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2024年01月23日

寄生虫対策の救世主「ハーブ」で育てたサケ放流開始!

寄生虫対策で、サケの稚魚にハーブ入りのえさを与える動きが広がっているそうです

ハーブ入り飼料は北海道、道立総合研究機構さけます・内水面水産試験場が開発。研究が進められていたもので、今年「サーモンリキッド」として商品化、道内複数の孵化場で導入されているとのこと

鮭の稚魚の死因として、寄生虫はかなり深刻なものです。

鮭の孵化場は、海から帰ってきた鮭を採り、飼育しますので、飼育用水に海や川から元からいる寄生虫が混じることは避けられません。

代表的な寄生虫として、イクチオボド、トリコジナがあります

孵化場では、各径路で紫外線などを使った駆虫は行われますが、完璧に駆除することは不可能。稚魚が感染してしまい、これが成魚まで生存できない要因の一つとなっています。

そこで、放流前の稚魚にハーブ添加餌料を与えるのです

ハーブには一般的に虫よけの効果があるとされていますが、これは鮭にとっても同じなんですね。

くわえられるのは、ハーブから抽出した油。要はアロマオイルのようなものですね。

使われているハーブの種類は、はっきりとは報道されていませんが、実験ではオレガノやハッカ、ラベンダーなど、様々なハーブで効果があったといわれています。

オレガノの油を餌に加えると、寄生虫の数が4分の1、種類によって40分の1に減少したそうです。

このハーブ入り飼料の開発は、北海道も補助している事業でもあります。

サケの漁獲量が記録的に減っている現在、まさに未来がかかっています!

今シーズン放流したサケが返ってくるのは、3年から5年後。良い結果が出ることを心から期待します
北海道をはじめとした日本の河川に帰ってくるサケが減っています

要因として気候の変化等が指摘されていますが、そのほかの有力な説として寄生虫があります

気候を変えるのは難しいことです。稚魚が、河で寄生虫に感染してしまうことで、海にわたるまえに死んでしまうのです

海でのシロザケを取り巻く環境が過酷となる中、帰還率を上げるためには、放流した稚魚が、病気に負けず、確実に降海できるようにすることがますます重要となります

そこで北海道の研究機関「道立総合研究機構さけます・内水面水産試験場」が開発した技術。それが、先日このブログでも紹介した

ハーブ入りのエサ

ハーブによる虫よけは世界中で行われていますが、これを魚の寄生虫よけとしても役立ててしまおうという発想ですね

孵化場で生まれた稚魚にハッカやミント、ラベンダーなどを与える実験をしたところ、寄生虫による病気の発生を減らせることを発見したのです。

なかでも効果の高いハーブが「オレガノ」

いわゆるハッカの一種で、イタリアではパスタやピザなどの薬味として使われます。また健康茶として、精油はアロマ・オイルとしても利用されます

北海道では、官民共同でこのオレガノ入りの餌を開発・販売

そして、今年北海道の孵化場13か所で、採卵した卵から生まれた稚魚約1300万匹をこのエサで育てました。

そして、道内で初めて、3月末から各地で「ハーブ育ち」のサケの放流が行われています。

3年から5年後この中から、一匹でも多く、、元気に生まれた川に戻ってきてくれることを期待しましょう

2023年12月09日

震災を乗り越えて 福島・木戸川でサケの遡上がはじまるまで

全国的に、秋サケの季節となっていますが、数ある日本の鮭の産地のうち、大きなドラマが生まれたのが

福島・楢葉町にある木戸川です。
木戸川には毎年サケの遡上があり、放流事業も盛んにおこなわれていました。同町のサケ漁は上流から下流に追い込み、網にかける独特の手法でも知られています。
その大自然と人間活動が生み出す偉大なエコサイクルを断絶してしまったのが2011年の東日本大震災に伴う津波と、福島第一原発事故です。
震災時は、毎春おこなう放流事業の最中で、稚魚約1千万匹のうち3割程度を放流した時点でふ化場が津波の被害にあいます。
また楢葉町は町の大部分が、原発施設半径20km以内の警戒区域で、木戸川周辺も避難区域として指定されました。 域内の立ち入りができなくなったことで当然のことながら、サケ漁は中断されることになり、未来の漁業の存続が危ぶまれる事態となりました。
待ちに待ったサケ漁が再開されたのは2015年、震災から4年以上が経過していました。 鮭は、川で生まれてから、4年、5年で成魚となり、生殖・産卵のため戻ってきます。 そう、再開した漁で木戸川に戻ってきた鮭。その中には、震災時に放流した稚魚が含まれています。 震災の中海を渡った鮭は、確実に命をはぐくみ、生まれ育った川に帰ってきました。 なお稚魚の放流事業は、前年2014年春に再開し、近くの漁協から購入した稚魚計2万匹を放流しています。 それは大きな傷を負った楢葉町の復興にむけた大きな一歩でもあったのです
お勧めの一冊
さて、そんな木戸川のドラマを感動的に描き出す本を紹介しましょう 東日本大震災、福島第一原発事故からの復興への挑戦を描き出すノンフィクション。少年少女を対象とした本ですが、内容は実に示唆に富んでいます。

著者は釣り師としても有名な東京海洋大学客員教授、奥山文弥さん。

物語は、孵化・放流事業が行ってきた漁協。物語の主人公となる若い職員、鈴木謙太郎さんが入るところからはじまります。魚、そして釣り好きの彼は、漁協の仕事に天職を感じ、仕事に打ち込みます。

本書では、ふ化事業の再開などへの活動、鮭を復興のシンボルとして街全体を立て直そうとする漁協の活動を、主人公の鈴木さんの成長を絡めて描き出しています。 サケに関する知識、ふ化、放流事業の重要性についても、新たな気付きを与えてくれる情報が随所にあります。ぜひおすすめ

2023年06月14日

【魅惑の鮭・サーモン】ピンクサーモンとカラフトマスは同じ?そもそもサケなのか

Oncorhynchus_gorbuscha_karafutomasu.jpg
缶詰に使われる鮭の中で、最も多く使われているのがカラフトマス。サケ科サケ属の魚です。
サケ類では多く獲れる種類であるため、安価で缶詰などの加工品として流通しています。 また、卵は筋子として加工して食されています。有名なマルハニチロあけぼのの缶詰はこのカラフトマスがトレードマークとなっています。

日本で最大の漁獲量を誇るのが北海道のオホーツク海沿岸で、漁は7-8月。また、8月頃になると、北海道の堤防で、一般の釣りファンでもルアーフィッシングを愉しむことができます。北海道では川でも釣りができる場所があります。
大きな特徴としてはメスが産卵期にある際に、オスに現れる背中の隆起。これを「セッパリ」といい、ここからカラフトマスのことをセッパリマスということもあります。
また、ほかのポピュラーな呼び名として、英語名であるピンクサーモンがあります。日本では、北海道以外の地域の呼び方として、日本海でとれる同属のマスがサクラマスと呼ばれることがあります。この呼び名からわかることは独特の薄いピンクの肉の色ですね。
カラフトマスの生態として最も特徴的なのは、海に出て、2年で成魚となり、川に帰ってくるということ。この隔年での回帰は漁業にも大きな影響を及ぼす性質となっています。1年ごとに帰ってくる集団が変わるわけで、隔年で大漁と不漁を繰り返す傾向があるのです。また、回帰性が高くないため、育った川と別の川に帰ってくることも多いようです。

鮮魚として売られることは少ない種類ですが、脂が豊富で、ギンザケやシロザケよりもおいしい、という人も多いです(こればかりは好みですが)。焼いたり揚げたり味噌仕込みの鍋にしたりと幅広く使われます。

2023年04月11日

鱒なんだか鮭なんだか「マスサーモン」の正体とは

サケとマスの違いは、降海するのがサケで、淡水でずっと過ごすのがマスというざっくりした分け方があるものの、学術的というより、食をはじめとした、私たちの文化が作り出した分け方といえるもの。

日本の鮭と鱒に対応する(といっても厳密には差異があるのだけど)、英語のsalmonとtroutも同様に、種としてはっきりわけられるわけではありません。

という話を何度かしていたのですが、いくらなんでもそれはないだろう、という魚の名前を発見しました。それは「マスサーモン(masu salmon)」。

まぎらわしいです。ちょっといいかげんにしてください!
実はこのマスサーモンは、英語でサクラマスを指す言葉。

サクラマスは、カムチャッカ半島や千島、樺太、日本や台湾、韓国などにも生息するサケ目サケ科に属する魚。繁殖期になると、ピンクがかった桜色の婚姻色が現れることから、日本ではこの名で呼ばれています。ちなみに、サクラマスの降海しない陸封型のものはヤマメです。

masu salmonと、英語名に日本語であるマスが入っていることからもうかがえるように、やはり日本に多く分布している魚であることから名づけられたもの。日本語を採用してもらったばっかりに、なかなか欲張りな名前になってしまったのですね。

そのほか、cherry salmonという呼び名もあり、これは日本名のサクラマスを訳したものだと思われます。

ほかに Oncorhynchus masouという言い方もあるそうです。やはりマスが入ってますね。なお、Oncorhynchusは、タイヘイヨウサケ属を示す学名。つまり、学名でもマスという呼び名が使われているわけです。

なんだか誇らしくなりませんか。ならねえか。

以上、いかに鮭と鱒、salmonとtroutの用語が入り乱れて大変なことになっているかという話でした。
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