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2017年12月29日

【スピーカー・レビュー】スピーカー JBL Project K2 S9900

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S9900_2.JPG【スピーカー・レビュー】
スピーカー

JBL
Project K2 S9900



posted with カエレバ
コピーライトマーク Harman International Japan Co.,Ltd. All rights reserved.


製品概要




種別


38cm 3ウェイ フロア型スピーカー

特徴



高純度マグネシウムダイアフラム採用の大型100mm径コンプレッション・ドライバーを搭載。
DD66000 EVERESTの技術を投入し、音楽再現力をさらなる高みへと進化させた、もうひとつの主峰Project K2 S9900。


EVERESTシリーズと並ぶJBLのフラグシップモデルとして、再生ソースの発展を見据え、スピーカーの進むべき姿を提示してきたプロジェクトK2シリーズ。
オーディオの歓びを、音質探求の醍醐味を、心の底から堪能できるプロジェクトK2が、新世代のリファレンスシステムとして、今、大きく進化しました。

コンポーネンツをリファインし、EVEREST DD66000において確立したさまざまな技術を投入し、音響性能を格段にグレードアップさせた「Project K2 S9900」。
JBL 初の高純度マグネシウムダイアフラムを採用し、サイズを100mm径に大型化した新開発コンプレッション・ドライバーを筆頭に、最先端コンポーネンツを搭載。
キャビネットではDD66000の設計ノウハウを取り入れることで、380mm径ウーファーシステムながら威圧感の無いエレガントな意匠を獲得。
極限までの音質追求を果たしながら、部屋へのインストールを容易にしています。

オーディオを愛する数多くの人々を、音楽再生の頂点へと導いてきたプロジェクトK2。
そのK2の頂をさらなる高みへと引き上げた「Project K2 S9900」。
EVEREST DD66000に並ぶ、もうひとつの主峰の誕生です。

コピーライトマーク Harman International Japan Co.,Ltd. All rights reserved.




製品詳細



発売日


2009年2月

販売


2017年現在、現行品です。

メーカー希望小売価格


価格:
ローズウッド仕上げ標準価格 ¥1,850,000(税抜)/1本
ゼブラウッド仕上げ標準価格 ¥1,850,000(税抜)/1本
※発売当時は、マホガニー仕上げ(現在は販売終了)



仕様



形式:3ウェイ・フロア型スピーカー
使用ユニット:
 LF:380mm径パルプコーン・ウーファー(1500AL-1)
 HF:100mm径マグネシウム・コンプレッション・ドライバー(476Mg)
 UHF:25mm径ベリリウム・コンプレッション・ドライバー(045Be-1)
インピーダンス:8Ω Nominal/7Ω@100Hz/4Ω@40kHz
許容入力:400W(RMS)
出力音圧レベル:93dB(2.83V@1m)
周波数特性:33Hz 〜 50kHz(-6dB)
低域再生能力:23Hz(-10dB)
ホーン指向特性(水平×垂直):
 HF:100°×60°
 UHF:60°×30°
クロスオーバー周波数:
 900Hz(−18dB/oct.)
 15kHz(−24dB/oct. HPFのみ)
コントロール機能:HFレベルコントロール(-0.5dB / 0dB / +0.5dB)
HFプレゼンスコントロール(-0.5dB / 0 dB / +0.5dB)
LF/HFドライブモード切り替え(Normal / Bi-Amp)
寸法(W×H×D):560×1,217×350mm(足含む/スパイク含まず)
重量:81.6kg(グリル装着時)
バイワイヤリング:○
コピーライトマーク Harman International Japan Co.,Ltd. All rights reserved.




JBLについて



【JBL関連レビュー共通】
※すでに別のJBLレビューを読んだ方は飛ばしてください。

恐らくこのブログを見ている方でJBLを全く知らない人はいないかと思いますが、管理人の簡単な紹介を入れておきます。
1927年にLansing Manufacturing Inc.としてアメリカのカリフォルニアで創業。
現在も本社はカリフォルニアのノースリッジにあります。
意外と知られていないことは、コンシュマー向けの「JBL」ブランドと、業務用向けの「JBL Professional」ブランドの2つのブランドが存在していることです。
販売も分かれています。

1969年にジャービス・コーポレーション(現ハーマン・インターナショナル・インダストリーズ)に買収されました。
ハーマン・インターナショナル・インダストリーズは、アメリカのコネチカットに本社があるオーディオ機器などを製造、販売する多国籍企業です。
所有ブランドは、JBLをはじめ、harman/kardon、Mark Levinson、AKGなどがあります。
2017年にサムスン電子がハーマン・インターナショナル・インダストリーズを買収し、合併されています。
その影響は、まだ表には出ているように感じませんが、今後の動向が気になるところです。

JBLの特徴は、微細な音から大音量まで機敏に反応し、能率よく破たんすることなく、音が前に出てきて熱量が伴ってくる音にあると思っています。
ダイナミック、躍動的、反応の良さ/高能率、大型ユニット、透明かつ豊かな音などのキーワードがはまると思います。
JBLは、スピーカーユニットの性能を他社では行っていない120デシベルという大音量でも検証しているそうで、ピーク時にも強いユニットを作り続けている数少ないメーカーかと思います。

また技術面において、他社ではほとんど採用されていないホーンドライバー、コンプレッションドライバーにあると思います。
ホーンドライバーは、反応が良く繊細な音楽的表現力を備えていることや一方で大音量でもひずみが少なく音を鳴らすと言われています。
ホーンはその構造から大型になることや、指向性の狭さ、ホーン特有の音色などの弱点がありますが、そこは研究開発を続け、進化していますので2017年現行製品の多くはその弱点が気になることは少ないと管理人は考えています。
コンプレッションドライバーは、能率が高く、入力信号に対して敏感で、大音量にも強いユニットと言われています。
JBLはこういった特徴から、好き嫌いがはっきりしやすい音を出すブランドなのだと思います。
管理人もそうですが、その昔、大型スピーカーを使っていた人や、スピーカーは3wayユニットなどのマルチユニットでないと、という人には親和性がある音だと思います。



JBL主要ラインナップ


プレミアム・・・主に大型フロア型
スタンダード・・・主にホームシアター用
スタジオモニター・・・JBLと言えばこれというくらいの代表モデル
プレミアムアクティブ・・・据え置き型
アクティブ・・・色々なシーンや場所に対応
ホームシアター・・・シアターバー
ヘッドフォン/イヤホン・・・色々なシーンや場所に対応
カーオーディオ・・・ユニットから完成品まで
に大きくは大別されます。



クオリティ・レビュー総評



本スピーカーは、JBLの中では「プレミアム」カテゴリーに位置し、ハイエンドという扱いです。
本機はその中でも、上位クラスの大型フロアタイプのProject K2シリーズです。(上から2番目)
最上位のProject EVERESTは、ハイエンドの特別モデル扱いです。

本機は2009年から2017年までほぼ毎年、専門誌の受賞モデルでもあります。
販売開始の2009年には8つの賞を受賞しています。
JBLの現行機種は2009年ごろが結構多く、まとめてリリースしたような印象です。
そこから2018年で約10年間、モデルチェンジなしで来ています。
これは海外メーカーではまあ普通なのでしょうが、日本市場で考えると少ないと思います。
スピーカーは、モデルチェンジするような新しい技術がないのか、技術が枯れている世界なのか、売れないから手を付けられないのか、またはその全てかはわかりませんが、ずっと変わっていません。
ある意味で、現代的JBLの完成された外観やデザインとも言えると思います。
B&W、Sonus faber、FOCAL、TANNOY、KEF、MARTIN LOGAN、PMC、QUAD、THIELなど、その外見を見たらそのメーカーだと判る工業デザインが特徴ですが、現行のJBLのラインナップもそういう意味で2010年以降の代表的デザインなのだと思います。
逆に、1世代前の機種を見ると、やはりデザインでは、現行機種のほうがあか抜けて見えます。
後継機種が出たら、やはり本機が古く見えるのでしょうが、それでも本機は十分に洗練されているように見えます。
(好みの問題ですが・・・)


開口面積が大幅に拡大されたHFホーンは、JBLの最新機種では標準となっています。
25mm径ベリリウム・コンプレッション・ドライバーが、HFホーンと一体化したシンプルな見た目が良いです。
質量と剛性が高く共振の少ないSonoGlassトレードマーク(TM)ホーンを用いることで、音質の向上に貢献しているようです。
外見は、現代JBL共通デザインの大型ホーンがあり、38cmウーファーが真ん中にドンとある外見です。
管理人はこの外見は好きです。

エンクロージャーは、さすがにハイエンドらしくJBL標準の1インチ(25mm)厚MDFボードではなく、24本のボルトで締め上げ一体化させた総板厚45mmのMDF製です。
管理人の印象では、この大きさのスピーカーとしてはやっとまともな厚みになったと感じます。
管理人がその昔使用していたONKYOのD-77シリーズや、DIATONEのDSシリーズは、42mmのMDFとかの厚みがありましたので。
それでも45mmの厚みですと、やはり箱鳴りはします。
それを踏まえたサウンド作りをしていると思います。
管理人の好みは箱鳴りしない「ビシッ」とした音が好みなので、4429と同じ振動対策をしています。
そもそもMDFだけでは箱鳴りしますので金属などの補強をしているB&Wなどが構造的に好みですが、そうするとJBLの音像型の良さがそがれてしまうのでしょう。
結局、理論ではなく、どういう音が好みか、と言う点に収束しますが、JBLの良さを出すには、こういう構造になるのでしょう。

下位のS4700よりも奥行きが若干短いのも特徴です。
幅や高さはS4700よりもあるのですが、奥行が短いのは設置しやすい好条件です。
曲面を描いているデザインは、設置性だけでなく、音にも良い効果が期待できます。
無骨な四角いエンクロージャーがJBLの特徴でもありましたが、本機は曲線があります。
まあ、実際は、S4700とかも表面も軽くカーブしてデザイン性があるのですが、写真では判り難いですね。
実物の方が、この曲線ははるかに良いですよ。

現行機種のJBLの大型フロア型のプレミアムシリーズは、他のスタジオモニターシリーズなどに比べて、音にギャップを感じる印象があります。
見た目通りの低音と、見た目とは違う芯のある乾いた前に飛んでくる中高域が特徴のように感じます。
特に本機は、38cmウーファーのバッフルが印象的ですが、それよりもホーンから出るカラッとした押し出しの良い高域のギャップが印象に残ります。
最初に聴いた時は、ちょっと不思議な感じでした。
4429を聴いた時とほぼ同じタイミングで聴きましたので、同じ感想ではありますが。
まあ、これがJBLのホーンくささと言われている音色なのでしょう。

JBL共通の音の押し出しが良く、飛んでくる印象に加え、上位機種になるほど情報量がどんどん多くなる感じがします。
これはスタジオモニターシリーズと共通ですね。
JBLは、上位に行くほど、情報量が増え、モニタースピーカーの方向へ向かう傾向にあると感じています。

プレミアムシリーズのラインナップは、値段も全然違いますが、音もそれぞれレベル感が全然違います。
エントリーのS3900と中堅のS4700では、かなり音質の差があります。
情報量は何倍か違い、比べるとS3900がこもって聴こえるほどの印象です。
そのS4700と本機S9900は、何倍とかの世界ではありませんが、レベルが1つ上に感じます。
音の芯の太さや音場の広さなどが違ってきます。
値段はレベルが1つどころの差ではすみませんが・・・。

ただし、本機は、下位のS4700に比べて、ちょっと値段が高すぎると感じます。
この値段差と音の差が、つり合っていない印象です。

なお、管理人は、一番値段の高い時期にJBLスピーカーをまとめて色々買ってしまいました。
JBLは2015年に15%の値上がりをしています。
その値上がり価格で購入してしまいました。
ついでに消費税が8%になった2014年以降でもあります。
今回、レビューをして調べている時に気が付いたのですが、管理人が購入したあと、2016年10月にまた値下がりしていました!
ちょうど値上がりした1.5年間の間のピーク時に買ったことになります。
ショックです。
数十万円も多く払った計算です。

いや、考えようによっては、ハーマン社の努力で価格を抑えるようにしているということなのですが・・・。
うーん、高額なものを買った後に、値段などを調べるのは精神衛生上、良くないですね。
大抵の場合は安くなっていますので。
ということは、4Kプロジェクタとか4KTVなどもきっとそうですね・・・。




S9900.JPG
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音声レビュー



音に関しては、前に出てくる元気の良い音はJBLならではです。
このクラスでも共通しています。
とにかく元気で音が熱量を伴い、厚い音がします。
ただし、4429などのホーン型スタジオモニターシリーズと違い、音が暴れるような感じはありません。
見た目通り、どっしりとした鳴り方です。
そして、中域は最初から良く出るので、導入した方には印象が良いはずです。
ここは、下位S4700との大きな違いです。
S4700は、最初は中域が弱いスピーカーです。
エイジングが進むとかなり出てきますがちょっとだけ不足しているように感じます。

本機の中域は、最初からある程度出ていて、音がちょっとキリっとします。
ハイレゾ風というのでしょうか?
この中域は、好みが出るところだと思います。

JBLのホーン型スピーカーの特徴とも言えるホーンとウーファーの音はずいぶん音色の印象が違っていますので、ユニットごとのエイジングはしっかりして、なじませないといけない機種かと思います。
導入当初は、ユニット間の繋がりが悪く感じました。
出来るだけ、エイジング中は、外出時に音を鳴らし、聴かないようにしました。
音を聴いていると不満を感じるかもしれないと考えたためです。

音色はJBLのホーンらしい癖があると思います。
逆に似た音色の他社スピーカーはほとんどないのではないでしょうか?
特にホーンの材質が他のJBLスピーカーとは違うため、特徴的です。
中高域の音に注目してJAZZあたりのジャンルを聴くとすぐにわかると思います。
ここが好きか嫌いか、判りやすい判断材料かと思います。

出力が93dBと高感度なため、アンプを選ばない方だと思いますが、このクラスのスピーカーを鳴らすのであれば、アンプは余裕があったほうが良いと思います。
高域と低域の伸びはとても良いです。
癖のある伸びとも言えます。

ハイスピードで情報量が多い中高域の関係で、こもり感は気になることがありません。
情報量は他社の現代的スピーカーと比べても多いと思いますし、微細な音も「粒粒とした音色で」「クッキリと」良く拾うほうだと思います。
この「粒粒とした音色で」「クッキリと」が特徴なのだと考えています。
コントラストが深くエッジの立った感じです。
他社のスピーカーでは感じにくい点です。
ヨーロッパ系のスピーカーでは、このあたりがとても自然で、奥行を伴い浮かび上がらせるような表現をする傾向があると思います。
本機は、粒立ちよく、パリッとした音で表現してきます。
ホーン特有の高域に加え、金属的な音色にも感じられるため、嫌いな人にはかなりピーキーに聴こえる可能性があります。
導入当初は「ピーン」という擬音があうような高域です。
逆に金管楽器系の音は、生々しいと感じることも多いです。
中高域の女性ボーカルも生々しさでは、ほかに追随を許さないほどのリアルさです。
アンプを通す楽器全般もリアルで生々しいサウンドで、もうそのものです。
ステージの一番前か、スタジオで聴いているようなリアルサウンドです。
スピーカーから2M以内程度の近接視聴では、さらに生々しく感じるかもしれませんが、この大きさのスピーカーを近接視聴することはあまりないでしょうね。

ポイントはアコースティック系の音が、どう感じるかで評価は分かれそうですね。
例えばアコースティックギターの音はJBLらしい音が乗るわけです。

また低域は、JBLの独壇場とも言えるほど、よく伸びる低域で迫ってきます。
判りやすく言いますと、映画館で聴く重低音に似ています。
「ズシーン」「ブオーン」というような擬音がマッチするような感じです。

4429などと違い、低域が暴れている印象はありません。
どちらかと言えばS4700と似ています。
S4700をちょっとだけ分厚くしたような感じです。

なおスタジオモニターシリーズの最上位の4367WXの低音とはちょっと違います。
4367WXは、そんなに低域を強調してくるスピーカーではない印象です。
4367WXは2Wayでバスレフポートはモニターシリーズ共通の前面にあります。
音の元気さは本機と同様ですが、中域に芯があり、力強く感じます。
高域は自然ですので、本機とはちょっと傾向が違います。
中域が強いので、ベースやドラムに粘りがあり、弾力性があるのが本機との低域の違いです。
それから4367WXの音色は全体的にアナログ的な方向にあるのに対し、本機は刺さるような現代的な切れ込みがあります。
解像感は本機のほうがレベルがいくつも上で違います。
このあたりは値段差があるとはいえ、好みの世界ですね。

本機のバスレフポートはS4700と同様に後ろにありますので、部屋のコーナーに置いてしまったら、低域がブーミーで定在波も発生しまくると思います。
それだけ低域が強力ですので、ルームチューニングやセッティングは、それなりに追い込まないと使いこなせないと思います。
ご注意下さい。
セッティングの容易さでは、スタジオモニターシリーズが良いと思います。
バスレフポートが前面にありますので。
逆にバスレフポートが後面にあることで、低域を壁面とあわせて調整したい場合は、本機のような大型フロアタイプが良いのだと思います。
いずれにしてもここまで低域が出るスピーカーは他にはほとんどありませんので、低域をコントロールすることが重要です。
また低域で部屋が飽和しやすいので、注意が必要です。

エイジングは必須だと思います。
エイジングが進むと、ボーカルものは、生々しく艶を伴い情報量豊かに浮ぎだしてくる印象があります。
実在感がありすぎて、はっとすることも多いです。
見た目とは裏腹に、しゃっきりした中高域が印象的です。
ホーンユニットが功を奏していると思います。

ロックやヘビーメタル系は、ホーン型との相性が抜群で音が鋭く切れ込んできます。
S4700よりもハイスピードな分、本機のほうが有利かと思います。
楽器の分離感も良く、スタジオで直接聴いているような熱い熱量を伴い、迫ってきます。
JAZZは、JBLの本領発揮というところで、シンバルやサックスなどの管楽器の生々しさから、ベースやバスドラムのキックまで存分に厚い低音が空気圧を伴い飛んできます。
クラシックは聴かないので不明です。
昔のJBLと違い、ジャンルの幅は広いのだと思います。
それから、ハイスピードな音とどこまでも沈む低域は、シアター用としてもかなり相性抜群です。
現代的な映画のSE音や環境音なども、きれいなまでに微細な情報を拾い上げ、どこまでもビッシリとくっきりと表現をしてきます。

一方で、4429やS4700と違い、少々状態の悪いCDでは、高域がキンキンして楽しくないものも結構あります。
低域は持ち上げて聴こえるので楽しいのですが、高域がうるさい音源は注意が必要です。
逆にこもったような音源は、それは楽しく聴けます。
S4700や4367WXは、低域がある程度タイトで弾むような低域が聴けますが、本機は分厚く伸びる方向に音が向いていますので、低音をコントロールするための調整が必要です。
4429の低域は、本機と似ていて、分厚く伸びる方向を向いていますので、調整は本機と同じようなイメージです。
管理人は、タイトで弾むような低域は大好物ですので、本機もそういう方向になるよう調整を行いました。
※リフォームや壁の裏の調整などがメインです。




使いこなしTips



箱鳴りに関しては、エイジングとは関係ありませんので対策が最初から必要です。
まずは暴れる低域に関しては、ルームチューニングが必要です。
ブーミング対策とフラッターエコー対策が基本です。
このスピーカーに限りませんが。
対策方法は部屋などによって違いますので、ここでは取り上げません。
※別途機会はあれば、記事にしたいと思っています。
箱鳴り対策は、4429の記事と同様です。




4429_150px.jpg
【スピーカー・レビュー】
スピーカー

JBL
4429


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気になる下位S4700との違いですが、下記のような印象です。
人によっては違いを感じないかもしれませんが・・・。

■S4700は、
ツイーターユニットはピュアチタン19mm径のコンプレッション・ドライバー
ホーンユニットはピュアチタン50mm径のコンプレッション・ドライバー
を採用しているのに対し、

■本機Project K2 S9900は、
ツイーターユニットはピュアベリリウム25mm径のコンプレッション・ドライバー
ホーンユニットはマグネシウム合金100mm径に大型化した新開発コンプレッション・ドライバー
と、素材や大きさが全く(?)違うようです。

そのため、音色も違いが感じられます。
本機の方が、S4700に比べ、中高域がキレイで繊細な感じです。
ユニットの大きさの関係かは不明ですが、情報量もずいぶん増えます。
ベリリウムはやはり高価なだけあって、スピード感や高域が良く伸びます。
S4700とはこの高域も大きな違いです。
マグネシウム合金も、似たような効果で、キレやこもり感のないヌケ感が感じられます。

このようなわけで下位S4700とは、高域の伸びやスピード感、情報量が違います。
中域は良く出てきて、やはり情報量を伴います。
低域はあまり変わらない印象です。
強いて言えば、分厚くボリュームが上がった(音圧?)ような感じはします。
エンクロージャーが違うことが理由だと思います。
暴れる感じはないのですが、部屋がすぐ飽和してしまうような厚みがあります。

一方、下位S4700のほうでの良い点は、高域は芯が太い管楽器に強い音ですが、本機の高域は細いシンバル系にあうような音です。
マグネシウム合金の関係か、音源によっては若干ですが高域がキン付くように感じます。
人によっては、高域がうるさいと感じると思います。
サ行も本機のほうが、耳につく感じがします。
エイジングが進むと、ずいぶん、角が取れて自然にはなります・・・。
音の出方がそれだけ強いということだと思います。
あくまでも若干という範囲で、レビュー等をするようにかなり粗さがしをするような聴き方をしなければ感じることはないと思います。

ボリュームを上げられるのはどちらかと言いますと、S4700になります。
S4700はボリュームを上げてもうるさく感じにくいスピーカーです。

簡単に言い分けますと、
S4700はちょっともっさりとしていますが、トータルバランスが良く、楽しく芯のある音がするスピーカーだと思います。
本機Project K2 S9900は、中高域にスピード感とキレを持ち込んだ現代的なスピーカーかと思います。
またどこまでも太い低域が音圧と風圧を伴って飛んでくるのは、他の現代的スピーカーにはない特徴とも言えますが。
S4700や4367WX、4429クラスでないと、これに近い圧を感じる低域は難しいと思います。
※超ハイエンドの他社スピーカーはあるにはありますが・・・。

S4700や4367WXとはレベルが1つは上で、独自の世界観があります。
この世界観は、B&Wに例えると、
・700S2シリーズと、800D3シリーズの壁と同じ感じです。
800D3シリーズの独特の超高音質と、700シリーズのある意味普通な音質との違いのようなものです。
あ、S4700や4367WXが、B&Wの700S2と同等の音質という意味ではありませんので・・・。
S4700や4367WXは、相当レベルが高いスピーカーです。
S9900は、それ以上の別のレベルにあるという例えです。

ただし、S4700や4367WXと値段差がレベルでいうと3倍近くあり、音と釣り合っていない感じがとにかくすることがデメリットのような気がします。

マグネシウム合金を使ったスピーカーで有名なのは、FOSTEXかと思います。
ハイスピードで中高域に芯がありキレがある音がする傾向にあると思います。
それと同じとは言いませんが、本機は中高域がハイスピードでちょっと金属っぽい感じがします。
金属っぽいといっても、逆に音が生々しくなります。
そこは文字通りの金属っぽさとは違います。
音像と音場で表現しますと、究極的な音像型になります。
そこに心臓の鼓動に影響するのではと感じるほどの圧を伴った低域が飛んできます。
まさに数万人が入る巨大ライブ会場の最前列の巨大スピーカー前に来ちゃった、みたいな音とも言えます。
または、100人規模の小さなライブハウスで、大爆音のロックサウンドを、やはりスピーカーの真正面に立ってしまった、というような音のようです。
バスドラムの音圧で、髪の毛がぶわっとなびく経験がある方なら、ピンとくると思います。
演奏が終わると、耳が遠くなっていて、誰かとちゃんと会話するには、1時間くらい経たないといけないライブの帰りみたいな状態に近いかもしれません。

その影響か、相対的に感じやすいのですが、低域がちょっと膨らむ傾向にあります。
中高域となじむようにするため、ウーファーのエイジングは結構時間がかかると思います。
むしろ、最初はウーファーがほぐれてなく硬い動きをするので、最初から良い音がします。
中途半端にほぐれると、ユニット間の応答速度のばらつきがかなり気になります。
そこは辛抱してなじむまで使い続ける必要があるのだと思います。



クオリティ・レビュー詳細

 

【管理人独断レビュー】
 ※スマホで見る場合は、画面を横にしてください。(行ずれしてしまいます)


音声評点



・音場感
   狭い   ○○○●●● 広い
・音像感
   迫力   ○○●●●○ 繊細
・スピード感
   ファースト●●●○○○ スロー
・音色
   明るい  ○●●●○○ 暗い
・解像感
   シャープ ●●●○○○ マイルド
・コストパフォーマンス
   高い   ○○○●●● 低い
・満足度
   高い   ○●●○○○ 低い




※表の見方
○:非該当
●:該当
まるの数:3つが最大、2つが標準、1つはなし
まるの数は点数ではなく、どちらに寄っているかという指標



さいごに



本スピーカーは、JBLの中でもちょっと変わった立ち位置のスピーカーです。
中高域はハイスピードですが、ちょっと癖があり、低域は分厚く、それでいて無理して鳴っている感じはありません。
ただし、箱鳴りしますので、全ての音を精密に描写するというヨーロッパ仕様のスピーカーとも違います。

良く伸びる低域とギンとした中高域が聴けるスピーカーは数少ないと思います。
38cmウーファーと、大口径のSonoGlassトレードマーク(TM)ホーンの音は、このクラスの大きさと重さのスピーカーならではです。
中低域の風圧とも音圧とも言えそうな、迫力ある音が心地よいのです。
また、対応ジャンルは広く、現代的スピーカーとも言えると思います。
音色は独特と言えると思いますので、好みはJBLらしく分かれると思います。

ちなみに、本スピーカーのデメリットは、初心者の方にはなじみのないエイジングが必要である点とセッティングがシビアである点です。
奥行はこの大きさにしては、かなり薄いと言えますので、意外と置きやすいのですが、低域のコントロールは不可欠です。
またエイジングで中高域の癖は薄まりますので、じっくり付き合う姿勢で使うことが必要なスピーカーかと思います。




商品紹介


【ローズウッド】
JBL - Project K2 S9900/ローズウッド(1本)
by カエレバ


【ゼブラウッド】
JBL ジェービーエル スピーカーシステム Project K2 S9900/ゼブラウッド
by カエレバ





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「7月もサウンドバーとスピーカーが人気でした。最近、記事の更新ができていませんが、近いうちに再開できるよう考えています。」
  1. 1. 【スピーカー・レビュー】サウンドバー JBL BAR STUDIO
  2. 2. 【スピーカー・レビュー】スピーカー JBL 4312M II BK
  3. 3. 【ホームシアター】イマーシブオーディオについて考える
  4. 4. 【オーディオ・アクセサリー】USBメモリとハイレゾとオーディオの関係について考える
  5. 5. 【スピーカー・レビュー】スピーカー JBL 4429
  6. 6. 【スピーカー・レビュー】サウンドバー JBL CINEMA SB450
  7. 7. 【スピーカー・レビュー】サウンドバー SONY HT-ST5000
  8. 8. 【スピーカー・レビュー】スピーカー JBL STUDIO 220 BRN
  9. 9. 【アンプレビュー】ROTEL RB-1582 MK2
  10. 10. 【スピーカー・レビュー】スピーカー JBL Project K2 S9900
  11. 11. 【ご紹介】4K Ultra HDプレーヤー Panasonic DP-UB9000 発表
  12. 12. 【プロジェクター・レビュー】プロジェクター SONY VPL-VW245
  13. 13. 【スピーカー・レビュー】スピーカー JBL S4700BG / S4700
  14. 14. 【オーディオ・アクセサリー・レビュー】スピーカーケーブル ゾノトーン / Zonotone:6NSP-Granster 5500α
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オーディオとホームシアターが三度の飯より好きなアラフィフ管理人です。どちらかと言えばホームシアターのほうがオーディオより好きです。映画ソフトはかなりたくさん観てきましたので、機器だけではなくソフトのクオリティ・レビューも気ままにしていきたいと考えてます。機材検討やソフト購入検討のお役に立てれば幸いです。
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