2023年01月30日
第36訓 西郷隆盛の遺訓を現代に顧みて
明治維新の立役者の西郷隆盛の訓話をまとめた「南洲翁遺訓」を垣間見て、
現代の日本の政治や世相を自分ながら解説してみよと思います。
南洲翁遺訓は全部で41訓ありますが、今日は第36訓を垣間見てみます。
序文
自分自身を高めていく
原文
聖賢に成らんと、欲する志無く、
古人の事跡を見、
迚も企て及ばぬと、云ふ様なる心ならば、
戦に臨みて、逃るより猶卑怯なり。
朱子も白刃を見て、逃る者はどうもならぬと云はれたり。
誠意を以て聖賢の書を読み、其の処分せられたる心を、
身に体し心に験する修業致さず、
唯个様の言、个様の事と、
云ふのみを知りたりとも、何の詮無きもの也。
予、今日人の論を聞くに、何程尤もに論ずるとも、
処分に心行き渡らず、唯口舌の上のみならば、
少しも感ずる心之れ無し。
真に其の処分有る人を見れば、実に感じ入る也。
聖賢の書を空しく読むのみならば、
譬へば人の剱術を傍観するも同じにて、
少しも自分に得心出来ず。
自分に得心出来ずば、万一立ち合へと申されし時、
逃るより外有る間敷也。
仮名入り
せいけん な ほっ こころざしな
聖賢に成らんと、欲する志無く、
こじん じせき み
古人の事跡を見、
とて くわだ およ い よう こころ
迚も企て及ばぬと、云ふ様なる心ならば、
いくさ のぞ にげ なおひきょう
戦に臨みて、逃るより猶卑怯なり。
しゅし はくじん み にげ もの い
朱子も白刃を見て、逃る者はどうもならぬと云はれたり。
せんい もっ せいけん しょ よ そ しょぶん こころ
誠意を以て聖賢の書を読み、其の処分せられたる心を、
み たい こころ けん しゅぎょういた
身に体し心に験する修業致さず、
ただかよう げん かよう こと
唯个様の言、个様の事と、
い し なん せんな なり
云ふのみを知りたりとも、何の詮無きもの也。
よ こんにちひと ろん き なにほどもっと ろん
予、今日人の論を聞くに、何程尤もに論ずるとも、
しょぶん こころゆ わた ただくぜつ うえ
処分に心行き渡らず、唯口舌の上のみならば、
すこ かん こころこ な
少しも感ずる心之れ無し。
しん そ しょぶんあ ひと み じつ かん い なり
真に其の処分有る人を見れば、実に感じ入る也。
せいけん しょ むな よ
聖賢の書を空しく読むのみならば、
たとえ ひと けんじゅつ ぼうかん おな
譬へば人の剱術を傍観するも同じにて、
すこ じぶん とくしんでき
少しも自分に得心出来ず。
じぶん とくしんでき まんいちた あ もう とき
自分に得心出来ずば、万一立ち合へと申されし時、
にげ ほかあ まじきなり
逃るより外有る間敷也。
私流訳
素晴らしい人になりたいと志すこともなく、
古の偉人の書籍や読むことや、学んだとしても、
そのことに挑戦し、努力し、その偉人に学ぼうとしないのであれば、
戦争に臨んで、逃げるよりいっそう卑怯なことである。
朱子も刀の刃をみただけで、逃げるものはどうにもならいものであると言われた。
誠心誠意をもって素晴らしい偉人の書籍を読み、
その内容を学び活用としようとする思う心がないと、
自分自身に実践し、心に刻みつけ学び修めることをせず、
ただ書物の語録と捉え、ただそのようなことと捉え、
知識として知り得たとしても。何の価値もない。
こんにち、人々が言うことを聞いて、私なりに思うところがある。
それは、誰もがいかにももっともらしく自論を論じていても、
実際に行動もせず、心が動かさらず、口先だけのものであれば、
少しも心に響いてこないものだ。
偉大なる偉人の精神や行動に感服し、
学び、行動し、経験を積んだ人が見れば、
実に素晴らしいものであると感じるものである。
聖人や賢者の書物を、うわべだけで読むのであったら、
例えば、他人が剣術の試合するのをそばで見ているのと同じで、
少しも自分に納得し、学び、行動し、経験をして身についていないのである。
自分に納得し、学び、行動し、経験をして身についていないのであれば、
万一、立ち合いしようとひとから言われた時、
逃げ出すよりほかないであろう。
私流解釈
偉大なる人になることを目標にすることが、
人としての努めと、この遺訓は言っていると感じる次第であります。
本とか様々なことを知り得るようになったが、
少しでも今の自分が良くなるようにとか、
悩みが解決できるようになればいいなと思い本を紐解き
自分の向上になればいいなと思っているだけでは駄目と言っている。
「聖賢」になることまでを目標にし、
それになるように挑戦し、学ばないといけないというのは
ちょっと大それたことと感じるところでありますが、
西郷は、そこまでの気迫と気構えが大切と説いています。
さらに、「卑怯」や「戦に臨みて、逃る」という言葉が書いてあります。
この言葉は、西郷の時代では、人を侮辱する最大最悪の言葉で、
特に、戦いが身近にあった時代です、
人の人格で最も恥じる言葉の引用でありますから、
その重要性を感じる次第であります。
かなり自分としては自戒することであります。
現代に顧みて
自分自身を高めていこうと「志」を持ち、
自分自身が精一杯努力すること以外ないと西郷は説いています。
今の日本は、テレビ・新聞・ネットでも批判するものばかりでありますが、
自己啓発の本や動画もたくさんあります。
こういった環境をうまく使えるのは、現代のいいところです。
何が正しい考え方なのか、その根本を考えた時に、私は日本の偉人に学ぶのがベストかなと思い、
兼ねてから愛読していた、この遺訓をブログにしようと思った次第でありますが、
この遺訓の解説している本は、著名な方が多いため、経営者向けとか、政治家向けとか多いです。
そこで、もっと一般の人に向けて解説しているものがないかと探したのですが、
自分が探した中では、なかったのでこうやってブログを書いている次第であります。
「聖賢に成らんと欲する」とレベルにはほど遠いかもしれませんが、
挑戦ぐらいしようかと思いで書いております。
「自助論」の著者サミュエル・スマイルズはこの中で、
政治のレベルは国民のレベルになると書いておりますが、
今の日本は、おかしなことばかり、特に政治は最悪であります。
この遺訓のブログを書く前は、そういった批判めいたブログばかり書いておりました。
ただ、いくら書いても、この日本は変わることもなく、ましてや自分が変わることはありません。
そこで国民のレベルをあげるというサミュエル・スマイルズの言葉を信じて、
一国民である自分のレベルを上げるために書いております。
挑戦すること、学ぶこと、努力することを天にいらっしゃる翁に報いるために精進している次第です。
このブログを見て頂き少しでも参考になれば幸いです。
最後まで読んで頂きまして有難うございます。
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南洲翁遺訓は全部で41訓ありますが、今日は第36訓を垣間見てみます。
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古人の事跡を見、
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身に体し心に験する修業致さず、
唯个様の言、个様の事と、
云ふのみを知りたりとも、何の詮無きもの也。
予、今日人の論を聞くに、何程尤もに論ずるとも、
処分に心行き渡らず、唯口舌の上のみならば、
少しも感ずる心之れ無し。
真に其の処分有る人を見れば、実に感じ入る也。
聖賢の書を空しく読むのみならば、
譬へば人の剱術を傍観するも同じにて、
少しも自分に得心出来ず。
自分に得心出来ずば、万一立ち合へと申されし時、
逃るより外有る間敷也。
仮名入り
せいけん な ほっ こころざしな
聖賢に成らんと、欲する志無く、
こじん じせき み
古人の事跡を見、
とて くわだ およ い よう こころ
迚も企て及ばぬと、云ふ様なる心ならば、
いくさ のぞ にげ なおひきょう
戦に臨みて、逃るより猶卑怯なり。
しゅし はくじん み にげ もの い
朱子も白刃を見て、逃る者はどうもならぬと云はれたり。
せんい もっ せいけん しょ よ そ しょぶん こころ
誠意を以て聖賢の書を読み、其の処分せられたる心を、
み たい こころ けん しゅぎょういた
身に体し心に験する修業致さず、
ただかよう げん かよう こと
唯个様の言、个様の事と、
い し なん せんな なり
云ふのみを知りたりとも、何の詮無きもの也。
よ こんにちひと ろん き なにほどもっと ろん
予、今日人の論を聞くに、何程尤もに論ずるとも、
しょぶん こころゆ わた ただくぜつ うえ
処分に心行き渡らず、唯口舌の上のみならば、
すこ かん こころこ な
少しも感ずる心之れ無し。
しん そ しょぶんあ ひと み じつ かん い なり
真に其の処分有る人を見れば、実に感じ入る也。
せいけん しょ むな よ
聖賢の書を空しく読むのみならば、
たとえ ひと けんじゅつ ぼうかん おな
譬へば人の剱術を傍観するも同じにて、
すこ じぶん とくしんでき
少しも自分に得心出来ず。
じぶん とくしんでき まんいちた あ もう とき
自分に得心出来ずば、万一立ち合へと申されし時、
にげ ほかあ まじきなり
逃るより外有る間敷也。
私流訳
素晴らしい人になりたいと志すこともなく、
古の偉人の書籍や読むことや、学んだとしても、
そのことに挑戦し、努力し、その偉人に学ぼうとしないのであれば、
戦争に臨んで、逃げるよりいっそう卑怯なことである。
朱子も刀の刃をみただけで、逃げるものはどうにもならいものであると言われた。
誠心誠意をもって素晴らしい偉人の書籍を読み、
その内容を学び活用としようとする思う心がないと、
自分自身に実践し、心に刻みつけ学び修めることをせず、
ただ書物の語録と捉え、ただそのようなことと捉え、
知識として知り得たとしても。何の価値もない。
こんにち、人々が言うことを聞いて、私なりに思うところがある。
それは、誰もがいかにももっともらしく自論を論じていても、
実際に行動もせず、心が動かさらず、口先だけのものであれば、
少しも心に響いてこないものだ。
偉大なる偉人の精神や行動に感服し、
学び、行動し、経験を積んだ人が見れば、
実に素晴らしいものであると感じるものである。
聖人や賢者の書物を、うわべだけで読むのであったら、
例えば、他人が剣術の試合するのをそばで見ているのと同じで、
少しも自分に納得し、学び、行動し、経験をして身についていないのである。
自分に納得し、学び、行動し、経験をして身についていないのであれば、
万一、立ち合いしようとひとから言われた時、
逃げ出すよりほかないであろう。
私流解釈
偉大なる人になることを目標にすることが、
人としての努めと、この遺訓は言っていると感じる次第であります。
本とか様々なことを知り得るようになったが、
少しでも今の自分が良くなるようにとか、
悩みが解決できるようになればいいなと思い本を紐解き
自分の向上になればいいなと思っているだけでは駄目と言っている。
「聖賢」になることまでを目標にし、
それになるように挑戦し、学ばないといけないというのは
ちょっと大それたことと感じるところでありますが、
西郷は、そこまでの気迫と気構えが大切と説いています。
さらに、「卑怯」や「戦に臨みて、逃る」という言葉が書いてあります。
この言葉は、西郷の時代では、人を侮辱する最大最悪の言葉で、
特に、戦いが身近にあった時代です、
人の人格で最も恥じる言葉の引用でありますから、
その重要性を感じる次第であります。
かなり自分としては自戒することであります。
現代に顧みて
自分自身を高めていこうと「志」を持ち、
自分自身が精一杯努力すること以外ないと西郷は説いています。
今の日本は、テレビ・新聞・ネットでも批判するものばかりでありますが、
自己啓発の本や動画もたくさんあります。
こういった環境をうまく使えるのは、現代のいいところです。
何が正しい考え方なのか、その根本を考えた時に、私は日本の偉人に学ぶのがベストかなと思い、
兼ねてから愛読していた、この遺訓をブログにしようと思った次第でありますが、
この遺訓の解説している本は、著名な方が多いため、経営者向けとか、政治家向けとか多いです。
そこで、もっと一般の人に向けて解説しているものがないかと探したのですが、
自分が探した中では、なかったのでこうやってブログを書いている次第であります。
「聖賢に成らんと欲する」とレベルにはほど遠いかもしれませんが、
挑戦ぐらいしようかと思いで書いております。
「自助論」の著者サミュエル・スマイルズはこの中で、
政治のレベルは国民のレベルになると書いておりますが、
今の日本は、おかしなことばかり、特に政治は最悪であります。
この遺訓のブログを書く前は、そういった批判めいたブログばかり書いておりました。
ただ、いくら書いても、この日本は変わることもなく、ましてや自分が変わることはありません。
そこで国民のレベルをあげるというサミュエル・スマイルズの言葉を信じて、
一国民である自分のレベルを上げるために書いております。
挑戦すること、学ぶこと、努力することを天にいらっしゃる翁に報いるために精進している次第です。
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