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posted by fanblog

2018年05月08日

大腸CTアカデミア 実際の受診率に基づくシミュレーションモデルの結果は!? 大腸内視鏡検査と大腸CT検査の両検査が補完しあうことで、検診・精検としての機能を高まる!

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大腸CTアカデミア
【医療従事者用】目次(平日版)
【一般の方用】目次(日曜・祝日版)
【腸長ダービー】目次(土曜版)
【医師のおすすめ】目次(不定期開催)
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PubMedから、今日のつぶやき − 230 −


van der Meulen MP, et al. Colorectal Cancer: Cost-effectiveness of Colonoscopy versus CT Colonography Screening with Participation Rates and Costs. Radiology 2018 Feb 27:162359. doi: 10.1148/radiol.2017162359. [Epub ahead of print]



それでは、論文「受診率を考慮に入れた大腸がん検診の費用対効果
大腸内視鏡検査 vs 大腸CT検査」
のご紹介の続きです。

Table 2の肝となる
「実際の受診率に基づくシミュレーションモデルの結果」を
みていきましょう。

シミュレーションモデルによる大腸内視鏡検査と大腸CT検査の
6ミリ以上の腫瘍性病変をカットオフとした大腸がん検診
50−70歳を対象とした10年に1回の検査

<実際の受診率の場合>

パラメーター / 大腸内視鏡検査 / 大腸CT検査

罹患率の減少効果 / 10.2% / 11.8%

死亡率の減少効果 / 12.3% / 16.3%

1000人あたりの死亡者の予防数 / 5 / 7

得られるQALY / 22 / 29

アデノーマの検出できた人の割合 / 7.6% / 7.4%

アドバンスアデノーマの検出できた人の割合 / 1.3% / 2.9%

大腸がんの検出できた人の割合 / 0.2% / 0.5%

生涯で偶発症を経験する1000人あたりの人数 / 1.5 / 1.4

生涯の内視鏡経験数 / 0.6 / 1.0

必要のない内視鏡検査 / 27.7 / 2.5

検診コスト / 68,212 / 82,999

サーベイランスコスト / 22,264 / 15,774

偶発症に要するコスト / 4,399 / 4,219

治療コスト / 72,540の減少 / 91,998の減少

総コスト / 22,335 / 38,846

機能ご紹介したように、全員が検診を受けてくれた場合には
総じて大腸内視鏡検査の方がメリットがありました。

しかし、検診を対象者全員が受けるということは現実的にはあり得ません。

検査の受診率を勘案すると、
メリットは大腸CT検査の方が上回りますね。


このあたりが、医療者側の意識と
罹患・死亡率を下げられない現実の結果の
ギャップにつながっているように思います。


実際の検査受診率を考慮すれば、
大腸CT検査の方が死亡率減少効果が高くなり
必要のない内視鏡検査を減らし、
不利益である偶発症も減らすことが可能になりそうです。

この意味することは、
大腸内視鏡検査ではなく大腸CT検査を
すればよいというのではもちろんありませんね。

両検査が補完しあうことで、
検診・精検としての機能を高めることにつながるのではないでしょうか。


この論文の著者達はどのように考えているでしょうか。

明日から考察をかいつまんで見てみたいと思います。


それでは、また。

原文
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/29485322


ご注意)必ずしも論文の内容をすべて網羅している情報ではございません。詳細にご興味の方は原文をご確認ください。つぶやきは正確な情報発信を心がけますが、その内容を保証するものではないことをどうぞご了承ください。


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プロフィール
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大腸の専門家 ナガイチ
大腸を専門に外科、内視鏡、画像診断のキャリアがあります。               経歴のご紹介:               1996年 国立医学部医学科卒業。       1996〜2007年 消化器外科、内視鏡医として従事。                    2007〜2011年 ハーバード大学 医学部 放射線科、マサチューセッツ総合病院に留学。 2009年〜国内のナショナルセンターに外来研究員として併任。               2011年 帰国し内視鏡医として従事。     2015年〜国内のナショナルセンターに常勤勤務。 2019年〜某国公立大学医学部医学科の特任教授として働いています。                  資格: 外科認定医・認定登録医、消化器内視鏡認定医・専門医・指導医、消化器病専門医、H. pylori(ピロリ菌)感染症認定医、消化器がん検診認定医、胃腸科専門医・指導医、アメリカ消化器内視鏡学会(American Society for Gastrointestinal Endoscopy) 国際会員、アメリカ消化器病学会(American College of Gastroenterology) 国際会員                    どうぞよろしくお願いいたします。              ご注意)個人的な病状に関するご相談、診療に準じるご相談にはお答えできませんので、何卒、ご容赦ください。
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