
2024年11月29日
理性よりも感情が支配
米大統領選の後、米国籍を持つ知人と話す機会があった。
彼は人権や多様性を重んじる、所謂「リベラル」な考えを持つ人間で、民主党のハリス氏に投票したと言う。
「でもここだけの話」と彼は言った。
「(共和党の)トランプ氏が勝つと思っていた。正直今の民主党は----------、偽善に見えてしまう」
彼はトランプ氏の事を「乱暴者」と評した。
でも「偽善者」と「乱暴者」なら、人々は「乱暴者」を信頼すると。
彼以外の米国の知人も良く言うのだけど、今の民主党、共和党、何方に投票しても、米国が良くなるとは思えないと言う。
その政治不信が、型破りなトランプ氏の再選を生んだとも言える。
加えて言えば、選挙が益々理性よりも演出された「熱」に、感情に支配される様になった。
では人々がトランプ氏に失望した時、一体何が起こるのか。
今の日本の政治は如何だろう。
日本は保守政党が長く政権を握り、富裕層の周辺以外は、どんどん不景気になっている。
弱肉強食の価値観の中、人々は互いにいがみ合っている様に見える。
本来なら格差を減らす様な価値観の転換が起こっても良い筈だが、そうはならない。
理性より感情が強くなると、社会は優しさより攻撃へ傾く。
日本維新の会、国民民主党も夫々保守寄りで、本来リベラルだった立憲民主党も、党首は保守系の人間になった。
保守同士が集まり、争う振りをしながら、まるで自民党政治を延命している様に見える。
人々がこの政治体制に失望した時、日本は如何なるか。
恐らく、トランプ氏の様な過激な存在を求めるだろう。
そしてもっと弱肉強食な社会になり、ストレスをぶつけ合う様になってしまうかも知れない。
それとも、可能性はかなり低いけれど、価値観の転換に向かうだろうか。
作家 中村 文則 1977年愛知県生まれ。 「土の中の子供」で芥川賞、「列」で野間文芸賞。
他の著書に「掏摸」「教団 X 」など。
愛媛新聞 寄稿から
価値観の転換を起こす必要があるらしい。
リベラルの立憲民主党が必要だ。
自民の様な保守はもういらないらしい。
彼は人権や多様性を重んじる、所謂「リベラル」な考えを持つ人間で、民主党のハリス氏に投票したと言う。
「でもここだけの話」と彼は言った。
「(共和党の)トランプ氏が勝つと思っていた。正直今の民主党は----------、偽善に見えてしまう」
彼はトランプ氏の事を「乱暴者」と評した。
でも「偽善者」と「乱暴者」なら、人々は「乱暴者」を信頼すると。
彼以外の米国の知人も良く言うのだけど、今の民主党、共和党、何方に投票しても、米国が良くなるとは思えないと言う。
その政治不信が、型破りなトランプ氏の再選を生んだとも言える。
加えて言えば、選挙が益々理性よりも演出された「熱」に、感情に支配される様になった。
では人々がトランプ氏に失望した時、一体何が起こるのか。
今の日本の政治は如何だろう。
日本は保守政党が長く政権を握り、富裕層の周辺以外は、どんどん不景気になっている。
弱肉強食の価値観の中、人々は互いにいがみ合っている様に見える。
本来なら格差を減らす様な価値観の転換が起こっても良い筈だが、そうはならない。
理性より感情が強くなると、社会は優しさより攻撃へ傾く。
日本維新の会、国民民主党も夫々保守寄りで、本来リベラルだった立憲民主党も、党首は保守系の人間になった。
保守同士が集まり、争う振りをしながら、まるで自民党政治を延命している様に見える。
人々がこの政治体制に失望した時、日本は如何なるか。
恐らく、トランプ氏の様な過激な存在を求めるだろう。
そしてもっと弱肉強食な社会になり、ストレスをぶつけ合う様になってしまうかも知れない。
それとも、可能性はかなり低いけれど、価値観の転換に向かうだろうか。
作家 中村 文則 1977年愛知県生まれ。 「土の中の子供」で芥川賞、「列」で野間文芸賞。
他の著書に「掏摸」「教団 X 」など。
愛媛新聞 寄稿から
価値観の転換を起こす必要があるらしい。
リベラルの立憲民主党が必要だ。
自民の様な保守はもういらないらしい。