2011年05月14日
ほら吹き半ズボン
Danny Kaye編纂のNuggetsを初めて聴いたとき、強烈なインパクトを受けました。
ガレージ・パンクとの出会いです。
Nuggetsは、英国60sビートに天啓を受けた米国の少年たちが、いかに英国風ビート・バンドに熱狂し、自らも演者になろうとしたか、というドキュメントだったと思います。
後から考えると、サイケとか、アシッドとかいった曲中心の選曲だったわけですが、私が、中でも特に強い印象を受けたのが、Standellsの"Dirty Water"と、Knickerbockersの"Lies"でした。
Standellsは米国のティーン版Stonesであり、そしてKnicerbockersは、もちろんBeatlesです。
1. Lies (Buddy Randell, Beau Charles) #20
2. Just One Girl (B.Charles)
3. I Can Do It Better (Jim Seals, D.Crofts)
4. She Said Goodbye (Beau Charles)
5. Stick With Me (Jerry Fuller)
6. Love Is a Bird (Jim Seals)
7. I Love (Beau Charles)
8. One Track Mind (L.Colley, Keith Colley) #46
9. I Must Be Doing Something Right (Beau Charles)
10. High on Love (L.Colley, Keith Colley, A.Tucker) #94
11. They Ran for Their Lives (Alton, Kraushaar, Winkle)
12. Rumors, Gossip, Words Untrue (Jerry Fuller)
13. My Feet Are Off the Ground (Beau Charles)
14. Give a Little Bit (G.Campbell, Jerry Fuller)
彼らに共通しているのは、英国ビート・バンドから強い影響を受け、もともとは自国の財産である黒人音楽に、英国バンド経由で遭遇したことでした。
多くの少年にとって、それはあくまで英国製のロックンロールであったのだと思います。
彼らのうち、チェスやヴィージェイ、スタックスのレコードに関心を持った少年がどれだけいたか、推しはかることは出来ません。
米国というのは、自国の素晴らしい財産にしばしば無関心で、腹立たしい国なのでした。
ブルースもヒルビリーも、早くからリイシューに熱心だったのは、ヨーロッパや日本でした。
私が輸入盤に目覚め、徐々に自分の音楽の嗜好に気付き始めたころ、ジャンプ・ブルースはスウェーデン盤で、ロカビリーはイギリス、フランス盤で渇きを癒していました。
さて、The Knicerbockersは、ニュージャージー出身の学生バンド(?)として、65年頃にスタートしたらしいです。
制作は、Rick Nelsonの"Traverin' Man"を書いたソングライター、Jerry Fullerが仕切っています。
ライナーによれば、メンバーは以下のとおりです。
Beau Charles : guitar, vocal
John Charles : bass, vocal
Buddy Randell : Saxophone, vocal
Jimmy Walker : drums, vocal
ここで、すぐに思ったのは、「ギターは1本なのか、それにしても、サックスをフィーチャーした曲がどれだけあったかなあ?」という素朴な疑問でした。
どう考えても、サックス専任がいるというのが不思議です。
代表曲"Lies"も、完全にギター・バンド・スタイルの曲です。
メンバーがサックスを構えた写真がありますが、どうも得心がいかないです。
サックス入りのサウンドというと、Dave Clark Fiveを連想します。
Knickerbockersは、そんなサウンドとはまるで違います。
というか、"Lies"は、ビートルズ以上に初期ビートルズぽいナンバーなのでした。
ドライヴするドラムとギター、リードを追尾するクローズド・コーラス、そしてジョン・レノンを彷彿とさせるリード・ボーカルと、模造だとしても、とてもよく出来たイミテーションだと思います。
ともかく、虚心にワン・ヒット・ワンダーとして聴くなら、素晴らしい曲だと思います。
チャートでも、20位まで上がったようです。
この曲は、リンダ・ロンシュタットのカバーがあります。
英国でニューウェイヴが流行っていたころの録音だったと思います。
いつもながら、リンダの(又は彼女のプロデューサーの)選曲は、趣味がよいです。
"Lies"の魔法は、他の曲にはそれほど及んでいないですが、時代の熱気は感じます。
ときどきは、引っ張り出して聴き返したい1枚なのでした。
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from英to米、and to英again
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Nuggetsは、英国60sビートに天啓を受けた米国の少年たちが、いかに英国風ビート・バンドに熱狂し、自らも演者になろうとしたか、というドキュメントだったと思います。
後から考えると、サイケとか、アシッドとかいった曲中心の選曲だったわけですが、私が、中でも特に強い印象を受けたのが、Standellsの"Dirty Water"と、Knickerbockersの"Lies"でした。
Standellsは米国のティーン版Stonesであり、そしてKnicerbockersは、もちろんBeatlesです。
Rockin' With
The Knickerbockers
The Knickerbockers
1. Lies (Buddy Randell, Beau Charles) #20
2. Just One Girl (B.Charles)
3. I Can Do It Better (Jim Seals, D.Crofts)
4. She Said Goodbye (Beau Charles)
5. Stick With Me (Jerry Fuller)
6. Love Is a Bird (Jim Seals)
7. I Love (Beau Charles)
8. One Track Mind (L.Colley, Keith Colley) #46
9. I Must Be Doing Something Right (Beau Charles)
10. High on Love (L.Colley, Keith Colley, A.Tucker) #94
11. They Ran for Their Lives (Alton, Kraushaar, Winkle)
12. Rumors, Gossip, Words Untrue (Jerry Fuller)
13. My Feet Are Off the Ground (Beau Charles)
14. Give a Little Bit (G.Campbell, Jerry Fuller)
彼らに共通しているのは、英国ビート・バンドから強い影響を受け、もともとは自国の財産である黒人音楽に、英国バンド経由で遭遇したことでした。
多くの少年にとって、それはあくまで英国製のロックンロールであったのだと思います。
彼らのうち、チェスやヴィージェイ、スタックスのレコードに関心を持った少年がどれだけいたか、推しはかることは出来ません。
米国というのは、自国の素晴らしい財産にしばしば無関心で、腹立たしい国なのでした。
ブルースもヒルビリーも、早くからリイシューに熱心だったのは、ヨーロッパや日本でした。
私が輸入盤に目覚め、徐々に自分の音楽の嗜好に気付き始めたころ、ジャンプ・ブルースはスウェーデン盤で、ロカビリーはイギリス、フランス盤で渇きを癒していました。
さて、The Knicerbockersは、ニュージャージー出身の学生バンド(?)として、65年頃にスタートしたらしいです。
制作は、Rick Nelsonの"Traverin' Man"を書いたソングライター、Jerry Fullerが仕切っています。
ライナーによれば、メンバーは以下のとおりです。
Beau Charles : guitar, vocal
John Charles : bass, vocal
Buddy Randell : Saxophone, vocal
Jimmy Walker : drums, vocal
ここで、すぐに思ったのは、「ギターは1本なのか、それにしても、サックスをフィーチャーした曲がどれだけあったかなあ?」という素朴な疑問でした。
どう考えても、サックス専任がいるというのが不思議です。
代表曲"Lies"も、完全にギター・バンド・スタイルの曲です。
メンバーがサックスを構えた写真がありますが、どうも得心がいかないです。
サックス入りのサウンドというと、Dave Clark Fiveを連想します。
Knickerbockersは、そんなサウンドとはまるで違います。
というか、"Lies"は、ビートルズ以上に初期ビートルズぽいナンバーなのでした。
ドライヴするドラムとギター、リードを追尾するクローズド・コーラス、そしてジョン・レノンを彷彿とさせるリード・ボーカルと、模造だとしても、とてもよく出来たイミテーションだと思います。
ともかく、虚心にワン・ヒット・ワンダーとして聴くなら、素晴らしい曲だと思います。
チャートでも、20位まで上がったようです。
この曲は、リンダ・ロンシュタットのカバーがあります。
英国でニューウェイヴが流行っていたころの録音だったと思います。
いつもながら、リンダの(又は彼女のプロデューサーの)選曲は、趣味がよいです。
"Lies"の魔法は、他の曲にはそれほど及んでいないですが、時代の熱気は感じます。
ときどきは、引っ張り出して聴き返したい1枚なのでした。
Liesです。
Linda版、Liesです。
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