2017年10月12日
【全般】ソフト・クオリティの法則?
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今回は、映画関連ソフトのクオリティレビューをしていく中で気付いたことのお話しです。
映画関連ソフトのクオリティが高い要素には、大体共通している点があります。
【フィルム撮影からデジタル撮影になり、劣化要素が減ったこと】
これはフィルム撮影が画質劣化になるわけではなく、フィルムをスキャンするテレシネ時点でどの程度コピーされたポジティブフィルムを使うかによります。
通常、撮影フィルム(ネガ、ポジ両方)は、映画そのものの素材なので、これをマスタにすることはありません。
このフィルムが万が一、傷ついたり、リールに絡まったり、汚れやほこりが付いたりすると映画そのものがなくなってしまう可能性があるからです。
そうすると、撮影フィルムは保管に回します。
最低でも撮影フィルムからポジティブフィルムをコピーしたポジティブフィルム(ネガの場合も)を用意し、これがコピー1になります。
次の工程は、各時代によって制作プロセスは様々なのですが手間のかかる方法ですと、このあとフィルムをカットしたり、音声を付けたり、CG画像をフィルムへ転写したりとコピーのコピーがたくさん作られます。
もう少し細かく見ていきますと、大体のケースでは、このコピー1またはそのバックアップのコピー2の段階で、一旦フィルムをカットして繋いで編集していきます。
カットミスや作業分担などを考え、この時点で複数のコピー3やコピー4が作られます。
コピーを繰り返すたびに、元のフィルムのフィルムグレインや粒状性が、コピー先のフィルムに乗るため、段々と荒れていく傾向になります。(荒れない場合もありますが、一般論です)
その後は、大雑把に言いますと通常はフィルムカット・繋ぎ編集が行われ映画として形になった時点で、映画マスタとしてのフィルム化をします。
この時点ではCG加工やカラー調整などはしていませんので、フィルムをベースに加工します。
編集の前にスキャンする方法もありますが、現在は、CG処理が必要なカットだけスキャンしてデータ化するケースが多いと思います。
また、撮影フィルムをダイレクトにスキャンしてデータ化することもまれにあります。
高画質になります。
フィルムカット・繋ぎ編集前に、素材をつないだ段階でスキャンすることもあると思います。
この場合も大体高画質です。
それから、スキャン前のフィルムそのものを加工するブリーチ・バイパスなどの処理をすることもあります。
これは、シーンごとのトーンを揃えるため、編集後の最終段階で行われることが多いと思います。
そのため、粒状性は粗く、フィルムグレインも結構乗っている状態で加工しますので、かなり荒れた表現になることが多いです。
場合によっては、銀塩が残っているためではなく、プリントを繰り返してきたため、黒浮きしたり色が退色していたりすることもあります。
フィルムのコピー回数が多いほど、画質は劣化していきます。
いかに上流のフィルムを画像データ化出来たかがポイントです。
【監督がクオリティにこだわっている】
プロデューサーなどの制作陣がこだわっているケースもあるとは思います。
これが一番クオリティに左右される要素です。
大作予算を投じても、こだわりがないと、クオリティには直結しません。
そもそもそう作らないからです。
こだわりの監督とプロデューサーは大体決まっています。
大雑把に思いつく人を挙げてみますと以下の通りです。
他にもいるよ、という意見もあると思います。
【映像・音声】
・デヴィッド・フィンチャー
・レン・ワイズマン
・スティーブン・スピルバーグ
・ジョナサン・リーベスマン
・ブラッド・バード
・クリストファー・ノーラン
・ピーター・バーグ
【映像】
・リドリー・スコット
・ジェリー・ブラッカイマー
・マイケル・ベイ
【音声】
・スティーブン・ソダーバーグ
大体このような感じでしょうか?
他にもいるとは思いますが、思いつくところではこのような感じです。
【撮影機材が良い】
2017年現在、2Kカメラは当たり前で、3K、4K、5Kなどがあります。
代表的なデジタルカメラは、
・Arri Alexa
・Red Epic
・Sony CineAlta F65
といったところでしょうか?
撮影カメラが高画質=現時点では高解像度、の場合、ほぼソフトのクオリティに直結しています。
フィルム撮影が主流の時代では、カメラはクオリティとは別のお話しでした。
フィルムの出来や、マスタ化されたフィルムに左右されていましたので。
さらに、そのフィルムのテレシネがどういう出来かにも左右されました。
【DI(Digital Intermediate)のマスタ化技術の向上】
これもカメラ同様です。
マスタデータとなるクオリティが、そのままソフトに反映されます。
フィルム撮影しかない時代では、マスタDI(デジタル・インターミディエイト)は1K以下(DVDなどは480p)です。
そもそもDIという手法が普及してくるのは、ハイビジョンが登場した90年代後半ごろかと思います。
それ以前は、ビデオテープがマスタでしたので、DVDしかない2005年前後以前のDVDは結構ビデオ風の映像が多いと思います。
ひどい場合は、VHSビデオ映像をDVDに焼いただけに見えるDVDソフトも結構見かけました。
そういった過渡期を経て、2010年代に入り、DVDの映像はDI化され、品質も向上していったと思います。
Blu-Ray初期作品は、この古いDVDをアップスケールしただけのものもそれなりにありましたが、やはりDIが普通になった2010年代以降は急速に高画質化していったような気がします。
1KのDIマスタをBlu-Ray用にアップコンバートしたりしますが、技術の向上で現在ではアップコンバートも悪くはないレベルまで来ています。
ダウンコンバートは、かなり優秀で、以前のDVDのようなデジタルノイズはめっきり減りました。
現在のダウンコンバートは、4K以上のDIから2Kへの場合や、4K以上または2KのDIから1K以下のDVDへのダウンコンバートとなり、そもそも元のDIが高画質なのでキレイです。
DIは制作スタジオとは別の専門会社が作ることがほとんどですので、映画の制作スタジオのクオリティとは関係がないと思います。(予算以外)
そうなると、よほど、MPEG圧縮のメディア化する際のMPEGエンコーダーの機材や処理が悪くない限りキレイです。
で、このメディア化に際して、スタジオによっては良くないところがあるのも事実です。
ワーナーはDVD時代から良くない傾向にありますね。
ウォルトディズニーは大体高水準で一定していますね。
※DIが普及する前のDVD時代は、ウォルトディズニーも低画質でしたが・・・。
地上波やCS、BSではまだまだ転送レートの問題などで、デジタルノイズだらけですが、パッケージメディアであるDVDやBlu-Rayは品質が近年向上しています。
4K UHDは2017年現在、カメラと同等の4Kであるため、コンバートせずにメディア化出来るため、クオリティには有利ですね。
【上映映画の音声方式】
公開前か公開時には、この方式は発表されますので、誰でも情報は入手可能です。
特に最新音響であるほど良い音質なのは間違いないです。
・Dolby Surround 7.1
・Dolby Atmos
・DTS 7.1
・DTS: X
・DATASAT(劇場用のDTS方式)
・Auro 11.1
・IMAX 12-Track Digital Sound
・IMAX Sonics-DDP
このあたりの音響を使っていると、大体は高音質です。
元々、サウンドデザインがちゃんとしていないケースもありますが・・・。
また、最新音響ではないものの、目安となる音響もあります。
・Dolby Digital EX
・DTS-ES
・SDDS(劇場用のソニー方式)
このSDDS方式は、音声圧縮方式で、2017年現在では古い方式になります。
一方、以前は、別に採用しなくても何も問題ない中、わざわざ採用している場合は、音声にこだわりがあると判断可能です。
DVDやBlu-Ray、4k UHDのメディアを購入する前に、画質や音質のクオリティを調べるには、上記の項目を確認すれば、おおよそわかってしまうのが現状だと思います。
画質については少なくとも2Kカメラや2KのDI(デジタルマスタ)が登場した2000年はじめ以降の映画であれば、この要素で大体が判ります。
2000年以前のメディアについては、判断できる情報が少ないため、リマスタをした、などの宣伝を見ないと判り難いですね。
■高画質の判断要素
・デジタル撮影かどうか
※フィルム撮影の場合、DI化のプロセスを確認
・監督やプロデューサーがクオリティにこだわる人かどうか
・撮影機材が良いかどうか
※パッケージメディア以上の解像度かどうかは一つの目安
・DIが良いかどうか
※2K以上の解像度かどうかは一つの目安
■高音質の判断要素
・監督やプロデューサーがクオリティにこだわる人かどうか
・上映映画の音声方式
このようになっていると思います。
また、時間が経過して、このような要素に変化があったら、また感想を書いてみたいと思います。
Sony Corporation,Sony Marketing Inc.
ITU 2018 All Rights Reserved.
【セカイモン:eBayの日本語仲介サイト】
【JBL公式通販サイト】
【AVアンプ】
【サウンドバー】
【ハイレゾ ヘッドホン】
今回は、映画関連ソフトのクオリティレビューをしていく中で気付いたことのお話しです。
映画関連ソフトのクオリティが高い要素には、大体共通している点があります。
高クオリティの要素1
【フィルム撮影からデジタル撮影になり、劣化要素が減ったこと】
これはフィルム撮影が画質劣化になるわけではなく、フィルムをスキャンするテレシネ時点でどの程度コピーされたポジティブフィルムを使うかによります。
通常、撮影フィルム(ネガ、ポジ両方)は、映画そのものの素材なので、これをマスタにすることはありません。
このフィルムが万が一、傷ついたり、リールに絡まったり、汚れやほこりが付いたりすると映画そのものがなくなってしまう可能性があるからです。
そうすると、撮影フィルムは保管に回します。
最低でも撮影フィルムからポジティブフィルムをコピーしたポジティブフィルム(ネガの場合も)を用意し、これがコピー1になります。
次の工程は、各時代によって制作プロセスは様々なのですが手間のかかる方法ですと、このあとフィルムをカットしたり、音声を付けたり、CG画像をフィルムへ転写したりとコピーのコピーがたくさん作られます。
もう少し細かく見ていきますと、大体のケースでは、このコピー1またはそのバックアップのコピー2の段階で、一旦フィルムをカットして繋いで編集していきます。
カットミスや作業分担などを考え、この時点で複数のコピー3やコピー4が作られます。
コピーを繰り返すたびに、元のフィルムのフィルムグレインや粒状性が、コピー先のフィルムに乗るため、段々と荒れていく傾向になります。(荒れない場合もありますが、一般論です)
その後は、大雑把に言いますと通常はフィルムカット・繋ぎ編集が行われ映画として形になった時点で、映画マスタとしてのフィルム化をします。
この時点ではCG加工やカラー調整などはしていませんので、フィルムをベースに加工します。
編集の前にスキャンする方法もありますが、現在は、CG処理が必要なカットだけスキャンしてデータ化するケースが多いと思います。
また、撮影フィルムをダイレクトにスキャンしてデータ化することもまれにあります。
高画質になります。
フィルムカット・繋ぎ編集前に、素材をつないだ段階でスキャンすることもあると思います。
この場合も大体高画質です。
それから、スキャン前のフィルムそのものを加工するブリーチ・バイパスなどの処理をすることもあります。
これは、シーンごとのトーンを揃えるため、編集後の最終段階で行われることが多いと思います。
そのため、粒状性は粗く、フィルムグレインも結構乗っている状態で加工しますので、かなり荒れた表現になることが多いです。
場合によっては、銀塩が残っているためではなく、プリントを繰り返してきたため、黒浮きしたり色が退色していたりすることもあります。
フィルムのコピー回数が多いほど、画質は劣化していきます。
いかに上流のフィルムを画像データ化出来たかがポイントです。
高クオリティの要素2
【監督がクオリティにこだわっている】
プロデューサーなどの制作陣がこだわっているケースもあるとは思います。
これが一番クオリティに左右される要素です。
大作予算を投じても、こだわりがないと、クオリティには直結しません。
そもそもそう作らないからです。
こだわりの監督とプロデューサーは大体決まっています。
大雑把に思いつく人を挙げてみますと以下の通りです。
他にもいるよ、という意見もあると思います。
【映像・音声】
・デヴィッド・フィンチャー
・レン・ワイズマン
・スティーブン・スピルバーグ
・ジョナサン・リーベスマン
・ブラッド・バード
・クリストファー・ノーラン
・ピーター・バーグ
【映像】
・リドリー・スコット
・ジェリー・ブラッカイマー
・マイケル・ベイ
【音声】
・スティーブン・ソダーバーグ
大体このような感じでしょうか?
他にもいるとは思いますが、思いつくところではこのような感じです。
高クオリティの要素3
【撮影機材が良い】
2017年現在、2Kカメラは当たり前で、3K、4K、5Kなどがあります。
代表的なデジタルカメラは、
・Arri Alexa
・Red Epic
・Sony CineAlta F65
といったところでしょうか?
撮影カメラが高画質=現時点では高解像度、の場合、ほぼソフトのクオリティに直結しています。
フィルム撮影が主流の時代では、カメラはクオリティとは別のお話しでした。
フィルムの出来や、マスタ化されたフィルムに左右されていましたので。
さらに、そのフィルムのテレシネがどういう出来かにも左右されました。
高クオリティの要素4
【DI(Digital Intermediate)のマスタ化技術の向上】
これもカメラ同様です。
マスタデータとなるクオリティが、そのままソフトに反映されます。
フィルム撮影しかない時代では、マスタDI(デジタル・インターミディエイト)は1K以下(DVDなどは480p)です。
そもそもDIという手法が普及してくるのは、ハイビジョンが登場した90年代後半ごろかと思います。
それ以前は、ビデオテープがマスタでしたので、DVDしかない2005年前後以前のDVDは結構ビデオ風の映像が多いと思います。
ひどい場合は、VHSビデオ映像をDVDに焼いただけに見えるDVDソフトも結構見かけました。
そういった過渡期を経て、2010年代に入り、DVDの映像はDI化され、品質も向上していったと思います。
Blu-Ray初期作品は、この古いDVDをアップスケールしただけのものもそれなりにありましたが、やはりDIが普通になった2010年代以降は急速に高画質化していったような気がします。
1KのDIマスタをBlu-Ray用にアップコンバートしたりしますが、技術の向上で現在ではアップコンバートも悪くはないレベルまで来ています。
ダウンコンバートは、かなり優秀で、以前のDVDのようなデジタルノイズはめっきり減りました。
現在のダウンコンバートは、4K以上のDIから2Kへの場合や、4K以上または2KのDIから1K以下のDVDへのダウンコンバートとなり、そもそも元のDIが高画質なのでキレイです。
DIは制作スタジオとは別の専門会社が作ることがほとんどですので、映画の制作スタジオのクオリティとは関係がないと思います。(予算以外)
そうなると、よほど、MPEG圧縮のメディア化する際のMPEGエンコーダーの機材や処理が悪くない限りキレイです。
で、このメディア化に際して、スタジオによっては良くないところがあるのも事実です。
ワーナーはDVD時代から良くない傾向にありますね。
ウォルトディズニーは大体高水準で一定していますね。
※DIが普及する前のDVD時代は、ウォルトディズニーも低画質でしたが・・・。
地上波やCS、BSではまだまだ転送レートの問題などで、デジタルノイズだらけですが、パッケージメディアであるDVDやBlu-Rayは品質が近年向上しています。
4K UHDは2017年現在、カメラと同等の4Kであるため、コンバートせずにメディア化出来るため、クオリティには有利ですね。
高クオリティの要素5
【上映映画の音声方式】
公開前か公開時には、この方式は発表されますので、誰でも情報は入手可能です。
特に最新音響であるほど良い音質なのは間違いないです。
・Dolby Surround 7.1
・Dolby Atmos
・DTS 7.1
・DTS: X
・DATASAT(劇場用のDTS方式)
・Auro 11.1
・IMAX 12-Track Digital Sound
・IMAX Sonics-DDP
このあたりの音響を使っていると、大体は高音質です。
元々、サウンドデザインがちゃんとしていないケースもありますが・・・。
また、最新音響ではないものの、目安となる音響もあります。
・Dolby Digital EX
・DTS-ES
・SDDS(劇場用のソニー方式)
このSDDS方式は、音声圧縮方式で、2017年現在では古い方式になります。
一方、以前は、別に採用しなくても何も問題ない中、わざわざ採用している場合は、音声にこだわりがあると判断可能です。
まとめ
DVDやBlu-Ray、4k UHDのメディアを購入する前に、画質や音質のクオリティを調べるには、上記の項目を確認すれば、おおよそわかってしまうのが現状だと思います。
画質については少なくとも2Kカメラや2KのDI(デジタルマスタ)が登場した2000年はじめ以降の映画であれば、この要素で大体が判ります。
2000年以前のメディアについては、判断できる情報が少ないため、リマスタをした、などの宣伝を見ないと判り難いですね。
■高画質の判断要素
・デジタル撮影かどうか
※フィルム撮影の場合、DI化のプロセスを確認
・監督やプロデューサーがクオリティにこだわる人かどうか
・撮影機材が良いかどうか
※パッケージメディア以上の解像度かどうかは一つの目安
・DIが良いかどうか
※2K以上の解像度かどうかは一つの目安
■高音質の判断要素
・監督やプロデューサーがクオリティにこだわる人かどうか
・上映映画の音声方式
このようになっていると思います。
また、時間が経過して、このような要素に変化があったら、また感想を書いてみたいと思います。
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