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2024年03月27日

☆壁☆

あたしは今、台湾で仕事している。
運よく日本での経験が生かせる仕事に就け、
しかも客先はほぼ日本企業なのでその点でも仕事しやすい。
とはいえ、あたしは中国語レベルが高いわけではないので、
現地企業での業務がしんどいと感じることも少なくない。

そこでふと、日本で仕事していた時に一緒に働いていた
中国人女性のことを思い出した。

何度かこのブログでも彼女のことを書いたけど、
一生忘れることはないほど強烈な人物だった。
彼女はコミュ力が高く社交的で、日本語レベルも高いと言える。
たまに会話がかみ合わないなと思うことはあったものの、
特に気にならない程度だったのであまり深刻に考えなかった。

入社後の彼女は残念ながら仕事が遅く、びっくりするようなミスが多かった。
彼女は同業他社からの転職で会社も即戦力と期待しての採用だったけど、
実際、彼女にはあたしの仕事の半分も任せられなかった…

あたしも上司も単純に彼女の能力不足が原因だと思い、
彼女への仕事量をかなりコントロールして様子を見ることにした。
採用した以上何とか育てたいと考えている上司は時間を作り
彼女と面談して『何ができるか』をヒアリングしたようだけど、
彼女はひたすら『やりたい』ことを話し意思の疎通が困難だと判断したらしい。
結局社長から退職を促すような話を持ち出され、
『メンツをつぶされた』と上司に怒りのメールを残し去っていた。

今、自分が台湾企業で外国人として仕事する立場になり、
自分と元同僚の中国人女性を重ね合わせて考えるようになると、
彼女がなぜあんなに『仕事ができなかったか』が見えてきた。

あたしも彼女ほどではないけど現地語でのコミュニケーションは問題ない。
でも、あたしは業界経験者で同僚も日本語がわかるので、
本当ににっちもさっちも行かないときは日本語で質問できる。
だから、慣れない海外の会社でも問題なく仕事をこなすことができている。
一方、元同僚の中国人女性は母国語が一切通じない環境で誰にも頼れなかった。

今現在、中国語の環境下でうなりながら仕事してるあたしは、
『彼女、本当はあたしたちが指示している仕事内容をほとんど理解しておらず、
でもわからないこともうまく言い出せず、自分で間違った解釈をしていたのでは?』
と突然元同僚が仕事できない理由を思いついてしまった。

あたしはこれまでの経験から専門知識がそれなりにあって、
最悪言葉で説明できなくても図に描くなどの方法で工場へ指示することができる。
転職組とはいえ、業界経験が浅く専門知識がない元同僚は
あたしたちが普通に話している仕事関連の言葉がそもそもわかっていなかった…
ということをあたしはようやく気付いたのだった。

日本語が堪能で同業他社からの転職者、という先入観から、
あたしたちが指示する内容を彼女は『理解している』と認識していた。
ところが、あたしや同僚が数分で処理できてしまうような簡単な仕事も、
彼女は何度も修正が必要で数時間の時間がかかってしまっていた。
それが続いたことで『仕事ができない人』と決めつけてしまっていて、
あたしたちも彼女に対して配慮が足りなかったのも事実だった。

あたしはもともとの性格から感情的に怒るようなことはせず、
彼女に指摘するときは小声の低いトーンで話すようにしていた。
でもあたしより若い男性同僚はその点どうしても怒りの感情を抑えきれず、
割とキツイ物言いで彼女に指摘していたので、彼女のプライドはズタズタだっただろう。
中華圏の人はメンツが何より大切と考える人が多いので、
時に日本の考え方に合わせられないこともあると思う。
実際、台湾に住んでからそういう違いはたくさん見てきた。

留学のため単身中国から日本へきて、親へ仕送りするために学業とバイトを両立、
短大卒業後はスカウトされた会社へ就職し、その会社で知り合った日本人と結婚。
その後仕事を転々としながら、無職の旦那とその母のために生活を支えていた。
こういう背景については彼女に対して頭が下がるものの、
プライドが邪魔して年下の方に教えを乞うことができない性格については
この先日本で生きるのであれば改善すべき重欠点だな…と思っていた。
もちろんこの点については彼女と何度も話したことがあったが、
退職するまで彼女はこの点だけは納得できなかったようだった…

今、彼女がどこで何をしているかはわからないけど、
数年前に出産もされたということだから、
どうか幸せに過ごしていてほしいとは心から思う。

☆困ったさん☆

あたしが今勤務している会社は、業務上日本語が必須。
台湾の企業なので中国語ができなければお話にならない…
でも、中国語は悲惨な状態でも日本語ネイティブだし、
業界経験者ってことで何とか採用されて今に至る。

数年間今の会社にお世話になっていて、
あれだけ悲惨だった中国語は少しだけ成長を遂げたはず。
もしかしたら、あたしの神経が図太くなっただけかもしれないけど、
自分の生活が懸かってるとなりふり構っていられない。
話せないし…なんてもじもじしていたら何もできないので、
話せないなりに無理やり絞り出して単語を並べ、
とにかく必死に『伝われ!!』と思いながら話すしかない。
それを繰り返しながら、徐々に会話が成立していく…と思うww

勤務先は零細企業なので、あたしのほか台湾人同僚二人の計三人で
日本企業からのオーダーをさばいている。
日本企業が客先だから日本語必須なんだけど、
同僚二人とも日本語堪能…というわけではない。
一人の同僚は日本語検定1級を合格してしっかり会話もできるが、
もう一人の同僚はとても仕事できる日本語レベルではない。
もともとあたしが入社する前に在籍していた方のアシスタントだったらしく、
仕事しながら少しずつ勉強したらいい、という条件での採用だったそう。

日本語がおぼつかない同僚をここではAと呼び、
もう一人の日本語ができる同僚をBと呼ぶ。

Aは『日本語出来ない』前提で採用されていることもあり、
努力の結果メールは何とか日本語で対応できても、電話は一切無理。
そのフォローは社長がすべて引き受けていて、
何ならメールの最終確認まで社長がすべて行っている。
社長と一緒に外出や出張した時にビビったのは、
社長が電話にでないとあたしのスマホにまでAから連絡が入り
『社長今何してる?電話でないんだけど?急ぎで折り返しして!』と。
こちらもお客さんのアテンドしてるって知ってるはずなのに、これ。
結果社長が放った一言は「Aは空気が読めない」だった…

正直社長にも責任があると思った。
Aの担当する客先への連絡は基本社長がすべて対応しているに等しい。
それに対して社長もAに自ら対応するように求めることは言わない。
一度社長不在の時、Aの担当するお客さんから電話が入ったが
Aはまともに話ができず、あたしに電話を替わるよう要請してきた。
国際電話だったので急いであたしが対応してその場を収めたけど、
それに対してAは『電話できない!って何度も連絡してるのに』と逆ギレ。
その様子を俯瞰で見ていたBは、Aが席を外した時に
「なんで切れてるの?自分が問題なのに」とかなりお怒りだった。
BもAの社長依存な仕事の姿勢に、思うところがあるのだろう。

翌日、Bは社長に「基本的な電話応対できないなんておかしい」と訴えていて、
社長が必死にBをなだめていた。
あたしもそれには同意だったので「フォローしすぎかもしれないですね」と。
実は社長が連絡付かないときはあたしがAのフォローをしていた。
それについてはあたしは一応手当をもらっていたので仕方ないのかな…と思っていたけど、
A自身に『自分で何とかする!』という気概が見えないことが問題なので、
そのことは個人面談の時に社長にあたしの考え方をやんわり話してみた。

ただ、Aに問題があるのはそれだけじゃない。
他の外国企業の方との連絡で共通言語が日本語の場合、
なぜかAは先方のメールをあたしに転送してきて『この人の日本語どう?』と
意味不明な評価を求めてきた。
正直Aよりはるかに日本語はうまかったので『かなり上手だよ』と返すと
そのメールのおかしな点をつらつらあたしに話し出した…
『外国人でこれだけ書けてれば問題ない。ちゃんと内容理解できるし』と返すと
Aはまだ何か言いたそうだったけど、いったん引き下がった。
たぶんあたしのうんざりした気持ちが表情に現れていたのかもしれない。
他人の日本語に文句つける時間があるなら、会話できるように練習したら?と
Aに言いたくなってしまったけど、さすがにそれは呑み込んだ。

あたしは自分が中国語で苦労してるから、Aのこともフォローしてきた。
同じ会社で働く以上、協力するのは当然だと思っていたから。
もちろん同僚や社長はあたしが中国語できないことでフォローしてくれるけど、
あたしはそれを『当然』だとは思ってはいない。
次は自分で解決できるようにしなきゃ!と必死で努力している。
台湾で仕事する以上中国語か台湾語ができなきゃどうにもならないし、
外国人だから〜〜なんて甘えていたら生活もままならない。

でも、業務で日本語必須と分かって数年間の猶予をもらいながら、
依然として日本語出来ないワタシをみんなフォローするのは当然!
みたいなAの空気感に対してあたしはどうしても解せないというか…
なんとも言えないモヤモヤが残る。
もしAとBが同じ所得額だとしたら、なんだかやるせない。

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