2017年09月20日
「大腸CT検査の実態全国調査」 大腸穿孔の詳細な解析を見てみよう!! どうすれば安全にできるか考えてみよう
おはようございます!
2018年3月11(日)に金沢で「第12回消化管先進画像診断研究会 (GAIA) 」
が開催されます。
取り上げてほしい企画がありましたら、お気軽にご連絡下さい〜
第11回消化管先進画像診断研究会 (GAIA)をメディカルアイ様に取材していただきました!
ありがとうございます!!
PubMedから、今日のつぶやき − 75 −
Nagata K, et al. Adverse events during CT colonography for screening, diagnosis and preoperative staging of colorectal cancer: a Japanese national survey. Eur Radiol. 2017 Jul 3. doi: 10.1007/s00330-017-4920-y. [Epub ahead of print]
日本で実施された「大腸CT検査の実態全国調査」論文
のご紹介の続きです。
つぶやきをお読みいただければ、
この論文の詳細をいち早く知ることができます!
ブログ読者特典ですね〜
調査時の検査総数は14万7,439件のうち
腸管穿孔は21件でした。
頻度は0.014%。
95%信頼区間は、0.009-0.022%になります。
非常に稀といってよいですね。
穿孔症例の平均年齢は71歳(43-86歳)。
性別は、男性が38%。
今日のつぶやき − 72 −の繰り返しになりますが
検査目的別では、
検診: 0.003%(1/29,823)
精検: 0.014%(13/91,007)
術前検査:0.028%(7/25,330)
検診では、術前検査に比べ有意に頻度が少ない結果でした。
検診と精検では、有意差がない結果でした。
ですが、欧米からの報告では、
「検診は精検に比べて有意に穿孔が少ない」とされています。
まあ、健常者の割合が多いほど、穿孔は少ないといえるでしょう。
穿孔の部位別では
直腸: 53%
S状結腸: 21%
下行結腸:11%
横行結腸:11%
上行結腸: 5%
という結果です。
遠位側のリスクが高いと言えそうです。
送気方法別の穿孔頻度は
自動送気: 0.0088%(12/136,504)
手動送気: 0.092% (8/8,673)
自動送気の方が一桁安心ですね。
大腸CT検査前の大腸内視鏡検査の実施状況
穿孔例の52%が直前に大腸内視鏡検査が実施されていた。
穿孔例21例のうち、外科治療を要したのは4例。
外科手術を要する穿孔頻度は0.003%(4/147,439)。
施設種類別の穿孔頻度は
大学など教育機関:0.064%
一般病院: 0.015%
クリニック: 0.004%
大学で穿孔の頻度が高いのは、術前症例の検査が多いからだと考えられます。
いかがでしょうか?
ご参考になれば幸いです。
もう少しこの論文を続けようと思います。
それでは、また。
ご注意)必ずしも論文の内容をすべて網羅している情報ではございません。詳細にご興味の方は原文をご確認ください。つぶやきは正確な情報発信を心がけますが、その内容を保証するものではないことをどうぞご了承ください。
原文
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/28674967
★重大ニュース!!━━━━━━━━━━━━━━━
新しい精検結果報告書雛型が国立がん研究センター
研究班ホームページにアップされました。
精密検査に大腸CT検査が明記されるようになりましたよ!
http://canscreen.ncc.go.jp/pdf/3/yoshiki4_daicho.pdf
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大腸CT検査のポイント集
毎日のつぶやきを経て増えていきますね。
<適応>
・閉塞性大腸がんに対して大腸CT検査は有用だが、手技に工夫が必要。
・完全閉塞症例には「PET/CT colonography」。
・内視鏡の検査待ちの日数を減らす役割もあり。
<腸管前処置>
・内視鏡後にガストログラフィン30mLを服用したら約4時間後に大腸CT検査をしよう。
<腸管拡張>
・右側臥位は最適な腸管拡張を得るためのベストポジションである。
・炭酸ガス自動送気装置は良好な腸管拡張を得るのに有用である。
・ブスコパンは腸管拡張の改善に寄与しない。
・自動送気装置の使用は穿孔頻度を下げる。
<読影>
・読影の飛ばしすぎは読影精度を下げるので要注意。
・トレーニングを積めば、都市部の病院でなくとも高い精度の検査が可能。
・検診目的の大腸CT検査は有症状者に対する大腸CT検査よりも、病変をみつけづらく読影には注意が必要。
<診断>
・C-RADSにおけるC1の5-10年の検査間隔は妥当
・大腸CT検査の中間期癌の頻度は非常に低い(0.1%、2/1429)
・便潜血陽性後から内視鏡を受けるまでの期間が10ヶ月以上になると大腸がん全般・進行がんのリスクが高まる。
<受診者の受容性>
・患者さんの苦痛度は炭酸ガス自動送気装置の使用やブスコパンの使用は影響しない。
<偶発症>
・閉塞性大腸がんでは穿孔のリスクが高くなるので注意しましょう。
・術前検査目的の大腸CT検査の穿孔率は0.028%。
・検診目的の大腸CT検査の穿孔率は0.003%。
・精検目的の大腸CT検査の穿孔率は0.014%。
・穿孔率は術前検査目的に比べて検診目的で有意に低い。
・穿孔症例の81%では外科治療が不要。
・自動送気装置の使用は穿孔のリスクを低減する。
◆メルマガ登録ページ◆
メルマガタイトル:大腸CT検査アカデミー
http://www.mag2.com/m/0001679515.html
日本の大腸CT検査の知識のボトムアップを狙っています。
最新の世界の知識を身につけることで、患者さんに還元するのはもちろんですが、きっと新しい研究の芽も生まれると信じています。
皆でパワーアップしていきたいですね!!
◆ラインコミュニティ「CTC Academy」の参加募集◆
メリット
・画像が共有できる!
・最新の情報を入手できる。
・仲間と意見を交換できる。
・待ち時間に気軽にみられる。
・配信されたことがすぐに分かる。
☆彡 入会希望の方はご連絡下さい
(恐れ入りますが、ラインコミュニティは医療関係者の方に限定させていただいております)
■読影トレーニングに関して重要なお知らせです。■
ここ数年、ボランティアで読影トレーニングを行ってきましたが、自身の業務が膨大になってきたこともあり、残念ながら永続的に続けることは困難な印象です。
一方で、学会で認定制度の設立に向けた動きが活発化してきました。
そこで申しわけありませんが、読影トレーニングの個人的な実施は今年一杯までとさせていただきたいと思います。。
トレーニングのレポートの受付と解答送付は今年一杯までとさせていただきます。
何卒、ご理解のほどよろしくお願い致します。
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まあ、健常者の割合が多いほど、穿孔は少ないといえるでしょう。
穿孔の部位別では
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施設種類別の穿孔頻度は
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