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2023年05月29日

第40訓 西郷隆盛の遺訓を現代に顧みて

明治維新の立役者の西郷隆盛の訓話をまとめた「南洲翁遺訓」を垣間見て、
現代の日本の政治や世相を自分ながら解説してみよと思います。
南洲翁遺訓は全部で41訓ありますが、今日は第40訓を垣間見てみます。


序文

至福のひととき


原文

翁に従て、犬を駆り兎を追い、
山谷を跋渉して、終日猟り暮らし、
一田家に投宿し、浴終りて、
心神いと爽快に見えさせ給ひ、
悠然として申されけるは、
君子の心は、常に斯の如くにこそ、
有らんと思ふなりと。




風呂.png



仮名入り

おう したがい  いぬ  か  うさぎ お
翁に従て、犬を駆り兎を追い、
さんや  ばっしょう    しゅうじつか  く
山谷を跋渉して、終日猟り暮らし、
いちでんか  とうしゅく  よくおわ
一田家に投宿し、浴終りて、
しんしん   そうかい  み      たま
心神いと爽快に見えさせ給ひ、
ゆうぜん     もう
悠然として申されけるは、
くんし  こころ   つね  かく   ごと
君子の心は、常に斯の如くにこそ、
あ      おも
有らんと思ふなりと。




私流訳

門弟が、ある時翁に従って犬を連れて兎を追って、
山や谷を渡り歩いて終日狩りをして暮らしていた。
田舎の家に宿泊し、家人のととのえた風呂を一浴びて
心も体も爽快になったところで、
翁は悠然として言われるには
「君子の心というものは、いつもこのように満ち足りて、
爽快なものであろう。」と言われた。



私流解釈

この遺訓は他の遺訓と違う趣があります。
なんとものどかであり、すがすがしいものであり、
西郷の言う爽快さを感じる次第であります。

この遺訓は、征韓論の後の明治6年の政変で、
あらゆる地位を捨てて、鹿児島に戻った時の遺訓であり、
門弟と書かれておりますが、この遺訓を作成をした庄内藩の方であります。

まさに、生の声であり、今までの西郷の艱難辛苦と
翻弄した明治維新を成し遂げたことがあるがゆえ、
このほっとする遺訓がなんとも言えない趣があるものであります。



現代に顧みて

人は、常に何かと相対関係の中で思考します。
ずっと昼も夜も年間を通して、25度の地域があったとします。
こんな地域の人は暑いも寒いも感じたことがない人になります。
この地域の人の言語の中では「暑い」「寒い」という言葉も生まれないでしょう。

この遺訓も西郷の生きた翻弄した中を生き抜いたこそ、
爽快で、しあわせを感じる内容になったと感じます。

不幸だからしあわせになる喜びを感じる。
お金がなかった頃があったから金持ちになったら喜びを感じる。
戦争があるから平和を噛み締めることを感じることができる。

どの時代でも様々な問題は発生します。
人も国も世界もそれを克服をしようと前進します。
それが現代であり、次の未来もそれを克服したものであると
信じる次第であります。




最後まで読んで頂きまして有難うございます。



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