アフィリエイト広告を利用しています
UA-128204775-1

広告

この広告は30日以上更新がないブログに表示されております。
新規記事の投稿を行うことで、非表示にすることが可能です。
posted by fanblog

2022年12月14日

第33訓 西郷隆盛の遺訓を現代に顧みて

明治維新の立役者の西郷隆盛の訓話をまとめた「南洲翁遺訓」を垣間見て、
現代の日本の政治や世相を自分ながら解説してみよと思います。
南洲翁遺訓は全部で41訓ありますが、今日は第33訓を垣間見てみます。



序文

日常日々の鍛錬が大事。


原文

平日道を蹈まざる人は、事に臨みて狼狽し、
処分の出来ぬもの也。

譬へば近隣に出火有らんに、
平生処分有る者は動揺せずして、取仕末も能く出来るなり、
平日処分無き者は、唯狼狽して、なかなか取仕末どころには之無きぞ。

夫れも同じにて、
平生道を蹈み居る者に非ざれば、事に臨みて策は出来ぬもの也。

予先年出陣の日、兵士に向ひ、我が備への整不整を、
唯味方の目を以て見ず、敵の心に成りて一つ衝いて見よ、
夫れは第一の備ぞと申せしとぞ。



仮名入り

へいじつみち   ふ      ひと   こと  のぞ   ろうばい
平日道を蹈まざる人は、事に臨みて狼狽し、
しょぶん  でき      なり
処分の出来ぬもの也。

たとえ   きんりん しゅっかあ 
譬へば近隣に出火有らんに、
へいぜいしょぶんあ  もの どうよう         とりしまつ    よ   でき
平生処分有る者は動揺せずして、取仕末も能く出来るなり、
へいじつしょぶんな  もの   ただろうばい            とりしまつ          これな
平日処分無き者は、唯狼狽して、なかなか取仕末どころには之無きぞ。


そ      おな 
夫れも同じにて、
へいぜいみち   ふ    い  もの  あら       こと   のぞ    さく   でき       なり
平生道を蹈み居る者に非ざれば、事に臨みて策は出来ぬもの也。

よせんねんしゅっじん ひ   へいし  むか   わが そなえ   せいせふせい
予先年出陣の日、兵士に向ひ、我が備への整不整を、
ただみかた    め  もっ   み    てき こころ   な    ひと  つ     み
唯味方の目を以て見ず、敵の心に成りて一つ衝いて見よ、
そ    だいいち   そなえ    もう
夫れは第一の備ぞと申せしとぞ。




私流訳

普段から自分の志すことも考えず、実践しないものは、
大きなことに出会って、挑戦しても、あわてふためき、
何をどうやったらいいのかもわからず、何もできないものである。

たとえば、近所で火事があった場合など、
常日頃、志すことを常に精進している人は少しも動揺することもなく、
機敏に対処することができる。
しかし、普段から何もしていない人は、ただ、何をしたらいいかわからず、
ただ、慌てふためいて何もできないのである。

それと同じように
常日頃から自分の志すことも考えず、実践しないものは、
何かをやろうと挑戦しても、立派な対策はできないものである。

私が先年の戊辰戦争に出たある日のこと、兵士に向かって、
自分達の防備が十分であるかどうか、
ただ味方の視点だけで見ないで、敵の心になって一つ突いて見よ、
それこそ第一の防備であると説いて聞かせたと言われた。



私流解釈

江戸幕府と新政府は1868年西郷が40歳の時に
鳥羽・伏見の戦いが1月3日に火蓋を切った。
江戸の無血開城が4月11日のわずか3ヶ月足らずで、
官軍が勝利をしたのである。
西郷は実はこれが初陣であります。
初陣であるが、そのまま勝利を得た。

これは、奇跡のように感じることであるが、
それまで西郷は自分の目の前に起きることに、真摯に向き合ったからである。
たとえ、篤姫の嫁入支度でも、タンスの家紋や細かなことから、公家の工作まで、
周りが舌を巻くぐらい、徹底的に細部にこだわり行った。
また、各藩との折衝やはたまた謀略までやってのけた。
そして、これからの日本の行末を、民衆がいかにしあわせになることを
常に考えていた。

そういったことが、初めて戦の大将に任じられた時に、
まさに非凡の才能と運までが味方をし、江戸幕府を打倒して、
勝利に導いたのである。

まさに、常日頃を真剣に、真摯に向き合うことが、
大事なことがあっても見事に成功させた実践者である。


非凡.PNG


現代に顧みて

この遺訓は、何も英雄豪傑だけになるためのものではない。
大事に当たるのは、常に突然現れる。

東北大震災の時に、宮城県南三陸町の防災対策庁舎で、
最後まで防災無線で住民に避難を放送して、逃げおくれ、
被災した危機管理課の町職員遠藤未希さん(24)である。
必死に防災無線で、「6メートルの津波が予想されます」
「異常な潮の引き方です」「逃げてください」と30分もマイクを握った。
その最後まで危機管理課の職務を全うした彼女に、ご冥福をお祈りします。
他にもこういった話はいろいろある。

日本はまだ、西郷が言う「道」を歩んでいる人は
非凡な人ほど多くいると信じる次第であります。



最後まで読んで頂きまして有難うございます。




押して頂くと励みになります。

人気ブログランキング


この頃、アマゾンの聞く読書にはまっています。
BGMがわりに聞いていますと月に30冊ほど聞いていいます。
自分で聞いた本の金額を計算しますと月に8万円以上です。
料金は月に1,500円はすごいお得です。
読むと眠くなるような本でもトライできます。

audible.PNG
Amazonの「聴く」読書Audible 2か月無料体験+100ポイントキャンペーン

2022年12月12日

第32訓 西郷隆盛の遺訓を現代に顧みて

明治維新の立役者の西郷隆盛の訓話をまとめた「南洲翁遺訓」を垣間見て、
現代の日本の政治や世相を自分ながら解説してみよと思います。
南洲翁遺訓は全部で41訓ありますが、今日は第32訓を垣間見てみます。



序文

孤独で地道な努力。


原文

道に志す者は、偉業を貴ばぬもの也。

司馬温公は、閨中にて語りし言も、
人に対して言うべからざる事、無しと申されたり。

独を慎むの学推して知る可し。
人の意表に出て、一時の快適を好むは、
未熟の事なり、戒む可し。



仮名入り

みち ここざ もの    いぎょう とうと      なり
道に志す者は、偉業を貴ばぬもの也。

しばおんこう     けいちゅう  かた     げん
司馬温公は、閨中にて語りし言も、
ひと  たい    い           こと   な    もう
人に対して言うべからざる事、無しと申されたり。

ひとり つつし  がくお      し   べ
独を慎むの学推して知る可し。

ひと   いひょう   で     いっとき  かいてき  この
人の意表に出て、一時の快適を好むは、
みじゅく こと       いまし べ
未熟の事なり、戒む可し。



地道な努力.PNG


私流訳

志しをもってやろうとしている人は、
大きなことばかりにやろうとは思わないものである。

司馬温公(中国北宋時代の儒学者)は、
たとえ寝室の中で妻の話したことや、
他人に言ってはいけないことを、
決して言わなかった。

「独りを慎む」というのはどういうことか深く考えてみれば、
独りの時でも、身を慎み、志を忘れずに、
精進しなければならない。

人をあっと言わせるようなことをするのは、
その時だけのいい気分になることを好むようでは、
未熟者ものであり、
くれぐれも戒め十分に反省すべきである。




私流解釈

大きな目標や偉業をやることは、大切なことではあるが、
その前に、小さなことをコツコツとやらないといけない。
どんなに大きな山でも、小さな石や砂が積み重なったものであり、
どんなに大きな会社でも、一人ひとりの社員や一つ一つの商品の積み重ねでできている。
その小さなコツコツとしたものに志という柱に積み上げれば、
うず高く積み上がるだろう。
しかし、志がなく積み上げても、なかなか上には積み上がらず
何かの拍子に失敗や事故があったら無惨に崩壊してしまう。
単に盛り土をしているようなもので、雨が降ったらそれで終わり様なものであります。

二宮尊徳の「積小為大」が実に素晴らしく言っております。

大事を為さんと欲すれば小なることを怠らず勤むべし、
小積もりて、やがて大となればなり。
およそ小人の常、大なることを欲して、小なることを怠り、
出来難き事を憂いて、出来易く事を勤めず、それゆえ終に大なる事を
なすことを能わず。
たとえば、百万石の米といえども、粒の大なるにあらず。
人一度にしてこれを良くすれば、己はこれを百度にし、
人十度にしてこれを良くすれば、己は千度とす。



「独りを慎む」この言葉をもうちょっと深化してみましょう。
森信三先生は、「長たるもの孤独寂寥(せきりょう)に耐えぬばならぬ」と語られます。
人がいる時や外にいる時は、人の目があるが、
独りになった時は、それは誰の眼もありません。
自分だけであります。
その時に身を制して、自らの志を果たすことができるかであります。
家にいる時こそ、人の差がでます。
家でただ、テレビをみたり、無駄なことをしているようでは駄目です。
家にいる時こそ、成長できる時であり、自らがいちばん精進できる時であります。
自らの心は内面に通じるものであるから、
孤独な時こそ、その内面に通じます。
ただ、孤独と寂しさに耐えねばなりません。
西郷も二宮尊徳も森信三も道を究めた方は同じ境地にいくみたいですね。



現代に顧みて

どんなに華々しい世界でも地道な努力が必要であり、それが花が咲いて
脚光を浴びる。

芸能界では、K-POPが今、世界的にも脚光を浴びているみたいだが、
韓国のシンガーやグループは1ヶ月ほどしっかりレッスンをして、
新作発表するということを聞いた。
私はほとんどK-POPは聞かないが、ヒットチャートが上がっている事は聞く。

経済界では、やはりパナソニックの創業者である松下幸之助かな。
松下幸之助が若い時に、夜道を歩いている時に、
とある家で男女の口論がきこえた。
戦前のことだが、当時、各家には電源コンセントが一つしかなかった。
その男女は、男はラジオが聞きたい、女はアイロンをかけたいと口論していた。
そこで、幸之助はこれを解決するために、二股ソケットのアイデアを思い浮かんだ。
それがパナソニックの創業期のヒット商品になり、
その後、そういったアイデアを次々と創意工夫と地道な努力で今日のパナソニックがある。

政治の世界では、昨年の参議院選挙で新政党で議席を獲得した参政党の神谷宗幣かな。
5年ほど前からCGSという彼のYouTubeを見ていた。私がよく見ていたのは、彼とねずさんの共同のれきしものである。
その中で日本の良さをよく表現した内容ものを作成し、今の政治や世相に問題提起をし、
どうしたらいいのかを自らの意見を提言していた。
過去に地方議員もやり、ネットでも地道な情報を上げて、晴れて参政党という素晴らしい政党を立ち上げ、
参議院選挙で自ら当選したのは素晴らしいものである。
まだ、1議席しかないが、これからの地方選挙や次の衆議院選挙にはぜひとも議席数を伸ばし、
この閉塞感ただよう政治に風穴を開けてほしいものである。

自分の私感で書いておりますが、現代においても
西郷が言う「独を慎むの学推して知る可し。」は有効でありますし、
どんな偉業も地道な努力と苦労がどんな時代でも必然と感じる次第であります。



最後まで読んで頂きまして有難うございます。





押して頂くと励みになります。

政治ランキング



私は、小説はあまり読まないのですが、
この本は素晴らしいです。高校生の一人旅を描いた小説ですが、
歳をとった私でも感動し、人生の教訓を感じさせて頂いた本です。

「また、必ず会おう」と誰もが言った







この頃、アマゾンの聞く読書にはまっています。
BGMがわりに聞いていますと月に30冊ほど聞いていいます。
自分で聞いた本の金額を計算しますと月に8万円以上です。
料金は月に1,500円はすごいお得です。
読むと眠くなるような本でもトライできます。

audible.PNG
Amazonの「聴く」読書Audible 2か月無料体験+100ポイントキャンペーン


2022年12月08日

第31訓 西郷隆盛の遺訓を現代に顧みて

明治維新の立役者の西郷隆盛の訓話をまとめた「南洲翁遺訓」を垣間見て、
現代の日本の政治や世相を自分ながら解説してみよと思います。
南洲翁遺訓は全部で41訓ありますが、今日は第31訓を垣間見てみます。



序文

自分を信じる効用



原文

道を行ふ者は、
天下挙て毀るも、足らざるとせず、
天下挙て誉るも、足れりとせざるは、
自ら信ずるの厚きが故也。

其の工夫は、韓文公が伯夷の頌を熟読して会得せよ。




仮名入り


みち  おこな もの  
道を行ふ者は、
てんかこぞって そし       た
天下挙て毀るも、足らざるとせず、
てんかこぞって ほむ       た
天下挙て誉るも、足れりとせざるは、
みずか しん     あつ   ゆえなり
自ら信ずるの厚きが故也。

そ  くふう     かんぶこう  はくい  しょう じゅくどく  えとく
其の工夫は、韓文公が伯夷の頌を熟読して会得せよ。



効用.PNG


私流訳

自分が志した道を進もうとする者は、
世間の人が寄ってたかって非難されることがあっても
決して不満や落ち込むことがなく、
世間の人が誰もが称賛するようなことがあっても
決して満足することやのぼせることがないのは、
自分を深く信じることである。

そのような人物になる工夫は、
唐の時代の韓退之(かんたいし)が書いた
「伯夷頌」を熟読することで学ぶことを勧めたい。



私流解釈

人は志したことをやろうとした時に必ずというほど
非難されたり、批判されたりする。
それは、今までに無いことをやろうとするからだ。
人は現状に甘じてしまう癖がある。
何か新しく改善したり、新たなことは負荷や重責がともなうからだ。

自然の摂理は、常に変化する。
夏の暑さは、秋になると涼しくなり、冬になると寒くなるように。
人もそれと同じように変化し、進化することが人の摂理であるが、
自分の正しさが周りに合わなく、非難されることはよくあることだ。

この訓話の「道を行ふ者」を松下幸之助の言葉に「素直」の言葉を引用して解説してみよう。

以下は松下幸之助の「素直」を見事に言い表した言葉である。

素直な心とは 単に人に逆らわず  
従順であるということではありません。 
何ものにもとらわれず 物事の真実と
何が正しいかを見極めて、これに従う心です
素直な心になりましょう。
素直な心はあなたを強く正しく聡明にいたします



よく人から、「素直になりなさい」と言われることがある。
それは、ほんどの場合は、私の言う事を聞きなさいということで、
そこに矛盾や疑問を感じて質問すると
「あなは素直じゃない」とか「素直に人の意見を聞きなさい」という
こういうことを言う人は、その人は、自分の言っていることの
自信のなさであり、責任のなさの表れである。

松下幸之助が言うように「素直」は
何も他人に従順であることはない。
自分の真実に従う心に従うことである。

この従う心こそ
この訓話の「道を行ふ者」である。
時には、周りが非難・批判されても
自分の信じる道を進むのです。

単に妥協して、後悔するより、
                            いさぎよ
信じる道をとおして、非難されるほうが道を志した者としての潔しであり、
必ず成功の道に繋がっている。



この訓話の中に「韓文公が伯夷の頌」と
あまり聞き慣れない内容がありますがこれを説明します。

韓文公とは、唐の時代の詩人・文人家で唐宋八大家の一人である
韓愈(かんゆ)のことである。
つまり、「韓」が名前で、「文公」は文筆家という意味かな。
「伯夷の頌」とは、その物語の一節で
時代は、中国の殷から周の時代の移り変わりの時に
殷王朝に仕えていた伯夷という兄弟がいた。
周が殷王朝を滅ぼしたが優秀な伯夷兄弟を
周の王様が迎えたいと言ったが、
「二君に使えることを潔しとしません」と言って
兄弟は山にこもり、とうとう餓死しました。
これは忠義を守って命を落とした二人を褒め称え、
武士のモラルを貫いた人物として書き残した。

ここで、私は疑問と矛盾が気づいたのだが、
西郷は生涯に同じ君子に仕えていないのである。
幕府時代には、江戸幕府であり、薩摩藩では、島津斉彬であり、
島津斉彬が死去後は、島津久光になり、
明治維新では、新政府であり、戊辰戦争の時の直属の上司は、
有栖川宮熾仁親王 東征大総督である。
このことを考えると
「伯夷の頌を熟読して会得せよ」と言うこの訓話との矛盾がでるが、
西郷はだれかに使えるよりも、
民衆や困った人やこの日本の行末を考えた人ではないかと推察する次第です。
西郷が島津斉彬に取り立てられたのも、民衆を救済したい意見書からであるし、
薩長同盟も今後の日本の行末このことを考えての同盟でもあるし、
政府がどの形が民衆がいかにしあわせになり、
そのために、どのような体制が一番良いかを追求し、
さらに深化したのではないかと信じる次第であります。



現代に顧みて

現代は、非難や批判の応酬であります。
新聞・テレビ・ラジオ・インターネットなどは、
そのためのメディアになってしまいました。

しかし、真実やためになるものもありますが、
情報は、報道側の目線であり、インターネットは発信者のフィルターであります。

いかに、自分の尺度をしっかりとり
発信者の目線・フィルター・憶測を示唆し、
真実を読み取る力が求められる時代であります。

その中で、自らの真実を深く信じる人が輝くものと信じる次第であります。
西郷のこの遺訓は、現代の情報錯乱の時代に警笛を鳴らしていると感じる次第であります。

最後まで読んで頂きまして有難うございます。




押して頂くと励みになります。


人気ブログランキング




今年の6月からアマゾンの聞く読書にはまっています。
BGMがわりに聞いていますと月に30冊ほど聞いていいます。
こんなに聞くとは思ってもいませんでした。
自分で聞いた本の金額を計算しますと月に8万円以上です。
料金は月に1,500円はすごいお得です。
読むと眠くなるような本でもトライできます。

audible.PNG
Amazonの「聴く」読書Audible 2か月無料体験+100ポイントキャンペーン




2022年12月03日

第30訓 命もいらず名もいらず  西郷隆盛の遺訓を現代に顧みて

明治維新の立役者の西郷隆盛の訓話をまとめた「南洲翁遺訓」を垣間見て、
現代の日本の政治や世相を自分ながら解説してみよと思います。
南洲翁遺訓は全部で41訓ありますが、今日は第30
訓を垣間見てみます。


序文

命もいらず、名もいらず、官位も金もいらぬ人は、仕末に困るもの也。



原文・仮名入・私流訳

いのち        な
命もいらず、名もいらず、
命も惜しくもなく、名誉も名声もいらない、
かんい   かね       ひと     しまつ  こま       なり
官位も金もいらぬ人は、仕末に困るもの也。
地位も役職や肩書もいらない、金もいらない、というような人はどうしようもない器の大きい人物で手に負えないものである。
こ    しまつ   こま  ひと
此の始末に困る人ならでは、
このような手に器の大きい負えない人物こそ、
かんなん とも       こっか   たいぎょう な   え
艱難を共にして、国家の大業は成し得られぬなり。
艱難辛苦のあるような困難を共にし、国家の命運を分けるような大事業を成し遂げることはできない。

さ      かよう    ひと    ぼんぞく  め
去れども个様の人は、凡俗の眼には、
ただ、このような手に負えない器の大きい人物は、なかなか一般の眼では、
みえ            もう       つき
見得られぬぞと申さるるに付、
見抜くことができないと言われるので、そこで聞く者が、
もうし
孟子に
それでは孟子の書の中に
  てんか   こうきょ   お
『天下の広居に居り、
『手に負えない器の大きい人物は天のもとで広々とした所におり
てんか   せい    た    てんか    だいどう  おこな
天下の正位に立ち、天下の大道を行ふ、
天のもとで正しい立ち位置におり、天のもとで正しい道を実践しており、
こころざし え      たみ   これ  よ
志を得れば、民と之に由り、
志を活躍する場を得れば、民衆と共に正しい道を実践し、
こころざし え       ひと そのみち  おこな
志を得ざれば、独り其道を行ふ、
志を活躍する場を得ることがなければ、独りでも自らの信じる道を実践し、
ふんき    いん       あた
富貴も淫すること能はず、
どんなに富や賄賂や地位で釣ろうとしてもそれで、なびくことはなく、
ひんせん   うつ     あた
貧賎も移すこと能はず、
どんなに貧しく身分が低いともこれによって心が挫けることはなく、
いぶ     くつ        あた
威武も屈すること能はず』
また力をもって、これを屈服させようとしても決してそれはできない』
 
と云ひしは、
と言っておるのは、

いまおお       ごと
今仰せられし如きの、
今、西郷翁が仰られたような
じんぶつ      と                 そ  とお
人物にやと問ひしかば、いかにも其の通り、
手に負えない器の大きい人物のことですかと尋ねたら、いかにもその通りで、
みち  た      ひと         か  きしょう  で  なり
道に立ちたる人ならでは、彼の気象は出ぬ也。
真に道理を実践している人物でなければ、このような精神は得難い事だと答えられた。


西郷隆盛.PNG



私流解釈

私が一等に好きな訓話であります。
まだ、親の会社を引き継いで、幹部だった時に、
京セラの稲盛会長の講話が会社にあったので
ずっと聴いていた。
その中で、「命もいらず、名もいらず」というこの訓話を初めて知った。
当時、こんなすごい言葉があるんだと痛快に感じた。
それから、稲盛会長の盛和塾に入会して、様々なことを学ばさせて頂いた。
稲盛氏の南洲翁遺訓を自ら解説をした「人生の王道」は、
私にとって、座右の書であります。
こんな人になれたらなと、ずっと思っているが、
まだまだである。

ただ、この遺訓の世の中に出回っている解説の本の訳や解釈が経営者やリーダー向けである。
それで、もう経営者でもない自分が、普通の人にも役に立つような目線で
訳や解釈を心掛けて書いております。
この遺訓は、たしかに豪傑で、素晴らしい偉人の理想に思えるが、
最初の「命もいらず、名もいらず、官位も金もいらぬ人」は、
何も政治家や経営者だけでなく、
だれでも、時にはこういった思いで仕事をし、何かを為しているのではないかと思う。

特に、母親が子供を育てる姿は、この訓話にも当てはまるだろう。
こういう無欲であり、無心に良きこと向かい、利他の精神は、
日本人の独特のものであり、日本人の良き思想とでも言ってもいいのではないかと
感じる次第であります。
そして、こういったものがある限り、日本はより良くなると信じる次第であります。

最後まで読んで頂きまして有難うございます。




押して頂くと励みになります。

人気ブログランキング





稲盛和夫の南洲翁遺訓の解説本 
経営者の視点では素晴らしい本です。




森信三の南洲翁遺訓の解説本
修身や道徳の視点では必見の本です。


ファン
<< 2022年12月 >>
        1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31
最新記事
カテゴリーアーカイブ
最新コメント
世界のカジノ会社が日本を狙う。 by ブランドコピー (04/07)
世界のカジノ会社が日本を狙う。 by ビビアン 財布 スーパーコピー 2ch (03/23)
日本人が韓国にキリスト教を伝播 by 金 国鎮 (01/18)
殿(しんがり) ポンペイオ国務長官 by 愛信 (01/13)
日本でも不正選挙? by 愛信 (01/11)
プロフィール
田中さとしさんの画像
田中さとし
プロフィール
×

この広告は30日以上新しい記事の更新がないブログに表示されております。