2018年04月05日
【スピーカー・レビュー】スピーカー JBL S4700BG / S4700
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さて、今回は管理人がJBLの音が好みだと認識することが出来たとても思い入れの強いスピーカーであるJBL S4700BG / S4700のご紹介です。
このスピーカーと出会うまでは、自分の好みの音を出すスピーカーはよくわかっていませんでした。
そもそも音楽のジャンルも一定していませんし、映画もよく観ます。
それをサポートできるスピーカーで、自分好みの音を出すスピーカーなどあるのか、よくわかっていませんでした。
結果的には、ほぼ店頭で視聴できるスピーカーをあれこれと、それこそ数十本は比較視聴して、ようやく選択肢の一番最後に残った本スピーカーを聴いて、これしかないと思えるほどすごく自分の好みの音を出してくれました。
これがジャストフィットしました。
値段はフィットしませんでしたが・・・。
今でも現役の本スピーカーのレビューになります。
Harman International Japan Co.,Ltd. All rights reserved.
38cm 3ウェイ フロア型スピーカー
2011年9月
2018年3月現在、現行品です。
価格:
S4700BG:標準価格 ¥690,000(税抜)/1本
S4700:標準価格 ¥480,000(税抜)/1本
【JBL関連レビュー共通】
※すでに別のJBLレビューを読んだ方は飛ばしてください。
恐らくこのブログを見ている方でJBLを全く知らない人はいないかと思いますが、管理人の簡単な紹介を入れておきます。
1927年にLansing Manufacturing Inc.としてアメリカのカリフォルニアで創業。
現在も本社はカリフォルニアのノースリッジにあります。
意外と知られていないことは、コンシュマー向けの「JBL」ブランドと、業務用向けの「JBL Professional」ブランドの2つのブランドが存在していることです。
販売も分かれています。
1969年にジャービス・コーポレーション(現ハーマン・インターナショナル・インダストリーズ)に買収されました。
ハーマン・インターナショナル・インダストリーズは、アメリカのコネチカットに本社があるオーディオ機器などを製造、販売する多国籍企業です。
所有ブランドは、JBLをはじめ、harman/kardon、Mark Levinson、AKGなどがあります。
2017年にサムスン電子がハーマン・インターナショナル・インダストリーズを買収し、合併されています。
その影響は、まだ表には出ているように感じませんが、今後の動向が気になるところです。
JBLの特徴は、微細な音から大音量まで機敏に反応し、能率よく破たんすることなく、音が前に出てきて熱量が伴ってくる音にあると思っています。
ダイナミック、躍動的、反応の良さ/高能率、大型ユニット、透明かつ豊かな音などのキーワードがはまると思います。
JBLは、スピーカーユニットの性能を他社では行っていない120デシベルという大音量でも検証しているそうで、ピーク時にも強いユニットを作り続けている数少ないメーカーかと思います。
また技術面において、他社ではほとんど採用されていないホーンドライバー、コンプレッションドライバーにあると思います。
ホーンドライバーは、反応が良く繊細な音楽的表現力を備えていることや一方で大音量でもひずみが少なく音を鳴らすと言われています。
ホーンはその構造から大型になることや、指向性の狭さ、ホーン特有の音色などの弱点がありますが、そこは研究開発を続け、進化していますので2017年現行製品の多くはその弱点が気になることは少ないと管理人は考えています。
コンプレッションドライバーは、能率が高く、入力信号に対して敏感で、大音量にも強いユニットと言われています。
JBLはこういった特徴から、好き嫌いがはっきりしやすい音を出すブランドなのだと思います。
管理人もそうですが、その昔、大型スピーカーを使っていた人や、スピーカーは3wayユニットなどのマルチユニットでないと、という人には親和性がある音だと思います。
プレミアム・・・主に大型フロア型
スタンダード・・・主にホームシアター用
スタジオモニター・・・JBLと言えばこれというくらいの代表モデル
プレミアムアクティブ・・・据え置き型
アクティブ・・・色々なシーンや場所に対応
ホームシアター・・・シアターバー
ヘッドフォン/イヤホン・・・色々なシーンや場所に対応
カーオーディオ・・・ユニットから完成品まで
に大きくは大別されます。
本スピーカーは、JBLの中では「プレミアム」カテゴリーに位置し、ハイエンドという扱いです。
本機は2011年から2018年まで、2014年を除いて全て、専門誌の受賞モデルでもあります。
販売開始の2011年には8つの賞を受賞しています。
JBLの現行機種は2009年ごろが結構多く、まとめてリリースしたような印象です。
本機は、その2年後に上位機種の技術を引き継いでリリースされています。
そこから2018年まで約7年間、モデルチェンジなしで来ています。
これは海外メーカーではまあ普通なのでしょうが、日本市場で考えると少ないと思います。
スピーカーは、モデルチェンジするような新しい技術がないのか、技術が枯れている世界なのか、売れないから手を付けられないのか、またはその全てかはわかりませんが、ずっと変わっていません。
ある意味で、現代的JBLの完成された外観やデザインとも言えると思います。
B&W、Sonus faber、FOCAL、TANNOY、KEF、MARTIN LOGAN、PMC、QUAD、THIELなど、その外見を見たらそのメーカーだと判る工業デザインが特徴ですが、現行のJBLのラインナップもそういう意味で2010年以降の代表的デザインなのだと思います。
逆に、1世代前の機種を見ると、やはりデザインでは、現行機種のほうがあか抜けて見えます。
後継機種が出たら、やはり現行機種が古く見えるのでしょうが、今の現行機種は十分に洗練されているように見えます。
開口面積が大幅に拡大されたHFホーンは、JBLの最新機種では標準となっています。
UHFホーンと、HFホーンが一体化したシンプルな見た目が良いです。
外見は、現代JBL共通デザインの大型ホーンがあり、38cmウーファーが真ん中にドンとある外見です。
管理人はこの外見は好きです。
上位機種のS9900とほぼ同じです。
エンクロージャーは、上位機種のS9900と違いJBL標準の1インチ(25mm)厚MDFボードでちょっと寂しいです。
管理人の印象では、この大きさのスピーカーとしてはS9900くらいの厚みは欲しいと感じます。
S9900の厚みは45mmです。
管理人がその昔使用していたONKYOのD-77シリーズや、DIATONEのDSシリーズは、42mmのMDFとかの厚みがありましたので。
そのようなわけで25mmの厚みですと、箱鳴りします。
それを踏まえたサウンド作りをしていると思います。
管理人の好みは箱鳴りしない「ビシッ」とした音が好みなので、4429と同じ振動対策をしています。
そもそもMDFだけでは箱鳴りしますので金属などの補強をしているB&Wなどが構造的に好みですが、そうするとJBLの音像型の良さがそがれてしまうのでしょう。
結局、理論ではなく、どういう音が好みか、と言う点に収束しますが、JBLの良さを出すには、こういう構造になるのでしょう。
上位のS9900よりも奥行きが若干長いのも特徴です。
キャビネット容積が大きいと音には好条件です。
逆にS9900は幅が広いので、設置性を考えたのだと思います。
また局面を描いているデザインは、音に良い効果が期待できます。
不要な反射が少なくなると言われています。
モニターシリーズに代表される無骨な四角いエンクロージャーがJBLの特徴でもありましたが、本機は曲線があります。
写真で見るより実物の方が、この曲線ははるかに良いです。
現行機種のJBLの大型フロア型のプレミアムシリーズは、他のスタジオモニターシリーズなどに比べて、見た目と音にギャップを感じる印象があります。
見た目通りの低音と、見た目とは違う芯のある乾いた前に飛んでくる中高域が特徴のように感じます。
もっと言いますと、このキャビネットの大きさの割に、軽い音に感じます。
※あくまでもエージング前の第一印象です。
特に本機は、38cmウーファーのバッフルが印象的ですが、それよりもホーンから出る乾いた押し出しの良い高域のギャップが印象に残ります。
最初に聴いた時は、ちょっと不思議な感じでした。
まあ、これがJBLのホーンくささと言われている音色なのでしょう。
ちなみに4429の最初の印象は、高域が弱めで低域が強すぎると感じました。
※これもエージングやセッティングで変わっていきます。
JBL共通の音の押し出しが良く、飛んでくる印象に加え、上位機種になるほど情報量がどんどん多くなる感じがします。
これはスタジオモニターシリーズと共通ですね。
本機は、S9900の下位であることもあり、比較するとちょっと情報量は抑えめで、もう少し音数が欲しい気もします。
人によっては、導入当初は少しコンプが掛かっていると感じるかもしれません。
それもエージングなどで改善していきますが・・・。
プレミアムシリーズのラインナップは、値段も全然違いますが、音もそれぞれレベル感が全然違います。
本機とエントリーのS3900では、かなり音質の差があります。
情報量は何倍か違い、比べるとS3900がこもって聴こえるほどの印象です。
本機とS9900は、何倍とかの世界ではありませんが、S9900のほうがレベルが1つ上に感じます。
当たり前ですが・・・。
音の芯の太さや音場の広さなどが違ってきます。
値段はレベルが1つどころの差ではすみませんが・・・。
S9900は、下位の本機に比べて、ちょっと値段が高すぎると感じます。
一般的には、本機と同時期に販売されていた4367WXと比較されることが多かったと思います。
上位機種のS9900とは比べる土俵が違うようです。
で、4367WXとの比較は一応しましたので、下記でレビューします。
なお、管理人は、一番値段の高い時期にJBLスピーカーをまとめて色々買ってしまいました。
JBLは2015年に15%の値上がりをしています。
その値上がり価格で購入してしまいました。
ついでに消費税が8%になった2014年以降でもあります。
今回、レビューをして調べている時に気が付いたのですが、管理人が購入したあと、2016年10月にまた値下がりしていました!
ちょうど値上がりした1.5年間の間のピーク時に買ったことになります。
ショックです。
数十万円も多く払った計算です。
いや、考えようによっては、ハーマン社の努力で価格を抑える努力をしているということなのですが・・・。
うーん、高額なものを買った後に、値段などを調べるのは精神衛生上、良くないですね。
大抵の場合は安くなっていますので。
4Kプロジェクタとか4KTVなどもそうです・・・。
Harman International Japan Co.,Ltd. All rights reserved.
音に関しては、前に出てくる元気の良い音はJBLならでは、です。
このクラスでも共通しています。
とにかく元気で音が熱量を伴い、芯があるカリフォルニアを連想させる乾いた厚い音がします。
本機は、導入当初は中域が弱く、低域はボンヤリしがちなスピーカーです。
高域は最初からキレイに鳴ります。
この高域の元気良さが最初は目立ちますので、相対的に中低域が目立たない印象を持つと思います。
エイジングが進むと、中低域はかなり芯を伴って出てきますのでご安心を。
音色はJBLのホーンらしい癖があると思います。
逆に似た音色の他社スピーカーはほとんどないのではないでしょうか?
特にホーンの材質が他のJBLスピーカーとは違うため、特徴的です。
JAZZあたりのジャンルを聴くとすぐにわかると思います。
ここが好きか嫌いか、判りやすい判断材料かと思います。
出力が94dBと上位機種のS9900よりも高感度なため、アンプを選ばない方だと思いますが、このクラスのスピーカーを鳴らすのであれば、アンプは余裕があったほうが良いと思います。
音のコントラストや立ち上がりが克明になる方向で、音が暴れず凝縮される感じで、ボーカルの口は小さくなります。
ボリュームをいくつも上げられ、うるさく感じにくくなります。
これは、パワーアンプの特徴にも絡みますので、管理人個人の経験とお考えください。
高域と低域の伸びはとても良いです。
エイジングが終わるまでは、こもり感があるので要注意です。
さて、音の特徴ですが、高域はメリハリのある音が飛んできます。
この飛んでくる感覚は他のスピーカーにはない特徴かと思います。
そして、繊細であることも大きな特徴です。
表現が難しいのですが、芯がありつつ、繊細な音の描き分けがあります。
これはボーカルのような音には繊細さをもって表現可能で、強めの楽器には芯を伴って力強く表現できるということなのだと思います。
一方で、モニタースピーカーではありませんので、コンテンツの音を全て出し切るような方向性ではありません。
ちゃんとしたヘッドフォンで聞くとたくさんの音が聴こえると思いますが、本機ではそういう全ての音が拾えているわけではありません。
そのあたりはJBLモニタースピーカーかヨーロッパ系の美音スピーカーが得意かと思います。
本機はエネルギッシュな音圧を伴う音が飛んでくるスピーカーですので、そういう情報量は多少マスクされている感じです。
ただし、楽器が少なく静かなボーカルものでは、かなり繊細で音数も多く表現しますので、コンテンツによるのかもしれません。
それから他のスピーカーではほぼ聴くことの出来ない重たいパンチの効いた低音が加わり両立しているのが大きな特徴です。
音場もかなり広いです。
上位機種のS9900は完成された音場を形成しますが、本機もそれには劣りますが、他社スピーカーに比べ、音場も左右に広いです。
ヨーロッパ系のスピーカーとの大きな違いです。
ヨーロッパ系のスピーカーは、主に奥行き方向に音場が広がると思います。
もちろん、左右にも十分広がりますが、奥行き方向が特徴です。
本機は左右と前に音場ができますし、前に出て音場を形成するよりも、飛んでくるという感じです。
管理人は、最初はヨーロッパ系の代表的なスピーカーをかなり比較視聴しましたので、違いは明らかです。
むしろ、最初はヨーロッパ系のスピーカーを第一候補にしていました。
スピードと解像感と分解能を優先的に候補を選んでいました。
結果的には、パワーを感じる音が心地よいJBLを選びました。
対極的な音を選んで、訳が分からないと思いましたが、好みはそうやって視聴を繰り返すことで、ようやくわかったというわけです。
JBLの本機はポップスやJPOPなどのジャンルのドラムでもドスンとしたバスドラムが鳴ってくれますし、ベースは解像感豊かにブンブンと鳴り分けます。
ここはエイジングが必要で、且つルームチューニングがちゃんとしていないと、ブーミーに感じやすいので注意が必要です。
ここのコントロールが難しい場合は、やはりヨーロッパ系のスピーカーか、モニター系のスピーカーが選択肢になるのだと思います。
ロックやヘビーメタル系は、ホーン型との相性が抜群で音が鋭く切れ込んで低域の迫力が心地よいです。
楽器の分離感も良く、スタジオで直接聴いているような熱い熱量を伴い、迫ってきます。
JAZZは、JBLの本領発揮というところで、シンバルやサックスなどの管楽器の生々しさから、ベースやバスドラムのキックまで存分に厚い低音が空気圧を伴い飛んできます。
クラシックは聴かないので不明です。
昔のJBLと違い、ジャンルの幅は広いのだと思います。
ほとんど上位機種のS9900と傾向は同じです。
本機は箱鳴りします。
箱鳴りに関しては、エイジングとは関係ありませんので対策が最初から必要です。
まず低域に関しては、ルームチューニングが必要です。
ブーミング対策とフラッターエコー対策が基本です。
このスピーカーに限りませんが。
対策方法は部屋などによって違いますので、ここでは取り上げません。
ルームチューニングの記事を参照ください。
箱鳴り対策は、4429の記事と同様です。
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エイジングは必須だと思います。
エイジングが進むと、ボーカルものは、生々しく艶を伴い情報量豊かに浮ぎだしてくる印象があります。
実在感がありすぎて、はっとすることも多いです。
見た目とは裏腹に、しゃっきりした中高域が印象的です。
ホーンユニットが功を奏していると思います。
JBLのホーン型スピーカーの特徴とも言えるホーンとウーファーの音はずいぶん印象が違っていますので、ユニットごとのエイジングはしっかりして、なじませないといけない機種かと思います。
導入当初は、ユニット間の繋がりが悪く感じました。
同じCDを聴いていても、ある楽器はとても好みに鳴るのに、ある楽器はこもった感じがする、という具合です。
出来るだけ、エイジング中は、外出時に音を鳴らし、聴かないようにしました。
音を聴いていると不満を感じるかもしれないと考えたためです。
エイジングが終わると、当初のボンヤリした中低域から、JBLらしい熱量と弾ける弾力のある低音が心地よくなり、中高域はクッキリと厚い音が飛んできます。
ボーカルは生々しく、美音スピーカーに劣らず、繊細にロウソクの炎のように、浮かびあがる表現が出来ます。
ヨーロッパ系のスピーカーでは、このあたりがとても自然で、奥行を伴い浮かび上がらせるような表現をする傾向があると思います。
本機は、生々しいと感じる中高域の音がやはり強みです。
また低域は、JBLの独壇場とも言えるほど、締まったよく伸びる低域で迫ってきます。
判りやすく言いますと、映画館で聴く重低音に似ています。
「ズズン」「ブンブン」というような擬音がマッチするような感じです。
アコースティック系の音は低音の強さもあって楽しいのですが、作られた音という印象を持ってしまうと、評価は分かれそうですね。
本機のバスレフポートはS9900と同様に後ろにありますので、部屋のコーナーに置いてしまったら、低域がブーミーで定在波も発生しまくると思います。
それだけ低域が強力ですので、ルームチューニングやセッティングは、それなりに追い込まないと使いこなせないと思います。
ご注意下さい。
ただし、本機の導入当初はあまり低域は暴れません。
ウーファーユニットが硬いからなのか、最初から音はタイトでスリムです。
ここもちょっと視聴した人が勘違いしてしまう点かもしれません。
図体はでかいのに、なんだか低域がスリムに感じて、マッチしていないと考えるかもしれません。
エイジングが進むと、そんなことはありませんので、ご安心ください。
なおセッティングの容易さでは、スタジオモニターシリーズが良いと思います。
バスレフポートが前面にありますので。
ただし、JBL 4429は最初から低域が全開でかなり出ますので、要注意です。
バスレフポートが後面にあることで、低域を壁面とあわせて調整したい場合は、本機のような大型フロアタイプが良いのだと思います。
いずれにしてもここまで低域が出るスピーカーは他にはほとんどありませんので、低域をコントロールすることが重要です。
また低域で部屋が飽和しやすいので、注意が必要です。
本機は定位に苦労します。
まあどのスピーカーもそうなのですが。
まずは左右のスピーカーを対称にしないといけません。
基本中の基本です。
本機はセッティングに繊細ですので、ここのずれは定位感に直結します。
ほんの数ミリでも対称でないと、聴いていて気持ちが悪いのです。
同じCDでも同じ曲でも、定位が安定せず、ずれを感じます。
ホーンの特徴なのかもしれませんが、ホーンは指向性があるため、定位を安定させるには内振りにする必要があります。
恐らくですが、クラシックを聴く人は、ほとんど内振りにする必要はない気がします。
管理人はクラシックは聴かないので実際のところはわかりません。
管理人のベストポジションは、スピーカーの内側側面が視聴位置からちょうど見えないというような向きです。
顔を動かすと側面が見えたり、完全に隠れたりするようなジャストの位置です。
イメージですが、左右のスピーカーから垂直に線を引いたら、耳の位置(頭の真ん中付近)でクロスする位置です。
ちょうど左右のスピーカーが、顔に対して真正面を向いている位置です。
セッティングに詳しい人ならすぐにピンとくると思いますが、顔の手前でクロスする位置ですと、音はクッキリするのですが痩せてしまい音場も狭くなります。
逆に頭の後ろの方でクロスすると、音場は広いですが音像がぼやけます。
本機はそれがはっきり出てしまいますので、結構ピンポイントなセッティングが求められます。
セッティングをしているということはエイジング中でもあると思いますので、日によって定位に違いが出てしまい、右往左往するかもしれません。
導入当初2か月くらいは、毎回聴くたびに、角度を調整していました。
なお、この位置だとバスドラムはタイトでズシンとした重量感を感じます。
また楽器の少ないボーカルでは浮かび上がるような繊細さをもって中央にピシッと定位します。
ボリュームを絞って聴くと良く分かると思います。
同時に、横や後ろの方から回り込んでくるようなサラウンド感があるかも重要なポイントです。
こういう2つの聴こえ方をしないと、内振りのし過ぎだと思います。
逆にスピーカーが正面(視聴位置に向いていない)を向いていると、定位が曖昧だと思います。
その場合は、曖昧にならない視聴位置を前後に動いて探すという形になります。
部屋が広い人はそういう方法もあるかと思います。
ただし、それで定位が合うかどうかは、不明です。
気になる他機種との違いですが、下記のような印象です。
人によっては違いを感じないかもしれませんが・・・。
本機は、ツイーターユニットはピュアチタン19mm径のコンプレッション・ドライバー
ホーンユニットはピュアチタン50mm径のコンプレッション・ドライバー
を採用しているのに対し、
Project K2 S9900は、
ツイーターユニットはピュアベリリウム25mm径のコンプレッション・ドライバー
ホーンユニットはマグネシウム合金100mm径に大型化した新開発コンプレッション・ドライバー
と、素材や大きさが全く(?)違うようです。
そのため、音色も違いが感じられます。
本機よりもS9900のほうが中高域がキレイで繊細な感じです。
ユニットの大きさの関係かは不明ですが、情報量もずいぶん増えます。
ベリリウムはやはり高価なだけあって、スピード感や高域が良く伸びます。
本機とはこの高域も大きな違いです。
マグネシウム合金も、似たような効果で、キレやこもり感のないヌケ感が感じられます。
このようなわけで下位の本機とは、高域の伸びやスピード感、情報量が違います。
中域は良く出てきて、やはり情報量を伴います。
全体の帯域で音圧や音のコントラストがくっきりしてきますので、低域も分厚く本機とのレベル差を感じます。
強いて言えば、分厚くボリュームが上がった(音圧?)ような感じはします。
エンクロージャーが違うことが理由だと思います。
暴れる感じはないのですが、部屋がすぐ飽和してしまうような力強い厚みがあります。
音色もマイルドさもありつつ、ハイエンドらしい、なんとも独特の音色になります。
癖が薄くなるというべきかもしれませんが・・・。
気になる点は、少々状態の悪いCDでは、高域がシャリシャリして楽しくないものも結構あります。
低域は持ち上げて聴こえるので楽しいのですが、高域がうるさい音源は注意が必要です。
逆にこもったような音源は、それは楽しく聴けます。
Harman International Japan Co.,Ltd. All rights reserved.
スタジオモニターシリーズの最上位の4367WXの低音はちょっと本機との違いがよく出ます。
4367WXは、そんなに低域を強調してくるスピーカーではない印象ですが、音場は広いです。
4367WXと比べると本機S4700の低域は、タイトな感じです。
4367WXの低域は、ちょっと物足りない感じもしますが、エンクロージャーの大きさも関係するかもしれません。
ただ、他社のスピーカーよりははるかに低音は出ます。
4367WXは2Wayでバスレフポートはモニターシリーズ共通の前面にあります。
音の元気さは本機と同様ですが、中域に芯があり、力強く感じます。
高域は自然ですので、本機とはちょっと傾向が違います。
中域が本機S4700より強いので、解像感は4367WXのほうがかなり多く感じます。
さすが当時のモニターシリーズの最上位ですね。
【4367WX】
B&W 803D3は本機より価格帯が上なので、本来はS9900と比較した方が良いと思いますが、購入時に比較しましたのでおまけで記載します。
楽器やボーカルの鳴らし分けは忠実で、ボーカルは繊細に左右のスピーカーの中央から奥行方向に定位し、傾向の違う音色が立体的に分離していました。
恐らく分解能という表現になるのだと思いますが、音を足したり引いたりしない正確性なのだと思います。
コンテンツの情報を出来るだけ引かずに、出し切る方向で音が出ています。
そして、このクラスですと価格もビックリするくらいですが、低域もしっかり出てきます。
B&Wで見劣りしない低域がちゃんとしてくるのは、このクラスからではないでしょうか?
例外として805D3はブックシェルフ型ですが、低音が良いため、人気がありますね。
804D3ですと、そのスリムな筐体とイメージが合うのですが、低域もスリムです。
ハイスピードでキレイな低域です。
803D3では低域に不足を感じることはないと思います。
さすがです。
そしてホーン型ではありませんので、内振りなどのセッティングはあまりシビアではない印象です。
【B&W 803D3】
一方、本機のほうでの良い点は、高域は芯が太い管楽器に強い音です。
S9900の高域は細いシンバル系にあうような音です。
4367WXはどちらの楽器にも合いそうです。
B&W803D3は、高域は繊細で美音です。
箱鳴りがないので、スピーカーが消え、情報量もマスクされることなく、ちょっとした音まで良く拾います。
S9900はマグネシウム合金の関係か、音源によっては高域がシャリ付くように感じます。
人によっては、高域がうるさいと感じると思います。
サ行もS9900のほうが、耳につく感じがします。
ボリュームを上げられるのはどちらかと言いますと、本機になります。
本機はボリュームを上げてもうるさく感じにくいスピーカーです。
B&W803D3はもっとボリュームを上げられます。
定位置が奥行方向なので、かなりボリュームを上げても大丈夫です。
4367WXと本機では、まずはセッティングのしやすさは本機が有利です。
4367WXはスピーカー台などのセッティングが難しいです。
結構持ち上げないと低域などが詰まり、ブーミーです。
一方、筐体がかなり大きいので、スピーカー台の選択肢が少ないこともありますし、ベストな高い位置に置くのも簡単ではないと思います。
ただしバスレフポートが前面にありますので、壁とのセッティングはしやすいほうだと思います。
セッティングが問題なければ、4367WXのほうがやはり情報量が多く有利です。
B&W803D3は、良いスピーカーですが、値段が高すぎました。
それと管理人の好みでもっと低域のパワフルなS9900も別途選択することになりました。
比べると音色がJBL特有のものがあって、それも気に入ってしまったからです。
JBLの音が気に入ってしまうと、B&Wの音が物足りなくなるのです。
B&W803D3が好きな方からすると、JBLは余計な音(音色や低域など)があり、分解能も今一つと感じるかもしれません。
こうやって比較すると一長一短で好みと値段の問題のような気がします。
管理人は、スピーカー台などのセッティングや見た目で、フロア型でJBLを選択しました。
簡単に言い分けますと、
本機は比較すると、ちょっともっさりとしていますが、トータルバランスが良く、楽しく芯のある音がするスピーカーだと思います。
そしてコストパフォーマンスが良いのも特徴です。
Project K2 S9900は、中高域にスピード感とキレを持ち込んだ現代的なスピーカーかと思います。
ちょっと値段が高すぎるのが厳しい所でしょうか。
4367WXは、解像感の良い低域もよく伸びるスタジオモニターです。
B&W803D3は美音系でスピーカーが消えるとても完成度の高いスピーカーです。
本機は2種類のモデルがあります。
色違いですが、値段は1台で20万円近く違います。
S4700のブラック・グロス(一般的にはピアノ・ブラック)のほうが限定カラーになり、値段が高いです。
違いですが、これは一般的なピアノ・ブラック塗装の違いになります。
基本的にブラック・グロス(S4700BG)のほうが、音が締まってタイトです。
音像感が優勢になる形です。
値段差と同等の違いがあるかと言いますと、そんなに大きな違いを感じるほどではないかもしれません。
管理人は、ブラック・グロスを選択しました。
まずこれだけで写真とは違い、所有満足度が跳ね上がります。
すごく良いです。
それから、タイトでズシンとした低域は弾力性もあり、病みつきです。
標準のS4700は、そこを気にしないのであれば、十分に良いモデルです。
音像と音場が両立している音だと思います。
S4700BGは音像が優位な音になります。
視聴して好みで選択するのが良いと思いますが、結構値段差がありますので、難しいところですね。
【管理人独断レビュー】
※スマホで見る場合は、画面を横にしてください。(行ずれしてしまいます)
※表の見方
○:非該当
●:該当
まるの数:3つが最大、2つが標準、1つはなし
まるの数は点数ではなく、どちらに寄っているかという指標
本スピーカーは、JBLの中で「プレミアム」カテゴリーを代表するモデルになります。
またJBLの中では珍しいブラック・グロスのカラーが楽しめるモデルです。
JBLモニター派の人には受け入れにくいと思いますが、他社のフロア型スピーカーも選択肢にある人なら、違和感はないと思います。
筐体の大きさと奥行の短さは、セッティングのしやすさもあります。
エネルギッシュなパンチの効いた低域と繊細で芯のある生々しい中高域が聴けるスピーカーは数少ないと思います。
中低域の風圧とも音圧とも言えそうな、迫力ある音が心地よいのです。
また、対応ジャンルは広く、現代的スピーカーとも言えると思います。
情報量が少なめとレビューしましたが、それは比較対象との問題であって、本機より安い価格帯の他社スピーカーと比べて不足するということは少ないとお伝えしておきます。
またJBLスピーカー共通ですが、本スピーカーのデメリットは、初心者の方にはなじみのないエイジングが必要である点とセッティングがシビアである点です。
奥行はこの大きさにしては、かなり薄いと言えますので、意外と置きやすいのですが、低域のコントロールは不可欠です。
またエイジングで初期の音とは変わってきますので、じっくり付き合う姿勢で使うことが必要なスピーカーかと思います。
特に音がモヤモヤしているとか、情報量が少ないとか、低域が甘いとかの初期印象は、エイジングとセッティングで敏感に反応していきます。
むしろ、敏感過ぎて、ちょっと調整しただけでずいぶん変わりますので、シビアです。
ポンと置いて音を判断するようなケースには向いていません。
オーディオマニアにとっては、じっくり向き合うとその敏感さが楽しくなるとも言えます。
どうやっても音があまり変わらないというスピーカーよりも、こういうスピーカーのほうが面白いのではないでしょうか?
ちなみに音楽だけでなく映画も観るなら、上位機種のS9900のほうがレベルがいくつも上です。
まあ値段差を考えると当たり前ですが・・・。
【S4700】
Harman International Japan Co.,Ltd. All rights reserved.
Harman International Japan Co.,Ltd. All rights reserved.
Harman International Japan Co.,Ltd. All rights reserved.
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Harman International Japan Co.,Ltd. All rights reserved.
Harman International Japan Co.,Ltd. All rights reserved.
Harman International Japan Co.,Ltd. All rights reserved.
Harman International Japan Co.,Ltd. All rights reserved.
2017 Sony Corporation, Sony Marketing Inc.
2017 Sony Corporation, Sony Marketing Inc.
【セカイモン:eBayの日本語仲介サイト】
【JBL】
さて、今回は管理人がJBLの音が好みだと認識することが出来たとても思い入れの強いスピーカーであるJBL S4700BG / S4700のご紹介です。
このスピーカーと出会うまでは、自分の好みの音を出すスピーカーはよくわかっていませんでした。
そもそも音楽のジャンルも一定していませんし、映画もよく観ます。
それをサポートできるスピーカーで、自分好みの音を出すスピーカーなどあるのか、よくわかっていませんでした。
結果的には、ほぼ店頭で視聴できるスピーカーをあれこれと、それこそ数十本は比較視聴して、ようやく選択肢の一番最後に残った本スピーカーを聴いて、これしかないと思えるほどすごく自分の好みの音を出してくれました。
これがジャストフィットしました。
値段はフィットしませんでしたが・・・。
今でも現役の本スピーカーのレビューになります。
【スピーカー・レビュー】 スピーカー JBL S4700BG / S4700 posted with カエレバ ヤマダウェブコムで調べる ヤマダモールで調べる ノジマオンラインで調べる |
製品概要
種別
38cm 3ウェイ フロア型スピーカー
特徴
JBLファン、音楽ファン待望のフロア―型スピーカーシステムHarman International Japan Co.,Ltd. All rights reserved.
「S4700」に限定生産カラーのブラックグロスが登場!
JBL伝統のユニット構成である15インチ径ウーファーと2インチ径コンプレッション・ドライバーの2ウェイ構成を基に、超小型3/4インチ径コンプレッション・ドライバーを超高域拡張用として組み合わせた3ウェイ構成。
製品詳細
発売日
2011年9月
販売
2018年3月現在、現行品です。
メーカー希望小売価格
価格:
S4700BG:標準価格 ¥690,000(税抜)/1本
S4700:標準価格 ¥480,000(税抜)/1本
仕様
形式:3ウェイ・フロア型スピーカーHarman International Japan Co.,Ltd. All rights reserved.
使用ユニット:
LF:380mm径ピュアパルプコーンNDD(ネオジューム・ディファレンシャル・ドライブ)ウーファー〈2216Nd〉
HF:50mm径アクアプラス・コーティング・ピュアチタン・ダイアフラムコンプレッション・ドライバー〈175Nd-3〉
+38mm径スロート・バイラジアルホーン
UHF:19mm径ピュアチタンダイアフラム・コンプレッション・ドライバー〈138Nd〉
+10mm径スロート・バイラジアルホーン
インピーダンス:6Ω
許容入力:300W(RMS)
出力音圧レベル:94dB(2.83V@1m)
周波数特性:38Hz 〜 40kHz(-6dB)
クロスオーバー周波数:
800Hz
12kHz
寸法(W×H×D):550×1,068×371mm(スパイク含まず)
重量:54.5kg
バイワイヤリング:○
JBLについて
【JBL関連レビュー共通】
※すでに別のJBLレビューを読んだ方は飛ばしてください。
恐らくこのブログを見ている方でJBLを全く知らない人はいないかと思いますが、管理人の簡単な紹介を入れておきます。
1927年にLansing Manufacturing Inc.としてアメリカのカリフォルニアで創業。
現在も本社はカリフォルニアのノースリッジにあります。
意外と知られていないことは、コンシュマー向けの「JBL」ブランドと、業務用向けの「JBL Professional」ブランドの2つのブランドが存在していることです。
販売も分かれています。
1969年にジャービス・コーポレーション(現ハーマン・インターナショナル・インダストリーズ)に買収されました。
ハーマン・インターナショナル・インダストリーズは、アメリカのコネチカットに本社があるオーディオ機器などを製造、販売する多国籍企業です。
所有ブランドは、JBLをはじめ、harman/kardon、Mark Levinson、AKGなどがあります。
2017年にサムスン電子がハーマン・インターナショナル・インダストリーズを買収し、合併されています。
その影響は、まだ表には出ているように感じませんが、今後の動向が気になるところです。
JBLの特徴は、微細な音から大音量まで機敏に反応し、能率よく破たんすることなく、音が前に出てきて熱量が伴ってくる音にあると思っています。
ダイナミック、躍動的、反応の良さ/高能率、大型ユニット、透明かつ豊かな音などのキーワードがはまると思います。
JBLは、スピーカーユニットの性能を他社では行っていない120デシベルという大音量でも検証しているそうで、ピーク時にも強いユニットを作り続けている数少ないメーカーかと思います。
また技術面において、他社ではほとんど採用されていないホーンドライバー、コンプレッションドライバーにあると思います。
ホーンドライバーは、反応が良く繊細な音楽的表現力を備えていることや一方で大音量でもひずみが少なく音を鳴らすと言われています。
ホーンはその構造から大型になることや、指向性の狭さ、ホーン特有の音色などの弱点がありますが、そこは研究開発を続け、進化していますので2017年現行製品の多くはその弱点が気になることは少ないと管理人は考えています。
コンプレッションドライバーは、能率が高く、入力信号に対して敏感で、大音量にも強いユニットと言われています。
JBLはこういった特徴から、好き嫌いがはっきりしやすい音を出すブランドなのだと思います。
管理人もそうですが、その昔、大型スピーカーを使っていた人や、スピーカーは3wayユニットなどのマルチユニットでないと、という人には親和性がある音だと思います。
JBL主要ラインナップ
プレミアム・・・主に大型フロア型
スタンダード・・・主にホームシアター用
スタジオモニター・・・JBLと言えばこれというくらいの代表モデル
プレミアムアクティブ・・・据え置き型
アクティブ・・・色々なシーンや場所に対応
ホームシアター・・・シアターバー
ヘッドフォン/イヤホン・・・色々なシーンや場所に対応
カーオーディオ・・・ユニットから完成品まで
に大きくは大別されます。
クオリティ・レビュー総評
本スピーカーは、JBLの中では「プレミアム」カテゴリーに位置し、ハイエンドという扱いです。
本機は2011年から2018年まで、2014年を除いて全て、専門誌の受賞モデルでもあります。
販売開始の2011年には8つの賞を受賞しています。
JBLの現行機種は2009年ごろが結構多く、まとめてリリースしたような印象です。
本機は、その2年後に上位機種の技術を引き継いでリリースされています。
そこから2018年まで約7年間、モデルチェンジなしで来ています。
これは海外メーカーではまあ普通なのでしょうが、日本市場で考えると少ないと思います。
スピーカーは、モデルチェンジするような新しい技術がないのか、技術が枯れている世界なのか、売れないから手を付けられないのか、またはその全てかはわかりませんが、ずっと変わっていません。
ある意味で、現代的JBLの完成された外観やデザインとも言えると思います。
B&W、Sonus faber、FOCAL、TANNOY、KEF、MARTIN LOGAN、PMC、QUAD、THIELなど、その外見を見たらそのメーカーだと判る工業デザインが特徴ですが、現行のJBLのラインナップもそういう意味で2010年以降の代表的デザインなのだと思います。
逆に、1世代前の機種を見ると、やはりデザインでは、現行機種のほうがあか抜けて見えます。
後継機種が出たら、やはり現行機種が古く見えるのでしょうが、今の現行機種は十分に洗練されているように見えます。
開口面積が大幅に拡大されたHFホーンは、JBLの最新機種では標準となっています。
UHFホーンと、HFホーンが一体化したシンプルな見た目が良いです。
外見は、現代JBL共通デザインの大型ホーンがあり、38cmウーファーが真ん中にドンとある外見です。
管理人はこの外見は好きです。
上位機種のS9900とほぼ同じです。
エンクロージャーは、上位機種のS9900と違いJBL標準の1インチ(25mm)厚MDFボードでちょっと寂しいです。
管理人の印象では、この大きさのスピーカーとしてはS9900くらいの厚みは欲しいと感じます。
S9900の厚みは45mmです。
管理人がその昔使用していたONKYOのD-77シリーズや、DIATONEのDSシリーズは、42mmのMDFとかの厚みがありましたので。
そのようなわけで25mmの厚みですと、箱鳴りします。
それを踏まえたサウンド作りをしていると思います。
管理人の好みは箱鳴りしない「ビシッ」とした音が好みなので、4429と同じ振動対策をしています。
そもそもMDFだけでは箱鳴りしますので金属などの補強をしているB&Wなどが構造的に好みですが、そうするとJBLの音像型の良さがそがれてしまうのでしょう。
結局、理論ではなく、どういう音が好みか、と言う点に収束しますが、JBLの良さを出すには、こういう構造になるのでしょう。
上位のS9900よりも奥行きが若干長いのも特徴です。
キャビネット容積が大きいと音には好条件です。
逆にS9900は幅が広いので、設置性を考えたのだと思います。
また局面を描いているデザインは、音に良い効果が期待できます。
不要な反射が少なくなると言われています。
モニターシリーズに代表される無骨な四角いエンクロージャーがJBLの特徴でもありましたが、本機は曲線があります。
写真で見るより実物の方が、この曲線ははるかに良いです。
現行機種のJBLの大型フロア型のプレミアムシリーズは、他のスタジオモニターシリーズなどに比べて、見た目と音にギャップを感じる印象があります。
見た目通りの低音と、見た目とは違う芯のある乾いた前に飛んでくる中高域が特徴のように感じます。
もっと言いますと、このキャビネットの大きさの割に、軽い音に感じます。
※あくまでもエージング前の第一印象です。
特に本機は、38cmウーファーのバッフルが印象的ですが、それよりもホーンから出る乾いた押し出しの良い高域のギャップが印象に残ります。
最初に聴いた時は、ちょっと不思議な感じでした。
まあ、これがJBLのホーンくささと言われている音色なのでしょう。
ちなみに4429の最初の印象は、高域が弱めで低域が強すぎると感じました。
※これもエージングやセッティングで変わっていきます。
JBL共通の音の押し出しが良く、飛んでくる印象に加え、上位機種になるほど情報量がどんどん多くなる感じがします。
これはスタジオモニターシリーズと共通ですね。
本機は、S9900の下位であることもあり、比較するとちょっと情報量は抑えめで、もう少し音数が欲しい気もします。
人によっては、導入当初は少しコンプが掛かっていると感じるかもしれません。
それもエージングなどで改善していきますが・・・。
プレミアムシリーズのラインナップは、値段も全然違いますが、音もそれぞれレベル感が全然違います。
本機とエントリーのS3900では、かなり音質の差があります。
情報量は何倍か違い、比べるとS3900がこもって聴こえるほどの印象です。
本機とS9900は、何倍とかの世界ではありませんが、S9900のほうがレベルが1つ上に感じます。
当たり前ですが・・・。
音の芯の太さや音場の広さなどが違ってきます。
値段はレベルが1つどころの差ではすみませんが・・・。
S9900は、下位の本機に比べて、ちょっと値段が高すぎると感じます。
一般的には、本機と同時期に販売されていた4367WXと比較されることが多かったと思います。
上位機種のS9900とは比べる土俵が違うようです。
で、4367WXとの比較は一応しましたので、下記でレビューします。
なお、管理人は、一番値段の高い時期にJBLスピーカーをまとめて色々買ってしまいました。
JBLは2015年に15%の値上がりをしています。
その値上がり価格で購入してしまいました。
ついでに消費税が8%になった2014年以降でもあります。
今回、レビューをして調べている時に気が付いたのですが、管理人が購入したあと、2016年10月にまた値下がりしていました!
ちょうど値上がりした1.5年間の間のピーク時に買ったことになります。
ショックです。
数十万円も多く払った計算です。
いや、考えようによっては、ハーマン社の努力で価格を抑える努力をしているということなのですが・・・。
うーん、高額なものを買った後に、値段などを調べるのは精神衛生上、良くないですね。
大抵の場合は安くなっていますので。
4Kプロジェクタとか4KTVなどもそうです・・・。
Harman International Japan Co.,Ltd. All rights reserved.
音質レビュー
音に関しては、前に出てくる元気の良い音はJBLならでは、です。
このクラスでも共通しています。
とにかく元気で音が熱量を伴い、芯があるカリフォルニアを連想させる乾いた厚い音がします。
本機は、導入当初は中域が弱く、低域はボンヤリしがちなスピーカーです。
高域は最初からキレイに鳴ります。
この高域の元気良さが最初は目立ちますので、相対的に中低域が目立たない印象を持つと思います。
エイジングが進むと、中低域はかなり芯を伴って出てきますのでご安心を。
音色はJBLのホーンらしい癖があると思います。
逆に似た音色の他社スピーカーはほとんどないのではないでしょうか?
特にホーンの材質が他のJBLスピーカーとは違うため、特徴的です。
JAZZあたりのジャンルを聴くとすぐにわかると思います。
ここが好きか嫌いか、判りやすい判断材料かと思います。
出力が94dBと上位機種のS9900よりも高感度なため、アンプを選ばない方だと思いますが、このクラスのスピーカーを鳴らすのであれば、アンプは余裕があったほうが良いと思います。
音のコントラストや立ち上がりが克明になる方向で、音が暴れず凝縮される感じで、ボーカルの口は小さくなります。
ボリュームをいくつも上げられ、うるさく感じにくくなります。
これは、パワーアンプの特徴にも絡みますので、管理人個人の経験とお考えください。
高域と低域の伸びはとても良いです。
エイジングが終わるまでは、こもり感があるので要注意です。
さて、音の特徴ですが、高域はメリハリのある音が飛んできます。
この飛んでくる感覚は他のスピーカーにはない特徴かと思います。
そして、繊細であることも大きな特徴です。
表現が難しいのですが、芯がありつつ、繊細な音の描き分けがあります。
これはボーカルのような音には繊細さをもって表現可能で、強めの楽器には芯を伴って力強く表現できるということなのだと思います。
一方で、モニタースピーカーではありませんので、コンテンツの音を全て出し切るような方向性ではありません。
ちゃんとしたヘッドフォンで聞くとたくさんの音が聴こえると思いますが、本機ではそういう全ての音が拾えているわけではありません。
そのあたりはJBLモニタースピーカーかヨーロッパ系の美音スピーカーが得意かと思います。
本機はエネルギッシュな音圧を伴う音が飛んでくるスピーカーですので、そういう情報量は多少マスクされている感じです。
ただし、楽器が少なく静かなボーカルものでは、かなり繊細で音数も多く表現しますので、コンテンツによるのかもしれません。
それから他のスピーカーではほぼ聴くことの出来ない重たいパンチの効いた低音が加わり両立しているのが大きな特徴です。
音場もかなり広いです。
上位機種のS9900は完成された音場を形成しますが、本機もそれには劣りますが、他社スピーカーに比べ、音場も左右に広いです。
ヨーロッパ系のスピーカーとの大きな違いです。
ヨーロッパ系のスピーカーは、主に奥行き方向に音場が広がると思います。
もちろん、左右にも十分広がりますが、奥行き方向が特徴です。
本機は左右と前に音場ができますし、前に出て音場を形成するよりも、飛んでくるという感じです。
管理人は、最初はヨーロッパ系の代表的なスピーカーをかなり比較視聴しましたので、違いは明らかです。
むしろ、最初はヨーロッパ系のスピーカーを第一候補にしていました。
スピードと解像感と分解能を優先的に候補を選んでいました。
結果的には、パワーを感じる音が心地よいJBLを選びました。
対極的な音を選んで、訳が分からないと思いましたが、好みはそうやって視聴を繰り返すことで、ようやくわかったというわけです。
JBLの本機はポップスやJPOPなどのジャンルのドラムでもドスンとしたバスドラムが鳴ってくれますし、ベースは解像感豊かにブンブンと鳴り分けます。
ここはエイジングが必要で、且つルームチューニングがちゃんとしていないと、ブーミーに感じやすいので注意が必要です。
ここのコントロールが難しい場合は、やはりヨーロッパ系のスピーカーか、モニター系のスピーカーが選択肢になるのだと思います。
ロックやヘビーメタル系は、ホーン型との相性が抜群で音が鋭く切れ込んで低域の迫力が心地よいです。
楽器の分離感も良く、スタジオで直接聴いているような熱い熱量を伴い、迫ってきます。
JAZZは、JBLの本領発揮というところで、シンバルやサックスなどの管楽器の生々しさから、ベースやバスドラムのキックまで存分に厚い低音が空気圧を伴い飛んできます。
クラシックは聴かないので不明です。
昔のJBLと違い、ジャンルの幅は広いのだと思います。
ほとんど上位機種のS9900と傾向は同じです。
使いこなしTips
箱鳴り
本機は箱鳴りします。
箱鳴りに関しては、エイジングとは関係ありませんので対策が最初から必要です。
まず低域に関しては、ルームチューニングが必要です。
ブーミング対策とフラッターエコー対策が基本です。
このスピーカーに限りませんが。
対策方法は部屋などによって違いますので、ここでは取り上げません。
ルームチューニングの記事を参照ください。
箱鳴り対策は、4429の記事と同様です。
Harman International Japan Co.,Ltd. All rights reserved.
エイジング
エイジングは必須だと思います。
エイジングが進むと、ボーカルものは、生々しく艶を伴い情報量豊かに浮ぎだしてくる印象があります。
実在感がありすぎて、はっとすることも多いです。
見た目とは裏腹に、しゃっきりした中高域が印象的です。
ホーンユニットが功を奏していると思います。
JBLのホーン型スピーカーの特徴とも言えるホーンとウーファーの音はずいぶん印象が違っていますので、ユニットごとのエイジングはしっかりして、なじませないといけない機種かと思います。
導入当初は、ユニット間の繋がりが悪く感じました。
同じCDを聴いていても、ある楽器はとても好みに鳴るのに、ある楽器はこもった感じがする、という具合です。
出来るだけ、エイジング中は、外出時に音を鳴らし、聴かないようにしました。
音を聴いていると不満を感じるかもしれないと考えたためです。
エイジングが終わると、当初のボンヤリした中低域から、JBLらしい熱量と弾ける弾力のある低音が心地よくなり、中高域はクッキリと厚い音が飛んできます。
ボーカルは生々しく、美音スピーカーに劣らず、繊細にロウソクの炎のように、浮かびあがる表現が出来ます。
ヨーロッパ系のスピーカーでは、このあたりがとても自然で、奥行を伴い浮かび上がらせるような表現をする傾向があると思います。
本機は、生々しいと感じる中高域の音がやはり強みです。
また低域は、JBLの独壇場とも言えるほど、締まったよく伸びる低域で迫ってきます。
判りやすく言いますと、映画館で聴く重低音に似ています。
「ズズン」「ブンブン」というような擬音がマッチするような感じです。
アコースティック系の音は低音の強さもあって楽しいのですが、作られた音という印象を持ってしまうと、評価は分かれそうですね。
低域について
本機のバスレフポートはS9900と同様に後ろにありますので、部屋のコーナーに置いてしまったら、低域がブーミーで定在波も発生しまくると思います。
それだけ低域が強力ですので、ルームチューニングやセッティングは、それなりに追い込まないと使いこなせないと思います。
ご注意下さい。
ただし、本機の導入当初はあまり低域は暴れません。
ウーファーユニットが硬いからなのか、最初から音はタイトでスリムです。
ここもちょっと視聴した人が勘違いしてしまう点かもしれません。
図体はでかいのに、なんだか低域がスリムに感じて、マッチしていないと考えるかもしれません。
エイジングが進むと、そんなことはありませんので、ご安心ください。
なおセッティングの容易さでは、スタジオモニターシリーズが良いと思います。
バスレフポートが前面にありますので。
ただし、JBL 4429は最初から低域が全開でかなり出ますので、要注意です。
バスレフポートが後面にあることで、低域を壁面とあわせて調整したい場合は、本機のような大型フロアタイプが良いのだと思います。
いずれにしてもここまで低域が出るスピーカーは他にはほとんどありませんので、低域をコントロールすることが重要です。
また低域で部屋が飽和しやすいので、注意が必要です。
セッティング
本機は定位に苦労します。
まあどのスピーカーもそうなのですが。
まずは左右のスピーカーを対称にしないといけません。
基本中の基本です。
本機はセッティングに繊細ですので、ここのずれは定位感に直結します。
ほんの数ミリでも対称でないと、聴いていて気持ちが悪いのです。
同じCDでも同じ曲でも、定位が安定せず、ずれを感じます。
ホーンの特徴なのかもしれませんが、ホーンは指向性があるため、定位を安定させるには内振りにする必要があります。
恐らくですが、クラシックを聴く人は、ほとんど内振りにする必要はない気がします。
管理人はクラシックは聴かないので実際のところはわかりません。
管理人のベストポジションは、スピーカーの内側側面が視聴位置からちょうど見えないというような向きです。
顔を動かすと側面が見えたり、完全に隠れたりするようなジャストの位置です。
イメージですが、左右のスピーカーから垂直に線を引いたら、耳の位置(頭の真ん中付近)でクロスする位置です。
ちょうど左右のスピーカーが、顔に対して真正面を向いている位置です。
セッティングに詳しい人ならすぐにピンとくると思いますが、顔の手前でクロスする位置ですと、音はクッキリするのですが痩せてしまい音場も狭くなります。
逆に頭の後ろの方でクロスすると、音場は広いですが音像がぼやけます。
本機はそれがはっきり出てしまいますので、結構ピンポイントなセッティングが求められます。
セッティングをしているということはエイジング中でもあると思いますので、日によって定位に違いが出てしまい、右往左往するかもしれません。
導入当初2か月くらいは、毎回聴くたびに、角度を調整していました。
なお、この位置だとバスドラムはタイトでズシンとした重量感を感じます。
また楽器の少ないボーカルでは浮かび上がるような繊細さをもって中央にピシッと定位します。
ボリュームを絞って聴くと良く分かると思います。
同時に、横や後ろの方から回り込んでくるようなサラウンド感があるかも重要なポイントです。
こういう2つの聴こえ方をしないと、内振りのし過ぎだと思います。
逆にスピーカーが正面(視聴位置に向いていない)を向いていると、定位が曖昧だと思います。
その場合は、曖昧にならない視聴位置を前後に動いて探すという形になります。
部屋が広い人はそういう方法もあるかと思います。
ただし、それで定位が合うかどうかは、不明です。
比較
気になる他機種との違いですが、下記のような印象です。
人によっては違いを感じないかもしれませんが・・・。
本機は、ツイーターユニットはピュアチタン19mm径のコンプレッション・ドライバー
ホーンユニットはピュアチタン50mm径のコンプレッション・ドライバー
を採用しているのに対し、
Project K2 S9900
Project K2 S9900は、
ツイーターユニットはピュアベリリウム25mm径のコンプレッション・ドライバー
ホーンユニットはマグネシウム合金100mm径に大型化した新開発コンプレッション・ドライバー
と、素材や大きさが全く(?)違うようです。
そのため、音色も違いが感じられます。
本機よりもS9900のほうが中高域がキレイで繊細な感じです。
ユニットの大きさの関係かは不明ですが、情報量もずいぶん増えます。
ベリリウムはやはり高価なだけあって、スピード感や高域が良く伸びます。
本機とはこの高域も大きな違いです。
マグネシウム合金も、似たような効果で、キレやこもり感のないヌケ感が感じられます。
このようなわけで下位の本機とは、高域の伸びやスピード感、情報量が違います。
中域は良く出てきて、やはり情報量を伴います。
全体の帯域で音圧や音のコントラストがくっきりしてきますので、低域も分厚く本機とのレベル差を感じます。
強いて言えば、分厚くボリュームが上がった(音圧?)ような感じはします。
エンクロージャーが違うことが理由だと思います。
暴れる感じはないのですが、部屋がすぐ飽和してしまうような力強い厚みがあります。
音色もマイルドさもありつつ、ハイエンドらしい、なんとも独特の音色になります。
癖が薄くなるというべきかもしれませんが・・・。
気になる点は、少々状態の悪いCDでは、高域がシャリシャリして楽しくないものも結構あります。
低域は持ち上げて聴こえるので楽しいのですが、高域がうるさい音源は注意が必要です。
逆にこもったような音源は、それは楽しく聴けます。
【スピーカー・レビュー】 スピーカー JBL Project K2 S9900 |
4367WX
スタジオモニターシリーズの最上位の4367WXの低音はちょっと本機との違いがよく出ます。
4367WXは、そんなに低域を強調してくるスピーカーではない印象ですが、音場は広いです。
4367WXと比べると本機S4700の低域は、タイトな感じです。
4367WXの低域は、ちょっと物足りない感じもしますが、エンクロージャーの大きさも関係するかもしれません。
ただ、他社のスピーカーよりははるかに低音は出ます。
4367WXは2Wayでバスレフポートはモニターシリーズ共通の前面にあります。
音の元気さは本機と同様ですが、中域に芯があり、力強く感じます。
高域は自然ですので、本機とはちょっと傾向が違います。
中域が本機S4700より強いので、解像感は4367WXのほうがかなり多く感じます。
さすが当時のモニターシリーズの最上位ですね。
【4367WX】
JBL 38cm 2ウェイ フロア型スピーカー【1本】 4367WX | ||||
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B&W 803D3
B&W 803D3は本機より価格帯が上なので、本来はS9900と比較した方が良いと思いますが、購入時に比較しましたのでおまけで記載します。
楽器やボーカルの鳴らし分けは忠実で、ボーカルは繊細に左右のスピーカーの中央から奥行方向に定位し、傾向の違う音色が立体的に分離していました。
恐らく分解能という表現になるのだと思いますが、音を足したり引いたりしない正確性なのだと思います。
コンテンツの情報を出来るだけ引かずに、出し切る方向で音が出ています。
そして、このクラスですと価格もビックリするくらいですが、低域もしっかり出てきます。
B&Wで見劣りしない低域がちゃんとしてくるのは、このクラスからではないでしょうか?
例外として805D3はブックシェルフ型ですが、低音が良いため、人気がありますね。
804D3ですと、そのスリムな筐体とイメージが合うのですが、低域もスリムです。
ハイスピードでキレイな低域です。
803D3では低域に不足を感じることはないと思います。
さすがです。
そしてホーン型ではありませんので、内振りなどのセッティングはあまりシビアではない印象です。
【B&W 803D3】
比較まとめ
一方、本機のほうでの良い点は、高域は芯が太い管楽器に強い音です。
S9900の高域は細いシンバル系にあうような音です。
4367WXはどちらの楽器にも合いそうです。
B&W803D3は、高域は繊細で美音です。
箱鳴りがないので、スピーカーが消え、情報量もマスクされることなく、ちょっとした音まで良く拾います。
S9900はマグネシウム合金の関係か、音源によっては高域がシャリ付くように感じます。
人によっては、高域がうるさいと感じると思います。
サ行もS9900のほうが、耳につく感じがします。
ボリュームを上げられるのはどちらかと言いますと、本機になります。
本機はボリュームを上げてもうるさく感じにくいスピーカーです。
B&W803D3はもっとボリュームを上げられます。
定位置が奥行方向なので、かなりボリュームを上げても大丈夫です。
4367WXと本機では、まずはセッティングのしやすさは本機が有利です。
4367WXはスピーカー台などのセッティングが難しいです。
結構持ち上げないと低域などが詰まり、ブーミーです。
一方、筐体がかなり大きいので、スピーカー台の選択肢が少ないこともありますし、ベストな高い位置に置くのも簡単ではないと思います。
ただしバスレフポートが前面にありますので、壁とのセッティングはしやすいほうだと思います。
セッティングが問題なければ、4367WXのほうがやはり情報量が多く有利です。
B&W803D3は、良いスピーカーですが、値段が高すぎました。
それと管理人の好みでもっと低域のパワフルなS9900も別途選択することになりました。
比べると音色がJBL特有のものがあって、それも気に入ってしまったからです。
JBLの音が気に入ってしまうと、B&Wの音が物足りなくなるのです。
B&W803D3が好きな方からすると、JBLは余計な音(音色や低域など)があり、分解能も今一つと感じるかもしれません。
こうやって比較すると一長一短で好みと値段の問題のような気がします。
管理人は、スピーカー台などのセッティングや見た目で、フロア型でJBLを選択しました。
簡単に言い分けますと、
本機は比較すると、ちょっともっさりとしていますが、トータルバランスが良く、楽しく芯のある音がするスピーカーだと思います。
そしてコストパフォーマンスが良いのも特徴です。
Project K2 S9900は、中高域にスピード感とキレを持ち込んだ現代的なスピーカーかと思います。
ちょっと値段が高すぎるのが厳しい所でしょうか。
4367WXは、解像感の良い低域もよく伸びるスタジオモニターです。
B&W803D3は美音系でスピーカーが消えるとても完成度の高いスピーカーです。
比較番外編
本機は2種類のモデルがあります。
色違いですが、値段は1台で20万円近く違います。
S4700のブラック・グロス(一般的にはピアノ・ブラック)のほうが限定カラーになり、値段が高いです。
違いですが、これは一般的なピアノ・ブラック塗装の違いになります。
基本的にブラック・グロス(S4700BG)のほうが、音が締まってタイトです。
音像感が優勢になる形です。
値段差と同等の違いがあるかと言いますと、そんなに大きな違いを感じるほどではないかもしれません。
管理人は、ブラック・グロスを選択しました。
まずこれだけで写真とは違い、所有満足度が跳ね上がります。
すごく良いです。
それから、タイトでズシンとした低域は弾力性もあり、病みつきです。
標準のS4700は、そこを気にしないのであれば、十分に良いモデルです。
音像と音場が両立している音だと思います。
S4700BGは音像が優位な音になります。
視聴して好みで選択するのが良いと思いますが、結構値段差がありますので、難しいところですね。
クオリティ・レビュー詳細
【管理人独断レビュー】
※スマホで見る場合は、画面を横にしてください。(行ずれしてしまいます)
音声評点
・音場感
狭い ○○●●○○ 広い
・音像感
迫力 ○●●●○○ 繊細
・スピード感
ファースト○○●●○○ スロー
・音色
明るい ●●●○○○ 暗い
・解像感
シャープ ○○●●●○ マイルド
・コストパフォーマンス
高い ●●●○○○ 低い
・満足度
高い ○●●○○○ 低い
※表の見方
○:非該当
●:該当
まるの数:3つが最大、2つが標準、1つはなし
まるの数は点数ではなく、どちらに寄っているかという指標
さいごに
本スピーカーは、JBLの中で「プレミアム」カテゴリーを代表するモデルになります。
またJBLの中では珍しいブラック・グロスのカラーが楽しめるモデルです。
JBLモニター派の人には受け入れにくいと思いますが、他社のフロア型スピーカーも選択肢にある人なら、違和感はないと思います。
筐体の大きさと奥行の短さは、セッティングのしやすさもあります。
エネルギッシュなパンチの効いた低域と繊細で芯のある生々しい中高域が聴けるスピーカーは数少ないと思います。
中低域の風圧とも音圧とも言えそうな、迫力ある音が心地よいのです。
また、対応ジャンルは広く、現代的スピーカーとも言えると思います。
情報量が少なめとレビューしましたが、それは比較対象との問題であって、本機より安い価格帯の他社スピーカーと比べて不足するということは少ないとお伝えしておきます。
またJBLスピーカー共通ですが、本スピーカーのデメリットは、初心者の方にはなじみのないエイジングが必要である点とセッティングがシビアである点です。
奥行はこの大きさにしては、かなり薄いと言えますので、意外と置きやすいのですが、低域のコントロールは不可欠です。
またエイジングで初期の音とは変わってきますので、じっくり付き合う姿勢で使うことが必要なスピーカーかと思います。
特に音がモヤモヤしているとか、情報量が少ないとか、低域が甘いとかの初期印象は、エイジングとセッティングで敏感に反応していきます。
むしろ、敏感過ぎて、ちょっと調整しただけでずいぶん変わりますので、シビアです。
ポンと置いて音を判断するようなケースには向いていません。
オーディオマニアにとっては、じっくり向き合うとその敏感さが楽しくなるとも言えます。
どうやっても音があまり変わらないというスピーカーよりも、こういうスピーカーのほうが面白いのではないでしょうか?
ちなみに音楽だけでなく映画も観るなら、上位機種のS9900のほうがレベルがいくつも上です。
まあ値段差を考えると当たり前ですが・・・。
商品紹介
【S4700】
JBL 3ウェイ フロア型スピーカー(1台)S4700 | ||||
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Harman International Japan Co.,Ltd. All rights reserved.
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サウンドバー/シアターバー JBL CINEMA SB450 |
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アクティブ・スピーカー JBL ジャンベ 2ch JEMBE 2ch |
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