一言で答えるのは難しい。
著者で、アナキズム思想研究などを行う長崎大准教授の森元斎さんは暴力を「上から」と「下から」とに分けて論じる。
「上から」の「構造的暴力」は「個人同士ではなく、ヒエラルキーによって行使される物」と説明。
「岸田首相が『暴力に屈せず、民主主義を断固として守り抜く』と言いましたが、権力を持ち、ヒエラウキーの上にいる人間が下にいる者に向けて使う『暴力』と言う言葉には暴力性や欺瞞がある」と指摘する。
「下からの暴力」では、女性参政権獲得の為に打ち壊し等の暴力も用いて活動した英国の「サフラジェット」を取り上げた。
暴動を起こす際も一般の人達に怪我人が出ない様訓練を受け、刑務所に収容されてもハンストで抵抗し、時にはチューブで鼻から強制的に食事を取らせる様な暴力を受けて命を落とす者を出しながらも、権利獲得の為格闘した女性達だ。
「暴力は誰もが有する物。だからこそ、様々な角度から、丁寧に立体的に見る必要があると思うんです」
「死なない為の暴力論」 森 元斎さん 1983年生まれ、東京都出身。
著書に「具体性の哲学」「もう革命しかないもんね」など。
愛媛新聞 書いた、思った、考えたから
暴力を上からと下からとに分けて論じる。
岸田首相の言葉には暴力性や欺瞞があるらしい。
確かに。
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