2018年03月08日
大腸CTアカデミア 日本初の大腸CT検査の大規模精度検証JANCTの結果を詳しくお伝えします!
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大腸CTアカデミア
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PubMedから、今日のつぶやき − 191 −
Nagata K, et al. Accuracy of CT Colonography for Detection of Polypoid and Nonpolypoid Neoplasia by Gastroenterologists and Radiologists: A Nationwide Multicenter Study in Japan. Am J Gastroenterol 2017;112:163-171.
論文「日本のナショナルマルチセンタースタディー:
消化器医と放射線科医の診断による大腸CT検査の隆起性病変と表面型病変の精度の検討」
の紹介の続きです。
今日はFigureとTableを主体に【結果】をみていきましょう。
「Figure 1」
(本論文ではオープンアクセスのため掲載しています)
スタディフローです。
14施設から1,257名の登録があり、
76名が除外されています。
さまざまな理由があるのですが、
2011年3月11日の震災がJANCTにも
影響しています。
医療被ばくが怖いからという理由で
参加申し込み後の辞退が5名。
検査日が2011年3月11日であったため、
中止となった方が1名。
1,181名が両検査に進みましたが、
このうち4例は内視鏡がトータルできず除外。
盲腸未到達例は4例、0.3%なので
許容範囲でしょう。
最終的に解析されたのは
1,171名です。
その内訳の詳細が「Table 1」になります。
6ミリ以上の腫瘍性病変がなかったのは864名
6-9ミリの腫瘍性病変を認めたのは133名
10ミリ以上の腫瘍性病変を認めたのは180名
「Table 2」
JANCTの要となる精度検証の結果です。
Per-participant、つまり患者さん単位での精度の詳細です。
6ミリ以上の腫瘍性病変の感度と特異度
消化器医 90% / 93%
放射線科医 86% / 90%
10ミリ以上の腫瘍性病変の感度と特異度
消化器医 93% / 99%
放射線科医 91% / 98%
「Table 3」
こちらもJANCTの要となる精度検証の結果です。
Per-lesion、つまり病変あたりの精度の詳細です。
6ミリ以上の腫瘍性病変の感度と陽性的中率
消化器医 82% / 82%
放射線科医 73% / 76%
10ミリ以上の腫瘍性病変の感度と陽性的中率
消化器医 89% / 94%
放射線科医 86% / 90%
ちなみに・・・。
横道にそれますが、
患者さん単位だと感度、特異度、陽性・陰性適中率は出せますが、
病変単位でみた場合、特異度、陰性適中率はでませんね。
?という場合には、2×2分割表を書いてみましょう。
(病変あり)(病変なし)
(検査陽性) A B
(検査陰性) C D
上の表で病変単位の場合「D」が出せませんね。
また、学会で時々見かけるのですが、
(困ったことに和文論文でもたまに見かけますが・・・)
対象症例全員にリファレンススタンダード
(大腸CT検査の場合は大腸内視鏡検査)
をしていないのに、感度を報告していることがあります!
全例に内視鏡をしていなければ、こちらは「C, D」が出せませんね。
とすると、本来は「D]を使わない陽性的中率しか出せないはずなんです。。
でも、ゴールドスタンダードを全例にしていない研究では、
なんと内視鏡実施例だけで計算をしてしまっているわけで、
出てきた数字は全く違う意味合いとなってしまいます。
きちんとしたジャーナルであれば問題ありませんが、
「感度」がどのように計算されているか、
注意を払うことも大切ですね。
長くなってしまったのでこのあたりにしますね。
それでは、また。
原文
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27779195
ご注意)必ずしも論文の内容をすべて網羅している情報ではございません。詳細にご興味の方は原文をご確認ください。つぶやきは正確な情報発信を心がけますが、その内容を保証するものではないことをどうぞご了承ください。
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ここ数年、ボランティアで読影トレーニングを行ってきましたが、
自身の業務が膨大になってきたこともあり、
残念ながら永続的に続けることは困難となりました。
2017年の春から予告しておりましたように、
ボランティアによる読影トレーニングの実施は
2017年末で終了いたしました。
何卒、ご理解のほどよろしくお願い致します。
●お願いとお断り●
本ブログの無断転用および複製を禁止いたします。
著者に無断で各種メディアに貼り付ける
などの行為は著作権違反となります。
読者の皆さまの大腸検査に対する知識のお役に立ちましたら幸いです。
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今日はFigureとTableを主体に【結果】をみていきましょう。
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「Table 2」
JANCTの要となる精度検証の結果です。
Per-participant、つまり患者さん単位での精度の詳細です。
6ミリ以上の腫瘍性病変の感度と特異度
消化器医 90% / 93%
放射線科医 86% / 90%
10ミリ以上の腫瘍性病変の感度と特異度
消化器医 93% / 99%
放射線科医 91% / 98%
「Table 3」
こちらもJANCTの要となる精度検証の結果です。
Per-lesion、つまり病変あたりの精度の詳細です。
6ミリ以上の腫瘍性病変の感度と陽性的中率
消化器医 82% / 82%
放射線科医 73% / 76%
10ミリ以上の腫瘍性病変の感度と陽性的中率
消化器医 89% / 94%
放射線科医 86% / 90%
ちなみに・・・。
横道にそれますが、
患者さん単位だと感度、特異度、陽性・陰性適中率は出せますが、
病変単位でみた場合、特異度、陰性適中率はでませんね。
?という場合には、2×2分割表を書いてみましょう。
(病変あり)(病変なし)
(検査陽性) A B
(検査陰性) C D
上の表で病変単位の場合「D」が出せませんね。
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とすると、本来は「D]を使わない陽性的中率しか出せないはずなんです。。
でも、ゴールドスタンダードを全例にしていない研究では、
なんと内視鏡実施例だけで計算をしてしまっているわけで、
出てきた数字は全く違う意味合いとなってしまいます。
きちんとしたジャーナルであれば問題ありませんが、
「感度」がどのように計算されているか、
注意を払うことも大切ですね。
長くなってしまったのでこのあたりにしますね。
それでは、また。
原文
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27779195
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