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2014年08月16日
「白井川支流・左股川釣行記」 そのA
今回の三の沢を経由した左股川上流は、全く初めてのポイント。すべて、北大工学部「北工会」誌に記載されたことをトレースして、実行した。 ただ、肝心の「天狗小屋ゲートから三の沢にはどれだけ時間が必要なのか」「沢をどのように下るのか」といったことは「北工会」誌で触れていない。それだけに不安な点も多く、とくに現地の環境が36年の間にどのように変ったのかなど、出発前から気になっていた。
それに、今回のブログをまとめている途中で気付いたことだが、最新の北海道の登山ガイドブックには、天狗小屋からの余市岳の走行路は、三の沢を経由した左股川ルートではなく、白井岳を経由する右股川ルートしか載っていない。つまり36年前の余市岳への走行路が、現在は一般的なルートではなくなったということ。これが果たして何を意味するのか。
さて、天狗小屋から1時間をかけて三の沢まで着いた。藪で覆われた三の沢を、転げ落ちるように下った先に目的の左股川があった。山ふところのあちらこちらから集まった沢水が谷底で勢いを増し、三の沢の流れ込むゴルジュ状の左股川下流域は、大岩を砕くほどの激流となっていた。無理もない、つい三日前の大雨が残っていて当然だと思う。
しかし上流域には、大岩と大岩の間を縫って流れる穏やかな落ち込みも見られ、そのうちの数箇所はフライが打ち込めそうだ。
川の流れに手をさらすとしびれるほど冷たい。ここでの釣りは、水に濁りが入っていることから、水中から認識されやすい#10のカディス・オリーブを選択。これを急流に飲み込まれないよう、パウダーのフロータントでしっかりと塗した。
一投目は、大岩の手前のなだらかな流れにフライを乗せる。同じことを3回ほど繰り返した時に、川底から黒く細長い影が浮かび上がり、フライを水中に引き込んだ。魚を引き寄せる距離は短かかったものの、上流、下流へとラインを引き回したのは25センチほどの岩魚。斑点の形からアメマスではないかと判断した。
さらに上流の小滝の落ち込みから、緩やかな流れ出しに変る箇所にフライを流し込むと、一発で尺に2〜3センチ足りない岩魚が飛びついた。その同じ流れの流心脇からも1匹目と同じようなサイズがかかる。この場所から30メートルほど上流に、小滝の落ち込みで作られた流れの緩やかな淵が現れた。
「ここには尺上サイズがいるはず」という、根拠のない思いを込めて1回、2回と流し込んだ3回目に、向こう合わせでラインが引き込まれた。手ごたえがこれまでとは違い、ずしりと重い。上流、下流へと泳ぎ回るたびに0.4号のティペットが心配になってきた。大きいだけに針のかかりが浅ければ簡単に外される。慎重にやり取りをしながら、手にしたのは尺上の岩魚。やはりこのサイズが棲息していた。
その後も遡行を続けて、初めの岩魚と同サイズが3匹あがった。しかし、再び雨が降り出して鉄砲水のおそれを感じたことから、三の沢から100メートルほど上流で引き返した。
こうして釣行記を書くと、決して「北工会」誌に書かれているような入れ食いではない。しかし、これだけ短い釣行区間でもしっかりとフライに反応する岩魚を見て、ここまできた甲斐があったと思った。また、36年前と同じ自然が残っていたことが素直に嬉しかった。
それとともに「キャンプで食する岩魚は、食べる分だけしか獲らない」という登山者たちへの感謝も湧き上がった。
釣人は、もっと近場でもっと楽に大物釣りのできるところがあるから、苦労してここまで来るものはいないだろう。実際に、長時間歩くことによる熊への恐怖や沢での鉄砲水、崖崩れの不安など、釣り以外への気配りは尋常ではなかった。
三の沢から四の沢への遡行は今回取りやめたが、また機会があったら挑戦して見ようと思っている。その時は、登山道具を抱えて。
尚、余市岳と白井岳、定山渓天狗岳の登山口となっている天狗小屋の駐車場にも車上荒らしが出没しているようだ。駐車した車のワイパーに、警察からの「車上荒らしに注意」の用紙が挟まれていた。この場所ばかりではなく、林道などに駐車するときにはくれぐれもご用心を。
写真左上:三の沢が合流する左股川下流域。同右上:カディスにきたアメマスに似た岩魚。同左下:その後、待望の尺上岩魚がきた。同右下:駐車した車のワイパーに挟まれていた「車上荒らし」への注意書き
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それに、今回のブログをまとめている途中で気付いたことだが、最新の北海道の登山ガイドブックには、天狗小屋からの余市岳の走行路は、三の沢を経由した左股川ルートではなく、白井岳を経由する右股川ルートしか載っていない。つまり36年前の余市岳への走行路が、現在は一般的なルートではなくなったということ。これが果たして何を意味するのか。
さて、天狗小屋から1時間をかけて三の沢まで着いた。藪で覆われた三の沢を、転げ落ちるように下った先に目的の左股川があった。山ふところのあちらこちらから集まった沢水が谷底で勢いを増し、三の沢の流れ込むゴルジュ状の左股川下流域は、大岩を砕くほどの激流となっていた。無理もない、つい三日前の大雨が残っていて当然だと思う。
しかし上流域には、大岩と大岩の間を縫って流れる穏やかな落ち込みも見られ、そのうちの数箇所はフライが打ち込めそうだ。
川の流れに手をさらすとしびれるほど冷たい。ここでの釣りは、水に濁りが入っていることから、水中から認識されやすい#10のカディス・オリーブを選択。これを急流に飲み込まれないよう、パウダーのフロータントでしっかりと塗した。
一投目は、大岩の手前のなだらかな流れにフライを乗せる。同じことを3回ほど繰り返した時に、川底から黒く細長い影が浮かび上がり、フライを水中に引き込んだ。魚を引き寄せる距離は短かかったものの、上流、下流へとラインを引き回したのは25センチほどの岩魚。斑点の形からアメマスではないかと判断した。
さらに上流の小滝の落ち込みから、緩やかな流れ出しに変る箇所にフライを流し込むと、一発で尺に2〜3センチ足りない岩魚が飛びついた。その同じ流れの流心脇からも1匹目と同じようなサイズがかかる。この場所から30メートルほど上流に、小滝の落ち込みで作られた流れの緩やかな淵が現れた。
「ここには尺上サイズがいるはず」という、根拠のない思いを込めて1回、2回と流し込んだ3回目に、向こう合わせでラインが引き込まれた。手ごたえがこれまでとは違い、ずしりと重い。上流、下流へと泳ぎ回るたびに0.4号のティペットが心配になってきた。大きいだけに針のかかりが浅ければ簡単に外される。慎重にやり取りをしながら、手にしたのは尺上の岩魚。やはりこのサイズが棲息していた。
その後も遡行を続けて、初めの岩魚と同サイズが3匹あがった。しかし、再び雨が降り出して鉄砲水のおそれを感じたことから、三の沢から100メートルほど上流で引き返した。
こうして釣行記を書くと、決して「北工会」誌に書かれているような入れ食いではない。しかし、これだけ短い釣行区間でもしっかりとフライに反応する岩魚を見て、ここまできた甲斐があったと思った。また、36年前と同じ自然が残っていたことが素直に嬉しかった。
それとともに「キャンプで食する岩魚は、食べる分だけしか獲らない」という登山者たちへの感謝も湧き上がった。
釣人は、もっと近場でもっと楽に大物釣りのできるところがあるから、苦労してここまで来るものはいないだろう。実際に、長時間歩くことによる熊への恐怖や沢での鉄砲水、崖崩れの不安など、釣り以外への気配りは尋常ではなかった。
三の沢から四の沢への遡行は今回取りやめたが、また機会があったら挑戦して見ようと思っている。その時は、登山道具を抱えて。
尚、余市岳と白井岳、定山渓天狗岳の登山口となっている天狗小屋の駐車場にも車上荒らしが出没しているようだ。駐車した車のワイパーに、警察からの「車上荒らしに注意」の用紙が挟まれていた。この場所ばかりではなく、林道などに駐車するときにはくれぐれもご用心を。
写真左上:三の沢が合流する左股川下流域。同右上:カディスにきたアメマスに似た岩魚。同左下:その後、待望の尺上岩魚がきた。同右下:駐車した車のワイパーに挟まれていた「車上荒らし」への注意書き
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