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2017年08月25日

【大腸CT検査アカデミー】今日のつぶやき − 58 −

おはようございます!
いよいよ明日、8月26日(土)に横浜で「大腸CT読影法入門」
について熱弁を振るいます!!

お越しいただいた方に絶対損はさせません。
是非、お越し下さい。



PubMedから、今日のつぶやき − 58 −


1) de Haan MC, et al. Colon distension, perceived burden and side-effects of CT-colonography for screening using hyoscine butylbromide or glucagon hydrochloride as bowel relaxant. Eur J Radiol 2012; 81:e910-6

2) Taylor SA, et al. Optimizing colonic distention for multi-detector row CT colonography: effect of hyoscine butylbromide and rectal balloon catheter. Radiology 2003; 229:99-108


昨日(ラインコミュニティの配信は7月3日)はジョギングと筋トレしてきました。
調子が良いときには1時間で12.5km走るのですが、昨日は12.2kmでした。
この300mの差で体調が分かるような気がします。
少し疲れているのかも〜〜
でも、年齢や重力に抗ってます〜笑



さて、ブスコパンの是非シリーズの続きです。

1)de Haanさんの論文の問題点

著者らは統計学的に、2群間で 性別、年齢、社会経済的ステータス、BMIを調整したので
、無作為割り付けではないけどセレクションバイアスは問題にならないと考察で言っています。

いや、無理がありますね。
なぜだと思いますか?

腸管拡張に大きな影響のある因子として、何が思いつくでしょうか?
大腸内視鏡検査や注腸X線の経験がある方でしたら分かると思います。

はい、
『憩室』
です。

憩室が多発している人では腸管が拡張しづらいですよね。

憩室がある人では送気あるいは内視鏡挿入の際に疼痛も生じやすい。

もちろん文献(根拠)もあります。

Sosna J, et al. CT colonography: positioning order and intracolonic pressure. AJR Am J Roentgenol 2008;191:W175-W180.

de Haanさんらは傾向スコア(プロペンシティスコア)を用いて2群間を比較したので問題ないといってます。
傾向スコアは患者背景の補正や交絡因子を取り除く方法なのですが、
腸管拡張を比較する際には憩室の有無も加味しなければいけません。

この点を私がEuropean Radiologyで査読(ピアレビュー)した際には指摘した次第です。


次回は2つ目のTaylorさんの論文をみていきましょう。


残暑が続きますので、
冷房と外の寒暖差にお気をつけくださいね!
続く〜〜



ご注意)必ずしも論文の内容をすべて網羅している情報ではございません。詳細にご興味の方は原文をご確認ください。つぶやきは正確な情報発信を心がけますが、その内容を保証するものではないことをどうぞご了承ください。


原文
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/22683196

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/12944595


★★重大ニュース!!━━━━━━━━━━━━━━━
日本消化器がん検診学会とGAIAの共催で実施した
「大腸CT検査の実態全国調査【臨床研究 GAIA-03】」
が放射線領域の代表的なジャーナル
「European Radiology(2016 Impact Factor: 3.967)」
に掲載されました!!



PubMedにも掲載済みですよ


委員の先生方に大変」ご尽力いただきました。
ご協力いただいた施設の医師や技師の皆様にも感謝です!
皆さま、本当にありがとうございました!!
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━★★




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大腸CT検査のポイント集
毎日のつぶやきを経て増えていきますね。

<適応>
・閉塞性大腸がんに対して大腸CT検査は有用だが、手技に工夫が必要。
・完全閉塞症例には「PET/CT colonography」。
・内視鏡の検査待ちの日数を減らす役割もあり。

<腸管前処置>
・内視鏡後にガストログラフィン30mLを服用したら約4時間後に大腸CT検査をしよう。

<腸管拡張>
・右側臥位は最適な腸管拡張を得るためのベストポジションである。
・炭酸ガス自動送気装置は良好な腸管拡張を得るのに有用である。
・ブスコパンは腸管拡張の改善に寄与しない。

<読影>
・読影の飛ばしすぎは読影精度を下げるので要注意。
・トレーニングを積めば、都市部の病院でなくとも高い精度の検査が可能。
・検診目的の大腸CT検査は有症状者に対する大腸CT検査よりも、病変をみつけづらく読影には注意が必要。

<診断>
・C-RADSにおけるC1の5-10年の検査間隔は妥当
・大腸CT検査の中間期癌の頻度は非常に低い(0.1%、2/1429)
・便潜血陽性後から内視鏡を受けるまでの期間が10ヶ月以上になると大腸がん全般・進行がんのリスクが高まる。

<受診者の受容性>
・患者さんの苦痛度は炭酸ガス自動送気装置の使用やブスコパンの使用は影響しない。

<偶発症>
・閉塞性大腸がんでは穿孔のリスクが高くなるので注意しましょう。








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■読影トレーニングに関して重要なお知らせです。■
ここ数年、ボランティアで読影トレーニングを行ってきましたが、自身の業務が膨大になってきたこともあり、残念ながら永続的に続けることは困難な印象です。
一方で、学会で認定制度の設立に向けた動きが活発化してきました。
そこで申しわけありませんが、読影トレーニングの個人的な実施は今年一杯までとさせていただきたいと思います。。
トレーニングのレポートの受付と解答送付は今年一杯までとさせていただきます。
何卒、ご理解のほどよろしくお願い致します。
タグ:ブスコパン
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プロフィール
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大腸の専門家 ナガイチ
大腸を専門に外科、内視鏡、画像診断のキャリアがあります。               経歴のご紹介:               1996年 国立医学部医学科卒業。       1996〜2007年 消化器外科、内視鏡医として従事。                    2007〜2011年 ハーバード大学 医学部 放射線科、マサチューセッツ総合病院に留学。 2009年〜国内のナショナルセンターに外来研究員として併任。               2011年 帰国し内視鏡医として従事。     2015年〜国内のナショナルセンターに常勤勤務。 2019年〜某国公立大学医学部医学科の特任教授として働いています。                  資格: 外科認定医・認定登録医、消化器内視鏡認定医・専門医・指導医、消化器病専門医、H. pylori(ピロリ菌)感染症認定医、消化器がん検診認定医、胃腸科専門医・指導医、アメリカ消化器内視鏡学会(American Society for Gastrointestinal Endoscopy) 国際会員、アメリカ消化器病学会(American College of Gastroenterology) 国際会員                    どうぞよろしくお願いいたします。              ご注意)個人的な病状に関するご相談、診療に準じるご相談にはお答えできませんので、何卒、ご容赦ください。
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