2018年03月09日
大腸CTアカデミア 大腸CT(CT colonography)検査による表面型(平坦型、フラット)病変の感度は!?
★★第12回GAIA!!━━━━━━━━━━━━━━━
第12回GAIAを今年3月11日(日)に金沢で開催します。
大腸CT 検査の基礎的な講義に加え、導入までの過程や、
読影などの問題点、啓蒙活動の工夫などを
ディスカッションしますよ!
さらになんと、「AI(人工知能)を活用した内視鏡診断」、
「大腸カプセル内視鏡」、「大腸がん検診」、
「AR:拡張現実感」について、
各分野のオピニオンリーダーの先生方のご講演も聞けます!!
皆様のご参加をお待ちしております。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━★★
PubMedから、今日のつぶやき − 192 −
Nagata K, et al. Accuracy of CT Colonography for Detection of Polypoid and Nonpolypoid Neoplasia by Gastroenterologists and Radiologists: A Nationwide Multicenter Study in Japan. Am J Gastroenterol 2017;112:163-171.
論文「日本のナショナルマルチセンタースタディー:
消化器医と放射線科医の診断による大腸CT検査の隆起性病変と表面型病変の精度の検討」
の紹介です。
【結果】の続きをみていきましょう。
「Figure 2」
(オープンアクセス論文のため掲載)
この研究のかなめの一つです。
隆起型病変(Ip、Is)および表面型病変(IIa)の感度を示しています。
大腸腫瘍肉眼分類が?の人は
大腸癌研究会のウェブサイトをご参照くださいね。
JANCTで採用したパリ分類ではIspという分類はありません。
(個人的には、IsとIspの境界はかなり主観的なように思います)
対象から558個の6ミリ以上の腫瘍性病変が検出されました。
このうち、441個、79%は隆起性病変、
117個、21%は表面型病変でした。
10ミリ以上の腫瘍性病変の肉眼型別(Ip, Is, IIaの順)の感度は
消化器科医 95%, 92%, 68%
放射線科医 94%, 87%, 61%
表面型病変の感度は、隆起性病変の感度に
比較して有意に低いのです。
前向きに大規模に表面型病変の検出精度を検討したのは
このJANCTが世界初なんです。
大腸CT検査の読影原理からすれば
想像されたことですが、それが証明されたわけですね。
この結果は、大腸CT検査の検査前の同意書にも組み込むことができるわけです。
表面型病変の検出精度が内視鏡に比べて劣ることに
患者さんに同意してもらった上で検査を受けてもらうべきでしょうね。
でも、完全な検査はないんですよ。
この点をJANCTの結果から、次回説明しますね。
それでは、また。
原文
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27779195
ご注意)必ずしも論文の内容をすべて網羅している情報ではございません。詳細にご興味の方は原文をご確認ください。つぶやきは正確な情報発信を心がけますが、その内容を保証するものではないことをどうぞご了承ください。
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