2012年02月01日
土曜の夜は あげあげカーニバル
今回は、64年(?)リリースのアナログLP盤をご紹介します。
こちらは、昨年入手したもので、サウス・ルイジアナのスワンプ・ポップ・レジェンド、Rod BernardとWarren Stormが組んだバンドの唯一のアルバムです。(多分…。)
Rod Bernardは、50年代に"This Should Go On Forever"、60年代には"Colinda"などのヒットを持つスワンプ・ポップ・シンガーです。
そして、Warren Stormは、スタジオのドラマーであるとともに、50年代に"Prisoner's Song"のヒットを持つシンガーでした。
本盤は、Carol J. Rachouという人の制作で、La Louisianne Recordsから出されたものです。
Side One
1. Mountain Of Love (vo. Rod Bernard)
2. Tutti-Fruti (vo. Warren Storm)
3. Hi Heel Sneakers (vo. Skip Stewart)
4. Memphis (vo. Rod Bernard)
5. Teen Age Letter (vo. Warren Storm)
6. Money (vo. Skip Stewart)
Side Two
1. Mule Train (vo. Rod Bernard)
2. Lucille (vo. Warren Storm)
3. Twist And Shout (vo. Skip Stewart)
4. Promised Land (vo. Rod Bernard)
5. Slow Down (vo. Warren Storm)
6. If You Want To Be Happy (vo. Skip Stewart)
私はよく知らなかったのですが、Wikiを見ると、Carol Rachouなる人は、JinのFloyd Soileau、GoldbandのEddie Shuler、Crazy CajunのHuey Meaux、そしてJ. D. Millerらと並んで併記されるような、スワンプ・ポップの代表的な制作者の一人のようです。
彼のレーベル、La Louisianne(語尾に注目)ですが、私の知る範囲では、"I Got Roaded"のLil' Bob and the Lollipopsが在籍していました。
"I Got Roaded"は、酔っ払いを歌った人気曲で、Los LobosやRobert Crayが初期のアルバムでカバーしていましたね。
Lil' Bob and the Lollipopsは、黒人ボーカル&インスト・グループで、"I Got Roaded"はリーダーのBob Camilleの自作でした。
アナログ盤で、ほかにLa Louisianne盤を持っていないかと思い、King KarlとGuitar Gableあたりを確認したかったのですが所在不明でした。
(J. D. Millerのアウトテイク集を精力的に出していたFlyright盤だった気もしますが…。)
いろいろと棚を探っていたところ、灯台もと暗し、92年リリースの英AceのコンピCD、"Lafayette Saturday Night"の曲目に眼が止まりました。
どうやら、このCDは、La Louisianne関連の音源をコンパイルしたもののようです。
私は、今回のLP盤でShondellsを初めて聴いたと思いこんでいたのですが、なんと"Lafayette Saturday Night"に、2曲が収録されていました。
A4の"Memphis"とB5の"Slow Down"です。
うーん、全く記憶に残っていませんでした。
当該CDをお持ちの方は、よければお聴きください。
さて、The Shondellsですが、私は、Rod BernardとWarren Stormが組んだバンドだと単純に考えていたのですが、どうもテレビ番組ないしはラジオ番組用の(ためだけの)ハウス・バンドのように思えてきました。
本盤のジャケにも、KLFY-TVというロゴが描かれたTVカメラが写りこんでいます。
もうひとり、Skip Stewartという人がメインで参加していますが、全く知らない人です。
そして、各曲名のあとに、カッコ書きで注記したのが、その曲のリード・ボーカルになります。
アルバム・タイトルの"At The Staurday Hop"が、Rod Bernardがホストを務めた番組名らしいのですが、おそらくは、当時いくつかあったティーンネイジャーがロックンロールに合わせて踊る番組だと思われ、The Shondellsは、その専属バンドだったのではないかと思います。
また、私の思うところ、番組の演奏シーンではリップ・シンクでやっていて、本盤の中身は、そのかぶせ用に録られた音源ではないかと推察します。
さて、番組がオンエアされた(と思われる)64年は、ブリティッシュ・インヴェイジョンの来襲の年であり、やっているレパートリーこそ50sという感じですが、その演奏は英国ビート・バンド風のものになっています。
サウス・ルイジアナらしさは希薄で、ホーン・リフもなければ、三連のピアノもありません。
完全なギター・バンド・スタイルですね。
ただ、英国ビート風とはいいましたが、メロディックなマージー系では全くなく、またR&B系をやっているにも関わらず、ロンドン系のような青くさい黒さも感じられない、そんな印象を受けました。
このあたりが南部なんでしょうか。
収録曲で、個性が出ていると私が思ったのは、両面のアタマの曲です。
A1の"Mountain Of Love"とB1の"Mule Train"は、いずれもRod Bernardのボーカル曲ですが、どこかケイジャン・ルーツを匂わせる一味違うなと感じる曲です。
カバーでは、Warren StormのLittle Richardものが印象に残りましたが、やはりピアノレスが寂しいです。
そんな中、選曲のセンスで惹きつけられたのが、Skip Stewartが歌う、Jimmy Soulの"If You Want To Be Happy"です。
原曲は、ポップで能天気なアーリー・ソウルで、どちらかといえば関心が薄い曲でしたが、こうしてギター・バンド・アレンジで聴くとなかなか新鮮です。
…とはいっても、サプライズ効果で点数が甘くなっていますので、もし本盤を入手されたなら、ハードルを上げずに虚心で聴いてください。
多分、番組は短期で終了したのではないかと思います。
本盤は、スワンプ・ポップ・ファン向けのコレクターズ・アイテムでしょう。
関連記事はこちら
スワンプ・ロッカーの休息
リトル・スワンプ・ドラマー・ボーイ
こちらは、昨年入手したもので、サウス・ルイジアナのスワンプ・ポップ・レジェンド、Rod BernardとWarren Stormが組んだバンドの唯一のアルバムです。(多分…。)
Rod Bernardは、50年代に"This Should Go On Forever"、60年代には"Colinda"などのヒットを持つスワンプ・ポップ・シンガーです。
そして、Warren Stormは、スタジオのドラマーであるとともに、50年代に"Prisoner's Song"のヒットを持つシンガーでした。
本盤は、Carol J. Rachouという人の制作で、La Louisianne Recordsから出されたものです。
The Shondells At The Saturday Hop
The Shondells
The Shondells
Side One
1. Mountain Of Love (vo. Rod Bernard)
2. Tutti-Fruti (vo. Warren Storm)
3. Hi Heel Sneakers (vo. Skip Stewart)
4. Memphis (vo. Rod Bernard)
5. Teen Age Letter (vo. Warren Storm)
6. Money (vo. Skip Stewart)
Side Two
1. Mule Train (vo. Rod Bernard)
2. Lucille (vo. Warren Storm)
3. Twist And Shout (vo. Skip Stewart)
4. Promised Land (vo. Rod Bernard)
5. Slow Down (vo. Warren Storm)
6. If You Want To Be Happy (vo. Skip Stewart)
私はよく知らなかったのですが、Wikiを見ると、Carol Rachouなる人は、JinのFloyd Soileau、GoldbandのEddie Shuler、Crazy CajunのHuey Meaux、そしてJ. D. Millerらと並んで併記されるような、スワンプ・ポップの代表的な制作者の一人のようです。
彼のレーベル、La Louisianne(語尾に注目)ですが、私の知る範囲では、"I Got Roaded"のLil' Bob and the Lollipopsが在籍していました。
"I Got Roaded"は、酔っ払いを歌った人気曲で、Los LobosやRobert Crayが初期のアルバムでカバーしていましたね。
Lil' Bob and the Lollipopsは、黒人ボーカル&インスト・グループで、"I Got Roaded"はリーダーのBob Camilleの自作でした。
アナログ盤で、ほかにLa Louisianne盤を持っていないかと思い、King KarlとGuitar Gableあたりを確認したかったのですが所在不明でした。
(J. D. Millerのアウトテイク集を精力的に出していたFlyright盤だった気もしますが…。)
いろいろと棚を探っていたところ、灯台もと暗し、92年リリースの英AceのコンピCD、"Lafayette Saturday Night"の曲目に眼が止まりました。
どうやら、このCDは、La Louisianne関連の音源をコンパイルしたもののようです。
私は、今回のLP盤でShondellsを初めて聴いたと思いこんでいたのですが、なんと"Lafayette Saturday Night"に、2曲が収録されていました。
A4の"Memphis"とB5の"Slow Down"です。
うーん、全く記憶に残っていませんでした。
当該CDをお持ちの方は、よければお聴きください。
さて、The Shondellsですが、私は、Rod BernardとWarren Stormが組んだバンドだと単純に考えていたのですが、どうもテレビ番組ないしはラジオ番組用の(ためだけの)ハウス・バンドのように思えてきました。
本盤のジャケにも、KLFY-TVというロゴが描かれたTVカメラが写りこんでいます。
もうひとり、Skip Stewartという人がメインで参加していますが、全く知らない人です。
そして、各曲名のあとに、カッコ書きで注記したのが、その曲のリード・ボーカルになります。
アルバム・タイトルの"At The Staurday Hop"が、Rod Bernardがホストを務めた番組名らしいのですが、おそらくは、当時いくつかあったティーンネイジャーがロックンロールに合わせて踊る番組だと思われ、The Shondellsは、その専属バンドだったのではないかと思います。
また、私の思うところ、番組の演奏シーンではリップ・シンクでやっていて、本盤の中身は、そのかぶせ用に録られた音源ではないかと推察します。
さて、番組がオンエアされた(と思われる)64年は、ブリティッシュ・インヴェイジョンの来襲の年であり、やっているレパートリーこそ50sという感じですが、その演奏は英国ビート・バンド風のものになっています。
サウス・ルイジアナらしさは希薄で、ホーン・リフもなければ、三連のピアノもありません。
完全なギター・バンド・スタイルですね。
ただ、英国ビート風とはいいましたが、メロディックなマージー系では全くなく、またR&B系をやっているにも関わらず、ロンドン系のような青くさい黒さも感じられない、そんな印象を受けました。
このあたりが南部なんでしょうか。
収録曲で、個性が出ていると私が思ったのは、両面のアタマの曲です。
A1の"Mountain Of Love"とB1の"Mule Train"は、いずれもRod Bernardのボーカル曲ですが、どこかケイジャン・ルーツを匂わせる一味違うなと感じる曲です。
カバーでは、Warren StormのLittle Richardものが印象に残りましたが、やはりピアノレスが寂しいです。
そんな中、選曲のセンスで惹きつけられたのが、Skip Stewartが歌う、Jimmy Soulの"If You Want To Be Happy"です。
原曲は、ポップで能天気なアーリー・ソウルで、どちらかといえば関心が薄い曲でしたが、こうしてギター・バンド・アレンジで聴くとなかなか新鮮です。
…とはいっても、サプライズ効果で点数が甘くなっていますので、もし本盤を入手されたなら、ハードルを上げずに虚心で聴いてください。
多分、番組は短期で終了したのではないかと思います。
本盤は、スワンプ・ポップ・ファン向けのコレクターズ・アイテムでしょう。
If You Wanna Be Happy by Jimmy Soul
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