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イッツ ジミー・エドワード

 追記しました。(斜体赤字部分)

 今回は、サンアントニオ・ソウル・グレイツの一人(だとかってに思っている)、Jimmy Edwardさんの06年リリースのアルバムをご紹介します。

 この人は、60年代から活動しているシンガーで、Sunny Ozunaとも少なからず関連があります。

 英語で歌うチカーノR&Bでキャリアをスタートさせ、その後次第にスパニッシュ・コミュニティに向けたラテン曲へと活動をシフトさせていったこと、年齢を重ねるにつれ、宗教曲への関心も深めているなどの共通点があります。


It's All Right
Jimmy Edward

1. Intro (Bob Gallarza)
2. La Que Se Fue (J. A. Jimenez)
3. Entrega Total (A. Pulido)
4. Vuelve Mi Amor (B. Bacharach, spanish lyrics : Alejandro Vasquez)
5. Sometimes (Gene Thomas)
6. Just A Dream (Jimmy Clanton)
7. If You Need Me (Pickett, Bateman)
8. Como Fue (Puarte)
9. Mi Lupita
10. Paloma Querida (J. A. Jimenez)
11. It's All Right (Curtis Mayfield)
12. I'm So Proud (Curtis Mayfield)

 Sunny Ozunaとの関連性は、音楽活動のキャリアそのものにもあります。

 Jimmy Edwardは、パーソナルな人物像がいまいちよく分からないのですが、本名はおそらくJimmy Trevino、もしくはJimmy Edward Trevino(これは普通に考えれば、正式名はJames Edward Trevino)で、サンアントニオを活動の拠点にしている人で、出身も同じではないかと想像します。

 これは、彼がキャリアの初期にJimmy Trevinoの名前を使っていたことからの推測です。

 Edwardというのは姓ではなく、ミドルネームもしくはイングリッシュ・コミュニティに向け命名したステージ・ネームかも知れません。
 ミドルネームを姓としていたシンガーでは、Raymond Charles Robinsonという大有名人がいました。

 私の感覚では、Edwardという姓はいかがかと思っています。
 語尾に"s"が付いたEdwardsなら、それなりにしっくりくる気がします。
 事実、Jimmy Edwardでググると、Jimmy Edwardsではありませんか?と訊ねられたりします。

 Jimmy Edwardは、60年代半ばころ、Danny and the Dreamersというバンドのリード・シンガーとして活動し、このころJimmy Trevinoと名乗っていました。
 フォー・トップスのカバー、"Ask The Lonely"などを歌って人気があったようです。
 また、このバンドの主力メンバーとなってから、Jimmy Edwardの名前を使うようになり、Little Jimmy Edward & the Dreamers Band名義でもレコードを出しているようです。

 そして70年代半ばになると、Sunny Ozunaのバンド、Sunny & the Sunlinersから分派したメンバーが創ったバンド(だと思います)、Latin Breedのリード・シンガーになります。
 Latin Breedは、スペイン語中心のテハーノ・オルケスタですが、Sunliners同様、カントリーやR&Bも売り物のひとつで、この時期にはオーティス・レディングの"Hard To Handle"をやったりもしているようです。

 そして、70年代後期にはソロになり、やはりスペイン語中心の活動をしますが、一方でウイルソン・ピケットの(あるいはバーク僧正の)"If You Need Me"のようなR&Bも歌い続け、そちらの需要にも応えています。

 "If You Need Me"は、彼の代表曲の一つとして長く歌い続けているようで、本盤でも新録音が収録されています。
 また、本盤ではやっていませんが、シングル盤、"If You Need Me"の裏面だった、"Memories"という曲がライヴでのバラードの定番曲で、やはり歌い続けているようです。

 本盤収録曲では、Jimmy Clantonのスワンプ・ポップの名作、"Just A Dream"もまた、彼のDreamers時代(60年代後期)のレパートリーでした。

 ここまで書いてきた初期のレパートリーの多くは、Latin Breed時代、ソロ時代ともに需要に応えて再録音しているようです。
 (などとつれづれと書いてきましたが、私が既聴なのは、Latin Breed以降の音源だけなので、出来れば古い音源が聴きたいと思っています。)

(追記)
 初期の音源のうち、Danny and the Dreamers時代の作品は、コンピCD、"Chicano Soul : San Antonio's Westside Sound (vol.1)"に収録されていて聴いていたことに気付きました。
 以下の3曲です。
"Ask The Lonely"
"Think Nothing About It"
"Baby Something's Wrong"
 ただし、ブックレットの表記によれば、最初の2曲のリード・ボーカルは、リーダーのDanny Martinezだということになっています。


 さて、本盤はヒューストンで録音されたもので、スタジオ録音ですが、なぜかレーベル・オーナーらしき人物とのスタジオでのレコーディング・トーク(?)でスタートします。
 トラック1がそれにあたりますので、実質上は11曲入りです。

 アルバムは、スペイン語での陽気なラテン曲で始まります。
 曲名を見ていると前半はスペイン語タイトルが続きますが、実は4曲目の" Vuelve Mi Amor"は、80年代ウエストコースト・ロック・ファンには懐かしい、クリストファー・クロスの「アーサーのテーマ 〜ニューヨーク・シティ・セレナーデ」のスパニッシュ・バージョンなのでした。

 ネタばれしてしまいましたが、知らずに聴けばきっと「あれっ これ知っている、何だっけ?」となること間違いないはずです。
 よく知った曲でも歌詞が違うとすぐに分からないもので、ましてや言語が違えばなおさらです。
 そして、曲が判明したときのスッキリ感は半端ないのでした。

 そして、続く"Sometimes"と"Just A Dream"の流れが、この手の音楽のファンにはたまりません。
 "Sometimes"は、もちろんGene Thomasのあの名作三連バラードです。

 Doug Sahmの愛唱歌であり、Freddy FenderもAugie Meyrersも、そしてSunny Ozunaもやっている永遠の名曲です。
 変わったところでは、サンフランシスコのガレージ・バンド、Flamin' Grooviesのバージョン(Dave Edmunds制作)もありました。

 Jimmy Edward盤は、語りから入る構成で、何を言っているのか解するため、もう少しヒアリング力が欲しいです。
 原曲よりもさらにスローに、ムーディーにやっていて、おしゃれなお酒を飲みながら聴きたい、ナイト・ミュージック風に仕上げています。

 そして、まるでメドレーのようにしなやかに繋いでいくのは、これまた名作の"Just A Dream"です、
 静かなタッチのピアノの伴奏、美しい女性コーラスのハーモニーなど、"Sometimes"のムードを継承したアレンジでやっていて、誰がやっても悪くなりようがない名曲とはいえ、期待を裏切ることはありません。

 アルバムは、ラテン曲を挟みつつ、アーリー・ソウルの名作を力強く歌う、"If You Need Me"(ブルージーな間奏のギターもよい)から、カーティス・メイフィールドの名作2曲が、美しく展開して行きます。

 チカーノって、ドゥワップはもちろん、ノーザン(とりわけシカゴ・ソウル)、スイート・ソウルなどが好みなんですよね。
 同じバリオ地域でも、テキサスとカリフォルニアでは地域性の違いはあるんでしょうが、大きなくくりではそういう傾向があるように思います。

 日本人の好きなR&Bと、チカーノの好きなR&Bを比べると、似た傾向よりも違う傾向の方に強い興味を覚えます。

 本盤は、Jimmy Edwardのアルバムの中では、英語曲を多く収録していて、とても聴きやすいです。
 彼の英語曲中心の他のアルバムでは、ゴスペル集(?)ですが、98年の"You'll Never Walk Alone"というアルバムも聴きものだと思います。



If You Need Me by Latin Breed


2番の歌詞がスペイン語になるところがスリリングでたまりません。



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