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2017年08月16日
【大腸CT検査アカデミー】今日のつぶやき − 51 −
PubMedから、今日のつぶやき − 51 −
Nagata K, et al. Colonic distention at CT colonography: randomized evaluation of both IV Hyoscine Butylbromide and automated carbon dioxide insufflation. AJR 2015; 204:76?82.
こんにちは。
さて、鎮痙剤を使用するべきか、使用しないべきか、気負わずに皆で楽しく考えていきましょう。
米国では、鎮痙剤を使用せずにうまく撮影できています。
なぜ??
白人は腸も強いのでへっちゃら!?
なんてことはないですよね。
ひとつは、日本のように注腸X線検査でこだわった撮影をしてこなかった歴史背景もあるのでしょう。
日本ではバリウムを腸壁にうまく張り付かせるために、
体位変換など細部にこだわりぬいた技術があります。
二重造影の技術は米国ではなかったと聞いています。
何が言いたいかというと、米国では大腸CT検査のときもあまり凝ったことせず、
自動早期装置に任せて2体位撮影して終わりってかんじです。
シンプルなんです。
大腸をガスで満たすだけで済むから、注腸X線検査のような体位変換は不用なんですね。
話しは少し変わって、以前いた静岡の病院では大腸内視鏡検査で鎮痙剤を使用していませんでした。
(私のポリシーではなく、検査フローの関係から)
でも、意外と挿入できるんです。
優しく挿入すれば。
でも、S状結腸の短縮に難儀して腸を刺激すると、腸は動き出します。
これはブスコパンが使用できな患者さんで、経験されている先生も多いと思います。
一方、憩室が多発している患者さん、憩室炎を繰り返している患者さんなどでは、
ブスコパン使用しても腸は膨らみません。
つまり、大腸CT検査のコツは、なるべく腸を刺激せず、
体位変換も少ないほうが上手く撮影できると考えています。
でも、考えている、そう信じている、だけでは駄目ですよね。
それを科学的に証明せねば。
それで行った臨床試験が今回取り上げた論文です。
じつはこれ以前に和文論文で一度、
鎮痙剤は不用だという研究結果を発表しています。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jcoloproctology/63/3/63_3_127/_article/-char/ja/
スタディデザインの兼合いから、エビデンスレベルが高くなかったんです。
で、日本に帰ってきてから、改めて新規に臨床試験を立ち上げました。
さて、問題です。
どんなスタディデザインにすれば、エビデンスレベルが高くなるでしょうか?
宿題です〜
今日はこの辺で〜
それでは。
ご注意)必ずしも論文の内容をすべて網羅している情報ではございません。詳細にご興味の方は原文をご確認ください。つぶやきは正確な情報発信を心がけますが、その内容を保証するものではないことをどうぞご了承ください。
原文
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25539240
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日本消化器がん検診学会とGAIAの共催で実施した
「大腸CT検査の実態全国調査【臨床研究 GAIA-03】」
が放射線領域の代表的なジャーナル
「European Radiology(2016 Impact Factor: 3.967)」
に掲載されました!!
https://link.springer.com/article/10.1007/s00330-017-4920-y
PubMedにも掲載済みですよ
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/28674967
委員の先生方に大変」ご尽力いただきました。
ご協力いただいた施設の医師や技師の皆様にも感謝です!
皆さま、本当にありがとうございました!!
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━★★
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大腸CT検査のポイント集
毎日のつぶやきを経て増えていきますね。
<適応>
・閉塞性大腸がんに対して大腸CT検査は有用だが、手技に工夫が必要。
・完全閉塞症例には「PET/CT colonography」。
・内視鏡の検査待ちの日数を減らす役割もあり。
<腸管前処置>
・内視鏡後にガストログラフィン30mLを服用したら約4時間後に大腸CT検査をしよう。
<腸管拡張>
・右側臥位は最適な腸管拡張を得るためのベストポジションである。
<読影>
・読影の飛ばしすぎは読影精度を下げるので要注意。
・トレーニングを積めば、都市部の病院でなくとも高い精度の検査が可能。
・検診目的の大腸CT検査は有症状者に対する大腸CT検査よりも、病変をみつけづらく読影には注意が必要。
<診断>
・C-RADSにおけるC1の5-10年の検査間隔は妥当
・大腸CT検査の中間期癌の頻度は非常に低い(0.1%、2/1429)
・便潜血陽性後から内視鏡を受けるまでの期間が10ヶ月以上になると大腸がん全般・進行がんのリスクが高まる。
<偶発症>
・閉塞性大腸がんでは穿孔のリスクが高くなるので注意しましょう。
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■読影トレーニングに関して重要なお知らせです。■
ここ数年、ボランティアで読影トレーニングを行ってきましたが、自身の業務が膨大になってきたこともあり、残念ながら永続的に続けることは困難な印象です。
一方で、学会で認定制度の設立に向けた動きが活発化してきました。
そこで申しわけありませんが、読影トレーニングの個人的な実施は今年一杯までとさせていただきたいと思います。。
トレーニングのレポートの受付と解答送付は今年一杯までとさせていただきます。
何卒、ご理解のほどよろしくお願い致します。
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<診断>
・C-RADSにおけるC1の5-10年の検査間隔は妥当
・大腸CT検査の中間期癌の頻度は非常に低い(0.1%、2/1429)
・便潜血陽性後から内視鏡を受けるまでの期間が10ヶ月以上になると大腸がん全般・進行がんのリスクが高まる。
<偶発症>
・閉塞性大腸がんでは穿孔のリスクが高くなるので注意しましょう。
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