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2017年08月22日
【大腸CT検査アカデミー】今日のつぶやき − 55 −
おはようございます!
9月3日(日)に広島で「第11回消化管先進画像診断研究会 (GAIA) 」
が開催されます。
モーニングセミナーではなんと
「AR(augmented reality:拡張現実感)」
に関する講演が聞けますよ!!
未来が変わる!未来をのぞいて見ましょう〜
是非、お越し下さい。
http://gaia.kenkyuukai.jp/event/event_detail.asp?id=25144
PubMedから、今日のつぶやき − 55 −
1) de Haan MC, et al. Colon distension, perceived burden and side-effects of CT-colonography for screening using hyoscine butylbromide or glucagon hydrochloride as bowel relaxant. Eur J Radiol 2012; 81:e910-6
2) Taylor SA, et al. Optimizing colonic distention for multi-detector row CT colonography: effect of hyoscine butylbromide and rectal balloon catheter. Radiology 2003; 229:99-108
日経新聞の今朝(ラインコミュニティ配信時の2017.6.28)の朝刊に掲載されていた記事
「がん検診 伸び悩む」をご紹介させていただきました。
詳細(ソース)は昨日公表された「平成28年 国民生活基礎調査」です。
http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-tyosa/k-tyosa16/index.html
III 世帯員の健康状況に記載されています。
いろいろお感じになったのではないでしょうか。
T橋さんのコメント
「「伸び悩む」というより「何故か伸びてる……」が正直な感想かも。
因みにH22からH25の大幅な伸びは、質問票の大幅変更が原因(つまり実際にそれだけ伸びたわけではない)
と言われてますね。」
そうですよね。なぜ伸びたのだろう〜〜。
伸びた理由があるのか、国民生活基礎調査という回答者のアンケートなので誤差範囲なのか、
理由が知りたいところです。
後半のT橋さんの説明はナイスです!
急激な伸びが不自然ですがアンケートの仕方の違いですね。
また、「あれ大腸がん検診の受診率ってこんなにたかかったっけ?」とお感じになった人もいるかと思います。
そうなんです。
低いデータもあるのです。
それは「地域保健・健康増進報告」に基づくデータです。
自分の記憶だと「国民生活基礎調査」に比べて15~20%くらい低かったような(記憶なので不正確です)。
「国民生活基礎調査」は高めに出ます。
「地域保健・健康増進報告」は低目に出ます。
また、T橋さんがコメントくれるかな笑〜
解説よろしくね!!
さて、前回までに紹介していた論文ではブスコパンを使っても、
大腸CT検査における腸管拡張は改善しないという結論でした。
まあ、自身の論文を紹介したので我田引水でしょう〜〜とお思いの方もいらっしゃると思います。
システマティックレビューで結論を紹介したいところですが、
残念ながらシステマティックレビューができるほど研究がまだないんですね。
ですが、私の論文の真反対の結論をだしている2つの論文1)2)を今回取り上げます。
そうしないとフェアでないですよね。
ちなみに1)の論文は、European Journal of Radiologyに掲載されていますが、前年に格上のジャーナルEuropean Radiologyに投稿されています。
なぜ、そんなことを知っているのか!?
自分がレビューを担当したからです。
1)の論文は研究デザイン上大きな問題があり、下記のコメント(下記はごく一部です))を編集者に返しました。
Comments to Editor:
The authors of this manuscript show that, Buscopan results in a significantly better colonic distension and a less burdensome examination, with lower costs as additional advantage. However, this study design is very poor and this article might make readers confusing. Although this is an interesting article, there seem to have major problems to accept this manuscript.
Study design
1. Selection bias of this study is very large because Glucagon group was just fragile participants who were Buscopan contra-indicated (glaucoma, prostatism, tachycardia or cardiac arrhythmias). Although the authors used propensity score stratification to adjust for a possible selection bias in making comparisons, this is NOT enough. Because propensity scores were only based on sex, age, socio-economic status and body mass index. Because glucagon group was fragile participants, diverticular disease are commonly seem in these participants(1-5). In general, distension of colon with diverticula is poor(6). Propensity scores should be based on diverticular disease.
References
(1) Foster KJ, et al. Prevalence of diverticular disease of the colon in patients with ischaemic heart disease. Gut 1978;19:1054-6.
(2) Trowell H, et al. Aspects of the epidemiology of diverticular disease and ischemic heart disease. Am J Dig Dis 1974 ;19:864-73.
(3) Gonzalez-Zuelgaray J, et al. Association of diverticular disease of the colon and vagal atrial fibrillation. Am J Cardiol 2002;89:475-7.
(4) Shivaraju A, et al. Temporal trends in gastrointestinal bleeding associated with percutaneous coronary intervention. Am Heart J 2011;162:1062-8.
(5) Mouton C, et al. The relationship between heart rate variability and time-course of carcinoembryonic antigen in colorectal cancer. Auton Neurosci 2012;166:96-9.
私の判定は「Reject」です。
かわいそうではありますが、European Radiologyでは採用されず、
European Journal of Radiologyへの掲載となっています。
なぜ、厳しいコメントしたのか、
今回取り上げた2つのブスコパン研究の内用と課題を今後取り上げていきますね。
よろしければ、皆さんもお考え下さい。
つづく〜
原文
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/22683196
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/12944595
★★重大ニュース!!━━━━━━━━━━━━━━━
日本消化器がん検診学会とGAIAの共催で実施した
「大腸CT検査の実態全国調査【臨床研究 GAIA-03】」
が放射線領域の代表的なジャーナル
「European Radiology(2016 Impact Factor: 3.967)」
に掲載されました!!
https://link.springer.com/article/10.1007/s00330-017-4920-y
PubMedにも掲載済みですよ
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/28674967
委員の先生方に大変」ご尽力いただきました。
ご協力いただいた施設の医師や技師の皆様にも感謝です!
皆さま、本当にありがとうございました!!
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━★★
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大腸CT検査のポイント集
毎日のつぶやきを経て増えていきますね。
<適応>
・閉塞性大腸がんに対して大腸CT検査は有用だが、手技に工夫が必要。
・完全閉塞症例には「PET/CT colonography」。
・内視鏡の検査待ちの日数を減らす役割もあり。
<腸管前処置>
・内視鏡後にガストログラフィン30mLを服用したら約4時間後に大腸CT検査をしよう。
<腸管拡張>
・右側臥位は最適な腸管拡張を得るためのベストポジションである。
・炭酸ガス自動送気装置は良好な腸管拡張を得るのに有用である。
・ブスコパンは腸管拡張の改善に寄与しない。
<読影>
・読影の飛ばしすぎは読影精度を下げるので要注意。
・トレーニングを積めば、都市部の病院でなくとも高い精度の検査が可能。
・検診目的の大腸CT検査は有症状者に対する大腸CT検査よりも、病変をみつけづらく読影には注意が必要。
<診断>
・C-RADSにおけるC1の5-10年の検査間隔は妥当
・大腸CT検査の中間期癌の頻度は非常に低い(0.1%、2/1429)
・便潜血陽性後から内視鏡を受けるまでの期間が10ヶ月以上になると大腸がん全般・進行がんのリスクが高まる。
<受診者の受容性>
・患者さんの苦痛度は炭酸ガス自動送気装置の使用やブスコパンの使用は影響しない。
<偶発症>
・閉塞性大腸がんでは穿孔のリスクが高くなるので注意しましょう。
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ここ数年、ボランティアで読影トレーニングを行ってきましたが、自身の業務が膨大になってきたこともあり、残念ながら永続的に続けることは困難な印象です。
一方で、学会で認定制度の設立に向けた動きが活発化してきました。
そこで申しわけありませんが、読影トレーニングの個人的な実施は今年一杯までとさせていただきたいと思います。。
トレーニングのレポートの受付と解答送付は今年一杯までとさせていただきます。
何卒、ご理解のほどよろしくお願い致します。
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1. Selection bias of this study is very large because Glucagon group was just fragile participants who were Buscopan contra-indicated (glaucoma, prostatism, tachycardia or cardiac arrhythmias). Although the authors used propensity score stratification to adjust for a possible selection bias in making comparisons, this is NOT enough. Because propensity scores were only based on sex, age, socio-economic status and body mass index. Because glucagon group was fragile participants, diverticular disease are commonly seem in these participants(1-5). In general, distension of colon with diverticula is poor(6). Propensity scores should be based on diverticular disease.
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https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/22683196
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