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2022年05月08日

コンクリートは頑丈だが年には勝てない


今年の3月16日に東北地方を襲った震度6強の地震の後片付けをしていて気が付いたことがあった。

建物が壊れたので現場打ちコンクリートの50cm四方の基礎を解体しようとした。

コンクリートを壊すのにコンクリートピックで端から壊し始めたが、

砕石とコンクリートは相互に密着しており、なかなか壊すのに手間取った。

たかが50cm四方のコンクリートを壊すのに休みながら5時間もかかった。

こんなに無筋のコンクリートを壊すのに手間と時間を要するとは、正直コンクリートの強度に驚いた。

労働安全衛生規則ではコンクリートの破砕や木材の伐採など振動が発生する機械の作業は1日2時間までとの規定がある。

これは、振動機械の振動で手の毛細血管が壊れてはくろう病などの職業病になるためである。

はくろう病になると、手に力が入らなくなったり、血行不良で手が冷えたりで

日常生活に支障をきたす病気になるとされる。

コンクリートは引っ張りに弱く、圧縮に強い素材であるが、

岩とは違って、層理がないために、どの方向にも強さをもっている。

岩盤の場合、層理があることが多いので、層理の方向に力を入れて叩くと割れやすい。

ところがコンクリートは四方の砕石との間をコンクリートが密着している。

壊すのも一苦労だ。

人類の歴史を見ると、圧縮強度が均等に高いコンクリートの中に 引っ張り強度に優れた

鉄筋を入れることで発明された鉄筋コンクリートは今から150年ほど前に始まり

その後鉄筋コンクリートで建設された、高層ビルや橋、土木構造物が社会の発展に大いに寄与してきた歴史がある。

コンクリートの利点は岩や石のような固まった重い材料を現場に搬入するのではなく、

コンクリート、骨材と水を攪拌して生コン工場で製造して、

生コン車で現場へ搬入して型枠に流しこむことで設計したどうりの形にできる。

このような固まらない流体上のコンクリートを現場に搬入して高い場所へは圧送で送れる搬入も利点である。

しかし、頑丈なコンクリートだが年月を経ることに劣化することが知られており

その耐用年数は一般的な環境での普通のコンクリートで50年程度とされる

日本の橋やトンネル、河川構造物、擁壁などのインフラは高度成長期に多く建造されており

もうすでに50年経過して安全性に懸念が出始めている。

特にコンクリート構造物で問題となった事故が中央自動車の笹子トンネルの天井版崩落事故である。

この事故で尊い命がなくなった。とてもショックな事故だった。

そこで国土交通省は平成26年より、橋梁やトンネルなどの5年ごとの点検を全国の官公庁と自治体の義務とした。

点検で異常がみつかると、補修や補強、場合によっては架け替えや廃止がなされる。

今回、自分でコンクリートの基礎を壊した際に気が付いたことは、

コンクリート塊に水をかけて染み込ませながら破砕すると壊れやすかったことだ。

コンクリートの経年劣化のメカ二ズムは大気中の二酸化炭素と雨や水分によって

化学反応を起こし、コンクリートの結合力や強度が低下することで、

重さや圧力に耐えられなくなることで構造物が破壊することがある。

強固なコンクリートといっても海岸近くや酸性の温泉水を排水する河川では劣化が早く

また、重量の重い貨物トラックが走る高速道路などでは使用環境が厳しく経年劣化や損傷が避けられないのだ。

コンクリート構造物も人と同様に悪い環境にあると寿命がちじむのである。


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