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イッツ・オーケイ、ブラボー 

 文末に追記しました。(斜体赤字)

 今回は、Joe Bravoという人のアルバムを聴きました。
 この人は、Sunny Ozunaの後任としてSunglowsのリード・ボーカルを務めた人で、その後ソロになり、今も現役で活動しています。
 つい最近、最新作をリリースしたところです。

 私が初めてJoe Bravoを聴いたのは、Jazzmanから02年にリリースされたレア・グルーヴ・コンピ、"Texas Funk"の収録曲で、ミーターズのカバー、"Sissy Strut"(原題は"Cissy Strut")でした。


Please Call Me, Baby
Joe Bravo

1. La Boa (Carlos J. Reyes)
2. Mufieca Triste (D.A.R.)
3. Tomando Mil Copas (Doroteo Ramirez)
4. Amor Necio (Cornelio Reyena)
5. Yo (J.A. Jimenez)
6. Un Mal Rucuerdo (D.A.R.)
7. Please Call Me, Baby (R. Owens, F. Martinez)
8. If You Don't Love Me (D.A.R.)
9. It's Okey (Manny R. Guerra)
10. Does He Remind You Of Me (Sunny Ozuna)
11. Again (Greg Ramirez)
12. Think It Over (D.A.R.)

 本盤は、Hawk Recordsという会社から01年にリリースされたCDです。
 多分、Sunny & The Sunlinersらサンアントニオのアーティストの旧作のCD化を行っているGolden Eagle Recordsの系列ではないかと思います。
 パッケージのチープなつくり、資料性の低い(全くない)ペラのリーフレットなど、会社のネーミングも合わせ、共通性を感じます。

 本盤は、一応ソロ名義ですが、音源のソースは不明です。
 おそらくは、LPのストレートCD化だと思われ、A面に当たる6曲目までがスペイン語によるラテン・サイド、B面だと思われる7曲目以降が英語でのR&Bやポップ・サイドになっています。

 さて、58年頃、テキサス州サンアントニオで、高校の同級生らが中心になって、ひとつのティーンネイジャー・バンドが結成されます。
 その中核メンバーだったのが、ボーカルのSunny Ozuna、ドラムスのManuel Guerra、サックスのRudy Guerraらで、そのバンドこそ、Sunny & The Sunglowsでした。

 50年代に"Just A Moment"(Doug Sahmのカバーあり)の小ヒットを出したSunny & The Sunglowsは、63年頃分裂します。
 リード・ボーカルのSunny Ozuna(おそらくSaxのRudy Guerraも一緒)がバンドを脱退し、ヒューストンで新しいバンド、Sunny & The Sunlinersを結成したのです。
 (Sunnyの代表曲、"Talk To Me"はこの騒動の前後にリリースされたと思われ、現在、Sunny & The Sunglows名義、Sunny & The Sunliners名義両方のアルバムに収録されています。)

 Manny Guerra(dr)他の残されたメンバーは、新たなリード・ボーカルを迎え、The Sunglowsを継続します。
 Sunny脱退後のSunglowsは、シンプルにThe Sunglows、または一時期The Fabulous Sunglowsと名乗っていたと思われます。
 この間、Fred Salasら三人のボーカリストの交代があり、4人目でようやく固定メンバーとなったのが、今回の主人公、Joe Bravoでした。

 Bravoの体制は、おそらく65年頃確立されたと思われ、Joe Bravo時代のSunglowsの代表曲は、本盤にも収録されている66年の"It's Okey"という曲です。

 ちなみに、Joe Bravoの独立後のSunglowsは、Los Fabulous Sunglowsなどと名乗っていたのではないかと思います。
 (多分、シングルのみでは、Joe Bravo & The Sunglows名義があるのではないかと思います。)
 このあたりの変遷の詳細は、いまいちよく分かりません。

 さて、本盤です。
 後半の英語曲について、いくつか思ったことがあります。

 バンドは、ホーン入りではありますが、あまり分厚い感じがせず、スモール・コンボっぽい音に聞こえます。
 このあたりは、LP"The Fabulous Sunglows"などとは、少し違う編成のような気がします。
 まあ、あのアルバムも、曲によってはスモール・コンボっぽい印象のものもありましたので一概には言えませんが…。

 英語曲の大半は、オルガンのピーピー音と四つ切のギターが耳に残るスタイルで、ブラス入りのテキサスのガレージ・バンドっぼいです。
 やっている楽曲は、一部を除いてティーン・ポップ調と言えなくもないです。
 "Does He Remind You Of Me"などは、ブリル・ビルディング系のポップ・チューンにも聴こえます。

 しかし、"Does He Remind You Of Me"は、作者がSunny Ozunaなんですよね。
 とりあえず手持ちのソフトを調べましたが、Sunny OzunaまたはSunny & Sunliners(Sunglows)による作者バージョンはありませんでした。
 うーむ、ここは気になります。

 そして、代表曲"It's Okey"は、やはり印象に残る曲だと思います。
 魅力的なホーン・リフのイントロで始まり、オルガンとシンプルなギターの反復ビートをバックに、Bravoが語りに近いボーカルを乗せてきます。
 そして、あざけるような笑い声を効果的に挿入しながら、次第にメロディにのせて歌い始めます。
 もう1本のギターが控えめにオブリを入れたりします。
 なかなかにかっこいいです。

 この曲は、イーストL.A.のチカーノ向けのコンピ(だと思われる)、"East Side Story"シリーズのVol.3にThe Sunglows名義のバージョンが収録されています。



 ここでのバージョンは、疑似ライヴっぽいもので、テンポが少し早いです。
 ただ、ボーカル、ホーンともにハイ・ピッチに聴こえるので、テープ・スピードを下げ、疑似っぽい歓声を消せば、今回の盤のバージョンと似ている気もします。
 両方お持ちの方は、聴き比べていただきたいです。

 最後に、"Think It Over"について触れます。
 これは、アレンジが違い少し分かりづらいですが、曲はJimmy Donleyの名曲で間違いありません。
 ドラムに特徴があり、歌は普通にミディアム・テンポですが、リズムは忙しないタイコが支配していて、テキサス・ファンクです。
 ホーン・リフやオルガンのロング・トーンがいい感じで、間奏での短いサックス・ソロも良いです。
 ビートに違和感を感じない方なら、"Think It Over"の新たなバリエーションとして楽しめると思います。

 Sunny & The Sunglowsのファンや、サンアントニオ・ソウルに関心がある方なら、興味を持って聴けるアルバムだと思います。


 追記
 コンピCD、"Chicano Soul : San Antonio's Westside Sound Vol.3"及びコンピLP、"Border Town Jive : Chicano R&B from San Antonio"に収録されている、Little Joe & the HarlemsのLittle Joeは、実はJoe Bravoのことらしいです。
 なんとなく、Little Joe & the LatinairesのLittle Joe Hernandezの別時期のバンドなのかなと思っていたので驚きです。





Please Call Me, Baby by Joe Bravo




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