2017年09月21日
大腸CT(CT colonography)検査の腸管穿孔頻度は内視鏡検査より少ないのか!?
おはようございます!
2018年10月8日(日)に郡山でシンポジウム「増えている大腸癌 診断と治療における最新の進歩」が開催されます。
是非、ご参加くださいね!
第11回消化管先進画像診断研究会 (GAIA)をメディカルアイ様に取材していただきました!
PubMedから、今日のつぶやき − 76 −
文献1)
Nagata K, et al. Adverse events during CT colonography for screening, diagnosis and preoperative staging of colorectal cancer: a Japanese national survey. Eur Radiol. 2017 Jul 3. doi: 10.1007/s00330-017-4920-y. [Epub ahead of print]
文献2)
Reumkens A, et al. Post-Colonoscopy Complications: A Systematic Review, Time Trends, and Meta-Analysis of Population-Based Studies. Am J Gastroenterol 2016; 111: 1092-101.
「つぶやき − 71 −」からお送りしてきた「大腸CT検査の日本の実態全国調査」論文
のご紹介ですが、大切なテーマなのでもう少しみてきたいと思います。
本日はDiscussionから、大腸内視鏡検査における腸管穿孔との比較を考えてみましょう。
その前に日本の穿孔頻度の世界における立ち位置をみてみましょう。
日本の大腸CT検査に伴う穿孔頻度は
0.014% (21/147,439)
でした。
外科治療を必要とする穿孔頻度は
0.003% (4/147,439)
でした。
これはイタリアの全国集計と類似しています。
イタリアの大腸CT検査に伴う穿孔頻度は
0.017% (7/40,121)
です。
なお、検査目的は検診および精検目的で、
イタリアの集計では術前検査目的は含まれません。
ちなみにシステマティックレビューによるメタアナリシスでは、
大腸CT検査に伴う穿孔頻度は
0.04%
です。
日本やイタリアは穿孔頻度が低いですね。
日伊の調査は比較的最近のため、
最新の検査法(自動送気装置の使用など)の症例の占める割合が
多くなっているためだと考えています。
さて、大腸内視鏡検査の穿孔頻度と比較すると結果はいかに?!
American Journal of Gastroenterologyに2016年に掲載された
システマティックレビューによるメタアナリシスと比較してみましょう。
(文献2)
この論文も面白いですよ。
一読おすすめします。
このメタアナリシスから、内視鏡治療を伴わない
大腸内視鏡検査による穿孔頻度は
0.04%です。
なんと!!
メタアナリシスによる大腸CT検査の穿孔頻度と同率です!
大腸CT検査は大腸内視鏡検査より安全ではなかったのか?!
さあ、どうなのでしょうか?
気になるとことですね。
是非、皆さんもこの結果についてお考えください。
次回に続く〜〜〜
それではまた。
原文
文献1) https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/28674967
文献2) https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27296945
ご注意)必ずしも論文の内容をすべて網羅している情報ではございません。詳細にご興味の方は原文をご確認ください。つぶやきは正確な情報発信を心がけますが、その内容を保証するものではないことをどうぞご了承ください。
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精密検査に大腸CT検査が明記されるようになりましたよ!
http://canscreen.ncc.go.jp/pdf/3/yoshiki4_daicho.pdf
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大腸CT検査のポイント集
毎日のつぶやきを経て増えていきますね。
<適応>
・閉塞性大腸がんに対して大腸CT検査は有用だが、手技に工夫が必要。
・完全閉塞症例には「PET/CT colonography」。
・内視鏡の検査待ちの日数を減らす役割もあり。
<腸管前処置>
・内視鏡後にガストログラフィン30mLを服用したら約4時間後に大腸CT検査をしよう。
・自動送気装置の使用は穿孔頻度を下げる。
<腸管拡張>
・右側臥位は最適な腸管拡張を得るためのベストポジションである。
・炭酸ガス自動送気装置は良好な腸管拡張を得るのに有用である。
・ブスコパンは腸管拡張の改善に寄与しない。
・自動送気装置の使用は穿孔頻度を下げる。
<読影>
・読影の飛ばしすぎは読影精度を下げるので要注意。
・トレーニングを積めば、都市部の病院でなくとも高い精度の検査が可能。
・検診目的の大腸CT検査は有症状者に対する大腸CT検査よりも、病変をみつけづらく読影には注意が必要。
<診断>
・C-RADSにおけるC1の5-10年の検査間隔は妥当
・大腸CT検査の中間期癌の頻度は非常に低い(0.1%、2/1429)
・便潜血陽性後から内視鏡を受けるまでの期間が10ヶ月以上になると大腸がん全般・進行がんのリスクが高まる。
<受診者の受容性>
・患者さんの苦痛度は炭酸ガス自動送気装置の使用やブスコパンの使用は影響しない。
<偶発症>
・閉塞性大腸がんでは穿孔のリスクが高くなるので注意しましょう。
・術前検査目的の大腸CT検査の穿孔率は0.028%。
・検診目的の大腸CT検査の穿孔率は0.003%。
・精検目的の大腸CT検査の穿孔率は0.014%。
・穿孔率は術前検査目的に比べて検診目的で有意に低い。
・穿孔症例の81%では外科治療が不要。
・自動送気装置の使用は穿孔のリスクを低減する。
◆メルマガ登録ページ◆
メルマガタイトル:大腸CT検査アカデミー
http://www.mag2.com/m/0001679515.html
日本の大腸CT検査の知識のボトムアップを狙っています。
最新の世界の知識を身につけることで、患者さんに還元するのはもちろんですが、きっと新しい研究の芽も生まれると信じています。
皆でパワーアップしていきたいですね!!
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メリット
・画像が共有できる!
・最新の情報を入手できる。
・仲間と意見を交換できる。
・待ち時間に気軽にみられる。
・配信されたことがすぐに分かる。
☆彡 入会希望の方はご連絡下さい
(恐れ入りますが、ラインコミュニティは医療関係者の方に限定させていただいております)
■読影トレーニングに関して重要なお知らせです。■
ここ数年、ボランティアで読影トレーニングを行ってきましたが、
自身の業務が膨大になってきたこともあり、残念ながら永続的に続けることは困難な印象です。
一方で、学会で認定制度の設立に向けた動きが活発化してきました。
そこで申しわけありませんが、読影トレーニングの個人的な実施は
今年一杯までとさせていただきたいと思います。。
トレーニングのレポートの受付と解答送付は今年一杯までとさせていただきます。
何卒、ご理解のほどよろしくお願い致します。
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なお、検査目的は検診および精検目的で、
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ちなみにシステマティックレビューによるメタアナリシスでは、
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0.04%
です。
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多くなっているためだと考えています。
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(文献2)
この論文も面白いですよ。
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大腸内視鏡検査による穿孔頻度は
0.04%です。
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さあ、どうなのでしょうか?
気になるとことですね。
是非、皆さんもこの結果についてお考えください。
次回に続く〜〜〜
それではまた。
原文
文献1) https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/28674967
文献2) https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27296945
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