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2018年06月07日

【ブルーレイ映画ソフトレビュー】アウトロー / Jack Reacher

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シリーズ1作目です。
本作のレビューは、ブルーレイ単独販売のものです。
DVDセット版も、2018年現在発売されているブルーレイも、クオリティは同じだと思います。
主演のトム・クルーズは、トム・ハンクスと同様に、フィルムの質感にこだわる俳優なので、本作もフィルム感のある映像となっています。
フィルム好きには高画質なフィルム映像が楽しめるクオリティです。

4K Ultra HDが、時期をずらして2018年7月25日に発売されます。
本作のマスターDIは2Kなので、4Kアップコンバートになりそうです。


コピーライトマーク 2012 Paramount Pictures. All Rights Reserved.


ブルーレイ評価

映像92.jpg音質88.jpg






ソフト情報



■リリース:
 バージョン:ブルーレイ通常版
 発売:パラマウント ホーム エンタテインメント ジャパン
 時間:130 min
 レーティング:G(日本) / PG-13(米国)
 制作年:2012年
 発売日:2013年11月8日

■映像:
 コーデック: MPEG-4 AVC 23.976Hz
 解像度: 1080p
 アスペクト: 2.35:1(スコープサイズ)

■オーディオ:
 英語:DTS-HD Master Audio 7.1ch 48kHz 24bit(ロスレス)
 日本語:Dolby Digital 5.1ch 48kHz 24bit(ロッシー)

■字幕:
 日本語、英語、吹替用日本語

■ディスク:
 Blu-ray Disc 1枚
 片面2層 (BD-50GB)

■リージョン:
 Region A

■平均ビットレート(おおよそ)
(MPEG-4 H.264上限:54Mbps)
(MPEG-4 MVC上限:66Mbps)
:約29Mbps

■撮影カメラ:
 パナビジョン・パナフレックス・ミレニアムXL2、パナビジョンC、E、Gレンズ
 パナビジョン・パナフレックス・プラチナム、パナビジョンC、E、Gレンズ

■映像マスタ:
 撮影マスタ・フォーマット:
 35mmフィルム
 Digital Intermediate(DI):2K
 
■映像マスタリング(DI(Digital Intermediate)、マスタリング):
 Deluxe社(フィルム)
 EFILM Digital Laboratories(DI)

■音響:
 Dolby Digital、Datasat、SDDS、Dolby Atmos

■音響スタジオ(Sound Mix / Re-recording)(サウンドトラック除く):
 Soundelux(ポストプロダクション)
 Dolby Laboratories(サウンド・ミックス)
 De Lane Lea(ADRレコーディング)※アフレコ

■制作背景
・制作予算:約60億円 /100円換算
・世界興行収入:218億円 /100円換算
・撮影:アメリカ(ペンシルベニア)

■賞:
1つの賞を受賞し、5つの賞にノミネートしています。



キャスト情報


■監督:
クリストファー・マッカリー / Christopher McQuarrie

■出演者:
トム・クルーズ / Tom Cruise
ロザムンド・パイク / Rosamund Pike
リチャード・ジェンキンス / Richard Jenkins




映像クオリティ・レビュー総評



【画質】

フィルムの濃密で高コントラストな映像





ブルーレイ映像マスタ



映画マスターは、パナフレックスカメラで撮影されたフィルム映像です。
非常にフィルムルックで、往年の映画らしさを出しているような印象を受けます。
フィルムグレインの黒い粒子を多めに残した映像ですが、汚さは全くありません。
デジタル映像が好きな方にとっては、画面が黒ずんでいるように見えるかもしれません。
ブルーレイのマスターは、恐らくHDテープです。
ハイライトがちょっと飛んで階調が甘くなっています。
また暗部階調にバンディングのような縞の色ノイズがあります。
この明部と暗部の境界に出来る色ノイズは、管理人はかなり嫌いです。
そのため、かなり気にしてしまいます。
本作は、この色ノイズは多くはありませんが、緑に濁る色ノイズがあります。
フィルム撮影のマスターは、このノイズが多いので、テレシネ、フィルムスキャン時に付くのか、テープへの転送時に付くのかわかりませんが、フィルム作品に多い印象です。


解像感


フィルムマスターらしいクッキリした解像度です。
デジタル撮影とは、全く違います。
デジタル撮影では大抵の場合、精細感を伴いますが、フィルム撮影の場合は、精細感はあまり感じない傾向にあります。
太めのタッチでの解像感です。
ブルーレイでは高解像度の部類です。


ノイズ感


ザラザラしたフィルムグレインは、黒い粒子が大粒で、いかにもフィルムルックというテイストです。
ここは好みがはっきり分かれるところです。
管理人は、フィルムグレインは、汚い場合を除き、基本的にフィルムグレインはノイズとはとらえませんので、ご容赦下さい。
明部と暗部の境界に出る緑かぶりの色ノイズがあり、ここだけが残念です。


鮮度感


白ピークと黒の締まりが良いため、空気感は鮮度を感じます。
また色はデラックス社のもので濃厚で、良好です。
輝度がしっかりとあるため、明快な映像です。
デジタルの既視感を伴う鮮度とは違い、フィルムらしい鮮度感とも言えます。
当然、デジタル撮影よりも鮮度感は落ちます。


階調性・コントラスト


コントラストは、かなり高く、黒を沈めています。
一見して劇画調のエッジの立った立体感を伴う高コントラスト映像です。
コントラストは強靭ですが、階調性はその分、犠牲になっています。
特に中間階調に緑の色ノイズが乗るため、ちょっと気になります。


カラー


色数は多い方ではありません。
本来、アメリカ北東部のペンシルベニア州は緯度から、色温度は高いはずですが、カラーコレクションやグレーディングによって色温度は低めです。
一方、色素はデラックス社らしい濃厚な色です。
黒は良く沈み、ちょっと乾いた感じの墨汁風の印象です。
人物の肌表現は非常によく、特にアップでの表現は自然な色で良質です。



音声クオリティ・レビュー総評



【音質】

銃声が良い7.1ch音声






ブルーレイ音声マスター



映画マスターは、Dolby Atmosで制作された最新音響です。
これをベースにDTS-HDMA7.1chにしているようですが、元々、Atmosを強調したようなマルチチャンネルではなく、自然な音声です。
サラウンドの情報量はそこそこですが、高さ方向などの音響を使う場面自体がほとんどないため、あまり意識することはありません。
銃声などのSE音は、強調され、なかなか聴きごたえがあります。
ちょっと圧縮されてエッジが丸くなっている音像ですが、低域成分が多く、エンターテイメント風のサウンドになっています。


ダイナミックレンジ(音域バランス)


ダイナミックレンジは結構広めで、詰まり感はあまり感じません。
低域寄りのバランスで、サントラが鳴り響く感じです。
S/Nは普通で、極端な音量差のシーンはありません。


瞬発力・量感(キレと強さ)


これはもう銃声が良いです。
瞬発力も量感もあり、強調された銃声は迫力があります。
緊迫感のある画面と音の使い方はしていませんので、手に汗握るような印象はありませんので、気楽に楽しむというところでしょうか。


情報量(台詞、SE音、音楽)


台詞:
アフレコの高音質な仕上がりで安心感のあるディ・レーン・リー スタジオで収録された台詞は、低域成分まであるクッキリしたものです。
舌遣いまでわかるクリアで粒々感のある台詞は、高音質です。
ミックスもよく、聴き取り難いシーンはなく、非常に明快です。

SE音:
SE音は普通です。
芝居部分の音が多いわけでもありません。
そもそもSEを多用するシーンがあまりなく、あくまでも自然な芝居SE音です。
雨のシーンなどでは期待しましたが、至って普通の雨音でAtmosを活用した高さ方向の音はあまりありません。

音楽:
サントラは、大きなボリュームで鳴り響きます。
芝居部分やアクションシーンでも鳴り響き、かなり目立っています。
管理人はサントラがうるさい音響は好きではありません。
サントラの音場は広いわけではありません。


サウンドデザイン(音像感と音場感含む)


Dolby Atmosのマスターデザインは、あまり感じられないと思います。
7.1chのため、サラウンド方向の情報量はそこそこありますが、さっぱりしています。
ちょっと物足りないという印象ですが、悪い点も挙げるほどはありません。
どちらかと言えば、銃声を中心に音像型のデザインです。


サラウンド(移動感含む)


サラウンドの情報量は普通です。
7.1chですので、サラウンドスピーカーが色々な音を鳴らし分けますが、いかにもな配置をしていないため、あっさりです。
映画そのものもサラウンドが活躍するようなシーンがほとんどありませんので、無理に強調しなければ、こういう音かと思います。
こういうハードボイルドジャンルの映画は、もう少し緊迫感のある音にしてもらいたかった気がします。
環境音を多め(ボリュームを上げるなど)にするなどの配置だけでずいぶん違うような気がします。
ちょっと残念です。



クオリティ・レビュー詳細



★総合クオリティ     :90点

(Blu-rayお勧めレベルは85点以上)
(1〜100点)


★映像クオリティ     :92点

(Blu-rayお勧めレベルは85点以上)
(1〜100点)


 解像感        :95点
 ノイズ感       :85点
 鮮度感        :90点
 階調性・コントラスト :97点
 カラー        :91点




★音声クオリティ     :88点

(Blu-rayお勧めレベルは85点以上)
(1〜100点)


 ダイナミックレンジ  :93点
 (音域バランス)
 瞬発力・量感     :93点
 (キレと強さ)
 情報量        :84点
 (台詞、SE音、音楽)
 サウンドデザイン   :84点
 (オリジナルとメディア化)
 サラウンド      :86点
 (移動感含む)




レビュー基準についてはこちらInternal_Link_15px.png
クオリティレビューは、あくまで管理人が感じたことや調べた範囲の事柄であり、記載していることが全て正しい情報とは限りません。
ご容赦下さい。


商品ソフト紹介


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