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ジョーイ・ロング、みーつけた

 私は、好きな音楽について、いくつか気にかかっていることがあります。
 ひとつは、音源の流通が少ない、お気に入りのアーティストのことです。
 例えれば、テキサスのシンガー、ソング・ライター、Gene Thomasがそれに当たります。
 また、ルイジアナ出身の伝説的ギタリスト、Joey Longもそうです。

 また、特定のお気に入りの曲に関することもあります。
 長らくは、Gene ThomasのSometimesという曲がそれに当たりました。
 今は、Cryin' Insideという曲をおっかけています。 

 これらは、四六時中考えているわけではありませんが、折につけ、頭をよぎります。

 最近では、I'm Glad For Your Sakeという曲もそういった曲のひとつです。
 この曲は、Doug Sahmの素晴らしいバージョンがあり、私はすぐに気に入りました。
 原曲は不明ですが、恐らくは古いポピュラー・ソングだと思われます。

 これまで、ダグがお手本にしたと思われるバージョンを求め、いくつか複数のアーティストのバージョンを聴いてきました。
 そして、今回、間違いなくダグ・サームが憧れ、お手本にしたに違いないバージョンを入手しました。
 それは、先に気になるアーティストとしても名前をあげた、Joey Long盤です。


I'm Glad For Your Sake
Joey Long

 Joey Longは、ヒューイ・モーのシュガーヒル・スタジオのエースの中でも特別な存在のようで、しばしば、レジェンダリー、ジョーイ・ロングと紹介されています。
 
 I'm Glad For Your Sakeは、ダグ・サームが、ジョーイ・ロングの名前を出していたため、私はずっとジョーイのバージョンが存在するに違いないと思っていました。

 仮にジョーイ・ロング盤がなくとも、ダグ・サーム盤は、ニューオリンズR&B風のホーン・リフが特徴的ですので、お手本になったバージョンは、きっとルイジアナかテキサス系だろうと思っていました。

 これまで聴いてきたのは、次の人たちのバージョンです。
 古いジャズのアンディ・カーク盤、これはディキシー・ランド・スタイルの伴奏で歌われます。
 これまた、古いヒルビリーのカウボーイ・コーパス盤も聴きました。
 こちらは、思いのほかカントリー臭が薄いつくりです。
 
 そして、スイングタイム時代のレイ・チャールズ盤です。
 これは、レイがアトランティックと契約する前、ローウェル・フルスンの楽団でピアノを弾いていたころの録音です。
 このころのレイは、しばしばナット・コールのまねをしていた時代と言われますが、チャールズ・ブラウンみたいにも聴こえます。

 しかし、これらはいずれも、ダグ・サーム盤とは明らかにアレンジが違いすぎます。
 そんなとき、私は「これに違いない」と確信したバージョンを発見しました。
 ニューオリンズR&Bのジョー・ジョーンズ盤です。

 これは、ニューオリンズR&Bの伝統に根ざしたアレンジになっていて、今まで聴いた中で、最もダグ盤と雰囲気が似ていました。
 私の気持ちは高ぶりました。

 しかし、実はこの曲は、当時発売されなかった未発表曲だったのです。
 私はがっかりしました。
 それとともに、やはりジョーイ・ロング盤があるに違いないという思いが、再びむらむらと蘇ってきたのです。

 そんな時です。
 同じニューオリンズつながりで、ドゥワップ・グループのスパイダーズ盤が存在することを知りました。
 そして、スパイダーズ盤が収録されているアルバムを調べていく中で、何ともひょっこりと、ジョーイ・ロングによるシングル盤を発見したのでした。
 驚きとともに、喜びが込み上げてきました。

 私は、感激のあまり、久々にYoutubeに動画をアップすることにしました。
 今まで私は、ウインドウズの付属ソフト、Windowsムービー・メイカーで動画を作ってきました。
 基本は、音源に複数の静止画を使って、スライド・ムービーを作るという方法です。

 しかし、今回、初めてビデオ動画を作ってみました。
 レコード・プレイヤーにビニール盤をのせて再生している映像です。
 これまで、他の人の作品でよく見てきたパターンです。

 実は、これをiPhoneでやったのですが、カルチャー・ショックに襲われました。
iPhoneには、カメラ機能に加え、ビデオ撮影機能があります。

 私の当初の段取りでは、撮影したビデオ映像をメールでパソコンへ送り、いつものWindowsムービー・メイカーでYoutube動画に加工するつもりだったのです。

 ところが、iPhoneで、撮影したビデオをメールに添付しようとして失敗しました。
 「メールで送る」を選んでいるのですが、うまくいかないのです。
 イラつき始めた私に、驚きが待っていました。

 何とそんなことをしなくても、「Youtubeへ投稿する」というボタンがあるではないですか!?
 正確には、ボタンを押すわけではなく、指でタッチするだけです。
 タッチすると、まもなく「動画を加工しています」というメッセージがでて、圧縮が始まりました。
 自動でYoutube動画へとコンバートしてくれるのでした。
 そして、その流れのまま、PCを介さず、ダイレクトにYoutubeに投稿まで完了できたのです。

 Windowsムービー・メイカーで、ちまちまと編集していたことを思いますと、夢のようです。
 iPhoneでのビデオ映像の投稿のイージーさを知ると、静止画からスライド動画を作ることが億劫になりそうです。
 
 私だけが自己満足に浸り気味ですが、実は、アップした当日に、早くもどこか外国の方からコメントをいただきました。(コメントは私だけがアクセスできます。)
 世界のどこかには、同じような嗜好の人がいること、しかもジョーイ・ロング盤に喜ぶ人がいたことは驚きでした。(しかも反応が早すぎる!)

 まあ、全く関心がない方も多いと思いますが、今回は私の「はしゃぎぶり」にお付き合いください。

 さて、ひとつの願いをクリアした私ですが、煩悩は尽きません。
 今私が関心を寄せているひとつとして、Simon Reyes and Outerlimitsというバンドがあります。

 私は、ロイ・ヘッドが好きなのですが、彼が吹き込んだ曲で、特に気に入っている曲に、Mama Mamaという曲があります。
 Simon Reyesは、この曲の作者で、自身のバンド、Outerlimitsで作者自演盤があるようなのです。
 またまた、次の追っかけ対象を見つけてしまった私なのでした。



Joey Long盤、I'm Glad For Your Sakeです。




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