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2017年10月05日

【ブルーレイ映画ソフトレビュー】ゼロ・グラビティ / Gravity (動画付)

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ゼログラビティ.JPG【ブルーレイ映画ソフトレビュー】

ゼロ・グラビティ
Gravity



posted with カエレバ

コピーライトマーク Warner Bros. Entertainment Inc. All rights reserved.




オフィシャルサイト:
ゼロ・グラビティ公式 Facebook
公式.JPG







ソフト情報



■リリース:
 発売:ワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメント
 時間:91 min
 レーティング:G(日本) / PG-13(米国)
 制作年:2013年
 発売日:2014年4月23日

■映像:
 コーデック: MPEG-4 AVC 23.976Hz
 解像度: 1080p
 アスペクト: 2.40:1(シネマスコープ)

■オーディオ:
 English:DTS-HD Master Audio 5.1ch 48khz
 Japanese:Dolby Digital 5.1ch 48khz

■字幕:
 日本語、英語、日本語吹替用

■ディスク:
 Blu-ray Disc
 片面2層 (2 BD-50GB)

■リージョン:
 Region Free

■最大ビットレート(おおよそ)(MPEG-4 H.264上限:54Mbps):
 41Mbps

■平均ビットレート(おおよそ):
 25Mbps

■映画映像マスタ:
 素材:ARRIRAW (2.8K)
 マスタ:Digital Intermediate (2K)
 ネガ:65 mm / プリント:35 mm
 
■映画映像マスタリング(DI(Digital Intermediate)、マスタリング):
 Technicolor Creative Services(イギリス)

■映画音響:
 Datasat、Dolby Digital、Dolby Atmos、SDDS、Dolby Surround 7.1

■映画音響スタジオ(Sound Mix / Re-recording)(サウンドトラック除く):
 Re-recording:De Lane Lea(イギリス)
 Sound mix:Dolby Laboratories

 ※イギリスのDe Lane Lea社は、ポストプロダクション会社(映像、音声の両方を手掛けてます)です。
 ワーナーブラザーズが、2012年11月にこのスタジオを買収し子会社にしています。

■制作背景
・制作予算:約100億円/100円換算
・世界興行収入:723億円/100円換算
・撮影:イギリス(イングランド)、アメリカ(アリゾナ)

★その他:
239の賞を受賞し、175の賞にノミネート。
そのうち、アカデミー賞で7部門受賞。




キャスト情報



■監督:アルフォンソ・キュアロン(ハリー・ポッターとアズカバンの囚人、トゥモロー・ワールドなど)

■出演者:
サンドラ・ブロック / Sandra Bullock External_Link_15px.png

ジョージ・クルーニー / George Clooney External_Link_15px.png





映像クオリティ・レビュー総評




【画質】 ちょっと???


■BD映像マスタ:
劇場用のDigital Intermediate (2K)とは別のマスタをBDソフトで使用していると思われます。
映画館で視聴していませんので映画館でのDIはフィルムグレインがあったかわかりませんが、BDソフトはフィルムグレインが乗っていますので、フィルムからのテレシネしたものがDIマスタです。
フィルムグレインの特徴から、65mmのフィルムではなく、35mmフィルムからテレシネしていると思われます。
元のRAWデータは2.8Kを使用しているため、本来高画質のはずですが、本BDに関しては、通常の2Kよりは微妙な感じです。
DIマスタが複数の段階落ちした35mmフィルムを使用してる影響かと思われます。
乱暴に言いますと、ワーナーの画です。
これはDVD時代からずっとそうですが、粉っぽくて、解像感が甘い印象のワーナー特有の画です。
同じような画は、他のスタジオでは見かけることがないため、すぐ分かります。
Blu-Rayになってもこういう画ということは、考えられる原因は大体絞られると思います。
マスタリングスタジオは、映画によって様々で、今回もイギリスでDI化されていますので、マスタリングスタジオの関係ではありません。
またフィルムからのテレシネでも高画質なものは、他の映画でいくらでもあります。
そうすると、答えは1つで、メディア(DVDやBlu-Ray)にするときの、ワーナー(アメリカ)にあるMPEGエンコーダーが原因かと思います。
映画制作はワーナーでも、メディア化権利が違う映画だと、ワーナー印の画になっていないことからも、おおよそ間違えていないかと思います。


■映像総評:
宇宙のシーンから始まる映像は、DVDでは難しいHD映像の解像感で表現されます。
デジタル素材が2K以上で本来は高画質なはずですが、本作はワーナーなので例外的に2K前後のギリギリの画質です。
つまり、地デジよりは良い画質ですが、すっきりしない画です。
55インチのTVでは、ほとんど気にならないとは思います。
120インチスクリーン(4Kアップスケーリングで視聴)では、合格点には達しません。
評論家絶賛の本BD作品ですが、新作BDの標準から比べますと、標準か、その下の部類です。(管理人基準)
評論家は小さい40インチくらいの液晶モニタか有機ELモニタか何かで評価しているのでしょうね。
40インチくらいの画面では、本作の画質の粗は、よほどのことがないとわからないと思います。


・解像感:
120インチスクリーンを4m離れた位置から視聴していますが、解像感があるような画ではありません。
ただし、品位が落ちるほどではなく、なんとなく細部が甘いと感じる画です。
何と言うか、人物(主に顔しか映りませんが)や宇宙服などの質感が表現できていないように感じます。
人物までCG風で、ディテイルが抜けているような感じです。
表現が難しいのですが、しわとか生地感に現実味がない(あるにはあるのですが・・・)のです。


・ノイズ感:
フィルムグレインがあり、本BDはちょっと良い方には作用していない感じです。
解像感をそぐ方向になっています。
一時停止をしてスクリーンに近づくと、デジタルの揺らぎがあります。
地デジの番組で、出演者がひな壇に並んでいるバラエティ番組でよく見かける、画面に近づくとわかる細かいブロックノイズです。


・鮮度感:
空気感や透明感は、2017年現在、現代的な表現です。
輪郭表現の線が細く、実在感はあります。
ただ、レンズにシルクフィルタをかけたようなちょっと抜けの悪さも感じます。


・階調性:
奥行が少し甘めで、立体感が今一つです。
暗部階調は、浅い表現で若干モヤついています。

・カラー:
元々が、全体的にカラーのトーンを抑えています。
色を抑え気味なせいで、画質の粗が目立ちやすくなっていると思います。(色によって粗が隠れないので)
Technicolor社の色とすぐに分かります。




公式予告編



映画『ゼロ・グラビティ』予告1【HD】(ワーナー ブラザース 公式チャンネル)






音声クオリティ・レビュー総評



【音質】 評判ほど?



■音響マスタ:
海外版BDも同様ですが、Dolby Atmos版は、別売です。
また一般的にDolby Atmos版は、通常版(DTS-HDMAやDolbyTrueHD版)よりも高額です。
Dolby Atmosのライセンス料が高いのでしょうね。

または、4K UHD版の標準にしたい企業方針なのかもしれません。
BDではあまりDolby Atmos採用作品はありませんが、4K UHD版にはそれなりに採用されています。
4K UHD版はBDよりも結構高額なので、そこでライセンス料を賄っているのかもしれません。


■音響総評:
転送レートはワーナーらしく普通です。
DTS-HDMA 5.1chらしい、高品位なHi-Def音声です。
通常の映画なら、このマルチチャンネルの音は高評価な音声ですが、映画自体がDolby Atmosによるイマーシブ・オーディオを売りにしたものなので、BDソフトでもそれなりの期待感から購入する人は多いのではないでしょうか?
そういった観点からいくと、5.1chではそこまでの感動的なマルチチャンネルの音ではありません。
普通にいい音のするマルチチャンネル音です。
せっかく、映画用音声で7.1chがマスタとしてあるので、それを使ってもらいたかったと思っています。
この映画に期待するポイントは無重力空間におけるマルチチャンネルの「包囲感」と「移動感」ではないかと思います。
「包囲感」はダンゴ状ですが、それなりにあります。
「移動感」は、並のBDよりはありますが、デモレベルのクオリティではありません。(管理人基準)


・ダイナミックレンジ(広さと偏り):
レンジ感を確保するためか、一般的なBDよりかなり音量は低めです。
一般的なBDより「10db」くらい音量を上げないと、冒頭の聴きどころの宇宙空間が面白くありません。
通常はAVアンプの-25db前後で聴いているので、そこから10db上げると、-15dbになってしまい、ちょっと爆音にならないかドキドキします。
普通のBDで-15dbのボリュームですと、管理人の環境では、騒音レベルで100dbは超えますので工事現場のドリル音くらいになります。
実際に大音量に鳴るのは、後半の警告音と大気圏突入の宇宙船内の轟音です。


・バランス(チャンネルと音域):
中低域寄りのバランスで、要所での重低音がなかなかです。
高域は少し甘く、きめ細かさや繊細な表現まで欲しいところです。


・情報量(台詞、SE音、音楽):
台詞:
いたって普通です。
ほとんどが地上からのマイク・スピーカー越しか、ヘルメット越しの声なので、こういうものかと思います。

SE音:
丁寧に作られたSE音です。
劇中のほとんどすべての音がこの人工SE音かと思います。
音量が小さいので、パッとしない傾向です。

音楽:
音楽が鳴り響いてます。
サラウンドの音楽も強めです。
ちょっとうるさく感じます。


・サウンドデザイン(音像感と音場感含む):
イマーシブ・オーディオを念頭に作られた包囲感と音場感をメインに捉えたサウンドデザインです。
視聴環境を包む、フロントスピーカーを超える広い音場感と分離感のあるサラウンド音が劇中へ連れていくようです。
YAMAHA、MarantzのAVアンプが好きな方には、大好物なサウンドデザインだと思います。
管理人のようにサラウンドもクッキリしゃっきりな音像が好きな人間にとって気に入るかは、ちょっと怪しいです。


・サラウンド(移動感含む):
サラウンドの情報量がありマルチチャンネルを楽しめます。
SE音や環境音をマルチチャンネルに配置してありますが、音量が小さく、ボリュームを上げすぎるとフロントの大音量時が怖いため再生には苦労します。
サラウンドスピーカー個々が鳴るというより、旧来のサラウンドの表現でダンゴ状に包囲します。
本来はDolby Atmosであるところを5.1chにしているため、サラウンドの繋がりが今一つなミックスです。
Dolby Atmos版は、視聴していませんが、評論家が大絶賛しているので、この5.1ch版は手を抜かれたミックスなのだろうと思います。
移動感はあまり感じません。
フロントスピーカーの上の方から、サラウンドの後方へボリュームが変化して移動するような場面がありますが、ちょっとスムーズな繋がりではありません。
左後ろで鳴った、今度は右後ろで鳴った、というような感じです。
評論家大絶賛ですが、管理人の感想は、並のBDソフトよりははるかにちゃんとマルチチャンネルしていますがこのレベルなら他にもあるな、という感じです。



公式特別映像



映画『ゼロ・グラビティ』特別映像1 (ワーナー ブラザース 公式チャンネル)







クオリティ・レビュー詳細




★総合クオリティ(1〜100点)(BDお勧めレベルは85点以上):85点


映像はワーナーらしいちょっとディテイルが抜けたような霞がかった感じがします。
音声は、宇宙でのサラウンド配置で、マルチチャンネル堪能ソフトです。
中低域寄りのバランスで、高域のキンとした感じが欲しいところです。


★映像クオリティ(1〜100点)(BDお勧めレベルは85点以上):82点
 解像感             :83点
 ノイズ感            :80点
 鮮度感             :89点
 階調性             :81点
 カラー             :79点

★音声クオリティ(1〜100点)(BDお勧めレベルは85点以上):88点
 ダイナミックレンジ(広さと偏り):88点
 バランス(チャンネルと音域)  :86点
 情報量(台詞、SE音、音楽)    :83点
 サウンドデザイン        :86点
 サラウンド(移動感含む)    :95点





レビュー基準についてはこちらInternal_Link_15px.png




商品ソフト紹介


ゼロ・グラビティ [Blu-ray]
by カエレバ


ゼロ・グラビティ スペシャル・エディション(初回限定生産/2枚組) [Blu-ray]
by カエレバ


ゼロ・グラビティ 3D & 2D ブルーレイセット (2枚組) [Blu-ray]
by カエレバ





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オーディオとホームシアターが三度の飯より好きなアラフィフ管理人です。どちらかと言えばホームシアターのほうがオーディオより好きです。映画ソフトはかなりたくさん観てきましたので、機器だけではなくソフトのクオリティ・レビューも気ままにしていきたいと考えてます。機材検討やソフト購入検討のお役に立てれば幸いです。
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