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2017年08月24日
【大腸CT検査アカデミー】今日のつぶやき − 57 −
おはようございます!
今週末 8月26日(土)に横浜で「大腸CT読影法入門」
について熱弁を振るいます!!
お越しいただいた方に絶対損はさせません。
是非、お越し下さい。
PubMedから、今日のつぶやき − 57 −
1) de Haan MC, et al. Colon distension, perceived burden and side-effects of CT-colonography for screening using hyoscine butylbromide or glucagon hydrochloride as bowel relaxant. Eur J Radiol 2012; 81:e910-6
2) Taylor SA, et al. Optimizing colonic distention for multi-detector row CT colonography: effect of hyoscine butylbromide and rectal balloon catheter. Radiology 2003; 229:99-108
1)de Haanさんの論文
の問題点
割付方法は研究においてとても大切なのですが、
本文の「2. Materials and methods」の「2.1. Study population」には
何にも記載されていません。
「COCOS trialのデータを使った、うんぬんかんぬん」としか書いてないんです。
で、なんと検査方法「2.2. CT-colonography」のなかに紛れ込ませて記載してるんですね。
普通ここは、技術的な内容のみ書くのが普通なのですが、ここに記載されているんです。
実に巧妙です。
・前日に低残渣食とヨード造影剤を与えた。
・当日、検査の1.5時間前にもヨード造影剤を与えた。
・腸管拡張は炭酸ガス送気装置を用いた。
・ガスの送気良は2.5L-3Lととし、送気時間は5分以内とした。
・撮影中も送気は継続した。
・撮影は64列CTでコリメーションは64x0.625、管電圧は120kV、管電流は25 red mA。
この中に忍ばせてるんです。
それは、
・前投薬として、ブスコパン20mgを静注し、
ブスコパンが使用できない症例にはグルカゴン1mgを静注した。
グルカゴンが禁忌の場合には、前投薬を使用しなかった。
う〜ん、すごすぎる。
検査方法の中に、割付方法を忍ばせて、しかもスタディフローチャートがまたすごい!
論文の中のFig 2をみると適切に割り付けているかのように勘違いさせます。
しかも、Figureは論文の中で目立ちます。
ぱっと見るときちんと割り付けられたスタディデザインに見えてしまう。
ブスコパン禁忌は、心疾患、前立腺肥大などですよね。
頑健な人の割合が少なく、患者背景は異なる可能性が高くなります。
事実、ブスコパン禁忌の人たちは、
体が弱っている人が多いという文献が多くあります。
それが前々回のつぶやき「− 55 −」に載せた文献1-5)になります。
著者らは統計学的に、2群間で
性別、年齢、社会経済的ステータス、BMIを調整したので、
無作為割り付けではないけどセレクションバイアスは問題にならない
と考察で言っています。
いや〜〜、無理があるでしょう。
腸管拡張に一番影響があるのは何だと思いますか?
大腸検査に携わっている方でしたら思い浮かぶと思います。
そのファクターを考慮したのか?ということですね。
さて、なんでしょう?
European Radiologyでは編集者にその点で無理がある、
とコメントしたら同意してくれてそのジャーナルはリジェクトしてくれたのですが・・。
次回に続く〜〜
それでは。
ご注意)必ずしも論文の内容をすべて網羅している情報ではございません。詳細にご興味の方は原文をご確認ください。つぶやきは正確な情報発信を心がけますが、その内容を保証するものではないことをどうぞご了承ください。
原文
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/22683196
★★重大ニュース!!━━━━━━━━━━━━━━━
日本消化器がん検診学会とGAIAの共催で実施した
「大腸CT検査の実態全国調査【臨床研究 GAIA-03】」
が放射線領域の代表的なジャーナル
「European Radiology(2016 Impact Factor: 3.967)」
に掲載されました!!
PubMedにも掲載済みですよ
委員の先生方に大変」ご尽力いただきました。
ご協力いただいた施設の医師や技師の皆様にも感謝です!
皆さま、本当にありがとうございました!!
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━★★
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大腸CT検査のポイント集
毎日のつぶやきを経て増えていきますね。
<適応>
・閉塞性大腸がんに対して大腸CT検査は有用だが、手技に工夫が必要。
・完全閉塞症例には「PET/CT colonography」。
・内視鏡の検査待ちの日数を減らす役割もあり。
<腸管前処置>
・内視鏡後にガストログラフィン30mLを服用したら約4時間後に大腸CT検査をしよう。
<腸管拡張>
・右側臥位は最適な腸管拡張を得るためのベストポジションである。
・炭酸ガス自動送気装置は良好な腸管拡張を得るのに有用である。
・ブスコパンは腸管拡張の改善に寄与しない。
<読影>
・読影の飛ばしすぎは読影精度を下げるので要注意。
・トレーニングを積めば、都市部の病院でなくとも高い精度の検査が可能。
・検診目的の大腸CT検査は有症状者に対する大腸CT検査よりも、病変をみつけづらく読影には注意が必要。
<診断>
・C-RADSにおけるC1の5-10年の検査間隔は妥当
・大腸CT検査の中間期癌の頻度は非常に低い(0.1%、2/1429)
・便潜血陽性後から内視鏡を受けるまでの期間が10ヶ月以上になると大腸がん全般・進行がんのリスクが高まる。
<受診者の受容性>
・患者さんの苦痛度は炭酸ガス自動送気装置の使用やブスコパンの使用は影響しない。
<偶発症>
・閉塞性大腸がんでは穿孔のリスクが高くなるので注意しましょう。
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メルマガタイトル:大腸CT検査アカデミー
日本の大腸CT検査の知識のボトムアップを狙っています。
最新の世界の知識を身につけることで、患者さんに還元するのはもちろんですが、きっと新しい研究の芽も生まれると信じています。
皆でパワーアップしていきたいですね!!
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メリット
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☆彡 入会希望の方はご連絡下さい
(恐れ入りますが、ラインコミュニティは医療関係者の方に限定させていただいております)
■読影トレーニングに関して重要なお知らせです。■
ここ数年、ボランティアで読影トレーニングを行ってきましたが、自身の業務が膨大になってきたこともあり、残念ながら永続的に続けることは困難な印象です。
一方で、学会で認定制度の設立に向けた動きが活発化してきました。
そこで申しわけありませんが、読影トレーニングの個人的な実施は今年一杯までとさせていただきたいと思います。。
トレーニングのレポートの受付と解答送付は今年一杯までとさせていただきます。
何卒、ご理解のほどよろしくお願い致します。
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それは、
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<読影>
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そこで申しわけありませんが、読影トレーニングの個人的な実施は今年一杯までとさせていただきたいと思います。。
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何卒、ご理解のほどよろしくお願い致します。