投げ倒しました。
「この爺め! きょうもまたわたしの財布から一杯やる金を盗んでいったな!」A1、B2、C2、D2
十分ばかりたった後のち、僕らは実際逃げ出さないばかりに長老夫婦をあとに残し、大寺院の玄関を下おりていきました。「あれではあの長老も『生命の樹』を信じないはずですね。」A2、B1、C1、D1
しばらく黙って歩いた後、ラップは僕にこう言いました。が、僕は返事をするよりも思わず大寺院を振り返りました。大寺院はどんより曇った空にやはり高い塔や円屋根を無数の触手のように伸ばしています。なにか沙漠の空に見える蜃気楼の無気味さを漂わせたまま。……A1、B1、C2、D1
花村嘉英(2020)「芥川龍之介の『河童』の多変量解析−クラスタ分析と主成分」より
長老は僕の話を聞き、深い息をもらしました。
「我々の運命を定めるものは信仰と境遇と偶然とだけです。(もっともあなたがたはそのほかに遺伝をお数えなさるでしょう。)トックさんは不幸にも信仰をお持ちにならなかったのです。」「トックはあなたをうらやんでいたでしょう。いや、僕もうらやんでいます。ラップ君などは年も若いし、……」「僕も嘴さえちゃんとしていればあるいは楽天的だったかもしれません。」A1、B2、C2、D2
長老は僕らにこう言われると、もう一度深い息をもらしました。しかもその目は涙ぐんだまま、じっと黒いヴェヌスを見つめているのです。「わたしも実は、――これはわたしの秘密ですから、どうかだれにもおっしゃらずにください。――わたしも実は我々の神を信ずるわけにいかないのです。しかしいつかわたしの祈祷は、――」A1、B2、C2、D2
ちょうど長老のこう言った時です。突然部屋の戸があいたと思うと、大きい雌の河童が一匹、いきなり長老へ飛びかかりました。僕らがこの雌の河童を抱きとめようとしたのはもちろんです。が、雌の河童はとっさの間あいだに床の上へ長老を投げ倒しました。
「この爺め! きょうもまたわたしの財布から一杯やる金を盗んでいったな!」A1、B2、C2、D2
十分ばかりたった後のち、僕らは実際逃げ出さないばかりに長老夫婦をあとに残し、大寺院の玄関を下おりていきました。「あれではあの長老も『生命の樹』を信じないはずですね。」A2、B1、C1、D1
しばらく黙って歩いた後、ラップは僕にこう言いました。が、僕は返事をするよりも思わず大寺院を振り返りました。大寺院はどんより曇った空にやはり高い塔や円屋根を無数の触手のように伸ばしています。なにか沙漠の空に見える蜃気楼の無気味さを漂わせたまま。……A1、B1、C2、D1
花村嘉英(2020)「芥川龍之介の『河童』の多変量解析−クラスタ分析と主成分」より
芥川龍之介の「河童」の多変量解析−クラスタ分析と主成分5
A平均1.0 標準偏差0 中央値1.0 四分位範囲1.0
B平均1.4 標準偏差0.55 中央値1.0 四分位範囲1.0
C平均1.8 標準偏差0.44 中央値2.0 四分位範囲2.0
D平均1.6 標準偏差0.55 中央値2.0 四分位範囲1.0
【クラスタABとクラスタCD】
AB 平均1.2低い、標準偏差0.22低い、中央値1. 0低い、四分位範囲1.0低い
CD 平均1.7普通、標準偏差0.49普通、中央値2.0高い、四分位範囲1.5高い
【クラスタからの特徴を手掛かりにし、どういう情報が主成分なのか全体的に掴む】
A、B、C、Dのバラツキが比較的小さいことから、作者の考察は一定している。
【ライン】合計は、言語の認知と情報の認知の和を表す指標であり、文理の各系列をスライドする認知の柱が出す数字となる。
@ 6、視覚、直示、新情報、未解決 →家族制度というものは莫迦げている。
A 6、視覚、直示、新情報、未解決 →若い河童の犠牲的精神に感心している。
B 6、視覚、隠喩、新情報、解決 →トックは超人である。
C 5、視覚、隠喩、旧情報、解決 →芸術家は善悪を絶っした超人であるべき。
D 5、視覚、直示、新情報、解決 →仲間の詩人たちはたいてい同意見を持っている。
【場面の全体】
全体で視覚情報は10割であり、脳に届く通常の五感の入力信号の割合よりもかなり高いため、視覚の情報が問題解決に効いている。
花村嘉英(2020)「芥川龍之介の『河童』の多変量解析−クラスタ分析と主成分」より
B平均1.4 標準偏差0.55 中央値1.0 四分位範囲1.0
C平均1.8 標準偏差0.44 中央値2.0 四分位範囲2.0
D平均1.6 標準偏差0.55 中央値2.0 四分位範囲1.0
【クラスタABとクラスタCD】
AB 平均1.2低い、標準偏差0.22低い、中央値1. 0低い、四分位範囲1.0低い
CD 平均1.7普通、標準偏差0.49普通、中央値2.0高い、四分位範囲1.5高い
【クラスタからの特徴を手掛かりにし、どういう情報が主成分なのか全体的に掴む】
A、B、C、Dのバラツキが比較的小さいことから、作者の考察は一定している。
【ライン】合計は、言語の認知と情報の認知の和を表す指標であり、文理の各系列をスライドする認知の柱が出す数字となる。
@ 6、視覚、直示、新情報、未解決 →家族制度というものは莫迦げている。
A 6、視覚、直示、新情報、未解決 →若い河童の犠牲的精神に感心している。
B 6、視覚、隠喩、新情報、解決 →トックは超人である。
C 5、視覚、隠喩、旧情報、解決 →芸術家は善悪を絶っした超人であるべき。
D 5、視覚、直示、新情報、解決 →仲間の詩人たちはたいてい同意見を持っている。
【場面の全体】
全体で視覚情報は10割であり、脳に届く通常の五感の入力信号の割合よりもかなり高いため、視覚の情報が問題解決に効いている。
花村嘉英(2020)「芥川龍之介の『河童』の多変量解析−クラスタ分析と主成分」より
芥川龍之介の「河童」の多変量解析−クラスタ分析と主成分4
◆場面1 超人倶楽部
ことに家族制度というものは莫迦げている以上にも莫迦げているのです。トックはある時窓の外を指さし、「見たまえ。あの莫迦げさ加減を!」と吐き出すように言いました。窓の外の往来にはまだ年の若い河童が一匹、両親らしい河童をはじめ、七八匹の雌雄の河童を頸のまわりへぶら下げながら、息も絶え絶えに歩いていました。
A1、B1、C2、D2
しかし僕は年の若い河童の犠牲的精神に感心しましたから、かえってその健気さをほめ立てました。
「ふん、君はこの国でも市民になる資格を持っている。……時に君は社会主義者かね?」A1、B1、C2、D2
僕はもちろん qua(これは河童の使う言葉では「然しかり」という意味を現わすのです。)と答えました。
「では百人の凡人のために甘んじてひとりの天才を犠牲にすることも顧みないはずだ。」「では君は何主義者だ?だれかトック君の信条は無政府主義だと言っていたが、……」
「僕か? 僕は超人(直訳すれば超河童です)だ。」A1、B2、C2、D1
トックは昂然と言い放ちました。こういうトックは芸術の上にも独特な考えを持っています。トックの信ずるところによれば、芸術は何ものの支配をも受けない、芸術のための芸術である、従って芸術家たるものは何よりも先に善悪を絶っした超人でなければならぬというのです。A1、B2、C1、D1
もっともこれは必ずしもトック一匹の意見ではありません。トックの仲間の詩人たちはたいてい同意見を持っているようです。現に僕はトックといっしょにたびたび超人倶楽部へ遊びにゆきました。超人倶楽部に集まってくるのは詩人、小説家、戯曲家、批評家、画家、音楽家、彫刻家、芸術上の素人しろうと等です。
A1、B1、C2、D1
花村嘉英(2020)「芥川龍之介の『河童』の多変量解析−クラスタ分析と主成分」より
ことに家族制度というものは莫迦げている以上にも莫迦げているのです。トックはある時窓の外を指さし、「見たまえ。あの莫迦げさ加減を!」と吐き出すように言いました。窓の外の往来にはまだ年の若い河童が一匹、両親らしい河童をはじめ、七八匹の雌雄の河童を頸のまわりへぶら下げながら、息も絶え絶えに歩いていました。
A1、B1、C2、D2
しかし僕は年の若い河童の犠牲的精神に感心しましたから、かえってその健気さをほめ立てました。
「ふん、君はこの国でも市民になる資格を持っている。……時に君は社会主義者かね?」A1、B1、C2、D2
僕はもちろん qua(これは河童の使う言葉では「然しかり」という意味を現わすのです。)と答えました。
「では百人の凡人のために甘んじてひとりの天才を犠牲にすることも顧みないはずだ。」「では君は何主義者だ?だれかトック君の信条は無政府主義だと言っていたが、……」
「僕か? 僕は超人(直訳すれば超河童です)だ。」A1、B2、C2、D1
トックは昂然と言い放ちました。こういうトックは芸術の上にも独特な考えを持っています。トックの信ずるところによれば、芸術は何ものの支配をも受けない、芸術のための芸術である、従って芸術家たるものは何よりも先に善悪を絶っした超人でなければならぬというのです。A1、B2、C1、D1
もっともこれは必ずしもトック一匹の意見ではありません。トックの仲間の詩人たちはたいてい同意見を持っているようです。現に僕はトックといっしょにたびたび超人倶楽部へ遊びにゆきました。超人倶楽部に集まってくるのは詩人、小説家、戯曲家、批評家、画家、音楽家、彫刻家、芸術上の素人しろうと等です。
A1、B1、C2、D1
花村嘉英(2020)「芥川龍之介の『河童』の多変量解析−クラスタ分析と主成分」より
芥川龍之介の「河童」の多変量解析−クラスタ分析と主成分3
3 多変量の分析
多変量を解析するには、クラスタと主成分が有効な分析になる。これらの分析がデータベースの統計処理に繋がるからである。
多変数のデータでも、最初は1変数ごとの観察から始まる。また、クラスタ分析は、多変数のデータを丸ごと扱う最初の作業ともいえる。似た者同士を集めたクラスタを樹形図からイメージする。それぞれのクラスタの特徴を掴み、それを手掛かりに多変量データの全体像を考えていく。樹形図については、単純な二個二個のクラスタリングの方法を想定し、変数の数や組み合わせを考える。
作成したデータベースから特性が2つあるカラムを抽出し、グループ分けをする。例えば、A五感(1視覚と2それ以外)、Bジェスチャー(1直示と2隠喩)、C情報の認知プロセス(1旧情報と2新情報)、D情報の認知プロセス(1問題解決と2未解決)というように文系と理系のカラムをそれぞれ2つずつ抽出する。
まず、ABCDそれぞれの変数の特徴について考える。次に、似た者同士のデータをひとかたまりにし、ここでは言語の認知ABと情報の認知CDにグループ分けをする。得られた変数の特徴からグループそれぞれの特徴を見つける。
最後に、各場面のラインの合計を考える。それぞれの要素からどのようなことがいえるのであろうか。「城の崎にて」のバラツキが縦のカラムの特徴を表しているのに対し、ここでのクラスタは、一場面のカラムとラインの特徴を表している。
なお、外界情報の獲得に関する五感の割合は、視覚82%、聴覚11%、嗅覚4%、触覚2%、味覚1%とする。(片野2018)
花村嘉英(2020)「芥川龍之介の『河童』の多変量解析−クラスタ分析と主成分」より
多変量を解析するには、クラスタと主成分が有効な分析になる。これらの分析がデータベースの統計処理に繋がるからである。
多変数のデータでも、最初は1変数ごとの観察から始まる。また、クラスタ分析は、多変数のデータを丸ごと扱う最初の作業ともいえる。似た者同士を集めたクラスタを樹形図からイメージする。それぞれのクラスタの特徴を掴み、それを手掛かりに多変量データの全体像を考えていく。樹形図については、単純な二個二個のクラスタリングの方法を想定し、変数の数や組み合わせを考える。
作成したデータベースから特性が2つあるカラムを抽出し、グループ分けをする。例えば、A五感(1視覚と2それ以外)、Bジェスチャー(1直示と2隠喩)、C情報の認知プロセス(1旧情報と2新情報)、D情報の認知プロセス(1問題解決と2未解決)というように文系と理系のカラムをそれぞれ2つずつ抽出する。
まず、ABCDそれぞれの変数の特徴について考える。次に、似た者同士のデータをひとかたまりにし、ここでは言語の認知ABと情報の認知CDにグループ分けをする。得られた変数の特徴からグループそれぞれの特徴を見つける。
最後に、各場面のラインの合計を考える。それぞれの要素からどのようなことがいえるのであろうか。「城の崎にて」のバラツキが縦のカラムの特徴を表しているのに対し、ここでのクラスタは、一場面のカラムとラインの特徴を表している。
なお、外界情報の獲得に関する五感の割合は、視覚82%、聴覚11%、嗅覚4%、触覚2%、味覚1%とする。(片野2018)
花村嘉英(2020)「芥川龍之介の『河童』の多変量解析−クラスタ分析と主成分」より
芥川龍之介の「河童」の多変量解析−クラスタ分析と主成分2
2 芥川龍之介は日本を風刺する
「河童」の購読脳を「風刺と精神病」にする。結局、精神病院の院長は、狂人が早発性痴呆症患者であるという。しかし、セカンドオピニオン役の河童の国に生きる医者のチャックは、狂人ではなく、院長や来院者こそが早発性痴呆症患者であるとする。つまり、狂人は、本当のことがわかっていて、院長や聞き手の方がわかっていないとする。
また、河童の国でも裁判官が失職すると発狂して精神病院に送られる。もし芥川が見舞いに行くとしたら、何をするのか。精神的な治療として聖書を進めたかもしれない。そこで、「河童」の執筆脳は、「機知と批判」にする。
購読脳の組み合せ「風刺と精神病」という出力が、共生の読みの入力となって横にスライドし、出力として 「機知と批判」という執筆脳の組を考える。
狂人は、事業に失敗した話になると、乱暴になる。汽車に乗ろうとして巡査に捕まり、病院に入れられた。病院でもどうやら日本の社会や人物の欠陥、罪悪のことを遠回しに批判していた。狂人の方が本当のことを理解している。シナジーのメタファーは、「芥川龍之介と逆転の論理」にする。
花村嘉英(2020)「芥川龍之介の『河童』の多変量解析−クラスタ分析と主成分」より
「河童」の購読脳を「風刺と精神病」にする。結局、精神病院の院長は、狂人が早発性痴呆症患者であるという。しかし、セカンドオピニオン役の河童の国に生きる医者のチャックは、狂人ではなく、院長や来院者こそが早発性痴呆症患者であるとする。つまり、狂人は、本当のことがわかっていて、院長や聞き手の方がわかっていないとする。
また、河童の国でも裁判官が失職すると発狂して精神病院に送られる。もし芥川が見舞いに行くとしたら、何をするのか。精神的な治療として聖書を進めたかもしれない。そこで、「河童」の執筆脳は、「機知と批判」にする。
購読脳の組み合せ「風刺と精神病」という出力が、共生の読みの入力となって横にスライドし、出力として 「機知と批判」という執筆脳の組を考える。
狂人は、事業に失敗した話になると、乱暴になる。汽車に乗ろうとして巡査に捕まり、病院に入れられた。病院でもどうやら日本の社会や人物の欠陥、罪悪のことを遠回しに批判していた。狂人の方が本当のことを理解している。シナジーのメタファーは、「芥川龍之介と逆転の論理」にする。
花村嘉英(2020)「芥川龍之介の『河童』の多変量解析−クラスタ分析と主成分」より
芥川龍之介の「河童」の多変量解析−クラスタ分析と主成分1
1 先行研究との関係
これまでに芥川龍之介(1892−1927)の「河童」の執筆脳を「機知と批判」としてシナジーのメタファーを作成している。(花村2020) この小論では、さらに多変量解析に注目し、クラスタ分析と主成分について考察する。それぞれの場面で芥川龍之介の執筆脳がデータベースから異なる視点で分析できれば、自ずと客観性は上がっていく。この小論ではシナジーのメタファーといえば「芥川龍之介と逆転の論理」を指す。
花村嘉英(2020)「芥川龍之介の『河童』の多変量解析−クラスタ分析と主成分」より
これまでに芥川龍之介(1892−1927)の「河童」の執筆脳を「機知と批判」としてシナジーのメタファーを作成している。(花村2020) この小論では、さらに多変量解析に注目し、クラスタ分析と主成分について考察する。それぞれの場面で芥川龍之介の執筆脳がデータベースから異なる視点で分析できれば、自ずと客観性は上がっていく。この小論ではシナジーのメタファーといえば「芥川龍之介と逆転の論理」を指す。
花村嘉英(2020)「芥川龍之介の『河童』の多変量解析−クラスタ分析と主成分」より
心理学統計の検定を用いて佐藤愛子の「沢村校長の晩年」を考える7
3 まとめ
佐藤愛子の「沢村校長の晩年」の正剛と光江の性格についてデータベースから心理学統計による評価をしてみると、違いがあることが分かった。
参考文献
大山正・中島義明 実験心理学への招待 サイエンス社 2012
実吉綾子 心理学統計入門 技術評論社 2013
花村嘉英 シナジーのメタファーの作り方−トーマス・マン、魯迅、森鴎外、ナディン・ゴーディマ、井上靖 中国日语教学研究会上海分会论文集 2018
花村嘉英 佐藤愛子の「沢村校長の晩年」の執筆脳について ファンブログ 2020
佐藤愛子 院長の恋 文春文庫 2012
佐藤愛子の「沢村校長の晩年」の正剛と光江の性格についてデータベースから心理学統計による評価をしてみると、違いがあることが分かった。
参考文献
大山正・中島義明 実験心理学への招待 サイエンス社 2012
実吉綾子 心理学統計入門 技術評論社 2013
花村嘉英 シナジーのメタファーの作り方−トーマス・マン、魯迅、森鴎外、ナディン・ゴーディマ、井上靖 中国日语教学研究会上海分会论文集 2018
花村嘉英 佐藤愛子の「沢村校長の晩年」の執筆脳について ファンブログ 2020
佐藤愛子 院長の恋 文春文庫 2012
心理学統計の検定を用いて佐藤愛子の「沢村校長の晩年」を考える6
1 最初は作者と鼠とで努力に差がないと予測する。両者の平均値を取ると、正剛 1.0、光江 1.7になる。この差は誤差の可能性がある。
2 具体度の1、2は独立変数であり、それにともなう努力の大小は、従属変数になる。
3 独立変数そのものの1、2が要因で、独立変数の実際の値である努力が水準になる。
4 ここでは、どちらの水準も同じ標本からデータを集めているため、具体度という要因は、参加者内要因になる。
5 得られた有意確率(p値)を有意水準と比較する。危険率は通常5%未満のため、ここではt検定を採用する。
6 t検定では、二つの平均の差を表す統計量(t値)、データの規模を表す自由度(df)、p値(p-value)を説明する。
[満足度のt検定]
正剛1.0、光江1. 7、よってt値=0. 7。
自由度は、独立した標本の個数から1引いたものである。よってdf=8。
p値は0.02にする。ここでは5%未満のため、帰無仮説を棄却し対立仮設を採択し、性格に違いがあるとする。
花村嘉英(2020)「心理学統計の検定を用いて佐藤愛子の『沢村校長の晩年』を考える」より
2 具体度の1、2は独立変数であり、それにともなう努力の大小は、従属変数になる。
3 独立変数そのものの1、2が要因で、独立変数の実際の値である努力が水準になる。
4 ここでは、どちらの水準も同じ標本からデータを集めているため、具体度という要因は、参加者内要因になる。
5 得られた有意確率(p値)を有意水準と比較する。危険率は通常5%未満のため、ここではt検定を採用する。
6 t検定では、二つの平均の差を表す統計量(t値)、データの規模を表す自由度(df)、p値(p-value)を説明する。
[満足度のt検定]
正剛1.0、光江1. 7、よってt値=0. 7。
自由度は、独立した標本の個数から1引いたものである。よってdf=8。
p値は0.02にする。ここでは5%未満のため、帰無仮説を棄却し対立仮設を採択し、性格に違いがあるとする。
花村嘉英(2020)「心理学統計の検定を用いて佐藤愛子の『沢村校長の晩年』を考える」より
心理学統計の検定を用いて佐藤愛子の「沢村校長の晩年」を考える5
表2 具体度
「世に憎むべきは善意である」正剛は日記にそう書いた。「悪意には立ち向かい様がある。しかし底抜けの善意には立ち向かいようがない」光江のすることなすことが彼の気に障るのである。→基準からの逸脱1、逸脱2
時折、光江は仏壇の前に座って鉦を鳴らす。必ず三回、「チーン、チーン、チーン」と鳴らすのである、すると彼はムッとした。→基準からの逸脱1、逸脱2
居合わせた柳原がそれを聞いて、「なんだ?そりゃ?」といぶかしんだ。「ばあさんだよ、手伝いの」吐き捨てるようにいった。→基準からの逸脱2、逸脱1
柳原は尚もいぶかしんでいった。「なんで鉦を鳴らすんだ?」「知らんよ」正剛はまた吐き捨てた。「オレも知りたいよ・・・」それ以来、柳原は光江を気に留めるようになった。→基準からの逸脱1、逸脱1
「あれは例の秋葉原のメイド喫茶の真似かね?」といったこともある。光江は黒々と染めた前髪にレースの縁取りをした白い布をつけている。「知らんよ」その時も吐き捨てるように正剛はいった。→基準からの逸脱2、逸脱2
花村嘉英(2020)「心理学統計の検定を用いて佐藤愛子の『沢村校長の晩年』を考える」より
「世に憎むべきは善意である」正剛は日記にそう書いた。「悪意には立ち向かい様がある。しかし底抜けの善意には立ち向かいようがない」光江のすることなすことが彼の気に障るのである。→基準からの逸脱1、逸脱2
時折、光江は仏壇の前に座って鉦を鳴らす。必ず三回、「チーン、チーン、チーン」と鳴らすのである、すると彼はムッとした。→基準からの逸脱1、逸脱2
居合わせた柳原がそれを聞いて、「なんだ?そりゃ?」といぶかしんだ。「ばあさんだよ、手伝いの」吐き捨てるようにいった。→基準からの逸脱2、逸脱1
柳原は尚もいぶかしんでいった。「なんで鉦を鳴らすんだ?」「知らんよ」正剛はまた吐き捨てた。「オレも知りたいよ・・・」それ以来、柳原は光江を気に留めるようになった。→基準からの逸脱1、逸脱1
「あれは例の秋葉原のメイド喫茶の真似かね?」といったこともある。光江は黒々と染めた前髪にレースの縁取りをした白い布をつけている。「知らんよ」その時も吐き捨てるように正剛はいった。→基準からの逸脱2、逸脱2
花村嘉英(2020)「心理学統計の検定を用いて佐藤愛子の『沢村校長の晩年』を考える」より
心理学統計の検定を用いて佐藤愛子の「沢村校長の晩年」を考える4
2.3 「沢村校長の晩年」の登場人物間で性格が違う
「沢村校長の晩年」は、私立の女子高校の元校長とお節介なお手伝いとのやり取りを描いた短編である。ここでは、この小論の研究テーマ、正剛と光江の性格に関し違いがあるかどうかについて作成したデータベースを基に考察していく。
解答 正剛と光江の性格に違いがある
表1 具体度
光江がしゃべりながら近づいてくる。「先生、見ました?こんなに小さくて可愛いんですよう、鶯色して・・・あら、鶯が鶯色なのは当り前ですけどね。」一人でけたたましく笑っている。→基準からの逸脱0、逸脱2
「梅に鶯って昔からいいますけど、ほんとうですわえ。お庭には桃も桜もあるのに、わざわざ梅にくるなんて、梅の密がおいしいのかしら、香りがすきなんでしょうか。それとも花が可愛いから?」。→基準からの逸脱0、逸脱2
それを打ち切るように正剛は「赤松さん!」と呼んだ。声がふるえている。「赤松さん、鶯が来ているときは黙って、静かにしているものですよ。それが年に一度来る鶯への礼儀だ・・・」すると光江はいった。→基準からの逸脱1、逸脱1
「礼儀!そうですわねえ。やっぱり先生はおっしゃることが違いますわ。それで先生はだまって静かにしてらしたんですねえ。私はまた、ご存じないのかと思って・・・失礼しました。ほんとうに私ってどうしてこんなにオッチョコチョイなんでしょう、うちの主人もしょっちゅう、いいますんですよ、昨日もねえ・・・」。→基準からの逸脱1、逸脱2
「もういいから、少し静かにしてくれませんか。ひどく疲れるんだ」。あらたと話していると、と彼は付け加えたが光江は気にも留めず、「あらまあ、いけませんわ。先生、お休みになってください。お床をとりましょう。お熱はどうです?大丈夫ですか?」と額に手を当てにくる。→基準からの逸脱1、逸脱2
花村嘉英(2020)「心理学統計の検定を用いて佐藤愛子の『沢村校長の晩年』を考える」より
「沢村校長の晩年」は、私立の女子高校の元校長とお節介なお手伝いとのやり取りを描いた短編である。ここでは、この小論の研究テーマ、正剛と光江の性格に関し違いがあるかどうかについて作成したデータベースを基に考察していく。
解答 正剛と光江の性格に違いがある
表1 具体度
光江がしゃべりながら近づいてくる。「先生、見ました?こんなに小さくて可愛いんですよう、鶯色して・・・あら、鶯が鶯色なのは当り前ですけどね。」一人でけたたましく笑っている。→基準からの逸脱0、逸脱2
「梅に鶯って昔からいいますけど、ほんとうですわえ。お庭には桃も桜もあるのに、わざわざ梅にくるなんて、梅の密がおいしいのかしら、香りがすきなんでしょうか。それとも花が可愛いから?」。→基準からの逸脱0、逸脱2
それを打ち切るように正剛は「赤松さん!」と呼んだ。声がふるえている。「赤松さん、鶯が来ているときは黙って、静かにしているものですよ。それが年に一度来る鶯への礼儀だ・・・」すると光江はいった。→基準からの逸脱1、逸脱1
「礼儀!そうですわねえ。やっぱり先生はおっしゃることが違いますわ。それで先生はだまって静かにしてらしたんですねえ。私はまた、ご存じないのかと思って・・・失礼しました。ほんとうに私ってどうしてこんなにオッチョコチョイなんでしょう、うちの主人もしょっちゅう、いいますんですよ、昨日もねえ・・・」。→基準からの逸脱1、逸脱2
「もういいから、少し静かにしてくれませんか。ひどく疲れるんだ」。あらたと話していると、と彼は付け加えたが光江は気にも留めず、「あらまあ、いけませんわ。先生、お休みになってください。お床をとりましょう。お熱はどうです?大丈夫ですか?」と額に手を当てにくる。→基準からの逸脱1、逸脱2
花村嘉英(2020)「心理学統計の検定を用いて佐藤愛子の『沢村校長の晩年』を考える」より
心理学統計の検定を用いて佐藤愛子の「沢村校長の晩年」を考える3
2.2 実験計画
【研究テーマ】
質問 正剛と光江の性格に違いがある。
帰無仮説 正剛と光江の性格に関し違いがない。
対立仮説 正剛と光江の性格に関し違いがある。
【実験計画】
独立変数 実験や調査をする人が仮説を検証するために使用する変数。原因と結果でいうと原因である。
従属変数 独立変数の操作に応じて変化すると考えられる変数。原因と結果でいうと結果である。
【要因と水準】
要因 実験者が使用する変数。独立変数そのもの。
水準 実験者が使用する種類。独立変数が実際にとる値。
【参加者間要因と参加者内要因】
参加者間要因 水準のデータが異なる標本から集められる場合。
参加者内要因 水準のデータが同じ標本から集められる場合。
【有意確率】
帰無仮説を前提としたときに、誤差から偶然ある程度の差が標本に生じる確率のこと。危険率とかP値という。また、誤差には、本当はないのに誤って誤差があるとする第一種と誤差があるのに誤ってないとする第二種とがある。実吉(2013)では、5%水準を基準にしている。
花村嘉英(2020)「心理学統計の検定を用いて佐藤愛子の『沢村校長の晩年』を考える」より
【研究テーマ】
質問 正剛と光江の性格に違いがある。
帰無仮説 正剛と光江の性格に関し違いがない。
対立仮説 正剛と光江の性格に関し違いがある。
【実験計画】
独立変数 実験や調査をする人が仮説を検証するために使用する変数。原因と結果でいうと原因である。
従属変数 独立変数の操作に応じて変化すると考えられる変数。原因と結果でいうと結果である。
【要因と水準】
要因 実験者が使用する変数。独立変数そのもの。
水準 実験者が使用する種類。独立変数が実際にとる値。
【参加者間要因と参加者内要因】
参加者間要因 水準のデータが異なる標本から集められる場合。
参加者内要因 水準のデータが同じ標本から集められる場合。
【有意確率】
帰無仮説を前提としたときに、誤差から偶然ある程度の差が標本に生じる確率のこと。危険率とかP値という。また、誤差には、本当はないのに誤って誤差があるとする第一種と誤差があるのに誤ってないとする第二種とがある。実吉(2013)では、5%水準を基準にしている。
花村嘉英(2020)「心理学統計の検定を用いて佐藤愛子の『沢村校長の晩年』を考える」より
心理学統計の検定を用いて佐藤愛子の「沢村校長の晩年」を考える2
2 心理学統計
心理学統計では、心の働きを数値化しながら客観性を計り、集計や分析を試みる。心を測定する時は、様々な要因がデータに含まれるため、データには誤差が付き物である。そのため、統計学により誤差を取り除き真の値を求めていく必要がある。そうすると、限られた人数のデータから人間一般に共通する心の働きも推測可能になる。
2.1 有意性検定
科学では全般的に仮説を立てて検証する方法が使われる。実吉(2013)によると、検定の際に仮説が成り立つかどうかは、作成したデータから決めていく。検定の対象は、そこに有意性の差があるかどうかである。例えば、男女の性差で満足度に差があるのかどうか、または不安度に差があるのかどうか考える。こうした問題に対してデータを集めながら検定すると、解答が見えてくる。
【検定の流れ】
帰無仮説と対立仮説を立てる → 独立変数と従属変数を具体的に決め、実験計画を立てる → データを取る → 実験計画に応じた統計検定を行う → 得られた有意確率(p値)を有意水準と比較する → 帰無仮説の棄却、採択を決定する
ここで、帰無仮説とは、比較する数値間に差がないという仮説である。対立仮説は比較する数値間に差があるとする仮説である。検定では、まず帰無仮説が正しいことを前提に検討され、帰無仮説が成り立たなければ、それを棄てて対立仮説に移り、差があるという結論にする。つまり背理法による命題の証明である。
花村嘉英(2020)「心理学統計の検定を用いて佐藤愛子の『沢村校長の晩年』を考える」より
心理学統計では、心の働きを数値化しながら客観性を計り、集計や分析を試みる。心を測定する時は、様々な要因がデータに含まれるため、データには誤差が付き物である。そのため、統計学により誤差を取り除き真の値を求めていく必要がある。そうすると、限られた人数のデータから人間一般に共通する心の働きも推測可能になる。
2.1 有意性検定
科学では全般的に仮説を立てて検証する方法が使われる。実吉(2013)によると、検定の際に仮説が成り立つかどうかは、作成したデータから決めていく。検定の対象は、そこに有意性の差があるかどうかである。例えば、男女の性差で満足度に差があるのかどうか、または不安度に差があるのかどうか考える。こうした問題に対してデータを集めながら検定すると、解答が見えてくる。
【検定の流れ】
帰無仮説と対立仮説を立てる → 独立変数と従属変数を具体的に決め、実験計画を立てる → データを取る → 実験計画に応じた統計検定を行う → 得られた有意確率(p値)を有意水準と比較する → 帰無仮説の棄却、採択を決定する
ここで、帰無仮説とは、比較する数値間に差がないという仮説である。対立仮説は比較する数値間に差があるとする仮説である。検定では、まず帰無仮説が正しいことを前提に検討され、帰無仮説が成り立たなければ、それを棄てて対立仮説に移り、差があるという結論にする。つまり背理法による命題の証明である。
花村嘉英(2020)「心理学統計の検定を用いて佐藤愛子の『沢村校長の晩年』を考える」より
心理学統計の検定を用いて佐藤愛子の「沢村校長の晩年」を考える1
1 先行研究との関係
データベースを作成ながら購読脳と執筆脳を分析するシナジーのメタファーの研究も次第に安定してきている。これまでバランスを意識して二個二個のルールに基づき多くの組み合わせを作ってきた。統計についても、バラツキ、相関関係、多変量分析と進み、今回の心理学統計を含めれば、バラツキと相関、多変量と心理という組み合わせができる。この小論では、実吉(2013)の心理学統計の検定の手法に従い、佐藤愛子の「沢村校長の晩年」を使用して正剛と光江の性格に関し考察していく。
花村嘉英(2020)「心理学統計の検定を用いて佐藤愛子の『沢村校長の晩年』を考える」より
データベースを作成ながら購読脳と執筆脳を分析するシナジーのメタファーの研究も次第に安定してきている。これまでバランスを意識して二個二個のルールに基づき多くの組み合わせを作ってきた。統計についても、バラツキ、相関関係、多変量分析と進み、今回の心理学統計を含めれば、バラツキと相関、多変量と心理という組み合わせができる。この小論では、実吉(2013)の心理学統計の検定の手法に従い、佐藤愛子の「沢村校長の晩年」を使用して正剛と光江の性格に関し考察していく。
花村嘉英(2020)「心理学統計の検定を用いて佐藤愛子の『沢村校長の晩年』を考える」より
佐藤愛子の「沢村校長の晩年」の相関関係について6
4 相関係数を言葉で表す
数字の意味を言葉で確認しておく。
-0.7≦r≦-1.0 強い負の相関がある
-0.4≦r≦-0.7 やや負の相関がある
0≦r≦-0.4 ほとんど負の相関がない
0≦r≦0.2 ほとんど正の相関がない
0.2≦r≦0.4 やや正の相関がある
0.4≦r≦0.7 かなり正の相関がある
0.7≦r≦1 強い正の相関がある
5 まとめ
佐藤愛子の「沢村校長の晩年」のデータベースのうち、言語の認知のカラムは、性格の創造とその表現、1あり2なし、情報の認知のカラムは、人工知能が1創造、2認知発達は、正の強い相関があることがわかった。
参考文献
花村嘉英 計算文学入門−Thomas Mannのイロニーはファジィ推論といえるのか? 新風舎 2005
花村嘉英 从认知语言学的角度浅析鲁迅作品−魯迅をシナジーで読む 華東理工大学出版社 2015
花村嘉英 日语教育计划书−面向中国人的日语教学法与森鸥外小说的数据库应用 日本語教育のためのプログラム−中国語話者向けの教授法から森鴎外のデータベースまで 南京東南大学出版社 2017
花村嘉英 从认知语言学的角度浅析纳丁・戈迪默 ナディン・ゴーディマと意欲 華東理工大学出版社 2018
前野昌弘 回帰分析超入門 技術評論社 2012
佐藤愛子 院長の恋 文春文庫 2012
数字の意味を言葉で確認しておく。
-0.7≦r≦-1.0 強い負の相関がある
-0.4≦r≦-0.7 やや負の相関がある
0≦r≦-0.4 ほとんど負の相関がない
0≦r≦0.2 ほとんど正の相関がない
0.2≦r≦0.4 やや正の相関がある
0.4≦r≦0.7 かなり正の相関がある
0.7≦r≦1 強い正の相関がある
5 まとめ
佐藤愛子の「沢村校長の晩年」のデータベースのうち、言語の認知のカラムは、性格の創造とその表現、1あり2なし、情報の認知のカラムは、人工知能が1創造、2認知発達は、正の強い相関があることがわかった。
参考文献
花村嘉英 計算文学入門−Thomas Mannのイロニーはファジィ推論といえるのか? 新風舎 2005
花村嘉英 从认知语言学的角度浅析鲁迅作品−魯迅をシナジーで読む 華東理工大学出版社 2015
花村嘉英 日语教育计划书−面向中国人的日语教学法与森鸥外小说的数据库应用 日本語教育のためのプログラム−中国語話者向けの教授法から森鴎外のデータベースまで 南京東南大学出版社 2017
花村嘉英 从认知语言学的角度浅析纳丁・戈迪默 ナディン・ゴーディマと意欲 華東理工大学出版社 2018
前野昌弘 回帰分析超入門 技術評論社 2012
佐藤愛子 院長の恋 文春文庫 2012
佐藤愛子の「沢村校長の晩年」の相関関係について5
表2 計算表
A 3 2 5
偏差 0.5 -0.5 0
偏差2 0.25 0.25 0.5
B 3 2 5
偏差 0.5 -0.5 0
偏差2 0.25 0.25 0.5
AB偏差の積 0.25 0.25 0.5
◆相関係数は、次の公式で求めることができる。
相関係数=[(A-Aの平均値)x(B-Bの平均値)]の和/
√(A-Aの平均値)2の和x(B-Bの平均値)2の和
上記計算表を代入すると、
相関係数 = 0.5/√0.5 x 0.5 = 0.5/0.5= 1
従って、正の強い相関があるといえる。
花村嘉英(2020)「佐藤愛子の『沢村校長の晩年』の相関関係について」より
A 3 2 5
偏差 0.5 -0.5 0
偏差2 0.25 0.25 0.5
B 3 2 5
偏差 0.5 -0.5 0
偏差2 0.25 0.25 0.5
AB偏差の積 0.25 0.25 0.5
◆相関係数は、次の公式で求めることができる。
相関係数=[(A-Aの平均値)x(B-Bの平均値)]の和/
√(A-Aの平均値)2の和x(B-Bの平均値)2の和
上記計算表を代入すると、
相関係数 = 0.5/√0.5 x 0.5 = 0.5/0.5= 1
従って、正の強い相関があるといえる。
花村嘉英(2020)「佐藤愛子の『沢村校長の晩年』の相関関係について」より
佐藤愛子の「沢村校長の晩年」の相関関係について4
A 言語の認知(動から静への思考):1ある、2ない → 3、2
B 人工知能:1認識、2心的操作 → 3、2
◆A、Bそれぞれの平均値を出す。
Aの平均:(3 + 2)÷ 2 = 2.5
Bの平均:(3 + 2)÷ 2 = 2.5
◆A、Bそれぞれの偏差を計算する。偏差=各データ−平均値
Aの偏差:(3 – 2.5)、(2 – 2.5)= 0.5、-0.5
Bの偏差:(3 – 2.5)、(2 – 2.5)= 0.5、-0.5
◆A、Bの偏差をそれぞれ2乗する。
Aの偏差2乗 = 0.25、0.25
Bの偏差2乗 = 0.25、0.25
◆AとBの偏差同士の積を計算する
(Aの偏差)x(Bの偏差)= 0.25、0.25
◆AとBを2乗したものを合計する。
Aの偏差を2乗したものの合計 = 0.25 + 0.25 = 0.5
Bの偏差を2乗したものの合計 = 0.25 + 0.25 = 0.5
◆Aの偏差xBの偏差の合計を計算する。0.25 + 0.25 = 0.5
花村嘉英(2020)「佐藤愛子の『沢村校長の晩年』の相関関係について」より
B 人工知能:1認識、2心的操作 → 3、2
◆A、Bそれぞれの平均値を出す。
Aの平均:(3 + 2)÷ 2 = 2.5
Bの平均:(3 + 2)÷ 2 = 2.5
◆A、Bそれぞれの偏差を計算する。偏差=各データ−平均値
Aの偏差:(3 – 2.5)、(2 – 2.5)= 0.5、-0.5
Bの偏差:(3 – 2.5)、(2 – 2.5)= 0.5、-0.5
◆A、Bの偏差をそれぞれ2乗する。
Aの偏差2乗 = 0.25、0.25
Bの偏差2乗 = 0.25、0.25
◆AとBの偏差同士の積を計算する
(Aの偏差)x(Bの偏差)= 0.25、0.25
◆AとBを2乗したものを合計する。
Aの偏差を2乗したものの合計 = 0.25 + 0.25 = 0.5
Bの偏差を2乗したものの合計 = 0.25 + 0.25 = 0.5
◆Aの偏差xBの偏差の合計を計算する。0.25 + 0.25 = 0.5
花村嘉英(2020)「佐藤愛子の『沢村校長の晩年』の相関関係について」より
佐藤愛子の「沢村校長の晩年」の相関関係について3
3 小説の場面に適用する
表1 光江のお節介な振舞い
A「世に憎むべきは善意である」正剛は日記にそう書いた。「悪意には立ち向かい様がある。しかし、底抜けの善意には立ち向かいようがない」光江のすることなすことが彼の気に障るのである。性格創造1、人工知能2
B 時折、光江は仏壇の前に座って鉦を鳴らす。必ず三回、「チーン、チーン、チーン」と鳴らすのである、すると彼はムッとした。性格創造2、人工知能1
C 居合わせた柳原がそれを聞いて、「なんだ?そりゃ?」といぶかしんだ。「ばあさんだよ、手伝いの」吐き捨てるようにいった。性格創造2、人工知能2
D 柳原は尚もいぶかしんでいった。「なんで鉦を鳴らすんだ?」「知らんよ」正剛はまた吐き捨てた。「オレは知りたいよ・・・」それ以来、柳原は光江を気に留めるようになった。性格創造1、人工知能1
E 「あれは例の秋葉原のメイド喫茶の真似かね?」といったこともある。光江は黒々と染めた前髪にレースの縁取りをした白い布をつけている。「知らんよ」その時も吐き捨てるように正剛はいった。
性格創造1、人工知能1
花村嘉英(2020)「佐藤愛子の『沢村校長の晩年』の相関関係について」より
表1 光江のお節介な振舞い
A「世に憎むべきは善意である」正剛は日記にそう書いた。「悪意には立ち向かい様がある。しかし、底抜けの善意には立ち向かいようがない」光江のすることなすことが彼の気に障るのである。性格創造1、人工知能2
B 時折、光江は仏壇の前に座って鉦を鳴らす。必ず三回、「チーン、チーン、チーン」と鳴らすのである、すると彼はムッとした。性格創造2、人工知能1
C 居合わせた柳原がそれを聞いて、「なんだ?そりゃ?」といぶかしんだ。「ばあさんだよ、手伝いの」吐き捨てるようにいった。性格創造2、人工知能2
D 柳原は尚もいぶかしんでいった。「なんで鉦を鳴らすんだ?」「知らんよ」正剛はまた吐き捨てた。「オレは知りたいよ・・・」それ以来、柳原は光江を気に留めるようになった。性格創造1、人工知能1
E 「あれは例の秋葉原のメイド喫茶の真似かね?」といったこともある。光江は黒々と染めた前髪にレースの縁取りをした白い布をつけている。「知らんよ」その時も吐き捨てるように正剛はいった。
性格創造1、人工知能1
花村嘉英(2020)「佐藤愛子の『沢村校長の晩年』の相関関係について」より
佐藤愛子の「沢村校長の晩年」の相関関係について2
2 相関の作り方
シナジーのメタファーのために作成しているデータベースは、データの種類で見ると、俗に言う測れないカテゴリーデータからなる。数量データといわれる身長、体重、気温、湿度などとは異なり、値が連続ではなく飛び飛びで離散的となる。前野(2012)によると、カテゴリーデータは、対象の性質を表したり、現象や区別を表したりする。性別、好き、嫌い、うまい、まずい、おもしろいなどあるものの性質や現象が示される。
相関とは原因から結果が生じ、それが互いに関係しあっていることをいう。また、相関関係があるとは、ある測定値の変化に対して他の測定値も変化する場合に使われる。相関の強さは、ピアソンの相関係数で表す。合わせて共分散という統計用語が重要になる。
(1) 共分散の公式
共分散=[(xの各データ−xの平均値)x(yの各データ−yの平均値)]の和/データ数
=[(xの偏差)x(yの偏差)]の和/データ数
= xとyの偏差積の和/データ数
正の相関があると0より大きく、負の相関があると0より小さくなる。
(2) 相関係数(ピアソン)
相関係数=XYの偏差平方和/√(Xの偏差平方和)x(Yの偏差平方和)
「沢村校長の晩年」の問題解決の場面を使用して、簡単な例を見てみよう。
花村嘉英(2020)「佐藤愛子の『沢村校長の晩年』の相関関係について」より
シナジーのメタファーのために作成しているデータベースは、データの種類で見ると、俗に言う測れないカテゴリーデータからなる。数量データといわれる身長、体重、気温、湿度などとは異なり、値が連続ではなく飛び飛びで離散的となる。前野(2012)によると、カテゴリーデータは、対象の性質を表したり、現象や区別を表したりする。性別、好き、嫌い、うまい、まずい、おもしろいなどあるものの性質や現象が示される。
相関とは原因から結果が生じ、それが互いに関係しあっていることをいう。また、相関関係があるとは、ある測定値の変化に対して他の測定値も変化する場合に使われる。相関の強さは、ピアソンの相関係数で表す。合わせて共分散という統計用語が重要になる。
(1) 共分散の公式
共分散=[(xの各データ−xの平均値)x(yの各データ−yの平均値)]の和/データ数
=[(xの偏差)x(yの偏差)]の和/データ数
= xとyの偏差積の和/データ数
正の相関があると0より大きく、負の相関があると0より小さくなる。
(2) 相関係数(ピアソン)
相関係数=XYの偏差平方和/√(Xの偏差平方和)x(Yの偏差平方和)
「沢村校長の晩年」の問題解決の場面を使用して、簡単な例を見てみよう。
花村嘉英(2020)「佐藤愛子の『沢村校長の晩年』の相関関係について」より
佐藤愛子の「沢村校長の晩年」の相関関係について1
1 先行研究
一人暮らしになった私立の女子高校の元校長沢村正剛を描いた「沢村校長の晩年」の一場面を使用し、既存の研究と照合すると、執筆時の佐藤愛子(1923年−)には、性格を創造するための表現を駆使しながら何人もの登場人物を調節する作風が確認できる。
沢村正剛は、30年間私立の女子高校の校長を勤め、退職後は趣味を楽しんでいる。すでに75歳になり、妻の正子は亡くなり、晩年を一人で過ごしている。一人暮らしになった正剛のために、長男の妻忍が初老の赤松光江に手伝いを依頼する。しかし、働き者でも神経質で小うるさい正剛とは性格が合わない。余計なお節介で旺盛な善意にいら立つ毎日である。二人の性格のコントラストが面白い。
この小論では、自作のデータベースを使用して相関関係を考察する。言語の認知のカラムは、性格の創造とその表現、1あり2なし、情報の認知のカラムは、人工知能が1創造、2認知発達である。
花村嘉英(2020)「佐藤愛子の『沢村校長の晩年』の相関関係について」より
一人暮らしになった私立の女子高校の元校長沢村正剛を描いた「沢村校長の晩年」の一場面を使用し、既存の研究と照合すると、執筆時の佐藤愛子(1923年−)には、性格を創造するための表現を駆使しながら何人もの登場人物を調節する作風が確認できる。
沢村正剛は、30年間私立の女子高校の校長を勤め、退職後は趣味を楽しんでいる。すでに75歳になり、妻の正子は亡くなり、晩年を一人で過ごしている。一人暮らしになった正剛のために、長男の妻忍が初老の赤松光江に手伝いを依頼する。しかし、働き者でも神経質で小うるさい正剛とは性格が合わない。余計なお節介で旺盛な善意にいら立つ毎日である。二人の性格のコントラストが面白い。
この小論では、自作のデータベースを使用して相関関係を考察する。言語の認知のカラムは、性格の創造とその表現、1あり2なし、情報の認知のカラムは、人工知能が1創造、2認知発達である。
花村嘉英(2020)「佐藤愛子の『沢村校長の晩年』の相関関係について」より
芥川龍之介の「河童」の相関関係について6
4 まとめ
芥川龍之介の「河童」のデータベースのうち、言語の認知のカラム、逆転の思考が1ある、2なしと、情報の認知のカラム、人工知能で1機知、2批判は、正の強い相関関係になることがわかった。
参考文献
花村嘉英 計算文学入門−Thomas Mannのイロニーはファジィ推論といえるのか? 新風舎 2005
花村嘉英 从认知语言学的角度浅析鲁迅作品−魯迅をシナジーで読む 華東理工大学出版社 2015
花村嘉英 日语教育计划书−面向中国人的日语教学法与森鸥外小说的数据库应用 日本語教育のためのプログラム−中国語話者向けの教授法から森鴎外のデータベースまで 南京東南大学出版社 2017
花村嘉英 从认知语言学的角度浅析纳丁・戈迪默 ナディン・ゴーディマと意欲 華東理工大学出版社 2018
前野昌弘 回帰分析超入門 技術評論社 2012
芥川龍之介 河童 角川文庫 2008
芥川龍之介の「河童」のデータベースのうち、言語の認知のカラム、逆転の思考が1ある、2なしと、情報の認知のカラム、人工知能で1機知、2批判は、正の強い相関関係になることがわかった。
参考文献
花村嘉英 計算文学入門−Thomas Mannのイロニーはファジィ推論といえるのか? 新風舎 2005
花村嘉英 从认知语言学的角度浅析鲁迅作品−魯迅をシナジーで読む 華東理工大学出版社 2015
花村嘉英 日语教育计划书−面向中国人的日语教学法与森鸥外小说的数据库应用 日本語教育のためのプログラム−中国語話者向けの教授法から森鴎外のデータベースまで 南京東南大学出版社 2017
花村嘉英 从认知语言学的角度浅析纳丁・戈迪默 ナディン・ゴーディマと意欲 華東理工大学出版社 2018
前野昌弘 回帰分析超入門 技術評論社 2012
芥川龍之介 河童 角川文庫 2008
芥川龍之介の「河童」の相関関係について5
表2 計算表
A 1 4 5
偏差 -1.5 1.5 0
偏差2 2.25 2.25 4.5
B 4 1 5
偏差 1.5 -1.5 0
偏差2 2.25 2.25 4.5
AB偏差の積 2.25 2.25 4.5
◆相関係数は、次の公式で求めることができる。
相関係数=[(A-Aの平均値)x(B-Bの平均値)]の和/
√(A-Aの平均値)2の和x(B-Bの平均値)2の和
上記計算表を代入すると、
相関係数 = 4.5/√4.5 x 4.5 = 4.5/4.5 = 1
従って、正の強い相関があるといえる。
数字の意味を言葉で確認しておく。
-0. 7≦r≦-1.0 強い負の相関がある
-0.4≦r≦-0.7 やや負の相関がある
0≦r≦-0.4 ほとんど負の相関がない
0≦r≦0.2 ほとんど正の相関がない
0.2≦r≦0.4 やや正の相関がある
0.4≦r≦0.7 かなり正の相関がある
0.7≦r≦1 強い正の相関がある
花村嘉英(2020)「芥川龍之介の『河童』の相関関係について」より
A 1 4 5
偏差 -1.5 1.5 0
偏差2 2.25 2.25 4.5
B 4 1 5
偏差 1.5 -1.5 0
偏差2 2.25 2.25 4.5
AB偏差の積 2.25 2.25 4.5
◆相関係数は、次の公式で求めることができる。
相関係数=[(A-Aの平均値)x(B-Bの平均値)]の和/
√(A-Aの平均値)2の和x(B-Bの平均値)2の和
上記計算表を代入すると、
相関係数 = 4.5/√4.5 x 4.5 = 4.5/4.5 = 1
従って、正の強い相関があるといえる。
数字の意味を言葉で確認しておく。
-0. 7≦r≦-1.0 強い負の相関がある
-0.4≦r≦-0.7 やや負の相関がある
0≦r≦-0.4 ほとんど負の相関がない
0≦r≦0.2 ほとんど正の相関がない
0.2≦r≦0.4 やや正の相関がある
0.4≦r≦0.7 かなり正の相関がある
0.7≦r≦1 強い正の相関がある
花村嘉英(2020)「芥川龍之介の『河童』の相関関係について」より
芥川龍之介の「河童」の相関関係について4
A 言語の認知(動から静への思考):1ある、2ない →1、4
B 人工知能:1認識、2心的操作 →4、1
◆A、Bそれぞれの平均値を出す。
Aの平均:(1 + 4)÷ 2 = 2.5
Bの平均:(4 + 1 )÷ 2 = 2.5
◆A、Bそれぞれの偏差を計算する。偏差=各データ−平均値
Aの偏差:(1 – 2.5)、(4 – 2.5)= -1.5、1.5
Bの偏差:(4 – 2.5)、(1– 2.5)= 1.5、-1.5
◆A、Bの偏差をそれぞれ2乗する。
Aの偏差2乗 = 2.25、2.25
Bの偏差2乗 = 2.25、2.25
◆AとBの偏差同士の積を計算する
(Aの偏差)x(Bの偏差)= 2.25、2.25
◆AとBを2乗したものを合計する。
Aの偏差を2乗したものの合計 = 2.25 + 2.25 = 4.5
Bの偏差を2乗したものの合計 = 2.25 + 2.25 = 4.5
◆Aの偏差xBの偏差の合計を計算する。2.25 + 2.25 = 4.5
花村嘉英(2020)「芥川龍之介の『河童』の相関関係について」より
B 人工知能:1認識、2心的操作 →4、1
◆A、Bそれぞれの平均値を出す。
Aの平均:(1 + 4)÷ 2 = 2.5
Bの平均:(4 + 1 )÷ 2 = 2.5
◆A、Bそれぞれの偏差を計算する。偏差=各データ−平均値
Aの偏差:(1 – 2.5)、(4 – 2.5)= -1.5、1.5
Bの偏差:(4 – 2.5)、(1– 2.5)= 1.5、-1.5
◆A、Bの偏差をそれぞれ2乗する。
Aの偏差2乗 = 2.25、2.25
Bの偏差2乗 = 2.25、2.25
◆AとBの偏差同士の積を計算する
(Aの偏差)x(Bの偏差)= 2.25、2.25
◆AとBを2乗したものを合計する。
Aの偏差を2乗したものの合計 = 2.25 + 2.25 = 4.5
Bの偏差を2乗したものの合計 = 2.25 + 2.25 = 4.5
◆Aの偏差xBの偏差の合計を計算する。2.25 + 2.25 = 4.5
花村嘉英(2020)「芥川龍之介の『河童』の相関関係について」より
芥川龍之介の「河童」の相関関係について3
3 小説の場面に適用する
表1 河童の訪問
それから僕は二三日ごとにいろいろの河童の訪問を受けました。僕の病はS博士によれば早発性痴呆症ということです。しかしあの医者のチャックは、僕は早発性痴呆症患者ではない、早発性痴呆症患者はS博士をはじめ、あなたがた自身だと言っていました。意味思考 1、人工知能2
医者のチャックも来るくらいですから、学生のラップや哲学者のマッグの見舞いにきたことはもちろんです。が、あの漁夫のバッグのほかに昼間はだれも尋ねてきません。意味思考 2、人工知能2
ことに二三匹いっしょに来るのは夜、―それも月のある夜です。僕はゆうべも月明りの中に硝子ガラス会社の社長のゲエルや哲学者のマッグと話をしました。のみならず音楽家のクラバックにもヴァイオリンを一曲弾いてもらいました。意味思考 2、人工知能2
そら、向こうの机の上に黒百合の花束がのっているでしょう?あれもゆうべクラバックが土産に持ってきてくれたものです。(僕は後ろを振り返ってみた。が、もちろん机の上には花束も何ものっていなかった。)
意味思考 2、人工知能2
それからこの本も哲学者のマッグがわざわざ持ってきてくれたものです。ちょっと最初の詩を読んでごらんなさい。いや、あなたは河童の国の言葉を御存知になるはずはありません。では代わりに読んでみましょう。これは近ごろ出版になったトックの全集の一冊です。2、人工知能1
花村嘉英(2020)「芥川龍之介の『河童』の相関関係について」より
表1 河童の訪問
それから僕は二三日ごとにいろいろの河童の訪問を受けました。僕の病はS博士によれば早発性痴呆症ということです。しかしあの医者のチャックは、僕は早発性痴呆症患者ではない、早発性痴呆症患者はS博士をはじめ、あなたがた自身だと言っていました。意味思考 1、人工知能2
医者のチャックも来るくらいですから、学生のラップや哲学者のマッグの見舞いにきたことはもちろんです。が、あの漁夫のバッグのほかに昼間はだれも尋ねてきません。意味思考 2、人工知能2
ことに二三匹いっしょに来るのは夜、―それも月のある夜です。僕はゆうべも月明りの中に硝子ガラス会社の社長のゲエルや哲学者のマッグと話をしました。のみならず音楽家のクラバックにもヴァイオリンを一曲弾いてもらいました。意味思考 2、人工知能2
そら、向こうの机の上に黒百合の花束がのっているでしょう?あれもゆうべクラバックが土産に持ってきてくれたものです。(僕は後ろを振り返ってみた。が、もちろん机の上には花束も何ものっていなかった。)
意味思考 2、人工知能2
それからこの本も哲学者のマッグがわざわざ持ってきてくれたものです。ちょっと最初の詩を読んでごらんなさい。いや、あなたは河童の国の言葉を御存知になるはずはありません。では代わりに読んでみましょう。これは近ごろ出版になったトックの全集の一冊です。2、人工知能1
花村嘉英(2020)「芥川龍之介の『河童』の相関関係について」より
芥川龍之介の「河童」の相関関係について2
2 相関の作り方
シナジーのメタファーのために作成しているデータベースは、データの種類で見ると、俗に言う測れないカテゴリーデータからなる。数量データといわれる身長、体重、気温、湿度などとは異なり、値が連続ではなく飛び飛びで離散的となる。前野(2012)によると、カテゴリーデータは、対象の性質を表したり、現象や区別を表したりする。性別、好き、嫌い、うまい、まずい、おもしろいなどあるものの性質や現象が示される。
相関とは原因から結果が生じ、それが互いに関係しあっていることをいう。また、相関関係があるとは、ある測定値の変化に対して他の測定値も変化する場合に使われる。相関の強さは、ピアソンの相関係数で表す。合わせて共分散という統計用語が重要になる。
(1) 共分散の公式
共分散=[(xの各データ−xの平均値)x(yの各データ−yの平均値)]の和/データ数
=[(xの偏差)x(yの偏差)]の和/データ数
= xとyの偏差積の和/データ数
正の相関があると0より大きく、負の相関があると0より小さくなる。
(2) 相関係数(ピアソン)
相関係数=XYの偏差平方和/√(Xの偏差平方和)x(Yの偏差平方和)
「河童」の問題解決の場面を使用して、簡単な例を見てみよう。
花村嘉英(2020)「芥川龍之介の『河童』の相関関係について」より
シナジーのメタファーのために作成しているデータベースは、データの種類で見ると、俗に言う測れないカテゴリーデータからなる。数量データといわれる身長、体重、気温、湿度などとは異なり、値が連続ではなく飛び飛びで離散的となる。前野(2012)によると、カテゴリーデータは、対象の性質を表したり、現象や区別を表したりする。性別、好き、嫌い、うまい、まずい、おもしろいなどあるものの性質や現象が示される。
相関とは原因から結果が生じ、それが互いに関係しあっていることをいう。また、相関関係があるとは、ある測定値の変化に対して他の測定値も変化する場合に使われる。相関の強さは、ピアソンの相関係数で表す。合わせて共分散という統計用語が重要になる。
(1) 共分散の公式
共分散=[(xの各データ−xの平均値)x(yの各データ−yの平均値)]の和/データ数
=[(xの偏差)x(yの偏差)]の和/データ数
= xとyの偏差積の和/データ数
正の相関があると0より大きく、負の相関があると0より小さくなる。
(2) 相関係数(ピアソン)
相関係数=XYの偏差平方和/√(Xの偏差平方和)x(Yの偏差平方和)
「河童」の問題解決の場面を使用して、簡単な例を見てみよう。
花村嘉英(2020)「芥川龍之介の『河童』の相関関係について」より
芥川龍之介の「河童」の相関関係について1
1 先行研究
昭和初期の日本を風刺した芥川龍之介(1892−1927)の「河童」の一場面を使用し、人間社会と反対の価値を持つ河童の世界を描きながら、そこに遥かに人間味のあることを狂人に語らせる。執筆時には、逆転の論理、弱者の勝利といった現代にも通じる発想があったに違いない。
この小論では、自作のデータベースを使用して相関関係を考察する。言語の認知のカラムは、思考の流れ、即ち、逆転の思考が1ある、2ない、情報の認知のカラムは、人工知能が1機知、2批判である。
花村嘉英(2020)「芥川龍之介の『河童』の相関関係について」より
昭和初期の日本を風刺した芥川龍之介(1892−1927)の「河童」の一場面を使用し、人間社会と反対の価値を持つ河童の世界を描きながら、そこに遥かに人間味のあることを狂人に語らせる。執筆時には、逆転の論理、弱者の勝利といった現代にも通じる発想があったに違いない。
この小論では、自作のデータベースを使用して相関関係を考察する。言語の認知のカラムは、思考の流れ、即ち、逆転の思考が1ある、2ない、情報の認知のカラムは、人工知能が1機知、2批判である。
花村嘉英(2020)「芥川龍之介の『河童』の相関関係について」より
幸田文の「父」の執筆脳について−臨終8
4 まとめ
幸田文の執筆時の脳の活動を調べるために、まず受容と共生からなるLのストーリーを文献により組み立てた。次に、「父」のLのストーリーをデータベース化して、最後に特定したところを実験で確認した。そのため、テキスト共生によるシナジーのメタファーについては、一応の研究成果が得られている。
この種の実験をおよそ100人の作家で試みている。その際、日本人と外国人60人対40人、男女比4対1、ノーベル賞作家30人を目安に対照言語が独日であることから非英語の比較を意識してできるだけ日本語以外で英語が突出しないように心掛けている。
参考文献
日本成人病予防協会 健康管理士一般指導員受験対策講座テキスト3 ヘルスケア出版 2014
花村嘉英 計算文学入門−Thomas Mannのイロニーはファジィ推論といえるのか? 新風社 2005
花村嘉英 从认知语言学的角度浅析鲁迅作品-魯迅をシナジーで読む 華東理工大学出版社2015
花村嘉英 日语教育计划书−面向中国人的日语教学法与森鸥外小说的数据库应用 日本語教育のためのプログラム−中国語話者向けの教授法から森鴎外のデータベースまで 南京東南大学出版社 2017
花村嘉英 从认知语言学的角度浅析纳丁・戈迪默-ナディン・ゴーディマと意欲 華東理工大学出版社 2018
花村嘉英 シナジーのメタファーの作り方−トーマス・マン、魯迅、森鴎外、ナディン・ゴーディマ、井上靖 中国日語教学研究会上海分会論文集 2018
花村嘉英 川端康成の「雪国」に見る執筆脳について-「無と創造」から「目的達成型の認知発達」へ 中国日語教学研究会上海分会論文集 2019
花村嘉英 社会学の観点からマクロの文学を考察する−危機管理者としての作家について 中国日語教学研究会上海分会論文集 2020
幸田文 父(解説 塩屋賛) 新潮文庫 2012
幸田文の執筆時の脳の活動を調べるために、まず受容と共生からなるLのストーリーを文献により組み立てた。次に、「父」のLのストーリーをデータベース化して、最後に特定したところを実験で確認した。そのため、テキスト共生によるシナジーのメタファーについては、一応の研究成果が得られている。
この種の実験をおよそ100人の作家で試みている。その際、日本人と外国人60人対40人、男女比4対1、ノーベル賞作家30人を目安に対照言語が独日であることから非英語の比較を意識してできるだけ日本語以外で英語が突出しないように心掛けている。
参考文献
日本成人病予防協会 健康管理士一般指導員受験対策講座テキスト3 ヘルスケア出版 2014
花村嘉英 計算文学入門−Thomas Mannのイロニーはファジィ推論といえるのか? 新風社 2005
花村嘉英 从认知语言学的角度浅析鲁迅作品-魯迅をシナジーで読む 華東理工大学出版社2015
花村嘉英 日语教育计划书−面向中国人的日语教学法与森鸥外小说的数据库应用 日本語教育のためのプログラム−中国語話者向けの教授法から森鴎外のデータベースまで 南京東南大学出版社 2017
花村嘉英 从认知语言学的角度浅析纳丁・戈迪默-ナディン・ゴーディマと意欲 華東理工大学出版社 2018
花村嘉英 シナジーのメタファーの作り方−トーマス・マン、魯迅、森鴎外、ナディン・ゴーディマ、井上靖 中国日語教学研究会上海分会論文集 2018
花村嘉英 川端康成の「雪国」に見る執筆脳について-「無と創造」から「目的達成型の認知発達」へ 中国日語教学研究会上海分会論文集 2019
花村嘉英 社会学の観点からマクロの文学を考察する−危機管理者としての作家について 中国日語教学研究会上海分会論文集 2020
幸田文 父(解説 塩屋賛) 新潮文庫 2012
幸田文の「父」の執筆脳について−臨終7
表3 情報の認知
A 表2と同じ。 情報の認知1 3、情報の認知2 2、情報の認知3 2
B 表2と同じ。 情報の認知1 3、情報の認知2 2、情報の認知3 2
C 表2と同じ。 情報の認知1 3、情報の認知2 2、情報の認知3 2
D 表2と同じ。 情報の認知1 3、情報の認知2 2、情報の認知3 2
E 表2と同じ。 情報の認知1 3、情報の認知2 2、情報の認知3 1
A:情報の認知1はB条件反射、情報の認知2はA新情報、情報の認知3はA問題未解決から推論へである。
B:情報の認知1はB条件反射、情報の認知2はA新情報、情報の認知3はA問題未解決から推論へである。
C:情報の認知1はB条件反射、情報の認知2はA新情報、情報の認知3はA問題未解決から推論へである。
D:情報の認知1はB条件反射、情報の認知2はA新情報、情報の認知3はA問題未解決から推論へである。
E:情報の認知1はB条件反射、情報の認知2はA新情報、情報の認知3は@計画から問題解決へである。
結果
幸田文は、この場面で臨終間際の露伴を看病しながら、父の死を宣告される瞬間が来たことを伝えている。そして、山場を経過してから美醜愛憎の中にも父への恩を説明しているため、「誠実と心の記録」と「偽りない心と誠意」という組が相互に作用する。
花村嘉英(2020)「幸田文の『父』の執筆脳について」より
A 表2と同じ。 情報の認知1 3、情報の認知2 2、情報の認知3 2
B 表2と同じ。 情報の認知1 3、情報の認知2 2、情報の認知3 2
C 表2と同じ。 情報の認知1 3、情報の認知2 2、情報の認知3 2
D 表2と同じ。 情報の認知1 3、情報の認知2 2、情報の認知3 2
E 表2と同じ。 情報の認知1 3、情報の認知2 2、情報の認知3 1
A:情報の認知1はB条件反射、情報の認知2はA新情報、情報の認知3はA問題未解決から推論へである。
B:情報の認知1はB条件反射、情報の認知2はA新情報、情報の認知3はA問題未解決から推論へである。
C:情報の認知1はB条件反射、情報の認知2はA新情報、情報の認知3はA問題未解決から推論へである。
D:情報の認知1はB条件反射、情報の認知2はA新情報、情報の認知3はA問題未解決から推論へである。
E:情報の認知1はB条件反射、情報の認知2はA新情報、情報の認知3は@計画から問題解決へである。
結果
幸田文は、この場面で臨終間際の露伴を看病しながら、父の死を宣告される瞬間が来たことを伝えている。そして、山場を経過してから美醜愛憎の中にも父への恩を説明しているため、「誠実と心の記録」と「偽りない心と誠意」という組が相互に作用する。
花村嘉英(2020)「幸田文の『父』の執筆脳について」より
幸田文の「父」の執筆脳について−臨終6
【連想分析2】
情報の認知1(感覚情報)
感覚器官からの情報に注目することから、対象の捉え方が問題になる。また、記憶に基づく感情は、扁桃体と関係しているため、条件反射で無意識に素振りに出てしまう。このプロセルのカラムの特徴は、@ベースとプロファイル、Aグループ化、B条件反射である。
情報の認知2(記憶と学習)
外部からの情報を既存の知識構造へ組み込む。この新しい知識はスキーマと呼ばれ、既存の情報と共通する特徴を持っている。未知の情報は、またカテゴリー化される。このプロセスは、経験を通した学習になる。このプロセルのカラムの特徴は、@旧情報、A新情報である。
情報の認知3(計画、問題解決、推論)
受け取った情報は、計画を立てるプロセスでも役に立つ。その際、目的に応じて問題を分析し、解決策を探っていく。しかし、獲得した情報が完全でない場合は、推論が必要になる。このプロセルのカラムの特徴は、@計画から問題解決へ、A問題未解決から推論へである。
花村嘉英(2020)「幸田文の『父』の執筆脳について」より
情報の認知1(感覚情報)
感覚器官からの情報に注目することから、対象の捉え方が問題になる。また、記憶に基づく感情は、扁桃体と関係しているため、条件反射で無意識に素振りに出てしまう。このプロセルのカラムの特徴は、@ベースとプロファイル、Aグループ化、B条件反射である。
情報の認知2(記憶と学習)
外部からの情報を既存の知識構造へ組み込む。この新しい知識はスキーマと呼ばれ、既存の情報と共通する特徴を持っている。未知の情報は、またカテゴリー化される。このプロセスは、経験を通した学習になる。このプロセルのカラムの特徴は、@旧情報、A新情報である。
情報の認知3(計画、問題解決、推論)
受け取った情報は、計画を立てるプロセスでも役に立つ。その際、目的に応じて問題を分析し、解決策を探っていく。しかし、獲得した情報が完全でない場合は、推論が必要になる。このプロセルのカラムの特徴は、@計画から問題解決へ、A問題未解決から推論へである。
花村嘉英(2020)「幸田文の『父』の執筆脳について」より
幸田文の「父」の執筆脳について−臨終5
分析例
1 父露伴の臨終の場面。
2 この小論では、「父」の購読脳を「誠実と心の記録」と考えているため、意味3の思考の流れ、性格の創造からその表現へに注目する。
3 意味1@視覚A聴覚B味覚C嗅覚D触覚 、意味2 @喜A怒B哀C楽、意味3@性格の創造からAその表現へ、意味4振舞い @直示A隠喩B記事なし
4 人工知能 @創造、A認知発達
テキスト共生の公式
ステップ1:意味1、2、3、4を合わせて解析の組「誠実と心の記録」を作る。
ステップ2:性格の創造とその表現の精神状態から「偽りない記録と誠意」という組を作り、解析の組と合わせる。
A:@視覚+B哀+@誠実あり+@直示という解析の組を、@創造+A認知発達という組と合わせる。
B:A聴覚+B哀+@誠実あり+@直示という解析の組を、@創造+A認知発達という組と合わせる。
C:A聴覚+B哀+@誠実あり+@直示という解析の組を、@創造+A認知発達という組と合わせる。
D:A聴覚+B哀+@誠実あり+@直示という解析の組を、@創造+A認知発達という組と合わせる。
E:A聴覚+B哀+@誠実あり+@直示という解析の組を、@創造+A認知発達という組と合わせる。
結果 表2については、テキスト共生の公式が適用される。
花村嘉英(2020)「幸田文の『父』の執筆脳について」より
1 父露伴の臨終の場面。
2 この小論では、「父」の購読脳を「誠実と心の記録」と考えているため、意味3の思考の流れ、性格の創造からその表現へに注目する。
3 意味1@視覚A聴覚B味覚C嗅覚D触覚 、意味2 @喜A怒B哀C楽、意味3@性格の創造からAその表現へ、意味4振舞い @直示A隠喩B記事なし
4 人工知能 @創造、A認知発達
テキスト共生の公式
ステップ1:意味1、2、3、4を合わせて解析の組「誠実と心の記録」を作る。
ステップ2:性格の創造とその表現の精神状態から「偽りない記録と誠意」という組を作り、解析の組と合わせる。
A:@視覚+B哀+@誠実あり+@直示という解析の組を、@創造+A認知発達という組と合わせる。
B:A聴覚+B哀+@誠実あり+@直示という解析の組を、@創造+A認知発達という組と合わせる。
C:A聴覚+B哀+@誠実あり+@直示という解析の組を、@創造+A認知発達という組と合わせる。
D:A聴覚+B哀+@誠実あり+@直示という解析の組を、@創造+A認知発達という組と合わせる。
E:A聴覚+B哀+@誠実あり+@直示という解析の組を、@創造+A認知発達という組と合わせる。
結果 表2については、テキスト共生の公式が適用される。
花村嘉英(2020)「幸田文の『父』の執筆脳について」より
幸田文の「父」の執筆脳について−臨終4
【連想分析1】
表2 受容と共生のイメージ合わせ
A 「こわかないですよ。あれが痙攣てものなんです。」小林さんは微笑して私をほごそうとしている。「だって私あの顔こわい。」「あなたがこわいくらいな先生の顔なら、なるべく誰にも見せない方がいいんじゃないですか。」 意味1 1、意味2 3、意味3 1、意味4 1、人工知能1
B 私はぐっとつまった。十五分して又発作があった。顔は右が余計ひきつれてゆがんだ。それはおばあさん、父の母の晩年の顔そっくりだった。もう怖くもなんともなかった。また十五分して発作があった。
意味1 1、意味2 3、意味3 1、意味4 1、人工知能1
C 三十日朝、柳田泉さんが来た。ついで武見さんが来た。先生が見ていてくれるところで安心して父の甲虫を掃除したかった。しろうとのそんなことが一気に死の直原因になってはと恐れて、し得なくていたのだった。 意味1 1、意味2 3、意味3 1、意味4 1、人工知能2
D 「おとうさん、先生が見ていらしてくださるうちに綾子がお口を洗ってあげましょう。それでないと心配ですからね。さ、綺麗なお水をあがってくだあい。」割箸のさきに脱脂綿をつけ氷の水を含ませた。ごくりと喉仏が動いて通って行った。診察を済ませ、先生は小林さんやほかの人との話をしてい、私も送り出ていた。
意味1 1、意味2 3、意味3 1、意味4 1、人工知能2
E 「色が変わった!」柳田さんの声だった。たちまち強いろが顔から奪って行った。武見さんが調音器をあてたまま、ややしばらく、「そう、心臓がとまりました」と云った。父は死んで、終わった。
意味1 1+2、意味2 3、意味3 1、意味4 1、人工知能1
花村嘉英(2020)「幸田文の『父』の執筆脳について」より
表2 受容と共生のイメージ合わせ
A 「こわかないですよ。あれが痙攣てものなんです。」小林さんは微笑して私をほごそうとしている。「だって私あの顔こわい。」「あなたがこわいくらいな先生の顔なら、なるべく誰にも見せない方がいいんじゃないですか。」 意味1 1、意味2 3、意味3 1、意味4 1、人工知能1
B 私はぐっとつまった。十五分して又発作があった。顔は右が余計ひきつれてゆがんだ。それはおばあさん、父の母の晩年の顔そっくりだった。もう怖くもなんともなかった。また十五分して発作があった。
意味1 1、意味2 3、意味3 1、意味4 1、人工知能1
C 三十日朝、柳田泉さんが来た。ついで武見さんが来た。先生が見ていてくれるところで安心して父の甲虫を掃除したかった。しろうとのそんなことが一気に死の直原因になってはと恐れて、し得なくていたのだった。 意味1 1、意味2 3、意味3 1、意味4 1、人工知能2
D 「おとうさん、先生が見ていらしてくださるうちに綾子がお口を洗ってあげましょう。それでないと心配ですからね。さ、綺麗なお水をあがってくだあい。」割箸のさきに脱脂綿をつけ氷の水を含ませた。ごくりと喉仏が動いて通って行った。診察を済ませ、先生は小林さんやほかの人との話をしてい、私も送り出ていた。
意味1 1、意味2 3、意味3 1、意味4 1、人工知能2
E 「色が変わった!」柳田さんの声だった。たちまち強いろが顔から奪って行った。武見さんが調音器をあてたまま、ややしばらく、「そう、心臓がとまりました」と云った。父は死んで、終わった。
意味1 1+2、意味2 3、意味3 1、意味4 1、人工知能1
花村嘉英(2020)「幸田文の『父』の執筆脳について」より
幸田文の「父」の執筆脳について−臨終3
3 データベースの作成・分析
データベースの作成法について説明する。エクセルのデータについては、列の前半(文法1から意味5)が構文や意味の解析データ、後半(医学情報から人工知能)が理系に寄せる生成のデータである。一応、L(受容と共生)を反映している。データベースの数字は、登場人物を動かしながら考えている。
こうしたデータベースを作る場合、共生のカラムの設定が難しい。受容は、それぞれの言語ごとに構文と意味を解析し、何かの組を作ればよい。しかし、共生は、作家の知的財産に基づいた脳の活動が問題になるため、作家ごとにカラムが変わる。
【データベースの作成】
表1 「父」のデータベースのカラム
文法1 名詞の格 幸田文の助詞の使い方を考える。
文法2 態 能動、受動、使役。
文法3 時制、相 現在、過去、未来、進行形、完了形。
文法4 様相 可能、推量、義務、必然。
意味1 五感 視覚、聴覚、味覚、嗅覚、触覚。
意味2 喜怒哀楽 情動との接点。瞬時の思い。
意味3 思考の流れ 誠実さの表現、ありなし。
意味4 振舞い ジェスチャー、身振り。直示と隠喩を考える。
医学情報 メンタルヘルス 受容と共生の接点。構文や意味の解析から得た組「誠実と心の記録」と病跡学でリンクを張るためにメディカル情報を入れる。
情報の認知1 感覚情報の捉え方 感覚器官からの情報に注目するため、対象の捉え方が問題になる。例えば、ベースとプロファイルやグループ化または条件反射。
情報の認知2 記憶と学習 外部からの情報を既存の知識構造に組み込む。その際、未知の情報についてはカテゴリー化する。学習につながるため。記憶の型として、短期、作業記憶、長期(陳述と非陳述)を考える。
情報の認知3 計画、問題解決、推論 受け取った情報は、計画を立てるときにも役に立つ。目的に応じて問題を分析し、解決策を探っていく。獲得した情報が完全でない場合、推論が必要になる。
人工知能 偽りない記録と誠意 エキスパート 偽りない記録と誠意とは真実であり、誠意は物事に対して曲がったところのない気持ち。
花村嘉英(2020)「幸田文の『父』の執筆脳について」より
データベースの作成法について説明する。エクセルのデータについては、列の前半(文法1から意味5)が構文や意味の解析データ、後半(医学情報から人工知能)が理系に寄せる生成のデータである。一応、L(受容と共生)を反映している。データベースの数字は、登場人物を動かしながら考えている。
こうしたデータベースを作る場合、共生のカラムの設定が難しい。受容は、それぞれの言語ごとに構文と意味を解析し、何かの組を作ればよい。しかし、共生は、作家の知的財産に基づいた脳の活動が問題になるため、作家ごとにカラムが変わる。
【データベースの作成】
表1 「父」のデータベースのカラム
文法1 名詞の格 幸田文の助詞の使い方を考える。
文法2 態 能動、受動、使役。
文法3 時制、相 現在、過去、未来、進行形、完了形。
文法4 様相 可能、推量、義務、必然。
意味1 五感 視覚、聴覚、味覚、嗅覚、触覚。
意味2 喜怒哀楽 情動との接点。瞬時の思い。
意味3 思考の流れ 誠実さの表現、ありなし。
意味4 振舞い ジェスチャー、身振り。直示と隠喩を考える。
医学情報 メンタルヘルス 受容と共生の接点。構文や意味の解析から得た組「誠実と心の記録」と病跡学でリンクを張るためにメディカル情報を入れる。
情報の認知1 感覚情報の捉え方 感覚器官からの情報に注目するため、対象の捉え方が問題になる。例えば、ベースとプロファイルやグループ化または条件反射。
情報の認知2 記憶と学習 外部からの情報を既存の知識構造に組み込む。その際、未知の情報についてはカテゴリー化する。学習につながるため。記憶の型として、短期、作業記憶、長期(陳述と非陳述)を考える。
情報の認知3 計画、問題解決、推論 受け取った情報は、計画を立てるときにも役に立つ。目的に応じて問題を分析し、解決策を探っていく。獲得した情報が完全でない場合、推論が必要になる。
人工知能 偽りない記録と誠意 エキスパート 偽りない記録と誠意とは真実であり、誠意は物事に対して曲がったところのない気持ち。
花村嘉英(2020)「幸田文の『父』の執筆脳について」より
幸田文の「父」の執筆脳について−臨終2
2 Lの分析
第一回の文化勲章受章者幸田露伴(1867−1947)を父に持つ作家幸田文(1904−1990)の文学の方法は、誠実であることにある。塩谷(1994)によると、誠実が文学の方法になったのは、幸田文にとってそれが生活から引き出せるただ一つの知恵だからである。誠実に愛し、誠実を持って仕え、誠実に反抗した人間である。それが父露伴から受け継いだ遺産でもある。そこで、購読脳を「誠実と心の記録」にする。但し、記録が文学たるためには、視覚的要素と香気が必要である。無論、そのためには正確な表現力がものをいう。
「父」の死を見送る記録は、父の死の宣告を受ける瞬間が山場である。7月末に臨終を迎え、その葬式で喪主を務め、強い父の命は、最後まで作者を放すことがなかった。しかし、別れ自体は清々しく、深い思慕の情には力強さなどなかった。
焼香の際も写真の父が昇っていくようで、露伴の俳句「獅子の児の親を仰げば霞かな」を引いて、美醜愛憎ある中で恩を確かめている。
誠実が習性であることは、常に便利なわけではない。才能を包み隠すところまで行くと、誠実が強すぎるためである。嘘のない真心ぐらいでよい。フィクションが文学になるには、誠実さが必要不可欠になる。そのため、執筆脳は、「偽りない記録と誠意」にする。この執筆脳を購読脳の「誠実と心の記録」とマージした場合のシナジーのメタファーは、「幸田文と誠実さ」である。
花村嘉英(2020)「幸田文の『父』の執筆脳について」より
第一回の文化勲章受章者幸田露伴(1867−1947)を父に持つ作家幸田文(1904−1990)の文学の方法は、誠実であることにある。塩谷(1994)によると、誠実が文学の方法になったのは、幸田文にとってそれが生活から引き出せるただ一つの知恵だからである。誠実に愛し、誠実を持って仕え、誠実に反抗した人間である。それが父露伴から受け継いだ遺産でもある。そこで、購読脳を「誠実と心の記録」にする。但し、記録が文学たるためには、視覚的要素と香気が必要である。無論、そのためには正確な表現力がものをいう。
「父」の死を見送る記録は、父の死の宣告を受ける瞬間が山場である。7月末に臨終を迎え、その葬式で喪主を務め、強い父の命は、最後まで作者を放すことがなかった。しかし、別れ自体は清々しく、深い思慕の情には力強さなどなかった。
焼香の際も写真の父が昇っていくようで、露伴の俳句「獅子の児の親を仰げば霞かな」を引いて、美醜愛憎ある中で恩を確かめている。
誠実が習性であることは、常に便利なわけではない。才能を包み隠すところまで行くと、誠実が強すぎるためである。嘘のない真心ぐらいでよい。フィクションが文学になるには、誠実さが必要不可欠になる。そのため、執筆脳は、「偽りない記録と誠意」にする。この執筆脳を購読脳の「誠実と心の記録」とマージした場合のシナジーのメタファーは、「幸田文と誠実さ」である。
花村嘉英(2020)「幸田文の『父』の執筆脳について」より
幸田文の「父」の執筆脳について−臨終1
1 先行研究
文学分析は、通常、読者による購読脳が問題になる。一方、シナジーのメタファーは、作家の執筆脳を研究するためのマクロに通じる分析方法である。基本のパターンは、まず縦が購読脳で横が執筆脳になるLのイメージを作り、次に、各場面をLに読みながらデータベースを作成し、全体を組の集合体にする。そして最後に、双方の脳の活動をマージするために、脳内の信号のパスを探す、若しくは、脳のエリアの機能を探す。これがミクロとマクロの中間にあるメゾのデータとなり、狭義の意味でシナジーのメタファーが作られる。この段階では、副専攻を増やすことが重要である。
執筆脳は、作者が自身で書いているという事実及び作者がメインで伝えようと思っていることに対する定番の読み及びそれに対する共生の読みと定義する。そのため、この小論では、トーマス・マン(1875−1955)、魯迅(1881−1936)、森鴎外(1862−1922)の執筆脳に関する私の著作を先行研究にする。また、これらの著作の中では、それぞれの作家の執筆脳として文体を取り上げ、とりわけ問題解決の場面を分析の対象にしている。さらに、マクロの分析について地球規模とフォーマットのシフトを意識してナディン・ゴーディマ(1923−2014)を加えると、“The Late Bourgeois World”執筆時の脳の活動が意欲と組になることを先行研究に入れておく。
筆者の持ち場が言語学のため、購読脳の分析の際に、何かしらの言語分析を試みている。例えば、トーマス・マンには構文分析があり、魯迅にはことばの比較がある。そのため、全集の分析に拘る文学の研究者とは、分析のストーリーに違いがある。文学の研究者であれば、全集の中から一つだけシナジーのメタファーのために作品を選び、その理由を述べればよい。なお、Lのストーリーについては、人文と理系が交差するため、機械翻訳などで文体の違いを調節するトレーニングが推奨される。
メゾのデータを束ねて何やら観察で予測が立てば、言語分析や翻訳そして資格に基づくミクロと医学も含めたリスクや観察の社会論からなるマクロとを合わせて、広義の意味でシナジーのメタファーが作られる。
花村嘉英(2020)「幸田文の『父』の執筆脳について」より
文学分析は、通常、読者による購読脳が問題になる。一方、シナジーのメタファーは、作家の執筆脳を研究するためのマクロに通じる分析方法である。基本のパターンは、まず縦が購読脳で横が執筆脳になるLのイメージを作り、次に、各場面をLに読みながらデータベースを作成し、全体を組の集合体にする。そして最後に、双方の脳の活動をマージするために、脳内の信号のパスを探す、若しくは、脳のエリアの機能を探す。これがミクロとマクロの中間にあるメゾのデータとなり、狭義の意味でシナジーのメタファーが作られる。この段階では、副専攻を増やすことが重要である。
執筆脳は、作者が自身で書いているという事実及び作者がメインで伝えようと思っていることに対する定番の読み及びそれに対する共生の読みと定義する。そのため、この小論では、トーマス・マン(1875−1955)、魯迅(1881−1936)、森鴎外(1862−1922)の執筆脳に関する私の著作を先行研究にする。また、これらの著作の中では、それぞれの作家の執筆脳として文体を取り上げ、とりわけ問題解決の場面を分析の対象にしている。さらに、マクロの分析について地球規模とフォーマットのシフトを意識してナディン・ゴーディマ(1923−2014)を加えると、“The Late Bourgeois World”執筆時の脳の活動が意欲と組になることを先行研究に入れておく。
筆者の持ち場が言語学のため、購読脳の分析の際に、何かしらの言語分析を試みている。例えば、トーマス・マンには構文分析があり、魯迅にはことばの比較がある。そのため、全集の分析に拘る文学の研究者とは、分析のストーリーに違いがある。文学の研究者であれば、全集の中から一つだけシナジーのメタファーのために作品を選び、その理由を述べればよい。なお、Lのストーリーについては、人文と理系が交差するため、機械翻訳などで文体の違いを調節するトレーニングが推奨される。
メゾのデータを束ねて何やら観察で予測が立てば、言語分析や翻訳そして資格に基づくミクロと医学も含めたリスクや観察の社会論からなるマクロとを合わせて、広義の意味でシナジーのメタファーが作られる。
花村嘉英(2020)「幸田文の『父』の執筆脳について」より
横光利一の「蝿」で執筆脳を考える9
4 まとめ
横光利一の執筆時の脳の活動を調べるために、まず受容と共生からなるLのストーリーを文献により組み立てた。次に、「蝿」のLのストーリーをデータベース化して、最後に特定したところを実験で確認した。そのため、テキスト共生によるシナジーのメタファーについては、一応の研究成果が得られている。
この種の実験をおよそ100人の作家で試みている。その際、日本人と外国人60人対40人、男女比4対1、ノーベル賞作家30人を目安に対照言語が独日であることから非英語の比較を意識してできるだけ日本語以外で英語が突出しないように心掛けている。
参考文献
片野善夫 ほすぴ162号 日本成人病予防協会 2018
花村嘉英 計算文学入門−Thomas Mannのイロニーはファジィ推論といえるのか? 新風社 2005
花村嘉英 从认知语言学的角度浅析鲁迅作品−魯迅をシナジーで読む 華東理工大学出版社 2015
花村嘉英 日语教育计划书−面向中国人的日语教学法与森鸥外小说的数据库应用日本語教育のためのプログラム−中国語話者向けの教授法から森鴎外のデータベースまで 南京東南大学出版社 2017
花村嘉英 从认知语言学的角度浅析纳丁・戈迪默-ナディン・ゴーディマと意欲 華東理工大学出版社 2018
花村嘉英 シナジーのメタファーの作り方−トーマス・マン、魯迅、森鴎外、ナディン・ゴーディマ、井上靖 中国日語教学研究会上海分会論文集 2018
花村嘉英 川端康成の「雪国」に見る執筆脳について−「無と創造」から「目的達成型の認知発達」へ 中国日語教学研究会上海分会論文集 2019
花村嘉英 社会学の観点からマクロの文学を考察する−危機管理者としての作家について 中国日語教学研究会上海分会論文集 2020
花村嘉英 フランツ・カフカの"Die Verwandlung"の執筆脳について ファンブログ 2020
横光利一 蝿 青空文庫
横光利一の執筆時の脳の活動を調べるために、まず受容と共生からなるLのストーリーを文献により組み立てた。次に、「蝿」のLのストーリーをデータベース化して、最後に特定したところを実験で確認した。そのため、テキスト共生によるシナジーのメタファーについては、一応の研究成果が得られている。
この種の実験をおよそ100人の作家で試みている。その際、日本人と外国人60人対40人、男女比4対1、ノーベル賞作家30人を目安に対照言語が独日であることから非英語の比較を意識してできるだけ日本語以外で英語が突出しないように心掛けている。
参考文献
片野善夫 ほすぴ162号 日本成人病予防協会 2018
花村嘉英 計算文学入門−Thomas Mannのイロニーはファジィ推論といえるのか? 新風社 2005
花村嘉英 从认知语言学的角度浅析鲁迅作品−魯迅をシナジーで読む 華東理工大学出版社 2015
花村嘉英 日语教育计划书−面向中国人的日语教学法与森鸥外小说的数据库应用日本語教育のためのプログラム−中国語話者向けの教授法から森鴎外のデータベースまで 南京東南大学出版社 2017
花村嘉英 从认知语言学的角度浅析纳丁・戈迪默-ナディン・ゴーディマと意欲 華東理工大学出版社 2018
花村嘉英 シナジーのメタファーの作り方−トーマス・マン、魯迅、森鴎外、ナディン・ゴーディマ、井上靖 中国日語教学研究会上海分会論文集 2018
花村嘉英 川端康成の「雪国」に見る執筆脳について−「無と創造」から「目的達成型の認知発達」へ 中国日語教学研究会上海分会論文集 2019
花村嘉英 社会学の観点からマクロの文学を考察する−危機管理者としての作家について 中国日語教学研究会上海分会論文集 2020
花村嘉英 フランツ・カフカの"Die Verwandlung"の執筆脳について ファンブログ 2020
横光利一 蝿 青空文庫
横光利一の「蝿」で執筆脳を考える8
表3 情報の認知
A 表2と同じ。情報の認知1 3、情報の認知2 2、情報の認知3 2
B 表2と同じ。情報の認知1 3、情報の認知2 2、情報の認知3 2
C 表2と同じ。情報の認知1 3、情報の認知2 2、情報の認知3 2
D 表2と同じ。情報の認知1 3、情報の認知2 2、情報の認知3 2
E 表2と同じ。情報の認知1 2、情報の認知2 2、情報の認知3 2
A:情報の認知1はBその他の反応、情報の認知2はA新情報、情報の認知3はA問題未解決から推論へである。
B:情報の認知1はBその他の反応、情報の認知2はA新情報、情報の認知3はA問題未解決から推論へである。
C:情報の認知1はBその他の反応、情報の認知2はA新情報、情報の認知3はA問題未解決から推論へである。
D:情報の認知1はBその他の反応、情報の認知2はA新情報、情報の認知3はA問題未解決から推論へである。
E:情報の認知1はAグループ化、情報の認知2はA新情報、情報の認知3はA問題未解決から推論へである。
結果 横光利一は、この場面で真実を理解しているのは大きな目をした蝿だけで、新情報がテンポよく流れるも問題は未解決のままとし、読み終えて誰もが考えるように工夫している。そのため「蝿の眼と真実」と「観察と思考」という組が相互に作用する。
花村嘉英(2020)「横溝利一の『蝿』の執筆脳について」より
A 表2と同じ。情報の認知1 3、情報の認知2 2、情報の認知3 2
B 表2と同じ。情報の認知1 3、情報の認知2 2、情報の認知3 2
C 表2と同じ。情報の認知1 3、情報の認知2 2、情報の認知3 2
D 表2と同じ。情報の認知1 3、情報の認知2 2、情報の認知3 2
E 表2と同じ。情報の認知1 2、情報の認知2 2、情報の認知3 2
A:情報の認知1はBその他の反応、情報の認知2はA新情報、情報の認知3はA問題未解決から推論へである。
B:情報の認知1はBその他の反応、情報の認知2はA新情報、情報の認知3はA問題未解決から推論へである。
C:情報の認知1はBその他の反応、情報の認知2はA新情報、情報の認知3はA問題未解決から推論へである。
D:情報の認知1はBその他の反応、情報の認知2はA新情報、情報の認知3はA問題未解決から推論へである。
E:情報の認知1はAグループ化、情報の認知2はA新情報、情報の認知3はA問題未解決から推論へである。
結果 横光利一は、この場面で真実を理解しているのは大きな目をした蝿だけで、新情報がテンポよく流れるも問題は未解決のままとし、読み終えて誰もが考えるように工夫している。そのため「蝿の眼と真実」と「観察と思考」という組が相互に作用する。
花村嘉英(2020)「横溝利一の『蝿』の執筆脳について」より
横光利一の「蝿」で執筆脳を考える7
【連想分析2】
情報の認知1(感覚情報)
感覚器官からの情報に注目することから、対象の捉え方が問題になる。また、記憶に基づく感情は、扁桃体と関係しているため、条件反射で無意識に素振りに出てしまう。このプロセルのカラムの特徴は、@ベースとプロファイル、Aグループ化、Bその他の反応である。
情報の認知2(記憶と学習)
外部からの情報を既存の知識構造へ組み込む。この新しい知識はスキーマと呼ばれ、既存の情報と共通する特徴を持っている。未知の情報は、またカテゴリー化される。このプロセスは、経験を通した学習になる。このプロセルのカラムの特徴は、@旧情報、A新情報である。
情報の認知3(計画、問題解決、推論)
受け取った情報は、計画を立てるプロセスでも役に立つ。その際、目的に応じて問題を分析し、解決策を探っていく。しかし、獲得した情報が完全でない場合は、推論が必要になる。このプロセルのカラムの特徴は、@計画から問題解決へ、A問題未解決から推論へである。
花村嘉英(2020)「横溝利一の『蝿』の執筆脳について」より
情報の認知1(感覚情報)
感覚器官からの情報に注目することから、対象の捉え方が問題になる。また、記憶に基づく感情は、扁桃体と関係しているため、条件反射で無意識に素振りに出てしまう。このプロセルのカラムの特徴は、@ベースとプロファイル、Aグループ化、Bその他の反応である。
情報の認知2(記憶と学習)
外部からの情報を既存の知識構造へ組み込む。この新しい知識はスキーマと呼ばれ、既存の情報と共通する特徴を持っている。未知の情報は、またカテゴリー化される。このプロセスは、経験を通した学習になる。このプロセルのカラムの特徴は、@旧情報、A新情報である。
情報の認知3(計画、問題解決、推論)
受け取った情報は、計画を立てるプロセスでも役に立つ。その際、目的に応じて問題を分析し、解決策を探っていく。しかし、獲得した情報が完全でない場合は、推論が必要になる。このプロセルのカラムの特徴は、@計画から問題解決へ、A問題未解決から推論へである。
花村嘉英(2020)「横溝利一の『蝿』の執筆脳について」より
横光利一の「蝿」で執筆脳を考える6
分析例
1 馬車が滑落する場面。
2 この小論では、「蝿」の購読脳を「蝿の眼と真実」と考えているため、意味3の注意ありなしに注目する。
3 意味1 @視覚A聴覚B味覚C嗅覚D触覚、意味2 @喜A怒B哀C楽、意味3振舞い @直示A隠喩B記事なし、意味4注意@ありAなし、4 人工知能 @観察、A思考
テキスト共生の公式
ステップ1:意味1、2、3、4を合わせて解析の組「蝿の眼と真実」を作る。
ステップ2:蝿の眼を通した「観察と思考」という組を作り、解析の組と合わせる。
A:@視覚+B哀+@直示+A注意ありという解析の組を、知蝿の眼を通した@観察ありとA思考なしという組と合わせる。
B:「@視覚+A聴覚」+B哀+@直示+A注意ありという解析の組を、知蝿の眼を通した@観察ありとA思考なしという組と合わせる。
C:「@視覚+B味覚」+B哀+@直示+A注意ありという解析の組を、知蝿の眼を通した@観察ありとA思考なしという組と合わせる。
D:@視覚+B哀+@直示+A注意ありという解析の組を、知蝿の眼を通した@観察ありとA思考なしという組と合わせる。
E:「@視覚+A聴覚」+B哀+@直示+A注意ありという解析の組を、知蝿の眼を通した@観察ありとA思考ありという組と合わせる。
結果 表2については、テキスト共生の公式が適用される。
花村嘉英(2020)「横溝利一の『蝿』の執筆脳について」より
1 馬車が滑落する場面。
2 この小論では、「蝿」の購読脳を「蝿の眼と真実」と考えているため、意味3の注意ありなしに注目する。
3 意味1 @視覚A聴覚B味覚C嗅覚D触覚、意味2 @喜A怒B哀C楽、意味3振舞い @直示A隠喩B記事なし、意味4注意@ありAなし、4 人工知能 @観察、A思考
テキスト共生の公式
ステップ1:意味1、2、3、4を合わせて解析の組「蝿の眼と真実」を作る。
ステップ2:蝿の眼を通した「観察と思考」という組を作り、解析の組と合わせる。
A:@視覚+B哀+@直示+A注意ありという解析の組を、知蝿の眼を通した@観察ありとA思考なしという組と合わせる。
B:「@視覚+A聴覚」+B哀+@直示+A注意ありという解析の組を、知蝿の眼を通した@観察ありとA思考なしという組と合わせる。
C:「@視覚+B味覚」+B哀+@直示+A注意ありという解析の組を、知蝿の眼を通した@観察ありとA思考なしという組と合わせる。
D:@視覚+B哀+@直示+A注意ありという解析の組を、知蝿の眼を通した@観察ありとA思考なしという組と合わせる。
E:「@視覚+A聴覚」+B哀+@直示+A注意ありという解析の組を、知蝿の眼を通した@観察ありとA思考ありという組と合わせる。
結果 表2については、テキスト共生の公式が適用される。
花村嘉英(2020)「横溝利一の『蝿』の執筆脳について」より
横光利一の「蝿」で執筆脳を考える5
【連想分析1】
表2 受容と共生のイメージ合わせ 馬車が滑落する場面
A 馭者台では鞭が動き停った。農婦は田舎紳士の帯の鎖に眼をつけた。「もう幾時ですかいな。十二時は過ぎましたかいな。街へ着くと正午過ぎになりますやろな。」
意味1 1、意味2 3、意味3 1、意味4 1、人工知脳 1
B 馭者台では喇叭が鳴らなくなった。そうして腹掛けの饅頭を、今や尽ことごとく胃の腑の中へ落し込んでしまった馭者は、一層猫背を張らせて居眠り出した。その居眠りは、馬車の上から、かの眼の大きな蠅が押し黙った数段の梨畑を眺め、真夏の太陽の光りを受けて真赤に栄えた赤土の断崖を仰ぎ、突然に現れた激流を見下して、そうして馬車が高い崖路の高低でかたかたときしみ出す音を聞いてもまだ続いた。
意味1 1+2、意味2 3、意味3 1、意味4 1、人工知脳 1
C しかし、乗客の中で、その馭者の居眠りを知っていた者は、僅かにただ蠅一疋であるらしかった。蠅は車体の屋根の上から、馭者の垂れ下った半白の頭に飛び移り、それから、濡れた馬の背中に留とまって汗を舐めた。 意味1 1+3、意味2 3、意味3 1、意味4 1、人工知脳 1
D 馬車は崖の頂上へさしかかった。馬は前方に現れた眼匿しの中の路に従って柔順に曲り始めた。しかし、そのとき、彼は自分の胴と、車体の幅とを考えることは出来なかった。一つの車輪が路から外れた。突然、馬は車体に引かれて突き立った。意味1 1、意味2 3、意味3 1、意味4 1、人工知脳 1
E 瞬間、蠅は飛び上った。と、車体と一緒に崖の下へ墜落して行く放埒な馬の腹が眼についた。そうして、人馬の悲鳴が高く一声発せられると、河原の上では、圧し重なった人と馬と板片との塊りが、沈黙したまま動かなかった。が、眼の大きな蠅は、今や完全に休まったその羽根に力を籠めて、ただひとり、悠々と青空の中を飛んでいった。 意味1 1+3、意味2 3、意味3 1、意味4 1、人工知脳 1+2
花村嘉英(2020)「横溝利一の『蝿』の執筆脳について」より
表2 受容と共生のイメージ合わせ 馬車が滑落する場面
A 馭者台では鞭が動き停った。農婦は田舎紳士の帯の鎖に眼をつけた。「もう幾時ですかいな。十二時は過ぎましたかいな。街へ着くと正午過ぎになりますやろな。」
意味1 1、意味2 3、意味3 1、意味4 1、人工知脳 1
B 馭者台では喇叭が鳴らなくなった。そうして腹掛けの饅頭を、今や尽ことごとく胃の腑の中へ落し込んでしまった馭者は、一層猫背を張らせて居眠り出した。その居眠りは、馬車の上から、かの眼の大きな蠅が押し黙った数段の梨畑を眺め、真夏の太陽の光りを受けて真赤に栄えた赤土の断崖を仰ぎ、突然に現れた激流を見下して、そうして馬車が高い崖路の高低でかたかたときしみ出す音を聞いてもまだ続いた。
意味1 1+2、意味2 3、意味3 1、意味4 1、人工知脳 1
C しかし、乗客の中で、その馭者の居眠りを知っていた者は、僅かにただ蠅一疋であるらしかった。蠅は車体の屋根の上から、馭者の垂れ下った半白の頭に飛び移り、それから、濡れた馬の背中に留とまって汗を舐めた。 意味1 1+3、意味2 3、意味3 1、意味4 1、人工知脳 1
D 馬車は崖の頂上へさしかかった。馬は前方に現れた眼匿しの中の路に従って柔順に曲り始めた。しかし、そのとき、彼は自分の胴と、車体の幅とを考えることは出来なかった。一つの車輪が路から外れた。突然、馬は車体に引かれて突き立った。意味1 1、意味2 3、意味3 1、意味4 1、人工知脳 1
E 瞬間、蠅は飛び上った。と、車体と一緒に崖の下へ墜落して行く放埒な馬の腹が眼についた。そうして、人馬の悲鳴が高く一声発せられると、河原の上では、圧し重なった人と馬と板片との塊りが、沈黙したまま動かなかった。が、眼の大きな蠅は、今や完全に休まったその羽根に力を籠めて、ただひとり、悠々と青空の中を飛んでいった。 意味1 1+3、意味2 3、意味3 1、意味4 1、人工知脳 1+2
花村嘉英(2020)「横溝利一の『蝿』の執筆脳について」より
横光利一の「蝿」で執筆脳を考える4
3 データベースの作成・分析
データベースの作成法について説明する。エクセルのデータについては、列の前半(文法1から意味5)が構文や意味の解析データ、後半(医学情報から人工知能)が理系に寄せる生成のデータである。一応、L(受容と共生)を反映している。データベースの数字は、登場人物を動かしながら考えている。
こうしたデータベースを作る場合、共生のカラムの設定が難しい。受容は、それぞれの言語ごとに構文と意味を解析し、何かの組を作ればよい。しかし、共生は、作家の知的財産に基づいた脳の活動が問題になるため、作家ごとにカラムが変わる。
【データベースの作成】
表1 「蝿」のデータベースのカラム
文法1 名詞の格 横光の助詞の使い方を考える。
文法2 態 能動、受動、使役。
文法3 時制、相 現在、過去、未来、進行形、完了形。
文法4 様相 可能、推量、義務、必然。
意味1 五感 視覚、聴覚、味覚、嗅覚、触覚。
意味2 喜怒哀楽 情動との接点。瞬時の思い。
意味3 振舞い ジェスチャー、身振り。直示と隠喩を考える。
意味4 思考の流れ 注意ありなし。
意味5 数字 作品からとれる数字。
医学情報 病跡学との接点 受容と共生の共有点。構文や意味の解析から得た組「蝿の眼と真実」と病跡学でリンクを張るためにメディカル情報を入れる。
情報の認知1 感覚情報の捉え方 感覚器官からの情報に注目するため、対象の捉え方が問題になる。例えば、ベースとプロファイルやグループ化または条件反射。
情報の認知2 記憶と学習 外部からの情報を既存の知識構造に組み込む。その際、未知の情報についてはカテゴリー化する。学習につながるため。記憶の型として、短期、作業記憶、長期(陳述と非陳述)を考える。
情報の認知3 計画、問題解決、推論 受け取った情報は、計画を立てるときにも役に立つ。目的に応じて問題を分析し、解決策を探っていく。獲得した情報が完全でない場合、推論が必要になる。
人工知能 エキスパートシステム 1観察、2思考。
花村嘉英(2020)「横溝利一の『蝿』の執筆脳について」より
データベースの作成法について説明する。エクセルのデータについては、列の前半(文法1から意味5)が構文や意味の解析データ、後半(医学情報から人工知能)が理系に寄せる生成のデータである。一応、L(受容と共生)を反映している。データベースの数字は、登場人物を動かしながら考えている。
こうしたデータベースを作る場合、共生のカラムの設定が難しい。受容は、それぞれの言語ごとに構文と意味を解析し、何かの組を作ればよい。しかし、共生は、作家の知的財産に基づいた脳の活動が問題になるため、作家ごとにカラムが変わる。
【データベースの作成】
表1 「蝿」のデータベースのカラム
文法1 名詞の格 横光の助詞の使い方を考える。
文法2 態 能動、受動、使役。
文法3 時制、相 現在、過去、未来、進行形、完了形。
文法4 様相 可能、推量、義務、必然。
意味1 五感 視覚、聴覚、味覚、嗅覚、触覚。
意味2 喜怒哀楽 情動との接点。瞬時の思い。
意味3 振舞い ジェスチャー、身振り。直示と隠喩を考える。
意味4 思考の流れ 注意ありなし。
意味5 数字 作品からとれる数字。
医学情報 病跡学との接点 受容と共生の共有点。構文や意味の解析から得た組「蝿の眼と真実」と病跡学でリンクを張るためにメディカル情報を入れる。
情報の認知1 感覚情報の捉え方 感覚器官からの情報に注目するため、対象の捉え方が問題になる。例えば、ベースとプロファイルやグループ化または条件反射。
情報の認知2 記憶と学習 外部からの情報を既存の知識構造に組み込む。その際、未知の情報についてはカテゴリー化する。学習につながるため。記憶の型として、短期、作業記憶、長期(陳述と非陳述)を考える。
情報の認知3 計画、問題解決、推論 受け取った情報は、計画を立てるときにも役に立つ。目的に応じて問題を分析し、解決策を探っていく。獲得した情報が完全でない場合、推論が必要になる。
人工知能 エキスパートシステム 1観察、2思考。
花村嘉英(2020)「横溝利一の『蝿』の執筆脳について」より
横光利一の「蝿」で執筆脳を考える3
ところが鞭や喇叭が鳴らなくなった。馭者が居眠りを始めた。蝿は、梨畑を眺め、真夏の太陽の光りを受けた赤土の断崖を仰ぎ、激流を見下した。馭者の居眠りを知っていた者は、この蝿だけである。蝿は車体の屋根の上から、馭者の半白の頭に飛び移り、それから、濡れた馬の背中に留まって汗を舐めた。
一つの車輪が路から外れた。蝿は飛び上った。車体と一緒に崖の下へ墜落して行く馬の腹が眼についた。そして、人馬の悲鳴が高く一声発せられると、河原の上では、圧し重なった人と馬の塊りが、沈黙したまま動かなかった。眼の大きな蠅は、今や完全に休まったその羽根に力を籠めて、ただひとり、悠々と青空の中を飛んでいった。
つまり、蝿と乗客の視覚情報は、全く異なるものになった。そして、順調に街に辿り着くと思っていたところに、突然、脱輪から滑落事故が起こり死亡するというフィナーレが来る。非線形ともいえるため、カオス理論に通じる作品と考えることができる。
その場に居合わせた人は、真実の理解からほど遠く、第三者、ここでは大きな目の蝿が真の理解者である。「蝿」の購読脳は、「蝿の眼と真実」にする。
通常、五感情報の80%以上が視覚情報といわれる。片野(2018)によると、目で見たものは、物体から跳ね返ってくる光を受け取り物体の色や形、大きさ、立体感などを認識している。大きな目の蝿が見たものは、物体から跳ね返ってくる光を受け取り物体の色や形、大きさ、立体感などの認識になっている。
こうすると、「蝿」の執筆脳は、「観察と思考」と見なされ、心の活動を脳の働きと考えた場合、シナジーのメタファーは、「横光利一と観察としての思考」になる。
埼玉県所沢市にあるトトロの森を舞台にしたアニメーションの監督、宮崎駿も森に生息する昆虫の眼から見た現実世界の観察を研究している。
花村嘉英(2020)「横溝利一の『蝿』の執筆脳について」より
一つの車輪が路から外れた。蝿は飛び上った。車体と一緒に崖の下へ墜落して行く馬の腹が眼についた。そして、人馬の悲鳴が高く一声発せられると、河原の上では、圧し重なった人と馬の塊りが、沈黙したまま動かなかった。眼の大きな蠅は、今や完全に休まったその羽根に力を籠めて、ただひとり、悠々と青空の中を飛んでいった。
つまり、蝿と乗客の視覚情報は、全く異なるものになった。そして、順調に街に辿り着くと思っていたところに、突然、脱輪から滑落事故が起こり死亡するというフィナーレが来る。非線形ともいえるため、カオス理論に通じる作品と考えることができる。
その場に居合わせた人は、真実の理解からほど遠く、第三者、ここでは大きな目の蝿が真の理解者である。「蝿」の購読脳は、「蝿の眼と真実」にする。
通常、五感情報の80%以上が視覚情報といわれる。片野(2018)によると、目で見たものは、物体から跳ね返ってくる光を受け取り物体の色や形、大きさ、立体感などを認識している。大きな目の蝿が見たものは、物体から跳ね返ってくる光を受け取り物体の色や形、大きさ、立体感などの認識になっている。
こうすると、「蝿」の執筆脳は、「観察と思考」と見なされ、心の活動を脳の働きと考えた場合、シナジーのメタファーは、「横光利一と観察としての思考」になる。
埼玉県所沢市にあるトトロの森を舞台にしたアニメーションの監督、宮崎駿も森に生息する昆虫の眼から見た現実世界の観察を研究している。
花村嘉英(2020)「横溝利一の『蝿』の執筆脳について」より
横光利一の「蝿」で執筆脳を考える2
2 「蝿」の思考によるLのストーリー
横光利一(1898−1947)は、場面のイメージが掴めるような感覚表現を用いて新しい文体を作り出し、新しい文芸時代のための貢献を試みた。ここでは、横光利一の「蝿」(1923)を題材にする。「蝿」は、眼の大きな一匹の蝿が蝿の眼で田舎の宿場の様子や乗客たちを分析するときの話である。無論、客観性を上げるためである。
宿場には、街で仕事をしている倅が死にかけている農婦、荷物を持った駆け落ち組の若い男女がやってきた。さらに、母親に連れられた男の子、四十三歳で春蚕の仲買人をしている田舎紳士も宿場に加わった。
二番の馬車は、10時に出る。馭者は、饅頭を腹掛けの中へ押し込み、馭者台に乗った。喇叭が鳴り、鞭が入る。眼の大きな例の蝿は、馬の腰の余肉の匂いの中から飛び立った。そして、車体の屋根の上にとまり直ると、漸く蜘蛛の網からその生命をとり戻した身体を休めて、馬車と一緒に揺れていった。初期値敏感性で見ると、蝿の目に映る馬車からの光景は、乗客と変わらない。
動物や昆虫から見た現実世界を描いた作家は他にもいる。フランツ・カフカである。「変身」は、起きたときに大きな害虫に変わっていたグレゴール・サムサがやはり虫の眼で家族の様子を観察している。観察している以上、視覚情報が重要である。
花村嘉英(2020)「横溝利一の『蝿』の執筆脳について」より
横光利一(1898−1947)は、場面のイメージが掴めるような感覚表現を用いて新しい文体を作り出し、新しい文芸時代のための貢献を試みた。ここでは、横光利一の「蝿」(1923)を題材にする。「蝿」は、眼の大きな一匹の蝿が蝿の眼で田舎の宿場の様子や乗客たちを分析するときの話である。無論、客観性を上げるためである。
宿場には、街で仕事をしている倅が死にかけている農婦、荷物を持った駆け落ち組の若い男女がやってきた。さらに、母親に連れられた男の子、四十三歳で春蚕の仲買人をしている田舎紳士も宿場に加わった。
二番の馬車は、10時に出る。馭者は、饅頭を腹掛けの中へ押し込み、馭者台に乗った。喇叭が鳴り、鞭が入る。眼の大きな例の蝿は、馬の腰の余肉の匂いの中から飛び立った。そして、車体の屋根の上にとまり直ると、漸く蜘蛛の網からその生命をとり戻した身体を休めて、馬車と一緒に揺れていった。初期値敏感性で見ると、蝿の目に映る馬車からの光景は、乗客と変わらない。
動物や昆虫から見た現実世界を描いた作家は他にもいる。フランツ・カフカである。「変身」は、起きたときに大きな害虫に変わっていたグレゴール・サムサがやはり虫の眼で家族の様子を観察している。観察している以上、視覚情報が重要である。
花村嘉英(2020)「横溝利一の『蝿』の執筆脳について」より
横光利一の「蝿」で執筆脳を考える1
1 先行研究
文学分析は、通常、読者による購読脳が問題になる。一方、シナジーのメタファーは、作家の執筆脳を研究するためのマクロに通じる分析方法である。基本のパターンは、まず縦が購読脳で横が執筆脳になるLのイメージを作り、次に、各場面をLに読みながらデータベースを作成し、全体を組の集合体にする。そして最後に、双方の脳の活動をマージするために、脳内の信号のパスを探す、若しくは、脳のエリアの機能を探す。これがミクロとマクロの中間にあるメゾのデータとなり、狭義の意味でシナジーのメタファーが作られる。この段階では、副専攻を増やすことが重要である。
執筆脳は、作者が自身で書いているという事実及び作者がメインで伝えようと思っていることに対する定番の読み及びそれに対する共生の読みと定義する。そのため、この小論では、トーマス・マン(1875−1955)、魯迅(1881−1936)、森鴎外(1862−1922)の執筆脳に関する私の著作を先行研究にする。また、これらの著作の中では、それぞれの作家の執筆脳として文体を取り上げ、とりわけ問題解決の場面を分析の対象にしている。さらに、マクロの分析について地球規模とフォーマットのシフトを意識してナディン・ゴーディマ(1923−2014)を加えると、“The Late Bourgeois World”執筆時の脳の活動が意欲と組になることを先行研究に入れておく。
筆者の持ち場が言語学のため、購読脳の分析の際に、何かしらの言語分析を試みている。例えば、トーマス・マンには構文分析があり、魯迅にはことばの比較がある。そのため、全集の分析に拘る文学の研究者とは、分析のストーリーに違いがある。文学の研究者であれば、全集の中から一つだけシナジーのメタファーのために作品を選び、その理由を述べればよい。なお、Lのストーリーについては、人文と理系が交差するため、機械翻訳などで文体の違いを調節するトレーニングが推奨される。
メゾのデータを束ねて何やら観察で予測が立てば、言語分析や翻訳そして資格に基づくミクロと医学も含めたリスクや観察の社会論からなるマクロとを合わせて、広義の意味でシナジーのメタファーが作られる。
花村嘉英(2020)「横溝利一の『蝿』の執筆脳について」より
文学分析は、通常、読者による購読脳が問題になる。一方、シナジーのメタファーは、作家の執筆脳を研究するためのマクロに通じる分析方法である。基本のパターンは、まず縦が購読脳で横が執筆脳になるLのイメージを作り、次に、各場面をLに読みながらデータベースを作成し、全体を組の集合体にする。そして最後に、双方の脳の活動をマージするために、脳内の信号のパスを探す、若しくは、脳のエリアの機能を探す。これがミクロとマクロの中間にあるメゾのデータとなり、狭義の意味でシナジーのメタファーが作られる。この段階では、副専攻を増やすことが重要である。
執筆脳は、作者が自身で書いているという事実及び作者がメインで伝えようと思っていることに対する定番の読み及びそれに対する共生の読みと定義する。そのため、この小論では、トーマス・マン(1875−1955)、魯迅(1881−1936)、森鴎外(1862−1922)の執筆脳に関する私の著作を先行研究にする。また、これらの著作の中では、それぞれの作家の執筆脳として文体を取り上げ、とりわけ問題解決の場面を分析の対象にしている。さらに、マクロの分析について地球規模とフォーマットのシフトを意識してナディン・ゴーディマ(1923−2014)を加えると、“The Late Bourgeois World”執筆時の脳の活動が意欲と組になることを先行研究に入れておく。
筆者の持ち場が言語学のため、購読脳の分析の際に、何かしらの言語分析を試みている。例えば、トーマス・マンには構文分析があり、魯迅にはことばの比較がある。そのため、全集の分析に拘る文学の研究者とは、分析のストーリーに違いがある。文学の研究者であれば、全集の中から一つだけシナジーのメタファーのために作品を選び、その理由を述べればよい。なお、Lのストーリーについては、人文と理系が交差するため、機械翻訳などで文体の違いを調節するトレーニングが推奨される。
メゾのデータを束ねて何やら観察で予測が立てば、言語分析や翻訳そして資格に基づくミクロと医学も含めたリスクや観察の社会論からなるマクロとを合わせて、広義の意味でシナジーのメタファーが作られる。
花村嘉英(2020)「横溝利一の『蝿』の執筆脳について」より
佐藤愛子の「沢村校長の晩年」で執筆脳を考える8
結果
佐藤愛子は、この場面で正剛が光江の底抜けの善意に辟易していること伝えようとしている。そして、高校からの親友の柳原にも限度を超えていることを説明しているため、「性格の創造とその表現」と「創造と認知発達」という組が相互に作用する。
この種の実験をおよそ100人の作家で試みている。その際、日本人と外国人60人対40人、男女比4対1、ノーベル賞作家30人を目安に対照言語が独日であることから非英語の比較を意識してできるだけ日本語以外で英語が突出しないように心掛けている。
4 まとめ
佐藤愛子の執筆時の脳の活動を調べるために、まず受容と共生からなるLのストーリーを文献により組み立てた。次に、「沢村校長の晩年」のLのストーリーをデータベース化して、最後に特定したところを実験で確認した。そのため、テキスト共生によるシナジーのメタファーについては、一応の研究成果が得られている。
この種の実験は、およそ100人の作家で試みている。その際、日本人と外国人65人対35人、男女比4対1、ノーベル賞作家30人を目安に対照言語が独日であることから非英語の比較を意識して、できるだけ日本語以外で英語が突出しないように心掛けている。
参考文献
日本成人病予防協会 健康管理士一般指導員受験対策講座テキスト3 ヘルスケア出版 2014
花村嘉英 計算文学入門−Thomas Mannのイロニーはファジィ推論といえるのか? 新風社 2005
花村嘉英 从认知语言学的角度浅析鲁迅作品−魯迅をシナジーで読む 華東理工大学出版社 2015
花村嘉英 日语教育计划书−面向中国人的日语教学法与森鸥外小说的数据库应用 日本語教育のためのプログラム−中国語話者向けの教授法から森鴎外のデータベースまで 南京東南大学出版社 2017
花村嘉英 从认知语言学的角度浅析纳丁・戈迪默−ナディン・ゴーディマと意欲 華東理工大学出版社 2018
花村嘉英 シナジーのメタファーの作り方−トーマス・マン、魯迅、森鴎外、ナディン・ゴーディマ、井上靖 中国日語教学研究会上海分会論文集 2018
花村嘉英 川端康成の「雪国」に見る執筆脳について−「無と創造」から「目的達成型の認知発達」へ 中国日語教学研究会上海分会論文集 2019
花村嘉英 社会学の観点からマクロの文学を考察する−危機管理者としての作家について 中国日語教学研究会上海分会論文集 2020
佐藤愛子 院長の恋(解説 河野多恵子) 文春文庫 2012
佐藤愛子は、この場面で正剛が光江の底抜けの善意に辟易していること伝えようとしている。そして、高校からの親友の柳原にも限度を超えていることを説明しているため、「性格の創造とその表現」と「創造と認知発達」という組が相互に作用する。
この種の実験をおよそ100人の作家で試みている。その際、日本人と外国人60人対40人、男女比4対1、ノーベル賞作家30人を目安に対照言語が独日であることから非英語の比較を意識してできるだけ日本語以外で英語が突出しないように心掛けている。
4 まとめ
佐藤愛子の執筆時の脳の活動を調べるために、まず受容と共生からなるLのストーリーを文献により組み立てた。次に、「沢村校長の晩年」のLのストーリーをデータベース化して、最後に特定したところを実験で確認した。そのため、テキスト共生によるシナジーのメタファーについては、一応の研究成果が得られている。
この種の実験は、およそ100人の作家で試みている。その際、日本人と外国人65人対35人、男女比4対1、ノーベル賞作家30人を目安に対照言語が独日であることから非英語の比較を意識して、できるだけ日本語以外で英語が突出しないように心掛けている。
参考文献
日本成人病予防協会 健康管理士一般指導員受験対策講座テキスト3 ヘルスケア出版 2014
花村嘉英 計算文学入門−Thomas Mannのイロニーはファジィ推論といえるのか? 新風社 2005
花村嘉英 从认知语言学的角度浅析鲁迅作品−魯迅をシナジーで読む 華東理工大学出版社 2015
花村嘉英 日语教育计划书−面向中国人的日语教学法与森鸥外小说的数据库应用 日本語教育のためのプログラム−中国語話者向けの教授法から森鴎外のデータベースまで 南京東南大学出版社 2017
花村嘉英 从认知语言学的角度浅析纳丁・戈迪默−ナディン・ゴーディマと意欲 華東理工大学出版社 2018
花村嘉英 シナジーのメタファーの作り方−トーマス・マン、魯迅、森鴎外、ナディン・ゴーディマ、井上靖 中国日語教学研究会上海分会論文集 2018
花村嘉英 川端康成の「雪国」に見る執筆脳について−「無と創造」から「目的達成型の認知発達」へ 中国日語教学研究会上海分会論文集 2019
花村嘉英 社会学の観点からマクロの文学を考察する−危機管理者としての作家について 中国日語教学研究会上海分会論文集 2020
佐藤愛子 院長の恋(解説 河野多恵子) 文春文庫 2012
佐藤愛子の「沢村校長の晩年」で執筆脳を考える7
表3 情報の認知
A 表2と同じ。 情報の認知1 3、情報の認知2 1、情報の認知3 2
B 表2と同じ。 情報の認知1 3、情報の認知2 2、情報の認知3 2
C 表2と同じ。 情報の認知1 3、情報の認知2 2、情報の認知3 2
D 表2と同じ。 情報の認知1 3、情報の認知2 1、情報の認知3 2
E 表2と同じ。 情報の認知1 3、情報の認知2 2、情報の認知3 2
A:情報の認知1はB条件反射、情報の認知2は@旧情報、情報の認知3はA問題未解決から推論へである。
B:情報の認知1はB条件反射、情報の認知2はA新情報、情報の認知3はA問題未解決から推論へである。
C:情報の認知1はB条件反射、情報の認知2はA新情報、情報の認知3はA問題未解決から推論へである。
D:情報の認知1はB条件反射、情報の認知2は@旧情報、情報の認知3はA問題未解決から推論へである。
E:情報の認知1はB条件反射、情報の認知2はA新情報、情報の認知3はA問題未解決から推論へである。
花村嘉英(2020)「佐藤愛子の『沢村校長の晩年』の執筆脳について」より
A 表2と同じ。 情報の認知1 3、情報の認知2 1、情報の認知3 2
B 表2と同じ。 情報の認知1 3、情報の認知2 2、情報の認知3 2
C 表2と同じ。 情報の認知1 3、情報の認知2 2、情報の認知3 2
D 表2と同じ。 情報の認知1 3、情報の認知2 1、情報の認知3 2
E 表2と同じ。 情報の認知1 3、情報の認知2 2、情報の認知3 2
A:情報の認知1はB条件反射、情報の認知2は@旧情報、情報の認知3はA問題未解決から推論へである。
B:情報の認知1はB条件反射、情報の認知2はA新情報、情報の認知3はA問題未解決から推論へである。
C:情報の認知1はB条件反射、情報の認知2はA新情報、情報の認知3はA問題未解決から推論へである。
D:情報の認知1はB条件反射、情報の認知2は@旧情報、情報の認知3はA問題未解決から推論へである。
E:情報の認知1はB条件反射、情報の認知2はA新情報、情報の認知3はA問題未解決から推論へである。
花村嘉英(2020)「佐藤愛子の『沢村校長の晩年』の執筆脳について」より
佐藤愛子の「沢村校長の晩年」で執筆脳を考える6
【連想分析2】
情報の認知1(感覚情報)
感覚器官からの情報に注目することから、対象の捉え方が問題になる。また、記憶に基づく感情は、扁桃体と関係しているため、条件反射で無意識に素振りに出てしまう。このプロセルのカラムの特徴は、@ベースとプロファイル、Aグループ化、B条件反射である。
情報の認知2(記憶と学習)
外部からの情報を既存の知識構造へ組み込む。この新しい知識はスキーマと呼ばれ、既存の情報と共通する特徴を持っている。未知の情報は、またカテゴリー化される。このプロセスは、経験を通した学習になる。このプロセルのカラムの特徴は、@旧情報、A新情報である。
情報の認知3(計画、問題解決、推論)
受け取った情報は、計画を立てるプロセスでも役に立つ。その際、目的に応じて問題を分析し、解決策を探っていく。しかし、獲得した情報が完全でない場合は、推論が必要になる。このプロセルのカラムの特徴は、@計画から問題解決へ、A問題未解決から推論へである。
花村嘉英(2020)「佐藤愛子の『沢村校長の晩年』の執筆脳について」より
情報の認知1(感覚情報)
感覚器官からの情報に注目することから、対象の捉え方が問題になる。また、記憶に基づく感情は、扁桃体と関係しているため、条件反射で無意識に素振りに出てしまう。このプロセルのカラムの特徴は、@ベースとプロファイル、Aグループ化、B条件反射である。
情報の認知2(記憶と学習)
外部からの情報を既存の知識構造へ組み込む。この新しい知識はスキーマと呼ばれ、既存の情報と共通する特徴を持っている。未知の情報は、またカテゴリー化される。このプロセスは、経験を通した学習になる。このプロセルのカラムの特徴は、@旧情報、A新情報である。
情報の認知3(計画、問題解決、推論)
受け取った情報は、計画を立てるプロセスでも役に立つ。その際、目的に応じて問題を分析し、解決策を探っていく。しかし、獲得した情報が完全でない場合は、推論が必要になる。このプロセルのカラムの特徴は、@計画から問題解決へ、A問題未解決から推論へである。
花村嘉英(2020)「佐藤愛子の『沢村校長の晩年』の執筆脳について」より
佐藤愛子の「沢村校長の晩年」で執筆脳を考える5
分析例
1 お手伝いの光江が仏壇で鉦を鳴らす場面。
2 この小論では、「沢村校長の晩年」の購読脳を「性格の創造とその表現」と考えているため、意味3の思考の流れ、性格の創造からその表現へに注目する。
3 意味1@視覚A聴覚B味覚C嗅覚D触覚 、意味2 @喜A怒B哀C楽、意味3@性格の創造からAその表現へ、意味4振舞い @直示A隠喩B記事なし
4 人工知能 @創造、A認知発達
テキスト共生の公式
ステップ1:意味1、2、3、4を合わせて解析の組「性格の創造とその表現」を作る。
ステップ2:性格の創造とその表現の精神状態から「創造と認知発達」という組を作り、解析の組と合わせる。
A:B哀+@視覚+@性格の創造+@直示という解析の組を、@創造A認知発達という組と合わせる。
B:A怒+A聴覚+A性格の表現+@直示という解析の組を、@創造A認知発達という組と合わせる。
C:A怒+A聴覚+A性格の表現+@直示という解析の組を、@創造A認知発達という組と合わせる。
D:A怒+A聴覚+@性格の創造+@直示という解析の組を、@創造A認知発達という組と合わせる。
E:A怒+@視覚+@性格の創造+@直示という解析の組を、@創造A認知発達という組と合わせる。
結果 表2については、テキスト共生の公式が適用される。
花村嘉英(2020)「佐藤愛子の『沢村校長の晩年』の執筆脳について」より
1 お手伝いの光江が仏壇で鉦を鳴らす場面。
2 この小論では、「沢村校長の晩年」の購読脳を「性格の創造とその表現」と考えているため、意味3の思考の流れ、性格の創造からその表現へに注目する。
3 意味1@視覚A聴覚B味覚C嗅覚D触覚 、意味2 @喜A怒B哀C楽、意味3@性格の創造からAその表現へ、意味4振舞い @直示A隠喩B記事なし
4 人工知能 @創造、A認知発達
テキスト共生の公式
ステップ1:意味1、2、3、4を合わせて解析の組「性格の創造とその表現」を作る。
ステップ2:性格の創造とその表現の精神状態から「創造と認知発達」という組を作り、解析の組と合わせる。
A:B哀+@視覚+@性格の創造+@直示という解析の組を、@創造A認知発達という組と合わせる。
B:A怒+A聴覚+A性格の表現+@直示という解析の組を、@創造A認知発達という組と合わせる。
C:A怒+A聴覚+A性格の表現+@直示という解析の組を、@創造A認知発達という組と合わせる。
D:A怒+A聴覚+@性格の創造+@直示という解析の組を、@創造A認知発達という組と合わせる。
E:A怒+@視覚+@性格の創造+@直示という解析の組を、@創造A認知発達という組と合わせる。
結果 表2については、テキスト共生の公式が適用される。
花村嘉英(2020)「佐藤愛子の『沢村校長の晩年』の執筆脳について」より
佐藤愛子の「沢村校長の晩年」で執筆脳を考える4
【連想分析1】
表2 受容と共生のイメージ合わせ
お手伝いの光江のお節介な振舞い
A 「世に憎むべきは善意である」正剛は日記にそう書いた。「悪意には立ち向かい様がある。しかし底抜けの善意には立ち向かいようがない」光江のすることなすことが彼の気に障るのである。
意味1 3、意味2 1、意味3 1、意味4 1、創造認知 2
B 時折、光江は仏壇の前に座って鉦を鳴らす。必ず三回、「チーン、チーン、チーン」と鳴らすのである、すると彼はムッとした。意味1 2、意味2 2、意味3 2、意味4 1、創造認知 1
C 居合わせた柳原がそれを聞いて、「なんだ?そりゃ?」といぶかしんだ。「ばあさんだよ、手伝いの」吐き捨てるようにいった。意味1 2、意味2 2、意味3 2、意味4 1、創造認知 2
D 柳原は尚もいぶかしんでいった。「なんで鉦を鳴らすんだ?」「知らんよ」正剛はまた吐き捨てた。「オレは知りたいよ・・・」それ以来、柳原は光江を気に留めるようになった。
意味1 2、意味2 2、意味3 1、意味4 1、創造認知 1
E 「あれは例の秋葉原のメイド喫茶の真似かね?」といったこともある。光江は黒々と染めた前髪にレースの縁取りをした白い布をつけている。「知らんよ」その時も吐き捨てるように正剛はいった。
意味1 2、意味2 1、意味3 1、意味4 1、創造認知 1
花村嘉英(2020)「佐藤愛子の『沢村校長の晩年』の執筆脳について」より
表2 受容と共生のイメージ合わせ
お手伝いの光江のお節介な振舞い
A 「世に憎むべきは善意である」正剛は日記にそう書いた。「悪意には立ち向かい様がある。しかし底抜けの善意には立ち向かいようがない」光江のすることなすことが彼の気に障るのである。
意味1 3、意味2 1、意味3 1、意味4 1、創造認知 2
B 時折、光江は仏壇の前に座って鉦を鳴らす。必ず三回、「チーン、チーン、チーン」と鳴らすのである、すると彼はムッとした。意味1 2、意味2 2、意味3 2、意味4 1、創造認知 1
C 居合わせた柳原がそれを聞いて、「なんだ?そりゃ?」といぶかしんだ。「ばあさんだよ、手伝いの」吐き捨てるようにいった。意味1 2、意味2 2、意味3 2、意味4 1、創造認知 2
D 柳原は尚もいぶかしんでいった。「なんで鉦を鳴らすんだ?」「知らんよ」正剛はまた吐き捨てた。「オレは知りたいよ・・・」それ以来、柳原は光江を気に留めるようになった。
意味1 2、意味2 2、意味3 1、意味4 1、創造認知 1
E 「あれは例の秋葉原のメイド喫茶の真似かね?」といったこともある。光江は黒々と染めた前髪にレースの縁取りをした白い布をつけている。「知らんよ」その時も吐き捨てるように正剛はいった。
意味1 2、意味2 1、意味3 1、意味4 1、創造認知 1
花村嘉英(2020)「佐藤愛子の『沢村校長の晩年』の執筆脳について」より
佐藤愛子の「沢村校長の晩年」で執筆脳を考える3
3 データベースの作成・分析
データベースの作成法について説明する。エクセルのデータについては、列の前半(文法1から意味5)が構文や意味の解析データ、後半(医学情報から人工知能)が理系に寄せる生成のデータである。一応、L(受容と共生)を反映している。データベースの数字は、登場人物を動かしながら考えている。
こうしたデータベースを作る場合、共生のカラムの設定が難しい。受容は、それぞれの言語ごとに構文と意味を解析し、何かの組を作ればよい。しかし、共生は、作家の知的財産に基づいた脳の活動が問題になるため、作家ごとにカラムが変わる。
【データベースの作成】
表1 「沢村校長の晩年」のデータベースのカラム
項目名 内容 説明
文法1 名詞の格 愛子の助詞の使い方を考える。
文法2 態 能動、受動、使役。
文法3 時制、相 現在、過去、未来、進行形、完了形。
文法4 様相 様相の表現。可能、推量、義務、必然。
意味1 五感 視覚、聴覚、味覚、嗅覚、触覚。
意味2 喜怒哀楽 情動との接点。瞬時の思い。
意味3 思考の流れ 性格の創造とその表現、ありなし
意味4 振舞い ジェスチャー、身振り。直示と隠喩を考える。
医学情報 病跡学との接点 受容と共生の共有点。構文や意味の解析から得た組「性格の創造とその表現」と病跡学でリンクを張るためにメディカル情報を入れる。
情報の認知1 感覚情報の捉え方 感覚器官からの情報に注目するため、対象の捉え方が問題になる。例えば、ベースとプロファイルやグループ化または条件反射。
情報の認知2 記憶と学習 外部からの情報を既存の知識構造に組み込む。その際、未知の情報についてはカテゴリー化する。学習につながるため。記憶の型として、短期、作業記憶、長期(陳述と非陳述)を考える。
情報の認知3 計画、問題解決、推論 受け取った情報は、計画を立てるときにも役に立つ。目的に応じて問題を分析し、解決策を探っていく。獲得した情報が完全でない場合、推論が必要になる。
人工知能 エキスパートシステム 創造と認知発達。
花村嘉英(2020)「佐藤愛子の『沢村校長の晩年』の執筆脳について」より
データベースの作成法について説明する。エクセルのデータについては、列の前半(文法1から意味5)が構文や意味の解析データ、後半(医学情報から人工知能)が理系に寄せる生成のデータである。一応、L(受容と共生)を反映している。データベースの数字は、登場人物を動かしながら考えている。
こうしたデータベースを作る場合、共生のカラムの設定が難しい。受容は、それぞれの言語ごとに構文と意味を解析し、何かの組を作ればよい。しかし、共生は、作家の知的財産に基づいた脳の活動が問題になるため、作家ごとにカラムが変わる。
【データベースの作成】
表1 「沢村校長の晩年」のデータベースのカラム
項目名 内容 説明
文法1 名詞の格 愛子の助詞の使い方を考える。
文法2 態 能動、受動、使役。
文法3 時制、相 現在、過去、未来、進行形、完了形。
文法4 様相 様相の表現。可能、推量、義務、必然。
意味1 五感 視覚、聴覚、味覚、嗅覚、触覚。
意味2 喜怒哀楽 情動との接点。瞬時の思い。
意味3 思考の流れ 性格の創造とその表現、ありなし
意味4 振舞い ジェスチャー、身振り。直示と隠喩を考える。
医学情報 病跡学との接点 受容と共生の共有点。構文や意味の解析から得た組「性格の創造とその表現」と病跡学でリンクを張るためにメディカル情報を入れる。
情報の認知1 感覚情報の捉え方 感覚器官からの情報に注目するため、対象の捉え方が問題になる。例えば、ベースとプロファイルやグループ化または条件反射。
情報の認知2 記憶と学習 外部からの情報を既存の知識構造に組み込む。その際、未知の情報についてはカテゴリー化する。学習につながるため。記憶の型として、短期、作業記憶、長期(陳述と非陳述)を考える。
情報の認知3 計画、問題解決、推論 受け取った情報は、計画を立てるときにも役に立つ。目的に応じて問題を分析し、解決策を探っていく。獲得した情報が完全でない場合、推論が必要になる。
人工知能 エキスパートシステム 創造と認知発達。
花村嘉英(2020)「佐藤愛子の『沢村校長の晩年』の執筆脳について」より
佐藤愛子の「沢村校長の晩年」で執筆脳を考える2
2 Lの分析
「書いて書いて書きまくる」を地で行く仕事ぶり。佐藤愛子(1923年−)の精力的な作品作りは定評のある所である。河野(2012)によると、佐藤愛子は、人間が大好きな作家である。最も興味のあるものは、人間の性格のようである。登場人物に纏わる性格の創造と表現が作品の随所に見られる。そこで、購読脳を「性格の創造とその表現」にする。
「沢村校長の晩年」の作中人物の性格の作り方を見てみよう。沢村正剛は、30年間私立の女子高校の校長を勤め、退職後は趣味を楽しんでいる。作中ではすでに75歳になり、妻の正子は亡くなり、晩年を一人で過ごしている。一人暮らしになった正剛のために、長男勇也の妻忍が初老の赤松光江に手伝いを依頼する。働き者でも神経質で小うるさい正剛とは性格が合わない。余計なお節介だと口にする数倍鈍感で旺盛な善意にいら立っている。月に一度様子を見に来る忍が介在することにより、二人の性格のコントラストが際立つ。
執筆脳は、性格を創造するための表現を駆使しながら何人もの登場人物を調節するため、「創造と認知発達」にする。認知発達に関しては、川端康成の「雪国」を分析した花村(2019)に詳しく説明がある。参考にしてもらいたい。執筆脳の「創造と認知発達」を購読脳の「性格の創造とその表現」とマージした場合のシナジーのメタファーは、「佐藤愛子と認知発達」にする。
花村嘉英(2020)「佐藤愛子の『沢村校長の晩年』の執筆脳について」より
「書いて書いて書きまくる」を地で行く仕事ぶり。佐藤愛子(1923年−)の精力的な作品作りは定評のある所である。河野(2012)によると、佐藤愛子は、人間が大好きな作家である。最も興味のあるものは、人間の性格のようである。登場人物に纏わる性格の創造と表現が作品の随所に見られる。そこで、購読脳を「性格の創造とその表現」にする。
「沢村校長の晩年」の作中人物の性格の作り方を見てみよう。沢村正剛は、30年間私立の女子高校の校長を勤め、退職後は趣味を楽しんでいる。作中ではすでに75歳になり、妻の正子は亡くなり、晩年を一人で過ごしている。一人暮らしになった正剛のために、長男勇也の妻忍が初老の赤松光江に手伝いを依頼する。働き者でも神経質で小うるさい正剛とは性格が合わない。余計なお節介だと口にする数倍鈍感で旺盛な善意にいら立っている。月に一度様子を見に来る忍が介在することにより、二人の性格のコントラストが際立つ。
執筆脳は、性格を創造するための表現を駆使しながら何人もの登場人物を調節するため、「創造と認知発達」にする。認知発達に関しては、川端康成の「雪国」を分析した花村(2019)に詳しく説明がある。参考にしてもらいたい。執筆脳の「創造と認知発達」を購読脳の「性格の創造とその表現」とマージした場合のシナジーのメタファーは、「佐藤愛子と認知発達」にする。
花村嘉英(2020)「佐藤愛子の『沢村校長の晩年』の執筆脳について」より
佐藤愛子の「沢村校長の晩年」で執筆脳を考える1
1 はじめに
文学分析は、通常、読者による購読脳が問題になる。一方、シナジーのメタファーは、作家の執筆脳を研究するためのマクロに通じる分析方法である。基本のパターンは、まず縦が購読脳で横が執筆脳になるLのイメージを作り、次に、各場面をLに読みながらデータベースを作成し、全体を組の集合体にする。そして最後に、双方の脳の活動をマージするために、脳内の信号のパスを探す、若しくは、脳のエリアの機能を探す。これがミクロとマクロの中間にあるメゾのデータとなり、狭義の意味でシナジーのメタファーが作られる。この段階では、副専攻を増やすことが重要である。
執筆脳は、作者が自身で書いているという事実及び作者がメインで伝えようと思っていることに対する定番の読み及びそれに対する共生の読みと定義する。そのため、この小論では、トーマス・マン(1875−1955)、魯迅(1881−1936)、森鴎外(1862−1922)の執筆脳に関する私の著作を先行研究にする。また、これらの著作の中では、それぞれの作家の執筆脳として文体を取り上げ、とりわけ問題解決の場面を分析の対象にしている。さらに、マクロの分析について地球規模とフォーマットのシフトを意識してナディン・ゴーディマ(1923−2014)を加えると、“The Late Bourgeois World”執筆時の脳の活動が意欲と組になることを先行研究に入れておく。
筆者の持ち場が言語学のため、購読脳の分析の際に、何かしらの言語分析を試みている。例えば、トーマス・マンには構文分析があり、魯迅にはことばの比較がある。そのため、全集の分析に拘る文学の研究者とは、分析のストーリーに違いがある。言語の研究者であれば、全集の中から一つだけシナジーのメタファーのために作品を選び、その理由を述べればよい。なお、Lのストーリーについては、人文と理系が交差するため、機械翻訳などで文体の違いを調節するトレーニングが推奨される。
メゾのデータを束ねて何やら観察で予測が立てば、言語分析や翻訳そして資格に基づくミクロと医学も含めたリスクや観察の社会論からなるマクロとを合わせて、広義の意味でシナジーのメタファーが作られる。
花村嘉英(2020)「佐藤愛子の『沢村校長の晩年』の執筆脳について」より
文学分析は、通常、読者による購読脳が問題になる。一方、シナジーのメタファーは、作家の執筆脳を研究するためのマクロに通じる分析方法である。基本のパターンは、まず縦が購読脳で横が執筆脳になるLのイメージを作り、次に、各場面をLに読みながらデータベースを作成し、全体を組の集合体にする。そして最後に、双方の脳の活動をマージするために、脳内の信号のパスを探す、若しくは、脳のエリアの機能を探す。これがミクロとマクロの中間にあるメゾのデータとなり、狭義の意味でシナジーのメタファーが作られる。この段階では、副専攻を増やすことが重要である。
執筆脳は、作者が自身で書いているという事実及び作者がメインで伝えようと思っていることに対する定番の読み及びそれに対する共生の読みと定義する。そのため、この小論では、トーマス・マン(1875−1955)、魯迅(1881−1936)、森鴎外(1862−1922)の執筆脳に関する私の著作を先行研究にする。また、これらの著作の中では、それぞれの作家の執筆脳として文体を取り上げ、とりわけ問題解決の場面を分析の対象にしている。さらに、マクロの分析について地球規模とフォーマットのシフトを意識してナディン・ゴーディマ(1923−2014)を加えると、“The Late Bourgeois World”執筆時の脳の活動が意欲と組になることを先行研究に入れておく。
筆者の持ち場が言語学のため、購読脳の分析の際に、何かしらの言語分析を試みている。例えば、トーマス・マンには構文分析があり、魯迅にはことばの比較がある。そのため、全集の分析に拘る文学の研究者とは、分析のストーリーに違いがある。言語の研究者であれば、全集の中から一つだけシナジーのメタファーのために作品を選び、その理由を述べればよい。なお、Lのストーリーについては、人文と理系が交差するため、機械翻訳などで文体の違いを調節するトレーニングが推奨される。
メゾのデータを束ねて何やら観察で予測が立てば、言語分析や翻訳そして資格に基づくミクロと医学も含めたリスクや観察の社会論からなるマクロとを合わせて、広義の意味でシナジーのメタファーが作られる。
花村嘉英(2020)「佐藤愛子の『沢村校長の晩年』の執筆脳について」より