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2017年12月27日
S状結腸鏡検査よりも大腸CT検査の方が苦痛は少ない! と受診者の方々はイメージするよ
★★第12回GAIA予定!!━━━━━━━━━━━━━━━
第12回GAIAを来年30年3月11日(日)に金沢で開催します。
大腸CT 検査の基礎的な講義に加え、導入までの過程や、
読影などの問題点、啓蒙活動の工夫などを
ディスカッションしますよ!
さらになんと、「AI(人工知能)を活用した内視鏡診断」、
「大腸カプセル内視鏡」、「大腸がん検診」、
「AR:拡張現実感」について、
各分野のオピニオンリーダーの先生方のご講演も聞けます!!
皆様のご参加をお待ちしております。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━★★
香川県のK先生からご質問をいただきました。
ありがとうございます!
良い質問なので共有させていただきます。
(K先生の承諾済み)
【ご質問】
>S状結腸憩室症で背臥位、腹臥位ともふくらみが悪いとき
>腫瘤の有無の判断はどうしたらよいでしょうか?
【回答】
拡張が完全でなくとも、1センチ以上の隆起性病変が拾えるという判断であれば、
その範囲内で診断をすることになります。
1センチ以上の病変でさえも診断できないという場合には、
撮影時の判断として3体位目の撮影を追加するということになります。
あわせて、「これ1冊でわかる!大腸CTプロフェッショナル100のレシピ」
の77ページもご参照ください。
PubMedから、今日のつぶやき − 144 −
Senore C, et al. Flexible Sigmoidoscopy and CT Colonography Screening: Patients' Experience with and Factors for Undergoing Screening-Insight from the Proteus Colon Trial. Radiology. 2017 Oct 17:170228. doi: 10.1148/radiol.2017170228. [Epub ahead of print]
さて、今回の論文「S状結腸鏡検査と大腸CT検査による大腸がん検診
ー受診者の受容性と検診に参加する要因に関する検討ー」
の考察をみてみましょう。
【考察】
検診としての大腸CT検査に参加しなかった原因として、
検査とそれに関係するリスク(医療被ばくを含む)を
あげた人は4%に過ぎなかった。
一方で、S状結腸鏡検査を受けない人の理由の大半は
検査が痛そう、不快そう、または偶発症が心配、
といったことが過去の研究から判明している
この結果から判断すると、S状結腸鏡検査よりも
大腸CT検査の方が検査そのものの苦痛は少ない
と一般の人からイメージされているようである。
【解説】
面白い考察ですね。
大腸の精密検査方法として、大腸CT検査と
S状結腸鏡検査はともに侵襲が少ないと認識されています。
その両者で、検査自体の負担は大腸CT検査
の方がより少ないとイメージされているのは
新しい知見です。
ですが、腸管前処置の負担で負けてしまっては
元も子もないですね。
大腸CT検査の腸管前処置は、工夫すべきだと思います。
個人的な推奨は低容量PEG-C(400〜800mL)
あるいは低容量MP-C(800m程度)ですね。
そして、大腸CT検査ではその有用性が
否定的である、前投薬:ブスコパン注射
の使用も・・・。
効果があるならまだしも・・
筋注で行っている場合には、相当
受診者の受容性を下げているのではないでしょうか。
それでは、また。
続きます〜〜
ご注意)必ずしも論文の内容をすべて網羅している情報ではございません。詳細にご興味の方は原文をご確認ください。つぶやきは正確な情報発信を心がけますが、その内容を保証するものではないことをどうぞご了承ください。
原文
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/29040021
★★重大ニュース!!━━━━━━━━━━━━━━━
日本消化器がん検診学会とGAIAの共催で実施した
「大腸CT検査の実態全国調査【臨床研究 GAIA-03】」
が放射線領域の代表的なジャーナル
「European Radiology(2016 Impact Factor: 3.967)」
に掲載されました!!
https://link.springer.com/article/10.1007/s00330-017-4920-y
委員の先生方に大変」ご尽力いただきました。
ご協力いただいた施設の医師や技師の皆様にも感謝です!
皆さま、本当にありがとうございました!!
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大腸CT検査のポイント集
毎日のつぶやきを経て増えていきますね。
<適応>
・閉塞性大腸がんに対して大腸CT検査は有用だが、手技に工夫が必要。
・完全閉塞症例には「PET/CT colonography」。
・内視鏡の検査待ちの日数を減らす役割もあり。
<検診>
・検診目的の大腸CT検査が保険でカバーされることで
大腸CT検査による検診受診率は735%増加した。
・検診目的の大腸CT検査が保険でカバーされることで
大腸内視鏡検査による検診受診率は38%増加した。
・腸管外病変診断による利益・不利益バランスには注意が必要。
<検査食は不要>
・低容量腸管前処置においても、ガストログラフィンを使えば食事制限は不要。
・腸管残渣の状態は食事制限の有無に左右されない。
・水溶性造影剤によるタギングの質は食事制限の有無に左右されない。
・食事制限の撤廃は患者の受容性向上に寄与する。
<腸管前処置>
・内視鏡後にガストログラフィン30mLを服用したら約4時間後に大腸CT検査をしよう。
・自動送気装置の使用は穿孔頻度を下げる。
<腸管拡張>
・右側臥位は最適な腸管拡張を得るためのベストポジションである。
・炭酸ガス自動送気装置は良好な腸管拡張を得るのに有用である。
・ブスコパンは腸管拡張の改善に寄与しない。
・自動送気装置の使用は穿孔頻度を下げる。
<読影>
・読影の飛ばしすぎは読影精度を下げるので要注意。
・トレーニングを積めば、都市部の病院でなくとも高い精度の検査が可能。
・検診目的の大腸CT検査は有症状者に対する大腸CT検査よりも、病変をみつけづらく読影には注意が必要。
<診断>
・C-RADSにおけるC1の5-10年の検査間隔は妥当
・大腸CT検査の中間期癌の頻度は非常に低い(0.1%、2/1429)
・便潜血陽性後から内視鏡を受けるまでの期間が10ヶ月以上になると大腸がん全般・進行がんのリスクが高まる。
<受診者の受容性>
・患者さんの苦痛度は炭酸ガス自動送気装置の使用やブスコパンの使用は影響しない。
<偶発症>
・閉塞性大腸がんでは穿孔のリスクが高くなるので注意しましょう。
・術前検査目的の大腸CT検査の穿孔率は0.028%。
・検診目的の大腸CT検査の穿孔率は0.003%。
・精検目的の大腸CT検査の穿孔率は0.014%。
・穿孔率は術前検査目的に比べて検診目的で有意に低い。
・穿孔症例の81%では外科治療が不要。
・自動送気装置の使用は穿孔のリスクを低減する。
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■読影トレーニングに関して重要なお知らせです。■
ここ数年、ボランティアで読影トレーニングを行ってきましたが、自身の業務が膨大になってきたこともあり、残念ながら永続的に続けることは困難な印象です。
一方で、学会で認定制度の設立に向けた動きが活発化してきました。
そこで申しわけありませんが、読影トレーニングの個人的な実施は今年一杯までとさせていただきたいと思います。。
トレーニングのレポートの受付と解答送付は今年一杯までとさせていただきます。
何卒、ご理解のほどよろしくお願い致します。
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