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posted by fanblog

2018年05月14日

大腸CTアカデミア 受診率が高い大腸CT検査は大腸がん検診法として費用対効果が高いよ!

★★第13回GAIA予定!!━━━━━━━━━━━━━━━
第13回GAIAを2018年9月9日(日)に大阪で開催します。
大腸CT検査の実践的な講義に加え、
大腸CT検査の標準化に必要な知識を是非持ち帰ってください!

さらに、「画像診断におけるAI(人工知能)の現在と未来」
のテーマでオピニオンリーダーの先生方の講演もありますよ!!

皆様のご参加をお待ちしております。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━★★






PubMedから、今日のつぶやき − 234 −


van der Meulen MP, et al. Colorectal Cancer: Cost-effectiveness of Colonoscopy versus CT Colonography Screening with Participation Rates and Costs. Radiology 2018 Feb 27:162359. doi: 10.1148/radiol.2017162359. [Epub ahead of print]



おはようございます。

さて、論文「受診率を考慮に入れた大腸がん検診の費用対効果
大腸内視鏡検査 vs 大腸CT検査」
のご紹介は今回で最後となります。

今回の研究から判明したことは
国の組織型検診もモダリティとしては、
大腸CT検査は大腸内視鏡検査よりも
好ましいということである。

もちろん、従来の便潜血検査
との比較については、
今後さらに検討する必要がある。

また、大腸CT検査と大腸内視鏡検査のどちらかを
受診者に選択をしてもらうのも良いだろう。

(受診者の行動を促すには良い方法だと思います)

なぜならば、検診未受診よりも
大腸CT検査あるいは大腸内視鏡検査の
どちらかを受けてもらった方が
費用対効果が高い
からである。

また、初回は最も費用対効果が高い
検査法で行い、検査未受診者に対して
別のモダリティの受診勧奨を行う方法も考えられる。

大腸がん検診のランダマイズコントロール
研究において、検診の検査方法の選択肢が
ある場合は、選択肢がない場合にと比べて
受診率が高くなることが判明している。

結論として、受診率が内視鏡より56%高い
大腸CT検査は大腸がん検診法として
費用対効果が高いといえる。

(感想)
検診が有効であるかどうかを結論するためには、
本来は死亡率減少効果の有無を調査する必要があります。

ある検査法が介入することで、そのがんによる死亡が
介入のない場合に比べて、
有意に高いことを証明する必要があるわけです。

また、不利益(偶発症、費用、不要な追加検査、
受診者の精神的・身体的負担などなど)
についても調査する必要がありますね。

ただ、死亡率減少効果の証明については
無症状の平均的リスクのある集団において
介入群と非介入群とで死亡率の差を検討するわけですから
(そもそもターゲットで死亡する人は少ない)
多くの対象者(万単位)と長い年月(死亡まで追跡するので、10年単位)
を必要とします。

当然のことながら調査に膨大な費用と人手がかかります。

そこで、最近はシミュレーションモデルの
きちんとしたモジュール・構造ができるのであれば、
代替的に有効性評価が可能だといわれるようになってきました。

とくに大腸がんではシミュレーションモデルが適用しやすい
ともいわれています。

そのシミュレーションモデルを用いた
注目度の高い研究論文ですね。

日本でも精検法の一つとして導入する場合に
非常に貴重なエビデンスの一つといえるでしょう。


ただ、注意してほしいことがあります!

費用対効果の論文もピンからキリまであります。


その判断として・・

シミュレーションモデルっていうとかっこよく聞こえるかもしれませんが、
その前提としているデータの正確性
(システマティックレビューによるメタアナリシスやガイドラインで引用されている
研究データなど)や
偶発症(大腸精密検査では少ないながらも深刻な結果につながりますので必ず)
を加味しているかなど、
費用対効果について書かれた論文究のレベルを冷静に判断する必用があります。



今回取り上げたこの論文は重要だと思いましたので、
だいぶ時間を掛けてご紹介をさせていただきました。

次回は別の論文をご紹介しますね。

それでは、また。



原文
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/29485322


ご注意)必ずしも論文の内容をすべて網羅している情報ではございません。詳細にご興味の方は原文をご確認ください。つぶやきは正確な情報発信を心がけますが、その内容を保証するものではないことをどうぞご了承ください。


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大腸の専門家 ナガイチ
大腸を専門に外科、内視鏡、画像診断のキャリアがあります。               経歴のご紹介:               1996年 国立医学部医学科卒業。       1996〜2007年 消化器外科、内視鏡医として従事。                    2007〜2011年 ハーバード大学 医学部 放射線科、マサチューセッツ総合病院に留学。 2009年〜国内のナショナルセンターに外来研究員として併任。               2011年 帰国し内視鏡医として従事。     2015年〜国内のナショナルセンターに常勤勤務。 2019年〜某国公立大学医学部医学科の特任教授として働いています。                  資格: 外科認定医・認定登録医、消化器内視鏡認定医・専門医・指導医、消化器病専門医、H. pylori(ピロリ菌)感染症認定医、消化器がん検診認定医、胃腸科専門医・指導医、アメリカ消化器内視鏡学会(American Society for Gastrointestinal Endoscopy) 国際会員、アメリカ消化器病学会(American College of Gastroenterology) 国際会員                    どうぞよろしくお願いいたします。              ご注意)個人的な病状に関するご相談、診療に準じるご相談にはお答えできませんので、何卒、ご容赦ください。
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