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2014年08月20日
真駒内川で型物やまめ
お盆休みはどの川も釣人で溢れ、遠征でもしない限り釣果が期待できない状況だった。そのため、今回は敢えて実績の少ない近場の真駒内川に入った。
真駒内川は、空沼岳の麓にある万計沼から流れ出る万計川と、同じ空沼岳の長沼を源流とした湯ノ沢川が支流で、空沼岳登山道入口の湯ノ沢で合流する。その後、常盤、真駒内、鮭の科学館横と、市街地を経由して豊平川に流れ込む。やまめ稚魚の放流を長年続けているために、大きく育ったやまめが街中でも竿先を揺らす貴重な川だ。また、海に下ったやまめが、サクラマスとなって遡上する川としても知られている。
真駒内川には、豊平川との合流地点から10キロほど上流にある堰堤まで、魚道の設けられた堰堤がいくつも構築されている。しかし、「小滝1号橋」上流にある古い堰堤には魚道が設けられていないために、ここでサクラマスの遡上は終わる。この堰堤の上流にもやまめは生息するが、放流された1歳魚がほとんどで、型物の姿は見られない。
本格的な渓流釣りを行うならば、支笏湖に向かう国道453号線と、空沼岳の登山道につながる市道が交差する地点から400メートル上流の魚道付きの堰堤から、小滝1号橋の堰堤までの約1キロの区間。距離であらわすと非常に短く感じるが、いたるところに落ち込みや流れ込み、淵、ボサ、プールが存在してその都度釣人の足を止める。
この川での釣りは3年ぶりだ。これまでの釣果はほとんどが新子やまめ。今回のような機会がなければ、来ることはなかったと思う。景観が隣の地域を流れる厚別川上流と似ていることも一因だ。
厚別川上流域は、清々しく強い流れの山岳渓流ではない。かといって、涌水河川のような水が冷たく澄んでいるわけでもない。一口でいうと、田園地帯を流れる里川のような川だ。真駒内川もこれと同じイメージを持つ。
今回の入渓地点は小滝1号橋と上流の堰堤の間。はじめに、橋から100メートル上流の魚止めの堰堤を目指して遡行した。途中の早瀬から流れ込みに替わったポイントに#12のメイフライを流すと、新子やまめが反応して水中に引きずり込むが食いつかない。何度か同じことを繰りかえした後、10センチほどのやまめがスレ掛かりした。
さらに、堰堤の淵から流れ込みに替わるポイントにフライを送り込むと、少しサビの入った25センチを越えるやまめがヒットした。堰堤直下のプールでもあたりが頻発したが、型物の反応はない。
今度は、そこから1キロ先の下流に構築されている堰堤まで釣り下った。小滝1号橋から下流にかけてはなめ床が連続しており、ところどころに落ち込みと淵が点在する。その中のひとつで、先ほどのサイズと替わらない銀毛の美しい、虹鱒のようなやまめがヒット。その後も飽きないくらいに当たりがあり、3時間ほどで脱渓した。
今回の釣果に不満はないが、なぜか高揚感はなかった。釣り下っている最中に、始終何かに見られているように感じたことや、流れのなかに花束や墓に備えるお供物があったことも一因かもしれない。
写真左上:やまめの遡上を妨げる小滝1号橋上流の堰堤。同右上:流れ込みでヒットした型物やまめ。同左下:銀毛の美しい25センチ越えのやまめ、同右下:プール状のポイントもある真駒内川上流域。フライよりもルアーに向いているかもしれない
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